1433ベステラ株式会社||

ベステラ(1433) 理論株価分析:特許工法による「脱炭素解体」で営業利益はほぼ倍増 カチノメ

決算発表日: 2026-04-162026年1月期 通期
総合業績スコア
74/100
好決算

セクション別スコア

業績成長性75収益性60財務健全性85株主還元80成長戦略75理論株価評価70
業績成長性75
収益性60
財務健全性85
株主還元80
成長戦略75
理論株価評価70

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)20億40億60億80億100億120億140億2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 '27/1売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)-5億0百万5億10億15億2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 '27/10営業利益経常利益純利益利益率推移(%)-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 '27/10営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 1月期 個別 4,179 - 401 269 -
2017年 1月期 個別 4,182 398 404 271 -
2018年 1月期 個別 4,400 360 350 240 -
2018年 1月期 個別 4,497 386 374 264 -
2019年 1月期 連結 5,100 422 406 286 -
2019年 1月期 連結 5,100 422 406 540 -
2019年 1月期 連結 4,927 498 495 622 604
2020年 1月期 連結 3,540 120 120 74 -
2020年 1月期 連結 3,436 93 97 60 58
2021年 1月期 連結 3,800 120 200 130 -
2021年 1月期 連結 3,683 125 213 143 186
2022年 1月期 連結 5,600 450 664 1,357 -
2022年 1月期 連結 5,900 590 830 1,458 -
2022年 1月期 連結 5,967 608 840 1,468 1,317
2023年 1月期 連結 5,250 -270 -140 -200 -
2023年 1月期 連結 5,458 -215 -94 -83 -
2023年 1月期 連結 5,459 -216 -95 -64 -52
2024年 1月期 連結 8,000 210 286 195 -
2024年 1月期 連結 9,300 230 420 285 -
2024年 1月期 連結 9,395 247 408 231 -103
2025年 1月期 連結 11,000 500 600 400 -
2025年 1月期 連結 11,000 500 650 480 -
2025年 1月期 連結 10,897 374 592 410 936
2026年 1月期 連結 13,000 1,200 1,280 950 -
2026年 1月期 連結 12,000 700 700 550 -
2026年 1月期 連結 11,140 741 764 733 805
2027年1月期 13,000 1,000 1,020 700

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 1月期 個別 4,179 - 9.60% 6.44%
2017年 1月期 個別 4,182 9.52% 9.66% 6.48%
2018年 1月期 個別 4,400 8.18% 7.95% 5.45%
2018年 1月期 個別 4,497 8.58% 8.32% 5.87%
2019年 1月期 連結 5,100 8.27% 7.96% 5.61%
2019年 1月期 連結 5,100 8.27% 7.96% 10.59%
2019年 1月期 連結 4,927 10.11% 10.05% 12.62%
2020年 1月期 連結 3,540 3.39% 3.39% 2.09%
2020年 1月期 連結 3,436 2.71% 2.82% 1.75%
2021年 1月期 連結 3,800 3.16% 5.26% 3.42%
2021年 1月期 連結 3,683 3.39% 5.78% 3.88%
2022年 1月期 連結 5,600 8.04% 11.86% 24.23%
2022年 1月期 連結 5,900 10.00% 14.07% 24.71%
2022年 1月期 連結 5,967 10.19% 14.08% 24.60%
2023年 1月期 連結 5,250 -5.14% -2.67% -3.81%
2023年 1月期 連結 5,458 -3.94% -1.72% -1.52%
2023年 1月期 連結 5,459 -3.96% -1.74% -1.17%
2024年 1月期 連結 8,000 2.63% 3.57% 2.44%
2024年 1月期 連結 9,300 2.47% 4.52% 3.06%
2024年 1月期 連結 9,395 2.63% 4.34% 2.46%
2025年 1月期 連結 11,000 4.55% 5.45% 3.64%
2025年 1月期 連結 11,000 4.55% 5.91% 4.36%
2025年 1月期 連結 10,897 3.43% 5.43% 3.76%
2026年 1月期 連結 13,000 9.23% 9.85% 7.31%
2026年 1月期 連結 12,000 5.83% 5.83% 4.58%
2026年 1月期 連結 11,140 6.65% 6.86% 6.58%
2027年1月期 13,000 7.69% 7.85% 5.38%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年1月期(第53期)の連結業績は、売上高11,140百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益741百万円(同98.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益732百万円(同78.8%増)となりました。増収の大幅増益を達成しており、特に利益面での回復が顕著です。

注目ポイント

「脱炭素解体」の推進と特許工法の優位性

同社独自の「リンゴ皮むき工法」や「風車の転倒工法」は、大型クレーンの使用を抑えることで、従来の工法と比較してCO2排出量を40〜50%削減、工期も大幅に短縮可能です。これが環境負荷低減を求めるプラントオーナーのニーズに合致し、選択受注による収益性向上に寄与しています。

新中期経営計画「Leading the Future 2030」の始動

2031年1月期を最終年度とする長期ビジョンを策定。連結売上高300億円以上、営業利益33億円以上、ROE20%以上を掲げ、量的拡大と質的充実を同時に追求する方針を明確にしました。

業界動向

高度経済成長期に建設されたプラントの老朽化が進み、解体・更新需要は長期的な拡大傾向にあります。一方で、建設業界全体では技能労働者不足が深刻化しており、ベステラはAIやDX(「診レール」等)を活用した省人化・効率化技術で差別化を図っています。

投資判断材料

  • 強み:プラント解体に特化した唯一無二のエンジニアリング能力と、多数の特許工法。
  • 機会:GX(グリーントランスフォーメーション)に伴う電力・製鉄設備の刷新需要。
  • 懸念:2026年4月に発生した工事現場での設備落下事故による、今後の社会的信用への影響および調査結果。

セグメント別業績

主力の「解体・メンテナンス事業」は売上高10,818百万円(同2.1%増)。下半期に大型工事が順調に進捗したほか、積算体制の整備により粗利率の高い案件を選択受注したことで、セグメント利益は大幅に改善しました。人材サービス等の「その他」は売上高322百万円(同6.5%増)と堅調です。

財務健全性

自己資本比率は前年末の43.9%から64.8%へと大幅に上昇しました。政策保有株式の売却(約14億円の資金獲得)により有利子負債を削減したことが大きく、財務基盤は飛躍的に強化されています。営業キャッシュ・フローも1,644百万円の黒字に転換しました。

配当・株主還元

当期の年間配当は前期の20円から倍増となる40円(中間15円、期末25円)を実施。配当性向は連結ベースで約49%となります。累進配当を基本とし、配当性向40%目安、DOE(株主資本配当率)3.5%以上を掲げる積極的な還元方針を維持しています。

通期業績予想

2027年1月期の計画は、売上高13,000百万円、営業利益1,000百万円、1株当たり当期純利益79.00円を掲げています。戦略的な拠点拡大(大阪、四日市等)や、海外市場へのアプローチ(シンガポール、韓国等)を通じて、成長スピードを加速させる計画です。

中長期成長戦略

脱炭素解体®の工法開発とAI活用のほか、M&Aや戦略的パートナーシップ(DENZAI社との海外展開提携等)を推進。さらに、原子力発電設備の廃止措置分野への本格参入を視野に入れた技術プラットフォーム化を進めています。

リスク要因

特定の主要顧客(日本製鉄、JFEグループ等)への依存度が高いこと、工事現場における労働災害リスク(直近の事故調査含む)、資機材価格の高騰などが挙げられます。

ESG・サステナビリティ

TCFD提言に基づく情報開示を行い、解体プロセスそのものを環境貢献型へと進化させる「脱炭素解体」をコア事業に据えています。再生プラスチック建材の開発など、循環型社会の実現に向けた取り組みも強化しています。

経営陣コメント

本田豊社長は、新体制下で「壊すことを考える会社」から「解体業界のリーディングカンパニー」への飛躍を強調。AI解析による再資源化率の最大化など、技術力による収益性改善に自信をのぞかせています。

バリュエーション

当期実績に基づくPER(株価収益率)は14.46倍。自己資本比率の向上と高水準の配当利回りを考慮すると、独自の技術的優位性を持つ成長銘柄としては、依然として評価の余地がある水準と言えます。

過去決算との比較

売上高は第4四半期に計上が集中する季節性がありますが、今期は積算精度の向上により通期での利益率が改善。赤字を計上した第50期から完全に脱却し、過去最高益を更新するV字回復を遂げました。

市場の評判

Besterra Co., Ltd. is a plant demolition company with a strong safety record. It focuses on complex, large-scale equipment demolition, mainly in the steel, oil, and power sectors. The company has ambitious growth plans involving AI, overseas expansion, and regional office increases.

詳細リサーチレポート

ベステラ株式会社(1433)リサーチレポート

1. 最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年1月期の連結経常利益は、前期比28.9%増の7.6億円に増加.
  • 2027年1月期の連結経常利益は、前期比33.7%増の10.2億円に拡大を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通し.
  • 4期連続増収、3期連続増益となる見込み.
  • 2026年1月期の売上高は111.4億円(前年同期比2.2%増)、営業利益は7.41億円(同98.3%増)、経常利益は7.63億円(同29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7.32億円(同78.8%増).
  • 2031年1月期には、売上高300億円、営業利益33億円(営業利益率11%)、ROE20.0%の高収益体質を確立することを定量目標としている.

2. 業界内での競合ポジションと市場シェア

  • プラント解体工事に特化しており、特許工法に強みを持つ.
  • 「脱炭素解体」工法を強みとしている.
  • プラント解体業界のリーディングカンパニーとしての基盤を確立することを目指している.
  • 競合他社との比較、市場シェアの推移に関する詳細な情報は見つかりませんでした。

3. 成長戦略と重点投資分野

  • 中期経営計画「Leading the Future 中計経営計画2030」を推進.
  • 重点施策として、
- 『質の追求』:「脱炭素解体」の工法開発とAI活用による競争力の強化. - 『量の追求』:プラント集積地域への拠点拡大による成長加速. - 『将来への布石』:海外市場探索と将来展開への基盤整備.
  • AI技術開発のHEROZ(4382.T)と共同で、プラント解体事業における革新的なAI技術の高度活用を目指すプロジェクトを開始.
  • 海外展開に向けて、DENZAIや光洋機械産業との戦略的パートナーシップを締結.
  • 2023年7月には、プラント設備の建設・メンテナンス工事を手がけるオダコーポレーションを子会社化.
  • 過去には、インターアクションから3次元スキャン・モデリング事業を取得した事例がある.

4. リスク要因と課題

  • 2026年4月7日に、川崎市川崎区の施工現場においてアンローダークレーンの解体時に事故が発生し、死傷者が発生.
  • 事故の原因は関係当局が調査中であり、業績への影響は現時点では不明.
  • 大手顧客(JFE、日本製鉄、IHIなど)への依存度が高い.
  • 事故関連費用や訴訟リスクが膨らむ可能性.

5. アナリストの評価と目標株価

  • アナリストによるレーティング、目標株価に関する情報は、見つかりませんでした.
  • みんかぶによる株価予想では、2026年4月14日時点で「1231円で【買い】」と評価されている.

6. 最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年4月9日: 川崎市扇島の工事現場での事故発生を公表. これを受け、株価は大幅反落.
  • 2026年3月12日: 2026年1月期の決算発表。大幅な増収増益.
  • 2025年8月21日: 連結子会社である株式会社ヒロ・エンジニアリング並びに3Dビジュアル株式会社の保有株式の全てを、水道機工株式会社に譲渡することを決定.

7. ESG・サステナビリティへの取り組み

  • 「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」を企業理念に掲げている.
  • SDGsの達成に貢献するために、Environment (環境)、 Social (社会)、 Governance (企業統治) の3要素を重視したESG経営を強化.
  • 「脱炭素解体」をキーワードに、地球温暖化への対応を重要課題として積極的に取り組んでいる.
  • 2021年12月22日に「サステナビリティ基本方針」を制定し、「サステナビリティ委員会」を設置.

8. 配当政策と株主還元

  • 配当性向は40%を目安とし、DOE(株主資本配当率)3.5%以上を目安に累進的に配当する方針.
  • 2026年1月期の1株当たり配当金は40円(予想).
  • 株主優待制度として、保有株式数に応じて「ベステラ・プレミアム優待倶楽部」の優待ポイントを贈呈.

情報源

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年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)5001,0001,5002,0002,5003,000'16/1'18/1'20/1'22/1'24/1'26/1最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍2.0倍4.0倍6.0倍8.0倍10.0倍12.0倍'16/1'18/1'20/1'22/1'24/1'26/1最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍50倍100倍150倍200倍'16/1'18/1'20/1'22/1'24/1'26/1最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億50億100億150億200億250億'16/1'18/1'20/1'22/1'24/1'26/1最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%'16/1'18/1'20/1'22/1'24/1'26/1最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2016年1月期 1,983 521 46.29 12.15 7.92 2.08 152億9150万 38億9375万 4.11倍
2017年1月期 2,800 726 85.24 22.09 10.65 2.76 232億5456万 57億9952万 8.44倍
2018年1月期 2,681 1,905 84.6 60.11 9.61 6.83 222億6624万 158億6255万 7.48倍
2019年1月期 2,094 1,199 27.83 15.93 6.6 3.78 174億9160万 100億1836万 4.43倍
2020年1月期 1,455 1,186 199.59 162.69 4.72 3.84 121億5739万 99億974万 3.86倍
2021年1月期 2,020 583 116.56 33.64 6.41 1.85 168億7831万 48億7131万 5.29倍
2022年1月期 1,882 1,217 11.37 7.35 3.81 2.46 157億2523万 106億1674万 2.57倍
2023年1月期 1,399 833 赤字 赤字 2.84 1.69 122億1690万 74億8883万 1.86倍
2024年1月期 1,341 851 51.42 32.63 2.91 1.84 120億5585万 76億5066万 2.22倍
2025年1月期 1,171 724 25.32 15.65 2.14 1.32 105億2752万 65億890万 1.76倍
2026年1月期 1,354 882 16.64 10.84 2.22 1.45 125億8840万 79億2935万 1.93倍
最新(株探) 1057 - 13.4倍 - 1.74倍 - - - 1.74倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2016年1月期 7.92 46.29 17.1% 2.08 12.15 17.1%
2017年1月期 10.65 85.24 12.5% 2.76 22.09 12.5%
2018年1月期 9.61 84.6 11.4% 6.83 60.11 11.4%
2019年1月期 6.6 27.83 23.7% 3.78 15.93 23.7%
2020年1月期 4.72 199.59 2.4% 3.84 162.69 2.4%
2021年1月期 6.41 116.56 5.5% 1.85 33.64 5.5%
2022年1月期 3.81 11.37 33.5% 2.46 7.35 33.5%
2023年1月期 2.84 赤字 - 1.69 赤字 -
2024年1月期 2.91 51.42 5.7% 1.84 32.63 5.6%
2025年1月期 2.14 25.32 8.5% 1.32 15.65 8.4%
2026年1月期 2.22 16.64 13.3% 1.45 10.84 13.4%
最新(株探) 1.74倍 13.4倍 13.0% - - -

バリュエーション推移の概要

ベステラ(1433)の過去10年間のバリュエーション推移を俯瞰すると、上場直後の高成長期待期から、収益の変動を伴う成熟・再構築期への移行が鮮明に見て取れます。2016年から2018年にかけては、PBRが一時10倍を超え、PERも80倍を上回るなど、極めて高い成長プレミアムが上乗せされていました。しかし、2020年以降は収益性の変動や赤字計上の影響もあり、バリュエーションは全体として低下傾向にあります。直近の2025年・2026年予測値では、PERは10倍〜16倍台、PBRは1.7倍〜1.9倍台と、過去の推移と比較して落ち着いた水準で推移しています。

PBR分析

PBRの推移は、2017年1月期の高値10.65倍をピークに、長期的な右肩下がりの傾向にあります。2018年までは期末PBRも7.48倍と高水準を維持していましたが、2022年以降は3倍を下回る水準が定着しています。歴史的な安値圏としては、2025年1月期予測の1.32倍や2023年1月期の1.69倍が挙げられ、現在の1.74倍(株探データ)は、過去10年間のレンジ(1.32倍〜10.65倍)において、下限に近い低位水準に位置しています。解体工事という実需を伴う事業特性を背景に、解散価値である1倍は維持しつつも、かつての「期待先行型」の評価からは修正が進んだ状態と言えます。

PER分析

PERは非常に激しい変動を示しており、同社の利益構成の変化を物語っています。2020年1月期には一時199.59倍という極端な高値を記録し、2023年1月期には最終赤字に転落するなど、収益の安定性に課題が見られました。一方で、2022年1月期の安値7.35倍や、2026年1月期予測の10.84倍〜16.64倍という数値は、市場が同社の収益力をより現実的に見積もり始めていることを示唆しています。赤字を脱した直近の予測データでは、PERは10倍台半ばに収束しつつあり、過去の100倍を超えるような異常値を除けば、概ね一般的な中小型株の評価水準に戻りつつあります。

時価総額の推移

時価総額は、2017年1月期の232億5456万円をピークに、現在は100億円から120億円前後のレンジで推移しています。2016年の上場初期(最低時価総額38億9375万)と比較すれば、企業規模そのものは拡大していますが、2017年から2021年頃に見られた150億円以上の評価を維持できていない点は留意すべきポイントです。2025年、2026年の予測値では100億〜125億円程度の評価となっており、市場は同社の現在の事業規模と収益性に対して、100億円台前半を妥当な時価総額と判断している状況がうかがえます。

現在のバリュエーション評価

現在のバリュエーション(PER 13.4倍、PBR 1.74倍)を歴史的水準と比較すると、PBRにおいては過去最低圏に近い「割安な水準」に位置しており、下値余地は限定的になりつつあるとの見方も可能です。PERについても、かつての高PER(40〜100倍超)と比較すれば大幅に是正されており、一過性の要因を除けば妥当、あるいはやや保守的な評価と言えます。ただし、これは過去の高い成長期待が剥落した結果でもあり、再びバリュエーションが切り上がるためには、今後の収益の安定性および成長性の再証明が市場から求められている局面にあると分析されます。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-30億-20億-10億0百万10億20億30億40億'17/1'19/1'21/1'23/1'25/1'26/10営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-30億-20億-10億0百万10億20億30億40億'17/1'19/1'21/1'23/1'25/1'26/10設備投資#1フリーCF現金等残高推移5億10億15億20億25億'17/1'19/1'21/1'23/1'25/1'26/1現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2017年1月期 通期 -760 -29 412 -788 -32 702
2018年1月期 通期 370 -5 -314 365 -3 753
2019年1月期 通期 1754 298 -777 2052 -188 2031
2020年1月期 通期 -154 -2543 1605 -2697 -46 939
2021年1月期 通期 -109 -101 638 -210 -5 1367
2022年1月期 通期 538 -33 250 505 -22 2122
2023年1月期 通期 -355 -515 85 -870 -93 1338
2024年1月期 通期 -1422 25 1504 -1398 -23 1444
2025年1月期 通期 -607 1482 -719 875 -39 1599
2026年1月期 通期 1644 1490 -3301 3134 -9 1434

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

ベステラ株式会社(1433)の過去10年間のキャッシュフロー(CF)推移を確認すると、年度ごとの変動が非常に激しいのが特徴です。特に2024年1月期までは営業CFのマイナスが目立ち、外部調達や資産売却で現金を補填する傾向が見られました。しかし、直近の2026年1月期においては、営業CFが16.44億円のプラス、投資CFが14.90億円のプラス、財務CFが33.01億円のマイナスとなっています。提供されたフレームワークに基づくと、直近のCFパターンは「リストラ型(資産売却で借入返済)」に判定されます。これは、本業での現金創出力が回復しつつ、資産の整理によって負債の圧縮や株主還元を進めている状態を示唆しています。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、2019年1月期の17.54億円をピークに、その後はマイナス圏で推移する年度が多く、本業による現金創出力には不安定さが残ります。特に2024年1月期には14.22億円の大幅な赤字を記録しました。しかし、2026年1月期には16.44億円と過去2番目の高水準まで回復しています。このV字回復が一時的な売掛金の回収などによるものか、あるいはプラント解体事業等の本業の収益性が構造的に改善したものかを注視する必要があります。長期的には、営業CFが継続してプラスを維持できるかどうかが、企業の自立的な成長の鍵となります。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

投資CFの動きは非常に戦略的です。2020年1月期には25.43億円の大きな投資(マイナス)を行っていますが、2025年1月期(14.82億円)および2026年1月期(14.90億円)には大幅なプラスに転じています。設備投資額自体は年間数千万円規模(直近2026年1月期は900万円)と限定的であることから、この投資CFのプラスは、過去に取得した有価証券や子会社株式、あるいは固定資産の売却によるキャッシュの回収が進んでいることを示しています。攻めの投資フェーズから、現在は投資のリターンを回収し、資産の効率化を図るフェーズに移行していると分析できます。

フリーキャッシュフロー分析

フリーCF(営業CF+投資CF)は、2026年1月期において31.34億円という極めて高い数値を記録しました。これは営業CFの回復と資産売却(投資CFのプラス)が重なった結果です。2023年1月期(-8.70億円)、2024年1月期(-13.98億円)と苦しい時期が続いていましたが、直近2年でキャッシュの創出力は劇的に改善しています。この潤沢なフリーCFは、後述する財務体質の健全化や、次なる成長投資、あるいは配当などの株主還元に向けた強力な原資となります。ただし、投資CFのプラス(資産売却)による押し上げ効果は永続的ではない点に留意が必要です。

財務戦略・現金残高の評価

財務戦略においては、機動的な資金調達と返済が行われています。営業CFが苦しかった2024年1月期には、財務CFで15.04億円を調達し、手元の現金残高を維持しました。一方で、フリーCFが大幅なプラスとなった2026年1月期には、財務CFが33.01億円のマイナスとなっており、蓄積したキャッシュを借入金の返済や還元に充てたことが分かります。現金等残高は、2017年1月期の7.02億円から、直近では14.34億円まで積み上がっており、事業規模に応じた手元流動性は十分に確保されていると評価できます。

キャッシュフロー総合評価

ベステラ株式会社のキャッシュフローデータ全体を評価すると、過去数年間の厳しい局面を脱し、現在は「財務基盤の再構築とキャッシュの回収期」にあると言えます。2026年1月期の31.34億円にのぼるフリーCFは、同社の財務的レジリエンス(回復力)を示すものです。設備投資額を低く抑えつつ、資産売却と本業の回復を組み合わせることで、急速にバランスシートをスリム化させています。今後の焦点は、資産売却によるキャッシュ流入が落ち着いた後、営業CFのみでどの程度の投資余力を維持できるか、という「稼ぐ力の持続性」に移行していくと考えられます。

DCF法による理論株価分析

DCF分析の前提条件

パラメータ 説明
WACC(割引率) 8.5% 加重平均資本コスト
FCF成長率 10.0% 予測期間中の年平均成長率
EV/FCF倍率 3.15倍 ターミナルバリュー算出用(現在の市場評価)
予測年数 5年 将来FCFの予測期間
発行済株式数 9,292,000株 理論株価算出の分母
現金及び現金同等物 14億 非事業資産として加算
有利子負債 15億 企業価値から控除

将来フリーキャッシュフロー予測

予測年 予測FCF 現在価値(PV)
1年目 34億 32億
2年目 38億 32億
3年目 42億 33億
4年目 46億 33億
5年目 50億 34億
ターミナルバリュー 159億 106億
フリーキャッシュフロー推移(実績 + DCF予測)-20億0百万20億40億60億2224262028予2030予2031予0FCF実績FCF予測

理論株価の算出プロセス

① 予測FCF現在価値の合計 163億
② ターミナルバリューの現在価値 106億
③ 事業価値(① + ②) 269億
④ 加算: 現金及び現金同等物 +14億
⑤ 控除: 有利子負債 -15億
⑥ 株主価値(③ + ④ − ⑤) 269億
DCF理論株価
2,890円
現在の株価
1,057円
乖離率(割安)
+173.4%

感度分析(理論株価: 円)

WACC(横軸)とFCF成長率(縦軸)を変化させた場合の理論株価の変動を示します。

WACC →
FCF成長率 ↓
6.5%7.5%8.5%9.5%10.5%
5.0%2,6012,5112,4262,3452,268
7.5%2,8422,7432,6492,5602,474
10.0%3,1042,9942,8902,7912,697
12.5%3,3863,2653,1503,0412,937
15.0%3,6913,5583,4313,3113,196

※ 緑色: 現在株価(1,057円)より高い(割安方向) / 赤色: 低い(割高方向) / 青背景: 現在の前提条件

DCF分析の総合評価

ベステラ株式会社(1433)のDCF分析に基づく理論株価は2,890円と算出されました。現在の市場株価1,057円と比較すると、乖離率は+173.4%に達しており、理論上は「著しく割安」な水準にあると評価されます。この乖離の主因は、市場が将来のキャッシュフロー(FCF)創出力に対して極めて慎重な見方をしているのに対し、本モデルでは年率10%の堅調な成長を前提としている点にあります。現在の株価水準は、将来の成長期待がほとんど織り込まれていない「バリュー株」としての側面が強く、予測通りの業績推移が実現すれば、大きなリバリュー(再評価)の余地を示唆しています。

フリーキャッシュフローの質

過去の実績を確認すると、2020年1月期の-2,697百万円や2024年1月期の-1,398百万円など、FCFがマイナスに振れる年が散見されます。これは同社のビジネスモデルが大型案件の進捗や受注タイミング、資機材への投資に左右されやすく、キャッシュフローのボラティリティ(変動性)が高いことを示しています。一方で、2025年1月期の875百万円、2026年1月期の3,134百万円という予測値は、過去最高益を更新し続ける意欲的な計画に基づいています。この予測の信頼性は、同社が得意とするプラント解体事業の市場拡大(老朽化インフラの増加)が、どれだけ確実にキャッシュインに結びつくかに依存しており、過去の不安定な実績を克服できるかが重要な鍵となります。

前提条件の妥当性

本分析では、WACC(加重平均資本コスト)を8.5%に設定しています。これは中小型株のリスクプレミアムを考慮すると概ね妥当な水準です。また、FCF成長率10.0%は、解体DXや特許技術を武器とする同社の成長余地を反映したものですが、成熟産業としての側面も持つ解体業界においては、やや楽観的なシナリオと言えます。一方で、出口マルチプル(EV/FCF倍率)は3.15倍と、一般的な市場平均(10〜15倍程度)と比較して非常に保守的な(低い)数値が設定されています。これは将来の不確実性をターミナルバリュー(継続価値)の段階で大幅に割り引いて評価していることを意味し、予測期間5年間の成長性への依存度が高いモデル構成となっています。

ターミナルバリューの影響

事業価値269億円のうち、ターミナルバリューの現在価値は106億円であり、企業価値全体に占める割合は約39.4%にとどまっています。一般的なDCF分析では、ターミナルバリューが価値の60%〜80%を占めることが多いですが、本分析では予測期間(1〜5年目)の累計FCF現在価値(163億円)が価値の主軸となっています。これは、5年目以降の不確実な成長に頼りすぎていないという点では健全ですが、裏を返せば「直近5年間で予測通りの爆発的なキャッシュフローが創出されること」が理論株価成立の絶対条件であることを示しています。

感度分析から読み取れること

本モデルにおいて最も感応度が高いパラメータは、予測期間内の「FCF成長率」および「期首のFCFベース」です。WACCを8.5%から1%上昇させたとしても、理論株価への影響はターミナルバリューの比率が低いために比較的限定的(他のモデル比)ですが、FCF成長率が10%から5%に鈍化した場合、理論株価は大幅に下落する可能性があります。また、出口マルチプルが3.15倍という極めて低い水準から、市場平均並みの水準へと見直される(マルチプル・エクスパンション)ことがあれば、さらなる株価上昇のトリガーとなります。

投資判断への示唆

DCF分析の結果は、現在の株価がベステラの将来的な現金創出能力を過小評価している可能性が高いことを示しています。しかし、これはあくまで「予測FCFが実現する」という仮定に基づいたものです。投資家としては、以下の点に留意する必要があります。

1. 過去のFCFの不安定さが解消され、2026年1月期以降の予測値に近い水準を維持できるか。
2. プラント解体というニッチ市場での独占的地位が、予測通りのマージンを確保し続けられるか。
3. DCF法は入力する前提条件(特に成長率や割引率)によって結果が大きく変動する「仮定の積み上げ」であること。

本分析の173.4%という乖離率は魅力的な安全域(マージン・オブ・セーフティ)に見えますが、最終的な投資判断にあたっては、同社の四半期ごとの進捗を確認し、予測との乖離がないかを継続的に監視することが推奨されます。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

老朽化プラント解体需要の拡大を背景に、2026年以降の利益成長とFCFの黒字定着を見込み、成長率を10%と推定しました。WACCは小型株特有のリスクプレミアムを考慮し8.5%に設定、永久成長率は国内の長期名目成長率に準じて1%としています。発行済株式数は2026年1月期の純利益予想とPERから時価総額を逆算して算出、有利子負債は過去のマイナスCF補填のための借入を想定し1,500百万円と推計しました。

⚠️ 免責事項: 本DCF分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 DCF法は前提条件(WACC、成長率等)に大きく依存するため、感度分析を参考に幅を持って評価してください。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

リバースDCF分析(市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,057円)を正当化するために必要なインプライドFCF成長率を逆算しました。

インプライドFCF成長率
-17.6%
市場が織り込む成長率
AI推定FCF成長率
10.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-27.6%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価1,057円
インプライドFCF成長率-17.60%
AI推定FCF成長率10.00%
成長率ギャップ-27.60%(悲観的)
インプライドWACC1.00%
AI推定WACC8.50%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

ベステラ株式会社(1433)の現在の株価1,057円に基づいたリバースDCF分析の結果、市場が織り込んでいるインプライドFCF成長率は-17.60%となりました。これは、市場が同社の将来的なキャッシュフロー創出力に対して極めて「悲観的」な見方をしていることを示唆しています。AIが推定する成長率10.00%と比較すると、-27.60%という大幅なマイナスのギャップが存在します。通常、成長企業の株価にはプラスの成長が期待されるものですが、現在の株価水準は、今後数年にわたりフリーキャッシュフローが毎年2割近く減少していくという、極めて厳しいシナリオを前提としていると言えます。

インプライド成長率の実現可能性

市場が織り込む-17.60%という成長率の妥当性を検討すると、同社の事業環境との乖離が目立ちます。ベステラは老朽化したプラント解体のスペシャリストであり、国内の高度経済成長期に建設された製鉄所、化学プラント、発電所などの解体需要は中長期的に増加傾向にあります。特許工法(リンゴ皮むき工法等)による高い技術的優位性を考慮すれば、事業規模がこれほど急激に縮小する可能性は低いと考えられます。一方で、インプライドWACCが1.00%という極めて低い値であるのに対し、AI推定のWACCが8.50%である点は注意が必要です。これは、市場が同社の資本コスト(リスク)を過小評価しているか、あるいは将来の不確実性を成長率の低減という形で価格に反映させている可能性があります。市場の悲観論が単なる過小評価なのか、あるいは受注サイクルの変動や資材高騰による利益率低下を織り込んだものなのかを慎重に精査する必要があります。

投資判断への示唆

今回の分析結果は、現在の株価1,057円がベステラの本来の成長ポテンシャルを十分に反映していない可能性を浮き彫りにしています。AI推定の成長率10.00%が実現すると仮定した場合、現在のマイナス成長という市場期待との間には巨大なバリューの乖離が生じていることになります。投資家にとって、この-27.60%という成長率ギャップは、一種の「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」と捉えることも可能です。つまり、同社の成長が横ばい(0%成長)であったとしても、現在の株価は理論上、割安な水準にあると解釈できる余地があります。ただし、最終的な投資判断にあたっては、プラント解体市場のサイクル、受注残高の推移、および同社が掲げる中期経営計画の進捗状況を照らし合わせ、市場の悲観論を覆すだけのファンダメンタルズが維持されているかを確認することが肝要です。

拡張感応度分析・シナリオ分析

感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

金利上昇はWACCの増加、景気後退はFCF成長率の低下として理論株価に影響します。

WACC →
FCF成長率 ↓
6.5%7.5%8.5%9.5%10.5%
5.0%2,6012,5112,4262,3452,268
7.5%2,8422,7432,6492,5602,474
10.0%3,1042,9942,8902,7912,697
12.5%3,3863,2653,1503,0412,937
15.0%3,6913,5583,4313,3113,196

※ 緑色: 現在株価(1,057円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
WACC: 7.0% / FCF成長率: 15.0%
永久成長率: 1.5%
3,623円
+242.8%
基本シナリオ
WACC: 8.5% / FCF成長率: 10.0%
永久成長率: 1.0%
2,890円
+173.4%
悲観シナリオ
WACC: 10.0% / FCF成長率: 2.0%
永久成長率: 0.5%
2,075円
+96.3%

シナリオ分析の総合評価

ベステラ株式会社(1433)のシナリオ分析結果によれば、理論株価の推計範囲は2,075円(悲観)から3,623円(楽観)の間となりました。現在の株価1,057円は、最も保守的な前提を置いた「悲観シナリオ」の理論株価(2,075円)をも大幅に下回る水準にあります。具体的には、悲観シナリオにおいても現在の株価より+96.3%の乖離(アップサイド)が認められ、市場価格と理論価値の間に大きな乖離が生じている可能性が示唆されます。基本シナリオ(2,890円)と比較した場合は、現在株価に対して約2.7倍の評価となっており、現時点での株価は極めて割安な水準に放置されている、あるいは将来の成長性やリスクに対して市場が非常に慎重な見方をしていると評価できます。

金利変動の影響

WACC(加重平均資本コスト)の変化は、理論株価に顕著な影響を与えます。本分析ではWACCを7.0%から10.0%の範囲で設定していますが、基本シナリオ(8.5%)から悲観シナリオ(10.0%)へ1.5ポイント上昇した場合でも、理論株価は2,000円台を維持しています。DCF法においてWACCの上昇は割引率の増加を意味し、理論株価を押し下げる要因となりますが、同社の場合、WACCが10.0%という高水準まで上昇(金利上昇やリスクプレミアムの拡大を想定)したとしても、現行株価を大きく上回る計算となります。このことから、一定程度の金利上昇や資本コストの増大に対する耐性は備わっていると分析されます。

景気変動の影響

FCF(フリー・キャッシュ・フロー)成長率が理論株価に与える影響を検討すると、成長率が15.0%(楽観)から2.0%(悲観)へと大幅に鈍化した場合、理論株価は3,623円から2,075円へと約42%下落します。同社はプラント解体という特定のニッチ市場で強みを持っており、景気後退局面で企業の設備投資抑制が起きた場合、成長率の鈍化は避けられません。しかし、成長率を2.0%、永久成長率を0.5%と、成熟企業並みの極めて保守的な水準に設定した「悲観シナリオ」においても、理論株価が現在株価(1,057円)の約2倍となっている点は注目に値します。これは、現在の株価が「成長がほぼ止まる」というリスクを既に織り込み済みである可能性を示しています。

投資判断への示唆

本分析における最大のポイントは「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」の広さです。最も厳しい前提条件を置いた悲観シナリオの理論株価(2,075円)が現在株価を約96%上回っている事実は、投資家にとっての下値リスクに対する防波堤が厚いことを示唆しています。ただし、これほど大きな乖離がある場合、市場が「流動性リスク」「特定の受注遅延」「中期経営計画の未達懸念」など、DCFモデルの主要変数以外の要素を強く懸念している可能性も考慮すべきです。投資に際しては、この理論上の割安感(バリュー)が顕在化するためのカタリスト(株価上昇のきっかけ)が何かを精査することが肝要です。最終的な投資判断は、これらの定量的な分析結果に加え、定性的な経営環境の変化を考慮した上で行う必要があります。

モンテカルロシミュレーション

シミュレーション結果サマリー

WACC・FCF成長率・永久成長率をそれぞれ正規分布でランダムに変動させ、26,586回のDCF計算を実行した結果です。DCF計算の非線形性(特にゴードン成長モデルの割引構造)により、理論株価の分布は対数正規分布に近い形状となるため、ヒストグラムは対数スケールで表示しています。

平均理論株価
4,904円
中央値
4,982円
90%レンジ(5-95%点)
4,283 〜 5,260円
割安確率
100.0%
理論株価 > 現在株価
モンテカルロシミュレーション:理論株価の確率分布(26,586回・対数スケール)0.0%1.8%3.6%5.4%7.2%9.0%4,088円4,229円4,376円4,527円4,684円4,846円5,014円5,187円シミュレーション分布現在株価

※ ヒストグラムは対数スケールで表示し、外れ値の影響を抑えるため分布の中央96%(2〜98パーセンタイル)を表示しています。対数スケールにより、DCF計算の非線形性に起因する右裾の歪みが補正され、分布の形状をより正確に把握できます。平均・中央値・パーセンタイルなどの統計値は元のスケールで有効サンプル全体から計算しています。

理論株価のパーセンタイル分布

シミュレーション結果を小さい順に並べたとき、各パーセンタイルにおける理論株価を示します。

パーセンタイル 5% 10% 25% 50% 75% 90% 95%
理論株価4,283円4,461円4,731円4,982円5,152円5,234円5,260円

※ 緑色: 現在株価(1,057円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 中央値(50%タイル)

リスク指標

理論株価の標準偏差 313円
5% VaR(下位5%タイル) 4,283円
変動係数(CV = σ / 平均) 6.4%
有効シミュレーション数 26,586 / 100,000

確率分布の解釈

今回のモンテカルロシミュレーションの結果、理論株価の平均値は4,904円、中央値は4,982円となりました。分布特性として対数正規分布に近い形状を示しており、平均値よりも中央値が高い数値となっている点は、DCF法の感応度分析において高めの成長率が維持された場合に、価値が指数関数的に伸びやすい特性を反映しています。5パーセンタイル(4,283円)から95パーセンタイル(5,260円)という約1,000円のレンジ内にシミュレーション結果の90%が収まっており、特定の期待値に偏りすぎない安定した分布が確認されます。有効試行回数が26,586回(約26%)に留まっている点は、設定されたWACCと永久成長率の組み合わせにおいて、一部のケースで数学的整合性(WACC ≦ 永久成長率など)が維持できなかった可能性を示唆しますが、有効サンプル内での分布は非常に明確なコンセンサスを形成しています。

リスク評価

リスク指標としての5% VaR(バリュー・アット・リスク)は4,283円と算出されました。これは、成長率の鈍化や資本コストの上昇といった悲観的なシナリオが同時並行で発生したとしても、95%の確率で理論株価が4,283円を上回ることを意味しています。変動係数(CV)は約6.38%(313円÷4,904円)と低水準に抑えられており、入力パラメータの不確実性(標準偏差)が理論株価に与える影響は限定的です。パーセンタイル分布の幅(5%と95%の差)が977円であることは、ベステラ株式会社の事業モデルがFCF成長率の多少の変動に対して、理論上の企業価値を大きく損なわないレジリエンスを備えていることを示唆しています。

現在株価の統計的位置づけ

現在株価1,057円をシミュレーション結果と比較すると、極めて特異な統計的位置づけにあることがわかります。割安確率は100.0%であり、26,586回の有効な計算結果すべてにおいて、理論株価が現在株価を上回りました。現在株価は、最も保守的なシナリオである5%パーセンタイル値(4,283円)の約4分の1の水準に位置しており、統計的な分布から完全に外れた下方に乖離しています。これは、市場が現在織り込んでいる期待値が、本シミュレーションで設定した平均成長率(10.0%)やWACC(8.5%)といった前提条件を大幅に下回る、極めて過酷な将来予測に基づいていることを示しています。

投資判断への示唆

本シミュレーション結果に基づけば、ベステラ株式会社の現在の株価水準は、マージン・オブ・セーフティ(安全域)が極めて大きい状態にあると評価できます。平均理論株価(4,904円)に対する現在株価の乖離率は約78.4%に達しており、ファンダメンタルズと株価の間に巨大なギャップが存在しています。投資家は、この乖離を「市場の過小評価による投資機会」と捉えることができますが、一方で、なぜ市場がこれほどまでに低い評価を下しているのか(例えば、短期的な業績進捗の遅れや流動性リスクなど)を慎重に見極める必要があります。シミュレーション上の「割安確率100%」は強力なバックストップとなりますが、最終的な投資判断にあたっては、この理論上の価値が顕在化するまでの時間軸と、前提条件としたFCF成長率10%の実現可能性を十分に精査することが求められます。

📖 モンテカルロシミュレーションの読み方:
  • 割安確率: シミュレーション結果のうち、理論株価が現在株価を上回った割合。50%超なら統計的に割安寄り
  • 90%レンジ(5-95%点): 全シミュレーション結果を並べたときの下位5%点から上位95%点までの範囲。幅が広いほど不確実性が高い
  • 5% VaR: 悲観的な条件下でも95%の確率でこの値以上になると期待される最低ライン
  • 変動係数: 平均に対する標準偏差の比率。30%超だとパラメータ感度が高い(結果の信頼性に注意)
⚠️ 免責事項: 本モンテカルロシミュレーションはAIが推定したパラメータの分布に基づく統計的な参考値であり、投資助言ではありません。 入力パラメータに正規分布を仮定し、DCF計算の非線形性により出力は対数正規分布に近い形状となります。パラメータ間の独立性の仮定など、実際の市場とは異なる前提を含んでいます。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS/BPSベース理論株価分析

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 79.00円 1株あたり利益
直近BPS 607.47円 1株あたり純資産
1株配当 40.00円 年間配当金
EPS成長率 12.0% 予測期間中の年平均
割引率 10.0% 将来EPSの割引率
想定PER 13.40倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2027年1月 607.47 79.00 40.00 39.00 646.47 13.00 0.00 13.40 1.64 79.00 1,059
2028年1月 646.47 88.48 40.00 48.48 694.95 13.69 12.00 13.40 1.71 80.44 1,186
2029年1月 694.95 99.10 40.00 59.10 754.05 14.26 12.00 13.40 1.76 81.90 1,328
2030年1月 754.05 110.99 40.00 70.99 825.04 14.72 12.00 13.40 1.80 83.39 1,487
2031年1月 825.04 124.31 40.00 84.31 909.34 15.07 12.00 13.40 1.83 84.90 1,666
ターミナル 1034.29
PER×EPS 理論株価
1,059円
+0.2%
DCF合計値
1,443.92円
+36.6%
現在の株価
1,057円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 409.63円
ターミナルバリュー現在価値 1034.29円(全体の71.6%)
DCF合計理論株価 1,443.92円

EPS/BPSモデルの総合評価

ベステラ株式会社(1433)の現在のバリュエーションは、短期的な利益指標と中長期的な成長期待の間で乖離が生じている状態にあります。現在株価1,057円に対し、直近の予測EPSに基づく「PER×EPS理論株価」は1,059円と算出され、市場価格は足元の業績をほぼ適正に反映していると言えます。一方、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた「DCF合計理論株価」は1,443.92円に達しており、現在株価との乖離率は+36.6%となっています。この差は、市場が2028年以降の利益成長(EPS成長率12%)を十分に織り込んでいない、あるいは何らかのリスクプレミアムを考慮している可能性を示唆しています。

ROE推移の見通し

本モデルにおいて、ROE(自己資本利益率)は2027年1月期の13.00%から2031年1月期には15.07%へと上昇する予測となっています。通常、内部留保によりBPS(1株純資産)が蓄積されると、分母の拡大によってROEは低下圧力を受けますが、本予測ではEPS成長率(12.0%)が自己資本の蓄積スピードを上回る前提となっているため、資本効率が向上するシナリオを描いています。このROEの上昇に伴い、PBR(株価純資産倍率)も1.64倍から1.83倍へと切り上がっていく推移が示されており、高付加価値なプラント解体工法の優位性を維持できるかどうかが、このROE向上シナリオの実現鍵となります。

前提条件の妥当性

本モデルの核となる「EPS成長率12.0%」は、老朽化プラントの解体需要という構造的な追い風を受ける同社の事業環境に照らせば、一定の根拠を持つ水準と言えます。しかし、建設・解体業界における人件費の上昇や、案件受注の端境期による変動リスクには注意が必要です。「想定PER 13.40倍」は、過去の平均的な水準と比較して保守的から中立的な設定であり、過度な期待は排除されています。また、「割引率10.0%」は、同社の事業規模(中小型株)に伴うボラティリティを考慮したリスクプレミアムとして概ね妥当な水準と考えられます。

投資判断への示唆

以上の分析結果から、ベステラは「足元の業績に基づけば妥当な水準(1,059円前後)で推移しているが、将来の成長力(DCFベース)に照らせば割安(1,444円相当)」という評価になります。投資家は、同社が掲げる成長戦略の進捗や、実際に年率12%程度のEPS成長を持続できるかを見極める必要があります。もし成長の確実性が高まったと判断されれば、DCFベースの理論株価へ向けた修正(水準訂正)が期待できる局面ですが、成長率が鈍化、あるいはROEが低下に転じた場合には、理論株価の下押し圧力が強まる点に留意すべきです。最終的な投資判断は、これらの成長シナリオの実現可能性と、個々の投資家におけるリスク許容度に基づいて検討されるべきです。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

2024年から2027年にかけてのEPSは高いCAGRを示していますが、直近予測の微減を踏まえ、中長期的な持続可能成長率は12%と保守的に推定しました。割引率は、同社が中小型株であることやプラント解体事業のサイクルを考慮し、日本企業の標準的な資本コストにリスクを反映させた10%としています。現在のPER13.4倍という水準は、急激な拡大よりも着実な利益成長を市場が織り込んでいることを示唆しています。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS成長率0%が続く場合の理論株価

将来のEPS成長率を0%(横ばい)と仮定した場合の試算です。本編のベースシナリオとは前提が異なります。

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 79.00円 1株あたり利益
直近BPS 607.47円 1株あたり純資産
1株配当 40.00円 年間配当金
EPS成長率 0.0% 予測期間中の年平均
割引率 10.0% 将来EPSの割引率
想定PER 13.40倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2027年1月 607.47 79.00 40.00 39.00 646.47 13.00 0.00 13.40 1.64 79.00 1,059
2028年1月 646.47 79.00 40.00 39.00 685.47 12.22 0.00 13.40 1.54 71.82 1,059
2029年1月 685.47 79.00 40.00 39.00 724.47 11.52 0.00 13.40 1.46 65.29 1,059
2030年1月 724.47 79.00 40.00 39.00 763.47 10.90 0.00 13.40 1.39 59.35 1,059
2031年1月 763.47 79.00 40.00 39.00 802.47 10.35 0.00 13.40 1.32 53.96 1,059
ターミナル 657.31
PER×EPS 理論株価
1,059円
+0.2%
DCF合計値
986.73円
-6.6%
現在の株価
1,057円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 329.42円
ターミナルバリュー現在価値 657.31円(全体の66.6%)
DCF合計理論株価 986.73円

0%成長シナリオの意味

本シナリオは、ベステラ株式会社(1433)の将来的なEPS(1株当たり純利益)成長率を0%と仮定した、いわば「現状維持」のストレス・テストです。この分析の結果、PERベースの理論株価は1,059円となり、現在株価(1,057円)とほぼ同水準の結果となりました。

これは、現在の市場価格が「将来的な利益成長をほとんど織り込んでいない」可能性を示唆しています。言い換えれば、同社が今後成長を実現できなかったとしても、現在の利益水準(EPS 79円)と配当水準(40円)を維持し続けることができれば、現在の株価はバリュエーション面で一定の妥当性を持っていると解釈できます。DCF法による理論株価(986.73円)が現在株価を約6.6%下回っている点は、成長がない場合の資本コスト(割引率10%)に対するプレミアムの不足を反映しています。

ベースシナリオとの対比

本編のベースシナリオ(成長率約12.0%)と、今回の0%成長シナリオを比較することで、以下のことが浮き彫りになります。

  • 成長の価値: ベースシナリオでの理論株価と本シナリオの1,059円との差額が、市場が期待すべき「成長プレミアム」となります。現在の1,057円という株価は、0%成長の理論値とほぼ一致しており、投資家が「成長がゼロであっても今の株価は維持される」と見るか、あるいは「市場は同社の成長性を過小評価している」と見るかの分岐点に位置しています。
  • 安全域の検討: 0%成長でも理論株価が現在株価と同等であることは、下方硬直性の根拠となり得ます。一方で、12%の成長が実現した場合には、その成長分がそのまま株価の上昇余力(アップサイド)として期待できる構造になっています。
  • ROEの推移: 0%成長シナリオでは、利益が一定のまま内部留保が蓄積されるため、予測テーブル上のROEは13.00%から10.35%へと徐々に低下する試算となります。持続的な株価上昇には、単なる利益維持だけでなく、再投資による利益成長が不可欠であることを示しています。

留意点

本モデルは、入力された前提条件に基づくシミュレーションであり、将来の株価パフォーマンスを保証するものではありません。以下の点に留意が必要です。

  • 割引率の設定: 今回の計算では割引率を10.0%としていますが、市場環境や同社のリスクプロファイルの変化により、この数値が上下すれば理論株価も大きく変動します。
  • 利益維持の不確実性: 「0%成長」は衰退しないことを前提としていますが、実際のビジネス環境(解体工事市場の動向や競合状況)によっては、利益が現状を維持できず減少するリスクも排除できません。
  • 非財務情報の欠如: 本モデルはEPSやBPSといった財務数値に依存しており、技術力、特許保有数、ESGへの取り組みといった非財務的な強みは直接反映されていません。

以上の結果は、投資判断における一つの「物差し」として活用し、最終的な投資決定はご自身の責任において行われるようお願いいたします。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

2024年から2027年にかけてのEPSは高いCAGRを示していますが、直近予測の微減を踏まえ、中長期的な持続可能成長率は12%と保守的に推定しました。割引率は、同社が中小型株であることやプラント解体事業のサイクルを考慮し、日本企業の標準的な資本コストにリスクを反映させた10%としています。現在のPER13.4倍という水準は、急激な拡大よりも着実な利益成長を市場が織り込んでいることを示唆しています。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

拡張感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

WACC(加重平均資本コスト)は、株主資本コストと負債コストを資本構成比率で加重平均した「企業の資金調達コスト」です。WACCが高いほど将来キャッシュフローの現在価値は低くなり、理論株価は下がります。FCF成長率は、営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた「企業が自由に使えるキャッシュ(フリーキャッシュフロー)」が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準のWACC(8.5%)とFCF成長率(10.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

割引率は、将来の利益やキャッシュフローを現在価値に換算するための率で、投資家が求めるリターン(期待収益率)に相当します。割引率が高いほど将来利益の現在価値は低くなり、理論株価は下がります。EPS成長率は、1株当たり利益(EPS: Earnings Per Share)が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準の割引率(10.0%)とEPS成長率(12.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PER × EPS(理論株価: 円)

PER(株価収益率)は、株価が1株あたり利益(EPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PERが高いほど市場がその企業の将来成長に高い期待を持っていることを意味します。EPS(1株あたり利益)は、企業の純利益を発行済株式数で割った値で、1株あたりの収益力を表します。

基準のPER(13.4倍)とEPS(79円)から、PERは1倍刻み(±100倍)・EPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PBR × BPS(理論株価: 円)

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると、株価が解散価値を下回っていることを意味し、割安と判断される場合があります。BPS(1株あたり純資産)は、企業の純資産を発行済株式数で割った値で、1株あたりの解散価値を表します。

基準のPBR(1.7倍)とBPS(607円)から、PBRは0.1倍刻み(±10.0倍)・BPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

残留利益モデル分析(Residual Income Model)

残留利益モデル(Residual Income Model)

残留利益モデルは、現在のBPS(1株純資産)に将来の「超過利益」の現在価値を加算して理論株価を算出します。 株主資本コストを上回るROEを持続できる企業ほど、BPSに大きなプレミアムが付きます。

理論株価 = BPS₀ + Σ[(ROEₜ − r) × BPSₜ₋₁ / (1+r)ᵗ] + TV/(1+r)ⁿ

前提条件

パラメータ 説明
直近BPS 607.47円 1株あたり純資産(出発点)
直近EPS 79.00円 1株あたり利益
株主資本コスト (r) 10.0% 株主の要求収益率(エクイティチャージの基準)
EPS成長率 12.0% 予測期間中の年平均
1株配当 40.00円 年間配当金(BPS蓄積に影響)
予測年数 5年 個別予測期間

残留利益の年次予測

年度 期首BPS EPS ROE(%) エクイティチャージ 残留利益 PV(残留利益) 期末BPS
2027年1月 607.47 79.00 13.00 60.75 18.25 16.59 646.47
2028年1月 646.47 88.48 13.69 64.65 23.83 19.70 694.95
2029年1月 694.95 99.10 14.26 69.50 29.60 22.24 754.05
2030年1月 754.05 110.99 14.72 75.40 35.58 24.30 825.04
2031年1月 825.04 124.31 15.07 82.50 41.80 25.96 909.34
ターミナル 残留利益の永続価値: 418円 → PV: 259.55円 259.55
理論株価の構成
現在BPS
607.47円
簿価部分
+
残留利益PV合計
108.79円
超過利益の現在価値
+
ターミナルPV
259.55円
永続価値の現在価値
=
RIM理論株価
976円
-7.7%
現在の株価: 1,057円
残留利益モデル:ROEとエクイティチャージの推移10.0%11.0%12.0%13.0%14.0%15.0%16.0%2728293031ROE(%)株主資本コスト(10.0%)
残留利益と現在価値の推移15円20円25円30円35円40円45円2728293031残留利益(円)PV(残留利益)(円)
📖 残留利益モデルの読み方:
  • 残留利益 > 0(ROE > 株主資本コスト)→ 企業はBPS以上の価値を創出。理論株価 > BPS となりプレミアム付与
  • 残留利益 < 0(ROE < 株主資本コスト)→ 資本効率が不十分。理論株価 < BPS となりディスカウント
  • DCF法との違い: RIMはBPS(純資産)を出発点とするため、資産ベースの評価に強く、安定企業・金融機関の評価に適しています

残留利益の評価

ベステラ(1433)の残留利益モデル(RIM)による分析では、企業の価値創造能力が非常に健全であることが示されています。まず、株主資本コスト(r)を10.0%と設定したのに対し、予測期間(2027年1月期〜2031年1月期)のROEは13.00%から15.07%へと段階的に上昇する推移となっています。ROEが株主資本コストを上回っていることは、同社が資本効率を上回る利益を創出しており、残留利益(エクイティチャージ控除後の利益)が常にプラスであることを意味します。具体的には、2027年1月期の18.25円から2031年1月期には41.80円まで残留利益が拡大する見通しであり、持続的な企業価値の積み上げが期待される内容です。

BPSプレミアム/ディスカウントの解釈

現在の純資産(BPS₀)である607.47円に対し、RIMによる理論株価は976円と算出されました。これは、同社が将来生み出す残留利益の現在価値(合計108.79円)と、予測期間以降の成長を織り込んだターミナルバリュー(259.55円)が、解散価値であるBPSに約368.5円(約60.7%)のプレミアムとして上乗せされていることを示しています。PBR(株価純資産倍率)に換算すると約1.6倍の評価に相当し、同社の独自技術(プラント解体等)による高い収益性が、帳簿上の資産価値を大きく上回る事業価値を形成していると解釈できます。

他の評価手法との比較

一般的に、DCF法は将来のフリーキャッシュフロー(FCF)の予測精度に大きく依存し、変動性が高くなる傾向があります。一方、RIMは既知のBPSをベースに「超過利益」を評価するため、より保守的かつ企業の収益構造に即した評価が可能です。今回のRIM理論株価(976円)は現在の市場価格(1,057円)を7.7%下回っています。この乖離は、市場が本モデルで設定したEPS成長率(12.0%)を上回る期待を寄せているか、あるいは老朽化インフラの解体需要といったマクロ環境の追い風を背景に、株主資本コストを10.0%より低く見積もっている可能性を示唆しています。PERの観点で見れば、2027年1月期予測EPS(79.00円)に対し現在株価は13.3倍前後であり、成長性を考慮すると妥当な範囲内にあるとも考えられます。

投資判断への示唆

RIMの結果から導き出される理論株価976円に対し、現在の市場価格1,057円は、ややプレミアムが付与された水準にあります。乖離率は-7.7%であり、モデルの前提条件(資本コスト10%、成長率12%)に基づけば、現在の株価は将来の成長期待をある程度織り込み済みであると言えます。投資家としては、今後のROEがモデルの想定通り15%超まで向上するか、あるいは独自の特許工法による市場シェア拡大がさらに加速するかを注視する必要があります。理論株価をベンチマークとしつつ、市場が織り込んでいる期待値と実績の進捗を比較検証することが、適切な投資判断を行う上での肝要となります。なお、本評価は特定の前提に基づいた試算であり、実際の投資判断はご自身の責任において行われるようお願いいたします。

⚠️ 注意: 残留利益モデルの結果は、EPS成長率・株主資本コスト・BPSの前提条件に大きく依存します。 また、会計基準の違い(日本基準/IFRS)によりBPSの定義が異なる場合があります。投資判断の際は他の手法と合わせてご検討ください。

リバースDCF分析(EPSベース・市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,057円)を正当化するために必要なインプライドEPS成長率を逆算しました。

インプライドEPS成長率
2.1%
市場が織り込む成長率
AI推定EPS成長率
12.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-9.9%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価1,057円
インプライドEPS成長率2.12%
AI推定EPS成長率12.00%
成長率ギャップ-9.88%(悲観的)
インプライド割引率50.00%
AI推定割引率10.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

ベステラ株式会社(1433)の現在の株価1,057円に基づくインプライドEPS成長率は2.12%となっています。これは、株式市場が同社の将来的な利益成長に対して非常に「悲観的」な見方をしていることを示唆しています。AIが推定する成長率12.00%と比較すると、マイナス9.88%もの大きな乖離(ギャップ)が生じています。また、市場が織り込んでいるインプライド割引率が50.00%と、AI推定の10.00%を大幅に上回る極めて高い水準にある点は注目に値します。これは、将来のキャッシュフローに対する不確実性やリスクを市場が非常に強く警戒している、あるいは現状の株価が将来の成長をほとんど評価していない状態にあることを意味します。

インプライド成長率の実現可能性

市場が織り込んでいる2.12%という成長率は、プラント解体という同社の専門特化した事業領域や、老朽化インフラの更新需要という外部環境を鑑みると、比較的保守的なハードルであると考えられます。AI推定の12.00%という成長予測は、同社の持つ特許工法やDX推進による収益性向上の可能性を反映したものと推測されますが、市場との乖離が約10%近い現状では、投資家の多くが「解体工事の進捗遅延」や「資材・人件費の高騰」といったリスク要因を重く見ている、もしくは中長期的な成長シナリオを十分に確信できていない可能性があります。この2.12%という低水準な期待値は、実績がこれをわずかでも上回ることで、市場評価が大きく修正される余地を残しているとも解釈できます。

投資判断への示唆

リバースDCF分析の結果からは、現在のベステラの株価は「期待値が極めて低い状態」にあることが浮き彫りとなりました。AI推定の成長率(12.00%)が妥当であると判断する場合、現在の株価は割安である可能性が高まりますが、一方で50.00%という極めて高いインプライド割引率は、市場が認識している固有のリスクや流動性の懸念が払拭されていないことを示しています。投資家は、同社の四半期決算における受注残の推移や利益率の改善状況を確認し、市場が抱く悲観的な見通し(2.12%の成長)が妥当なのか、あるいはAIが予測するような二桁成長への回帰が現実的なのかを慎重に見極める必要があります。最終的な投資判断は、これらの成長性とリスクのバランスを考慮した上で、ご自身の責任において行われるようお願いいたします。

感応度分析・シナリオ分析

感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

金利上昇は割引率の増加、景気後退はEPS成長率の低下として理論株価に影響します。

割引率 →
EPS成長率 ↓
8.0%9.0%10.0%11.0%12.0%
7.0%1,3321,2831,2361,1911,149
9.5%1,4421,3881,3361,2881,241
12.0%1,5591,5001,4441,3911,340
14.5%1,6841,6191,5581,5011,445
17.0%1,8171,7471,6801,6171,557

※ 緑色: 現在株価(1,057円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
割引率: 8.5% / EPS成長率: 18.0%
1,835円
+73.6%
基本シナリオ
割引率: 10.0% / EPS成長率: 12.0%
1,444円
+36.6%
悲観シナリオ
割引率: 11.5% / EPS成長率: 6.0%
1,133円
+7.2%

シナリオ分析の総合評価

ベステラ株式会社(1433)の現在の株価1,057円を、算出された理論株価と比較すると、非常に興味深い示唆が得られます。基本シナリオ(理論株価1,444円)では、現在の株価に対して+36.6%のアップサイドが見込まれています。特筆すべきは、最も保守的な前提である悲観シナリオ(理論株価1,133円)においても、現在の株価は理論値を約7.2%下回る水準で推移している点です。これにより、現在の市場価格は将来の成長期待を極めて限定的に織り込んでいるか、あるいは資本コスト(割引率)を非常に高く見積もっている可能性が示唆されます。楽観シナリオ(1,835円)と比較した場合には+73.6%という大幅な乖離があり、理論上のレンジは1,133円〜1,835円と、いずれのケースにおいても現行株価を上回る結果となりました。

金利変動の影響

本分析における割引率(10.0%を基準)の変化は、理論株価に顕著な影響を与えます。割引率が8.5%へ低下する楽観シナリオでは、資本コストの低下がバリュエーションを大きく押し上げる要因となります。一方で、割引率が11.5%へ上昇する悲観シナリオでは、将来キャッシュフローの現在価値が圧縮され、理論株価は1,133円まで低下します。同社はプラント解体という特殊技術を有する事業モデルであり、金利水準や市場の期待リスクプレミアムが1.5%変動するだけで、理論株価に数百円単位の差異が生じる感応度の高さが確認できます。投資家は、マクロ経済環境の変化に伴う資本コストの変動が、同社のバリュエーションに与えるインパクトを注視する必要があります。

景気変動の影響

EPS成長率の前提条件(6.0%〜18.0%)は、事業環境の好不調を反映しています。基本シナリオで想定している12.0%の成長率は、老朽化プラントの解体需要の増加を背景とした同社の成長性を反映した数値です。仮に景気後退や工事案件の遅延等により成長率が6.0%まで半減した場合(悲観シナリオ)、理論株価は1,133円となり、基本シナリオから約21.5%減少します。一方で、DX化の進展や大型案件の受注獲得により成長率が18.0%に加速した場合(楽観シナリオ)、理論株価は1,835円まで上昇します。EPS成長率は企業の実行力に直結するため、受注残高の推移や利益率の改善状況が、理論株価の妥当性を判断する重要なKPIとなります。

投資判断への示唆

今回のシナリオ分析の結果、現在の株価1,057円は、悲観シナリオの理論株価1,133円をも下回る水準にあることが明らかとなりました。これは、市場が「年率6%未満のEPS成長」もしくは「11.5%を超える割引率(高いリスク)」を織り込んでいることを意味します。投資家にとっての検討材料は、同社の将来の成長ポテンシャルが市場の悲観的な評価を上回ると判断できるか、あるいは提示された基本シナリオ(成長率12%)の実現可能性をどう評価するかという点に集約されます。理論上の安全域(マージン・オブ・セーフティ)は確保されているように見受けられますが、最終的な投資判断にあたっては、事業計画の進捗状況や業界動向を精査し、ご自身の許容リスクに照らして検討されることが肝要です。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
88.4%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
11.6%
1 − 変動費率
推定固定費
305
百万円
基準: 2026年 1月期 連結(売上高 13,000 百万円)と 2020年 1月期 連結(売上高 3,436 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 1月期 個別 4,182 484 11.6% 2,633 37.0% 1.22倍
18年 1月期 個別 4,400 509 11.6% 2,633 40.2% 1.41倍
18年 1月期 個別 4,497 521 11.6% 2,633 41.5% 1.35倍
19年 1月期 5,100 590 11.6% 2,633 48.4% 1.40倍
19年 1月期 5,100 590 11.6% 2,633 48.4% 1.40倍
19年 1月期 4,927 570 11.6% 2,633 46.6% 1.15倍
20年 1月期 3,540 410 11.6% 2,633 25.6% 3.41倍
20年 1月期 3,436 398 11.6% 2,633 23.4% 4.28倍
21年 1月期 3,800 440 11.6% 2,633 30.7% 3.67倍
21年 1月期 3,683 426 11.6% 2,633 28.5% 3.41倍
22年 1月期 5,600 648 11.6% 2,633 53.0% 1.44倍
22年 1月期 5,900 683 11.6% 2,633 55.4% 1.16倍
22年 1月期 5,967 691 11.6% 2,633 55.9% 1.14倍
23年 1月期 5,250 608 11.6% 2,633 49.9% -
23年 1月期 5,458 632 11.6% 2,633 51.8% -
23年 1月期 5,459 632 11.6% 2,633 51.8% -
24年 1月期 8,000 926 11.6% 2,633 67.1% 4.41倍
24年 1月期 9,300 1,076 11.6% 2,633 71.7% 4.68倍
24年 1月期 9,395 1,087 11.6% 2,633 72.0% 4.40倍
25年 1月期 11,000 1,273 11.6% 2,633 76.1% 2.55倍
25年 1月期 11,000 1,273 11.6% 2,633 76.1% 2.55倍
25年 1月期 10,897 1,261 11.6% 2,633 75.8% 3.37倍
26年 1月期 13,000 1,505 11.6% 2,633 79.8% 1.25倍
26年 1月期 12,000 1,389 11.6% 2,633 78.1% 1.98倍
26年 1月期 11,140 1,289 11.6% 2,633 76.4% 1.74倍
27年1月期 13,000 1,505 11.6% 2,633 79.8% 1.50倍
売上高と損益分岐点売上高の推移2十億4十億6十億8十億1億1億1億17192021222324252627売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.020.040.060.080.017192021222324252627安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2027年1月期)
売上高
13,000
百万円
損益分岐点
2,633
百万円
安全余裕率
79.8%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
1.50倍
低い経営リスク

費用構造の評価

ベステラ株式会社の費用構造は、推定変動費率が88.4%と非常に高く、一方で推定固定費は305百万円と売上規模に対して相対的に低水準に抑えられているのが特徴です。このデータから、同社は典型的な「変動費型ビジネス」であると分析できます。プラント解体という事業特性上、外注費や資材費などのプロジェクト単位で発生する費用が中心であり、自社で大規模な設備資産や多額の固定労務費を抱え込まないスリムな経営体質が伺えます。限界利益率は11.6%と決して高くはありませんが、売上が拡大しても固定費の増加が緩やかであれば、着実に利益を積み上げられる構造です。

損益分岐点と安全余裕率

本分析における損益分岐点売上高は2,633百万円と推定されます。近年の売上推移を見ると、2020年1月期から2021年1月期にかけては3,000〜4,000百万円台で推移しており、当時の安全余裕率は20〜30%台と標準的な水準でした。しかし、2024年1月期以降は売上高が8,000百万円を超え、安全余裕率は70%を上回る水準まで急上昇しています。2027年1月期の予測値(売上高13,000百万円)に基づく安全余裕率は79.8%に達しており、仮に売上高が8割近く減少したとしても赤字に転落しない、極めて強固な収益の安定性を確保していると評価できます。

経営レバレッジとリスク

経営レバレッジは、2020年から2021年頃にかけて3.41〜4.28倍と高い数値を示していました。これは売上高が損益分岐点に近かったため、売上のわずかな変動が利益に大きなインパクトを与える「ハイリスク・ハイリターン」な局面であったことを示しています。その後、売上の急拡大に伴い経営レバレッジは低下傾向にあり、2026年1月期以降は1.25〜1.74倍程度で推移する見通しです。これは、事業の成熟に伴い利益の振れ幅が抑制され、安定成長期に入っていることを示唆しています。ただし、変動費率が高いため、原材料価格の高騰や外注コストの上昇が直接的に限界利益を圧迫するリスクには留意が必要です。

投資判断への示唆

CVP分析の結果から、ベステラは固定費負担を低く抑えつつ、拡大するプラント解体需要を確実に取り込むことで、損益分岐点を大幅に上回る収益構造を構築したことが読み取れます。安全余裕率が80%近い水準にあることは、景気後退局面や予期せぬ受注減に対する耐性が非常に強いことを示しており、保守的な投資家にとってはポジティブな材料となり得ます。一方で、限界利益率が11.6%と一定である前提に立つならば、利益の絶対額を増やすためには継続的な売上高の成長、あるいは原価低減による変動費率の改善が不可欠です。投資家としては、今後の売上成長の持続性と、高水準な安全余裕率を背景とした次なる成長投資(M&Aや技術開発)の動向に注目することが重要です。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 1月期 個別 6.44 × 0.990 × 1.93 = 0.12
18年 1月期 個別 5.45 × 1.127 × 1.67 = 0.10
19年 1月期 5.61 × 1.117 × 1.74 = 0.11
20年 1月期 2.09 × 0.716 × 1.93 = 0.03
21年 1月期 3.42 × 0.630 × 2.35 = 0.05
22年 1月期 24.23 × 0.625 × 2.04 = 0.31
23年 1月期 -3.81 × 0.623 × 1.88 = -0.04
24年 1月期 2.44 × 0.735 × 2.40 = 0.04
25年 1月期 3.64 × 0.996 × 2.32 = 0.08
26年 1月期 7.31 × 1.560 × 1.59 = 0.18
デュポン分析:ROEの3要素推移-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%1719212325260純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移0.501.001.502.002.50171921232526総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2026年 1月期 連結)
純利益率
7.31%
収益性
×
総資産回転率
1.560回
効率性
×
財務レバレッジ
1.59倍
借入で資本効率を59%ブースト
=
ROE
0.18%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

ベステラ(1433)のROEは、過去10年間で-4%から31%まで極めて激しく変動しており、一貫した安定性には欠けるものの、2026年1月期には18%という高い水準への回復が予想されています。分析結果から、この変動の主因は「純利益率」にあることが明確です。2022年1月期のROE 31%は、純利益率が24.23%まで急騰したことによる一時的な押し上げであり、翌2023年1月期には赤字転落(ROE -4%)を経験しています。2026年1月期の予測ROE 18%については、純利益率(7.31%)と総資産回転率(1.560回)の双方が過去最高水準を更新する計画となっており、実現すれば「収益性と効率性が両立した質の高いROE」へと変貌を遂げることになります。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジは、2021年1月期の2.35倍、2024年1月期の2.40倍と、ROEを底上げする要因として機能してきましたが、2026年1月期には1.59倍まで低下する見通しです。これは、借入金などの負債に頼らず、本業の稼ぐ力(純利益率)と資産の有効活用(総資産回転率)によってROEを高める健全な方向性を示唆しています。過去にはレバレッジを高めることでROEを維持していた局面も見受けられますが、足元の予測では財務健全性を高めつつ高ROEを目指す方針が読み取れ、過剰レバレッジによる財務リスクは抑制傾向にあると評価できます。

トレンド分析

時系列で分析すると、大きな構造変化の兆候が見て取れます。2020年から2023年にかけては総資産回転率が0.6回台まで低下し、資産効率の悪化がROEの重石となっていました。しかし、2024年1月期以降は回転率が0.735→0.996→1.560と急ピッチな改善基調にあります。特に2026年予測の回転率1.560回という数値は、従来のビジネスモデルと比較して資産を極めて効率的に売上に転換できる構造(プラットフォーム化や工法開発による高付加価値化など)への転換を前提としている可能性が高いです。純利益率も2023年のマイナスから着実に反発しており、収益構造の立て直しが進行しているトレンドにあります。

投資判断への示唆

デュポン分析から導き出される同社の収益構造は、「純利益率の振れ幅に依存するハイボラティリティ型」から「資産効率と利益率の双方を改善させる成長型」への過渡期にあると評価されます。投資家としては、2026年1月期予測の達成に向けた確実性、特に総資産回転率の大幅な上昇がどのような事業進捗(受注の積み上がりや大型案件の効率的消化など)に裏打ちされているかを精査することが肝要です。ROEの内訳がレバレッジ主導から効率性主導へシフトしつつある点はポジティブですが、純利益率の過去の変動履歴を鑑み、安定的な利益創出能力が定着するかどうかが、長期的な投資価値を左右する境界線となるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 6億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 1.50% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 9百万 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 0.9% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 25.8% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/01 7億 10百万 4億 4億 3億 3億 12.32% 9.73% +2.60%pt
2018/01 5億 10百万 4億 4億 2億 2億 10.29% 8.87% +1.42%pt
2019/01 11百万 0百万 4億 4億 3億 3億 10.88% 10.84% +0.04%pt
2020/01 17億 26百万 1億 1億 74百万 90百万 2.89% 2.09% +0.80%pt
2021/01 25億 38百万 2億 2億 1億 2億 5.06% 3.04% +2.02%pt
2022/01 24億 36百万 7億 7億 14億 14億 30.95% 20.40% +10.54%pt
2023/01 24億 36百万 -1億 -1億 -2億 -2億 -4.46% -2.53% -1.94%pt
2024/01 43億 64百万 3億 4億 2億 2億 4.30% 2.71% +1.59%pt
2025/01 38億 56百万 6億 7億 4億 4億 8.39% 5.13% +3.25%pt
2026/01 6億 9百万 13億 13億 10億 10億 18.10% 16.43% +1.67%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-5億0百万5億10億15億2017/012019/012021/012023/012025/012026/010実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%2017/012019/012021/012023/012025/012026/010実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を増やしている(レバレッジ効果あり)
実績ROE
18.10%
借金なしROE
16.43%
レバレッジ効果
+1.67%pt

事業利益率が借入金利を上回っており、借金によるレバレッジが株主リターン(ROE)を押し上げています。

借金の利益インパクト

ベステラ株式会社の2026年1月期(予測値に基づく分析)における有利子負債は6億円であり、これに伴う推定支払利息は約9百万円と算出されます。同期の純利益(実績値)が10億円であることを踏まえると、利息が純利益に与える影響(利息/純利益比率)はわずか0.9%にとどまっています。 これは、同社が稼ぎ出す利益に対して借入コストが極めて限定的であることを示しており、金利負担が経営の圧迫要因になる可能性は現時点では低いと言えます。また、推定実効税率25.8%を考慮した「借金がなかった場合の純利益」は10億7百万円(実際より約7百万円の微増)とシミュレーションされ、収益構造における負債の影響は非常に軽微です。

レバレッジ効果の評価

財務レバレッジの活用による株主資本利益率(ROE)への寄与度は+1.67%ptと評価されます。実績ROE(18.10%)が「借金なしROE(16.43%)」を上回っており、借入金が株主リターンの向上にプラスに働いている状態です。 過去の経年変化を見ると、2022-01期にはレバレッジ効果が+10.54%ptと非常に高く、効率的な資本運用がなされていました。一方で、赤字を計上した2023-01期には効果が-1.94%ptとマイナスに転じており、業績悪化時には負債がリターンを押し下げる「逆レバレッジ」のリスクも顕在化しています。直近数期ではプラス圏で安定しており、事業利益率が借入コスト(1.50%)を十分に上回る健全なレバレッジ運用が行われていると判断できます。

財務戦略の考察

特筆すべきは、有利子負債の急激な圧縮です。2024-01期の43億円、2025-01期の38億円と比較し、2026-01期には6億円へと大幅に減少しています。これにより、推定支払利息も64百万円から9百万円へと低減し、財務の健全性は飛躍的に高まっています。 推定金利1.50%という水準は、プラント解体という専門性の高い事業を展開する同社の信用力を反映した妥当な範囲と言えます。同業他社(建設・プラントメンテナンス業)と比較しても、自己資本比率の向上と低金利での負債管理を両立させており、将来の成長投資に向けた追加融資の余力を十分に確保した、保守的かつ柔軟な財務戦略へのシフトが見て取れます。

投資家へのポイント

本分析から導き出される投資判断に向けたポイントは以下の通りです。

  • 金利上昇耐性: 借入金の大幅な圧縮(6億円)により、今後市場金利が上昇した場合でも、利益に与えるネガティブな影響は極めて限定的です。
  • 資本効率の質: 直近のROE 18.10%は、過度な負債に頼った「見せかけの向上」ではなく、本業の収益性の高さ(経常利益13億円)に裏打ちされたものです。
  • リスク要因: 過去(2023年)のように経常利益がマイナスに転じた場合、少額であっても負債がROEを押し下げる要因となります。プラント解体需要の波(受注サイクル)に注視が必要です。
  • 成長への備え: 財務基盤が整理されたことで、M&Aや新規設備投資が必要となった際、レバレッジを再活用できる「攻めの余地」が拡大している点は注目に値します。

以上の財務状況を踏まえ、同社の収益性と資本構成のバランスが自身の投資スタンスに合致するかをご検討ください。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 1月期 個別 0 2,833 0.00 5.55 -5.55
18年 1月期 個別 247 2,782 8.87 6.11 +2.76
19年 1月期 297 2,640 11.26 7.01 +4.25
20年 1月期 74 4,305 1.72 4.41 -2.69
21年 1月期 78 5,088 1.53 3.85 -2.32
22年 1月期 315 6,774 4.65 4.78 -0.13
23年 1月期 -189 6,911 -2.73 4.79 -7.52
24年 1月期 143 8,829 1.62 3.93 -2.31
25年 1月期 333 8,522 3.91 4.21 -0.30
26年 1月期 891 5,821 15.30 6.39 +8.91
ROIC vs WACC推移-5.0%0.0%5.0%10.0%15.0%20.0%1719212325260ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2026年 1月期 連結)
ROIC
15.30%
投下資本利益率
WACC
6.39%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
+8.91%pt
高い価値創造力

ROIC水準の評価

ベステラ株式会社(1433)のROIC(投下資本利益率)は、過去数年間で激しい変動を辿っています。2019年1月期の11.26%をピークに、その後は低下傾向を辿り、2023年1月期にはNOPATの赤字転落に伴い-2.73%まで落ち込みました。これは、プラント解体という事業特性上、大型案件の進捗や受注環境によって利益率が大きく左右されることを示唆しています。

しかし、直近の2024年1月期(1.62%)および2025年1月期(3.91%)の推移を見ると、ROICは回復基調にあります。特に2026年1月期の予測値では15.30%という高い水準が示されており、これが実現すれば、一般的な日本企業の平均(5〜6%前後)を大きく上回り、プラント解体業界の中でも極めて高い資本効率を実現することになります。

ROIC-WACCスプレッド分析

資本コストに対する収益性を表すROIC-WACCスプレッドの推移を見ると、2020年1月期から2025年1月期にかけてはマイナス圏で推移しており、投下資本に対して期待されるコストを収益が下回る「価値破壊」の状態が続いていました。特に2023年1月期はスプレッドが-7.52%ptと大きく乖離しています。

一方で、2026年1月期の予測ではスプレッドが+8.91%ptと大幅なプラスに転じる計画となっています。この急激な改善の要因は、以下の2点に集約されます。

  1. 利益の質的向上:NOPATが333百万円(2025年)から891百万円(2026年)へと約2.7倍に急増する見通しであること。
  2. 資本効率の最適化:投下資本を8,522百万円から5,821百万円へと大幅に圧縮する計画であること。
有利子負債の削減や資産の効率化によって分母(投下資本)を絞りつつ、高付加価値案件の取り込みにより分子(利益)を拡大させる、筋肉質な経営体質への転換が評価の鍵となります。

投資家へのポイント

本分析に基づき、投資家が注目すべき点は以下の3点です。

第一に、2026年1月期予測の蓋然性です。NOPATの大幅増と投下資本の急減という、極めて野心的な計画の達成に向けた具体的施策(不採算事業の整理や、特許工法による高利益案件の受注進捗など)が順調に進んでいるかを確認する必要があります。

第二に、外部環境の追い風です。老朽化プラントの解体需要は中長期的に堅調であり、脱炭素社会に向けた設備更新需要も期待されます。この市場環境において、同社が「価値創造評価:高い」とされる水準を維持できるかが焦点となります。

第三に、資本コスト(WACC)の安定性です。同社のWACCは3〜7%程度で推移しており、ビジネスリスクに対して比較的安定した資本コストを維持しています。今後の成長投資に伴う資金調達が、株主資本コストや負債コストにどのような影響を与えるかを注視すべきでしょう。

過去の停滞期を脱し、資本効率を飛躍的に高める「価値創造フェーズ」へと移行できるかどうかが、同社の投資価値を判断する上での最大の分岐点と言えます。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 1月期 個別 4,179 0.00 × 1.475 = 0.00
18年 1月期 個別 4,400 5.61 × 1.582 = 8.87
19年 1月期 5,100 5.83 × 1.932 = 11.26
20年 1月期 3,540 2.09 × 0.822 = 1.72
21年 1月期 3,800 2.05 × 0.747 = 1.53
22年 1月期 5,600 5.63 × 0.827 = 4.65
23年 1月期 5,250 -3.60 × 0.760 = -2.73
24年 1月期 8,000 1.79 × 0.906 = 1.62
25年 1月期 11,000 3.03 × 1.291 = 3.91
26年 1月期 13,000 6.85 × 2.233 = 15.30
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率-4.00-2.000.002.004.006.008.001719212325260NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2026年 1月期 連結)
NOPATマージン
6.85%
NOPAT 891百万円 ÷ 売上 13,000百万円
×
投下資本回転率
2.233回
売上 13,000百万円 ÷ IC 5,821百万円
=
ROIC
15.30%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

ベステラ(1433)の過去10期におけるROIC(投下資本利益率)の推移を分析すると、極めてダイナミックな変動を示しています。2019年1月期の11.26%をピークに、2023年1月期には-2.73%まで落ち込みましたが、2026年1月期には15.30%まで急回復する計画となっています。

この変動の主因はNOPATマージン(収益性)にあります。2023年1月期にはマージンが-3.60%と赤字に転落したことが、ROICをマイナス圏へ押し下げました。一方で、2026年1月期の予測ではマージンが6.85%まで改善する見込みであり、これが利益率向上の原動力となっています。

併せて注目すべきは投下資本回転率(効率性)の動きです。2020年1月期から2024年1月期にかけては1.0回を下回る水準で停滞していましたが、2026年1月期には2.233回と、過去最高水準まで跳ね上がる計画です。これは、収益性の改善と同時に、資産を極めて効率的に売上へ変換するフェーズに移行しようとしていることを示唆しています。

改善ドライバーの特定

ROICをさらに高め、かつ安定させるための最重要課題は、「高付加価値案件の受注拡大によるNOPATマージンの維持」「資産効率の最大化」の両立です。

分析データによれば、2024年1月期(1.62%)から2026年1月期(15.30%)にかけてのROICの急上昇は、マージンが約3.8倍(1.79%→6.85%)に対し、回転率は約2.5倍(0.906回→2.233回)の向上を見込んでいます。この大幅な改善を達成するためには、以下の要素が鍵となります。

  • 独自の特許工法(リンゴ皮むき工法等)による差別化: 競合他社との価格競争を避け、高い利益率(NOPATマージン)を確保すること。
  • プラント解体マネジメントへの特化: 自社で重機を抱えすぎないアセットライトな経営や、DX活用による工程管理の高度化により、投下資本を抑制しつつ売上を拡大させる(回転率の向上)。

投資家へのポイント

ベステラのROIC逆ツリー分析から読み取れる経営の方向性は、「過去の投資・停滞期を経て、利益率と効率性の両輪が噛み合い始める転換点」に立っているという点です。

投資家として注視すべきポイントは以下の通りです。

  • 予測値の現実味: 2026年1月期予測のROIC 15.30%は非常に野心的な数値です。特に投下資本回転率が急増する背景(大規模案件の進捗や資産圧縮の成否)について、継続的な確認が求められます。
  • マージンの安定性: 2023年1月期のような突発的な利益率低下を回避できる体制(コスト管理や不採算案件の排除)が構築されているか。
  • 市場環境の追い風: 老朽化プラントの解体需要という中長期的なトレンドに対し、同社の「知的財産」を武器にした戦略が、資本効率にどう反映されるか。

同社が掲げる急激なROICのV字回復が、一時的なものか、あるいはビジネスモデルの変革による構造的なものかを見極めることが、投資判断の重要な指標となるでしょう。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 1月期 個別 0 157 -157 0.00 5.55
18年 1月期 個別 247 170 77 8.87 6.11
19年 1月期 297 185 112 11.26 7.01
20年 1月期 74 190 -116 1.72 4.41
21年 1月期 78 196 -118 1.53 3.85
22年 1月期 315 324 -9 4.65 4.78
23年 1月期 -189 331 -520 -2.73 4.79
24年 1月期 143 347 -204 1.62 3.93
25年 1月期 333 359 -26 3.91 4.21
26年 1月期 891 372 519 15.30 6.39
EVA(経済的付加価値)推移-1000-50005001.0千1719212325260EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
519
百万円(2026年 1月期 連結)
累積EVA
-442
百万円(10年間合計)
価値創造評価
高い価値創造力

EVAの推移と評価

ベステラ(1433)のEVA(経済的付加価値)推移を概観すると、過去10年間で大きな変動が見られます。2018年1月期から2019年1月期にかけては、ROIC(投下資本利益率)が11.26%(2019年)に達し、EVAも112百万円のプラスを記録するなど、順調な価値創造が行われていました。しかし、2020年1月期以降は一転してEVAがマイナス圏に沈み、特に2023年1月期にはNOPAT(税引後営業利益)が赤字(-189百万円)となったことで、EVAも-520百万円と大幅な価値毀損を記録しています。

注目すべきは、直近の2024年1月期から回復基調にある点です。2025年1月期(予想ベース)ではEVAは-26百万円まで改善し、さらに2026年1月期にはEVA 519百万円、ROIC 15.30%という過去最高水準の価値創造が計画されています。会計上の利益(NOPAT)が着実に回復する中で、資本コスト(WACC 4%〜6%台)を大幅に上回るリターンを生み出せるかどうかの転換点にあります。

価値創造力の持続性

累積EVAが-442百万円であることは、過去の投資や事業運営が株主の期待収益(資本コスト)を完全には充足できていなかったことを示唆しています。しかし、2026年1月期の急激なROIC上昇(15.30%)の予測は、同社の事業構造が「資本を効率的に活用して高付加価値を生み出すフェーズ」へ移行しようとしている可能性を示しています。

プラント解体という専門性の高い事業領域において、特許技術等による差別化が利益率の向上(ROICの改善)に寄与していると考えられますが、2023年1月期のような突発的な利益率低下のリスクも過去には存在しました。したがって、現在の高い価値創造力評価が持続的なものになるためには、2026年1月期の高いパフォーマンスを単発に終わらせず、中長期的にWACC(約6.39%想定)を安定して上回るスプレッドを維持できるかが焦点となります。

投資家へのポイント

本分析結果に基づき、以下の3点を投資判断の材料として提示します。

以上の通り、ベステラは過去の苦境を脱し、劇的な価値創造フェーズへの転換を企図しています。累積EVAのマイナスを解消し、真の株主価値創造を継続できるか、今後の四半期ごとの進捗が重要な判断基準となります。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
6.20倍
有効年度の平均
リスク評価
高リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 1月期 個別 4,182 398 9.52 - - -
18年 1月期 個別 4,400 360 8.18 5.21 -9.55 -1.83
18年 1月期 個別 4,497 386 8.58 2.20 7.22 3.28
19年 1月期 5,100 422 8.27 13.41 9.33 0.70
19年 1月期 5,100 422 8.27 0.00 0.00 -
19年 1月期 4,927 498 10.11 -3.39 18.01 -5.31
20年 1月期 3,540 120 3.39 -28.15 -75.90 2.70
20年 1月期 3,436 93 2.71 -2.94 -22.50 7.66
21年 1月期 3,800 120 3.16 10.59 29.03 2.74
21年 1月期 3,683 125 3.39 -3.08 4.17 -1.35
22年 1月期 5,600 450 8.04 52.05 260.00 5.00
22年 1月期 5,900 590 10.00 5.36 31.11 5.81
22年 1月期 5,967 608 10.19 1.14 3.05 2.69
23年 1月期 5,250 -270 -5.14 -12.02 -144.41 12.02
23年 1月期 5,458 -215 -3.94 3.96 20.37 5.14
23年 1月期 5,459 -216 -3.96 0.02 -0.47 -
24年 1月期 8,000 210 2.63 46.55 197.22 4.24
24年 1月期 9,300 230 2.47 16.25 9.52 0.59
24年 1月期 9,395 247 2.63 1.02 7.39 7.24
25年 1月期 11,000 500 4.55 17.08 102.43 6.00
25年 1月期 11,000 500 4.55 0.00 0.00 -
25年 1月期 10,897 374 3.43 -0.94 -25.20 26.91
26年 1月期 13,000 1,200 9.23 19.30 220.86 11.44
26年 1月期 12,000 700 5.83 -7.69 -41.67 5.42
26年 1月期 11,140 741 6.65 -7.17 5.86 -0.82
27年1月期 13,000 1,000 7.69 16.70 34.95 2.09
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-10.00.010.020.030.0171920212223242526270DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

ベステラ株式会社(1433)の過去数年間のデータに基づくと、平均DOL(営業レバレッジ度)は6.20倍と算出され、同社は典型的な「固定費型」の費用構造を有していると分析されます。一般的にDOLが5倍を超える企業は高リスク・高リターンな構造とされます。同社が手掛けるプラント解体事業は、高度な特許技術や専門的な技術者、安全管理体制の維持が不可欠であり、案件の増減にかかわらず発生する人件費や研究開発費などの固定費比率が高いことが推察されます。この構造により、売上高が損益分岐点を超えた局面では、2022年1月期の売上高52.05%増に対して営業利益が260.00%増(DOL 5.00倍)となったように、爆発的な利益成長を見せる特性があります。

景気変動への感応度

同社の業績は、DOLの高さゆえに景気や外部環境の変化に対して極めて敏感に反応する傾向があります。2023年1月期には売上高が12.02%減少した際、営業利益が144.41%減少し赤字転落(DOL 12.02倍)した事実は、売上のわずかな下振れが利益に甚大なインパクトを与えるボラティリティの高さを示しています。一方で、足元の2025年1月期や2026年1月期の予測値においてもDOLが26.91倍や11.44倍といった極めて高い水準で推移しており、プラント解体市場の拡大という追い風を捉えた際の利益の伸びは大きいものの、プロジェクトの遅延や受注の中断が発生した場合には、利益が急激に圧縮されるリスクを内包しています。

投資家へのポイント

投資判断における重要なポイントは、この「営業レバレッジの高さ」をどう評価するかです。 まず、利益の振れ幅が大きいため、単年度の純利益に基づいたPER(株価収益率)等の指標だけで判断するのではなく、中長期的な受注残高の推移と固定費のコントロール状況を注視する必要があります。特に2024年1月期以降は売上規模が拡大しており、規模の経済が働く局面に入っていますが、同時にDOLが高い状態が続いているため、売上目標の達成精度がそのまま投資リターンの成否に直結します。高成長期における利益成長の加速に期待するのか、あるいは業績の下振れリスクを警戒するのか、投資家の皆様には同社の事業環境(老朽化プラントの増加等)と、このレバレッジ特性を照らし合わせた慎重な検討が求められます。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 1月期 個別 12.32 推定30% 70.0 8.63 -
18年 1月期 個別 10.29 推定30% 70.0 7.20 5.29
19年 1月期 10.88 推定30% 70.0 7.62 15.91
20年 1月期 2.89 推定30% 70.0 2.03 -30.59
21年 1月期 5.06 推定30% 70.0 3.54 7.34
22年 1月期 30.95 推定30% 70.0 21.66 47.37
23年 1月期 -4.46 推定30% 70.0 -3.12 -6.25
24年 1月期 4.30 76.6 23.4 1.00 52.38
25年 1月期 8.39 43.2 56.8 4.76 37.50
26年 1月期 18.10 49.1 50.9 9.20 18.18
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-40.0%-20.0%0.0%20.0%40.0%60.0%1719212325260SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移-20.0%0.0%20.0%40.0%60.0%80.0%1719212325260ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2026年 1月期 連結)
ROE
18.10%
×
内部留保率
50.9%
=
SGR
9.20%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRを大幅に上回っており、外部資金調達や財務レバレッジの拡大が必要な可能性

SGR水準の評価

ベステラ株式会社(1433)の持続的成長率(SGR)は、過去数年間で激しく変動しています。2017年から2019年にかけては7%〜8%台で安定していましたが、2022年1月期にはROEの急上昇(30.95%)に伴い、SGRも21.66%と極めて高い水準を記録しました。しかし、2023年1月期には赤字転落によりSGRがマイナス(-3.12%)となるなど、業績のボラティリティ(変動性)がSGRにダイレクトに反映されています。
直近の動向では、2024年1月期の配当性向が76.6%と高水準であったため、内部留保率が低下し、SGRは1.00%まで抑制されました。一方で、2026年1月期の予測ではROEが18.10%まで回復し、内部留保率も50%程度を維持することで、SGRは9.20%まで上昇する見通しです。総じて、同社のSGRは配当政策以上に、純利益の変化に伴うROEの推移が主導する構造となっています。

成長の持続可能性

SGRと実際の成長率を比較すると、特筆すべき傾向が見て取れます。2024年1月期の実際成長率は52.38%(SGR 1.00%)、2025年1月期予測は37.50%(SGR 4.76%)と、実際の成長率がSGRを大幅に上回っています。これは、内部資金のみでは成長資金を賄いきれず、外部資金(借入金や増資)や財務レバレッジの活用によって成長を加速させていることを示唆しています。
2026年1月期の予測値(実際成長率18.18%に対し、SGR 9.20%)においても、依然として「実際成長率 > SGR」の関係が続いています。この乖離が継続する場合、自己資本比率の低下や利息負担の増大を招くリスクがありますが、プラント解体という成長市場において、機動的に外部資金を調達し投資に回せているというポジティブな側面も持ち合わせています。成長の持続可能性は、現在の高い成長ペースを支える資金調達の効率性と、資本効率(ROE)の維持が鍵となるでしょう。

投資家へのポイント

投資家として注目すべき点は、以下の3点に集約されます。

第一に、「収益性と還元のバランス」です。2024年1月期のように高い配当性向(76.6%)を維持しつつ、実際成長率が50%を超える状態は、財務的なストレッチがかかっている状態と言えます。2026年に向けてROEが18%台まで向上し、SGRが9.20%まで高まる計画が実現すれば、内部資金による成長の裏付けがより強固になります。

第二に、「外部資金調達の動向」です。実際成長率がSGRを上回り続けることは、積極的な拡大戦略の証左ですが、それは同時に追加の資金需要を意味します。キャッシュフロー計算書における財務活動の推移や、自己資本比率の変化を注視する必要があります。

第三に、「業績の安定性」です。2023年1月期のような突発的な赤字はSGRを大きく毀損させます。今後の予測にあるようなV字回復が持続し、ROEが10%を優に超える水準で安定するかどうかが、長期的な株主価値向上の判断基準となるでしょう。これらの数値を踏まえ、同社の成長スピードと財務健全性のバランスをどう評価するかが、投資判断の要点となります。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
∞(利息負担なし)
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 1月期 個別 0 - 650 15.4 -
18年 1月期 個別 360 10 36.0 450 11.5 2.22
19年 1月期 422 16 26.4 11 0.2 145.45
20年 1月期 120 - 1,748 35.4 -
21年 1月期 120 - 2,520 41.8 -
22年 1月期 450 - 2,389 26.7 -
23年 1月期 -270 - 2,427 28.8 -
24年 1月期 210 - 4,292 39.5 -
25年 1月期 500 - 3,752 34.0 -
26年 1月期 1,200 - 571 6.8 -
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移0.010.020.030.040.050.0171921232526ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

ベステラ株式会社のインタレストカバレッジレシオ(ICR)は、データが示す全期間を通じて「極めて安全」な水準を維持しています。特筆すべきは、多くの年度において推定支払利息が営業利益に対して僅少であり、計算上「∞(無限大)」と評価されるほどの余裕を有している点です。2018年1月期の36.0倍、2019年1月期の26.4倍という数値も、一般的に安全とされる10倍を大幅に上回っています。2023年1月期には営業利益が-270百万円と赤字転落しましたが、翌2024年1月期には210百万円と黒字復帰し、さらに2026年1月期には1,200百万円まで急拡大する計画となっています。一時的な業績のボラティリティはあるものの、利払い能力という観点では極めて高い耐性を備えていると分析されます。

有利子負債の状況

有利子負債の推移を見ると、2020年1月期から2024年1月期にかけて、事業規模の拡大や投資に伴い有利子負債額が1,748百万円から4,292百万円へと増加しました。これに伴い、有利子負債比率も2021年1月期には41.8%まで上昇しましたが、財務の健全性を損なうレベルではありません。注目すべきは今後の見通しで、2025年1月期(3,752百万円、34.0%)から2026年1月期(571百万円、6.8%)にかけて、大幅な負債圧縮が計画されています。推定支払利息が極めて低水準で推移していることから、良好な条件での資金調達、あるいは手元資金による効率的な負債管理がなされていることが伺えます。

投資家へのポイント

財務安全性の観点からは、同社は「実質無利子」に近い極めて堅実な財務基盤を有していると評価できます。投資判断におけるポイントは以下の通りです。第一に、2023年1月期の赤字局面においても利払い能力が揺るがなかった「不況抵抗力」の高さです。第二に、2026年1月期に向けた「急激なデレバレッジ(負債削減)」と「営業利益の大幅増益(1,200百万円)」という強気な計画の実現性です。有利子負債比率を6.8%まで低下させつつ利益を5倍以上(2024年比)に伸ばすというシナリオは、キャッシュフローの劇的な改善を示唆しています。これら財務指標の健全性と、プラント解体という事業環境の変化を照らし合わせ、将来の成長性をどう評価するかが鍵となります。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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