2157株式会社コシダカホールディングス||

コシダカホールディングス(2157) 理論株価分析:JOYSOUND承継と海外攻勢で「エンタメをインフラに」 カチノメ

決算発表日: 2026-04-132026年8月期 第2四半期
総合業績スコア
75/100
好決算

セクション別スコア

業績成長性85収益性78財務健全性70株主還元80成長戦略85理論株価評価52
業績成長性85
収益性78
財務健全性70
株主還元80
成長戦略85
理論株価評価52

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)200億400億600億800億1,000億2017年 2019年 2020年 2021年 2023年 2024年 2026年 売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)-100億-50億0百万50億100億150億2017年 2019年 2020年 2021年 2023年 2024年 2026年 0営業利益経常利益純利益利益率推移(%)-40.0%-30.0%-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%2017年 2019年 2020年 2021年 2023年 2024年 2026年 0営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 8月期 連結 55,223 5,895 5,946 2,900 -
2017年 8月期 連結 55,284 6,146 6,354 3,256 3,578
2018年 8月期 連結 61,771 7,858 8,208 4,427 5,134
2019年 8月期 連結 66,124 9,804 10,212 6,071 -
2019年 8月期 連結 65,840 9,508 9,562 6,227 6,256
2020年 8月期 連結 57,209 8,084 8,125 5,482 -
2020年 8月期 連結 44,495 2,098 2,248 1,000 -
2020年 8月期 連結 43,304 1,148 1,700 -232 -357
2021年 8月期 連結 21,547 -7,397 -5,089 -3,562 -
2021年 8月期 連結 20,791 -7,629 -3,093 -4,145 -4,244
2022年 8月期 連結 40,093 2,701 5,380 3,228 -
2022年 8月期 連結 37,995 2,206 5,332 3,643 3,381
2023年 8月期 連結 53,361 7,430 7,403 7,000 -
2023年 8月期 連結 53,830 7,570 7,700 7,470 -
2023年 8月期 連結 54,630 7,667 7,767 7,105 6,959
2024年 8月期 連結 62,728 9,278 9,939 6,753 -
2024年 8月期 連結 63,264 10,164 10,935 6,735 6,672
2025年 8月期 連結 69,387 11,393 11,598 5,259 5,652
2026年 8月期 連結 82,046 11,831 12,030 - -

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 8月期 連結 55,223 10.67% 10.77% 5.25%
2017年 8月期 連結 55,284 11.12% 11.49% 5.89%
2018年 8月期 連結 61,771 12.72% 13.29% 7.17%
2019年 8月期 連結 66,124 14.83% 15.44% 9.18%
2019年 8月期 連結 65,840 14.44% 14.52% 9.46%
2020年 8月期 連結 57,209 14.13% 14.20% 9.58%
2020年 8月期 連結 44,495 4.72% 5.05% 2.25%
2020年 8月期 連結 43,304 2.65% 3.93% -0.54%
2021年 8月期 連結 21,547 -34.33% -23.62% -16.53%
2021年 8月期 連結 20,791 -36.69% -14.88% -19.94%
2022年 8月期 連結 40,093 6.74% 13.42% 8.05%
2022年 8月期 連結 37,995 5.81% 14.03% 9.59%
2023年 8月期 連結 53,361 13.92% 13.87% 13.12%
2023年 8月期 連結 53,830 14.06% 14.30% 13.88%
2023年 8月期 連結 54,630 14.03% 14.22% 13.01%
2024年 8月期 連結 62,728 14.79% 15.84% 10.77%
2024年 8月期 連結 63,264 16.07% 17.28% 10.65%
2025年 8月期 連結 69,387 16.42% 16.71% 7.58%
2026年 8月期 連結 82,046 14.42% 14.66% -

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年8月期 第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高389億32百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益50億4百万円(同2.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益38億84百万円(同21.7%増)となりました。積極的な新規出店と、株式会社スタンダードからの事業承継により大幅な増収を達成しましたが、人件費や光熱費の上昇、新規出店・DX投資に伴うコスト増により営業利益は微減となりました。一方、固定資産売却益の計上により純利益は大幅増益となっています。

注目ポイント

1. 株式会社スタンダードの店舗事業承継

2025年11月、連結子会社のコシダカSPが「JOYSOUND」を展開する株式会社スタンダードより70店舗(中間期末時点で69店舗)を吸収分割により承継しました。これにより、既存の「カラオケまねきねこ」とのブランド棲み分けや、運営ノウハウの融合によるシナジーが期待されます。

2. 独自プラットフォーム「E-bo」の全店導入

新たなエンターテインメントプラットフォーム「E-bo(イーボ)」を全店舗へ導入完了しました。これは「エンタメをインフラに」という中期経営ビジョンの核となる施策であり、カラオケ以外のコンテンツ提供や業務効率化を推進するDXの基盤となります。

業界動向

カラオケ業界は、コロナ禍後の需要回復が鮮明となる一方で、エネルギー価格の高騰や深刻な人手不足による人件費上昇が利益を圧迫する構造にあります。同社は「まねきねこ」による高い店舗開発力と「ゼロカラ(高校生無料)」などの独自施策で若年層の取り込みに成功しており、競合他社と比較しても圧倒的な店舗数拡大ペースを維持しています。

投資判断材料

成長投資フェーズにあるため、短期的な利益率は投資コストによって抑制されやすい傾向にあります。しかし、売上高の二桁成長と、12.8%という高い営業利益率を維持している点は評価に値します。JOYSOUND店舗の収益改善と、海外事業の黒字化定着が今後の株価上昇のトリガーとなるでしょう。

セグメント別業績

  • カラオケ事業: 売上高 377億94百万円(14.9%増)、セグメント利益 56億76百万円(0.5%増)。国内787店舗、海外29店舗へ拡大。
  • 不動産管理事業: 売上高 9億27百万円(1.1%増)、セグメント利益 1億11百万円(28.6%増)。主要物件の安定稼働とホテル売却益が寄与。
  • その他事業: 売上高 4億56百万円(3.1%増)、セグメント損失 61百万円。温浴施設の閉鎖に伴う事業整理。

財務健全性

自己資本比率は50.8%と、前連結会計年度末の51.2%から微減したものの、依然として50%を超える健全な水準を維持しています。投資活動によるキャッシュ・フローは76億92百万円の支出となっており、店舗網拡大に向けた積極的な資金投下が続いています。

配当・株主還元

株主還元を重視する姿勢を鮮明にしており、当中間期の配当は1株当たり13円(前年同期は11円、当初予想12円から増配)となりました。配当性向の向上と連続増配への期待が持てる内容です。

通期業績予想

通期業績については、店舗数の急増とM&A効果により売上の上振れが期待されます。一方で、新規店舗の立ち上げコストや統合費用が利益面にどう影響するかが注目されます。中間期時点での進捗は概ね計画通りと見られます。

中長期成長戦略

2027年8月期に売上高1,000億円を目指す「EIPファイナルステージ」を掲げています。国内では1,000店舗体制を目指し、海外ではマレーシア、インドネシアに続き、米国やフィリピンへの進出準備を加速させるなど、グローバル・カラオケチェーンとしての地位確立を狙っています。

リスク要因

最大の懸念事項は、水道光熱費の更なる高騰と、最低賃金の引き上げに伴う人件費負担の増加です。また、海外展開における地政学リスクや為替変動、およびM&Aに伴うのれんの減損リスクにも注意が必要です。

バリュエーション

中間期純利益38.8億円をベースとした予想EPSは、通期で80円〜90円程度が見込まれます。現在の成長性を考慮すると、PER15倍〜20倍程度の水準は許容範囲内と考えられ、中長期的な株価の底堅さが意識されます。

過去決算との比較

売上高は前年同期の340億円から389億円へと着実に成長トレンドを維持しています。特筆すべきは営業CFが前年同期の53億円から66億円へと拡大しており、本業で稼ぐ力が強化されている点です。投資先行型の決算ながら、現金創出力の高さが成長の裏付けとなっています。

市場の評判

株式会社コシダカホールディングスはカラオケ事業を展開し、海外市場への進出を進めている。東南アジアとアメリカでの成長が期待される。投資家は社員の口コミも参考にする。

詳細リサーチレポート

株式会社コシダカホールディングス リサーチレポート

最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年8月期中間連結会計期間の売上高は389億3,200万円(前年同期比14.5%増)、営業利益は50億400万円(同2.1%減)、経常利益は52億2,400万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は38億8,400万円(同21.7%増)となりました.
  • 2026年8月期の通期業績予想について、株式会社フィスコは、コラボ関連売上が大口案件の反動で減少するなど既存店売上が伸び悩んだこと、新POS、E-bo導入などその他固定費増が影響したことを理由に、従来の130億円から118億円(前期比3.8%増)に下方修正しています.
  • 2027年8月期に売上高1,000億円、営業利益150億円の達成を目標とする成長戦略を掲げています.
  • 2026年8月期の通期予想については、売上高がYoY+19.0%の825億円、営業利益はYoY+13.8%の129億円を予想. 新規出店(+50店)のほか買収による増店(+70店)で2割弱の増収を見込むものの、新規連結会社影響で採算性は悪化する見込み.

業界内での競合ポジションと市場シェア

  • カラオケボックス「カラオケまねきねこ」を全国に600店舗以上展開しており、国内カラオケセグメントの店舗数は業界最大.
  • 株式会社スタンダード(ブラザー工業傘下)からカラオケ店「JOYSOUND」約70店舗を買収.
  • 2025年8月末時点で国内703店舗(ワンカラ含む)を展開. JOYSOUNDの70店舗が加わることで、800店舗が視野に入っています.

成長戦略と重点投資分野

  • 中期経営ビジョンとして「EIP(Entertainment Infrastructure Plan):エンタメをインフラに」を掲げています.
  • 日本の隅々まで「カラオケまねきねこ」をつくることを目指しています.
  • 店舗の大型化、スクラップアンドビルドを進め、店舗の生産性を向上させる.
  • 人材の大量採用と自社研修組織を活用した早期育成.
  • 海外展開を加速しており、東南アジアで100店舗、米国で5年以内に100店舗体制の構築を目指しています.
  • 新規エンターテインメント及び各種業務効率化に向けたDX施策の開発・導入準備を進め、新たなエンターテインメントプラットフォームとしてエンタメボックス「E-bo」を首都圏店舗に導入.

リスク要因と課題

  • カラオケ事業において、より魅力的な娯楽サービスに取って代わられる、あるいは業界内で社会問題が起こるなどにより、カラオケ離れが進む可能性があります.
  • 人口減少や少子高齢化を背景に、国内のカラオケ利用者数の減少が見込まれています.
  • 電気料金高騰などの外部環境の変化.
  • コラボ関連売上が大口案件の反動で減少する可能性.
  • 新POS、E-bo導入などその他固定費増.

アナリストの評価と目標株価

  • IFIS株予報によると、アナリストによるレーティング、目標株価は--となっています.
  • 株予報Proによると、アナリスト予想のコンセンサスを確認できます. 業績予想の推移を株価の推移と対比して日次で追えるチャートは必見.

最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年4月13日、既存店伸び悩みなどで業績予想を下方修正したことが発表され、株価が大幅安で安値更新.
  • 2025年9月12日、ブラザー工業傘下のスタンダードからカラオケ店・複合カフェ事業を取得.
  • 2025年2月17日、米国・ロサンゼルスに出店すると発表.

ESG・サステナビリティへの取り組み

  • 経営理念に基づき、持続可能な社会の発展を目指した取り組みを実践.
  • 2050年までにサプライチェーン全体のカーボンニュートラル達成を目指す.
  • 2024年4月以降にコシダカグループの事業活動で使用した電力を、非化石証書を活用することにより実質的に再生可能エネルギー100%化.
  • 2030年度までに自社で使用する電力の30%以上を追加性のある再生可能エネルギーから調達することを目指す.
  • コシダカホールディングス専用の太陽光発電所が2025年3月より新たに稼働し、電力を「カラオケまねきねこ」店舗へ供給.
  • 店舗で使用する冷蔵・冷凍設備や空調設備を電力消費量の少ない高効率な設備への変更や店舗照明をLED化することで、CO2の削減に努めています.
  • 店舗で使用するストローの常時提供を廃止し、プラスチック使用量の削減に取り組んでいます.

配当政策と株主還元

  • 剰余金の配当の基準日は8月31日、2月末日.
  • 電子公告により公告を行う.
  • 2026年8月期の1株当たり配当金(会社予想)は26.00円.
  • 2026年4月13日時点での配当利回り(会社予想)は2.52%.
  • 配当性向は37.5%(2025/08).
  • 過去の株式分割:2011年9月1日付で1株につき400株、2018年6月1日付で1株につき4株の割合で株式分割を実施.
  • 自社株買いの状況については、詳細な情報の入手は困難でした。

株価情報(2026年4月13日15:30時点)

  • 株価:1,030円
  • 前日比:-70円 (-6.36%)
  • 年初来高値:1,268.0円 (2026/01/09)
  • 年初来安値:1,035.0円 (2026/03/23)
本レポートは情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任において行うようにしてください。

情報源

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年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)05001,0001,500'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍1.0倍2.0倍3.0倍4.0倍5.0倍6.0倍7.0倍'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍10倍20倍30倍40倍'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億500億1,000億1,500億2,000億'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2011年8月期 156 33 8.76 1.88 4 0.86 252億 54億1440万 3.52倍
2012年8月期 160 92 11.39 6.52 3.24 1.86 259億5840万 148億5120万 2.69倍
2013年8月期 290 118 15.09 6.12 4.36 1.77 469億4400万 190億3680万 2.67倍
2014年8月期 249 147 16.42 9.68 3.17 1.87 401億7600万 237億6000万 3.05倍
2015年8月期 385 202 28.81 15.07 4.48 2.34 624億 326億4000万 3.47倍
2016年8月期 313 199 25.22 16 3.5 2.22 506億8800万 321億6000万 2.38倍
2017年8月期 387 192 18.71 9.26 3.06 1.52 671億7737万 310億2720万 3.06倍
2018年8月期 925 369 35.82 14.28 6.18 2.46 1604億8500万 639億8825万 3.71倍
2019年8月期 869 523 23.94 14.39 4.69 2.82 1508億5590万 906億9460万 4.52倍
2020年8月期 848 293 赤字 赤字 3.02 1.04 1471億5240万 241億1390万 1.63倍
2021年8月期 700 381 赤字 赤字 3.14 1.71 576億1000万 313億5630万 2.52倍
2022年8月期 879 545 19.67 12.2 3.68 2.28 723億4170万 448億5350万 3.65倍
2023年8月期 1,351 803 15.5 9.22 4.34 2.58 1111億8730万 660億8690万 4.29倍
2024年8月期 1,415 801 17.11 9.69 3.77 2.14 1164億5450万 659億2230万 2.55倍
2025年8月期 1,460 921 22.81 14.39 3.43 2.16 1223億2096万 771億6274万 3.24倍
最新(株探) 1030 - 11.4倍 - 2.22倍 - 863億円 - 2.22倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2011年8月期 4 8.76 45.7% 0.86 1.88 45.7%
2012年8月期 3.24 11.39 28.4% 1.86 6.52 28.5%
2013年8月期 4.36 15.09 28.9% 1.77 6.12 28.9%
2014年8月期 3.17 16.42 19.3% 1.87 9.68 19.3%
2015年8月期 4.48 28.81 15.6% 2.34 15.07 15.5%
2016年8月期 3.5 25.22 13.9% 2.22 16 13.9%
2017年8月期 3.06 18.71 16.4% 1.52 9.26 16.4%
2018年8月期 6.18 35.82 17.3% 2.46 14.28 17.2%
2019年8月期 4.69 23.94 19.6% 2.82 14.39 19.6%
2020年8月期 3.02 赤字 - 1.04 赤字 -
2021年8月期 3.14 赤字 - 1.71 赤字 -
2022年8月期 3.68 19.67 18.7% 2.28 12.2 18.7%
2023年8月期 4.34 15.5 28.0% 2.58 9.22 28.0%
2024年8月期 3.77 17.11 22.0% 2.14 9.69 22.1%
2025年8月期 3.43 22.81 15.0% 2.16 14.39 15.0%
最新(株探) 2.22倍 11.4倍 19.5% - - -

バリュエーション推移の概要

株式会社コシダカホールディングス(2157)の過去14年間のデータを確認すると、バリュエーションは劇的な変化を遂げてきました。2011年当初はPER1.88倍〜8.76倍、PBR0.86倍〜4倍と極めて低い水準からスタートしましたが、事業成長とともに市場の期待値が高まり、2018年8月期にはPER35.82倍、PBR6.18倍という歴史的な高水準に達しました。その後、新型コロナウイルスの影響による赤字転落期(2020年〜2021年)を経て、現在は収益性の回復とともにバリュエーションが再び正常化の過程にあります。

PBR分析

PBR(株価純資産倍率)の推移を見ると、同社は歴史的に資産効率に対する評価が非常に高い時期がありました。最高値は2018年8月期の6.18倍、最安値は2011年8月期の0.86倍です。コロナ禍の混乱期であった2020年8月期には1.04倍まで売り込まれましたが、翌年以降は概ね2倍〜4倍のレンジで推移しています。現在の最新PBRは2.22倍となっており、直近数年間のレンジ(2.14倍〜4.34倍)の中では下限に近い水準に位置しており、資産価値に対するプレミアムが剥落した状態と言えます。

PER分析

PER(株価収益率)は、同社の成長フェーズと収益のボラティリティを反映しています。2011年〜2014年頃までは10倍前後の低PER銘柄でしたが、2015年以降は成長期待から20倍〜30倍台へと評価が切り上がりました。2020年・2021年の赤字期を除き、黒字化後の2022年〜2024年(予想含む)は10倍〜20倍程度で推移しています。特筆すべきは最新のPER 11.4倍という数値です。これは2025年8月期のPER高値22.81倍と比較して約半分、安値14.39倍をも下回っており、足元の利益水準に対して市場の評価が慎重になっていることが伺えます。

時価総額の推移

時価総額は、2011年の約54億円から2018年には最大1,604億円まで、約30倍の爆発的な成長を遂げました。パンデミックの影響で2020年には一時241億円まで急落しましたが、その後は1,000億円の大台を回復するなど、企業価値の力強い復元力を見せています。直近の2024年・2025年予想ベースでは1,200億円規模を窺う勢いでしたが、現在の時価総額は863億円となっており、直近のピークからは約3割程度調整した位置にあります。

現在のバリュエーション評価

現在のバリュエーション(PER 11.4倍、PBR 2.22倍)を歴史的水準と比較すると、成長期待が最高潮に達していた2018年前後や、業績回復が進んだ2023年〜2024年と比較して、明らかに低い水準にあります。特にPER 11.4倍は、2011年〜2013年頃の黎明期の水準に近く、現在の事業規模や市場地位を考慮すると、利益面での割安感が強まっていると解釈できます。ただし、PBRは依然として2倍を超えており、解散価値(1倍)を大きく上回るプレミアムは維持されています。投資家は、この利益評価の低下が一時的なものか、あるいは中長期的な成長鈍化を織り込んだものかを判断する必要があります。

EPS/BPSベース理論株価分析

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 90.40円 1株あたり利益
直近BPS 463.96円 1株あたり純資産
1株配当 26.00円 年間配当金
EPS成長率 8.0% 予測期間中の年平均
割引率 9.0% 将来EPSの割引率
想定PER 11.40倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 463.96 90.40 26.00 64.40 528.36 19.48 0.00 11.40 1.95 90.40 1,031
2027年8月 528.36 97.63 26.00 71.63 599.99 18.48 8.00 11.40 1.86 89.57 1,113
2028年8月 599.99 105.44 26.00 79.44 679.43 17.57 8.00 11.40 1.77 88.75 1,202
2029年8月 679.43 113.88 26.00 87.88 767.31 16.76 8.00 11.40 1.69 87.93 1,298
2030年8月 767.31 122.99 26.00 96.99 864.30 16.03 8.00 11.40 1.62 87.13 1,402
ターミナル 911.25
PER×EPS 理論株価
1,031円
+0.1%
DCF合計値
1,355.03円
+31.6%
現在の株価
1,030円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 443.78円
ターミナルバリュー現在価値 911.25円(全体の67.2%)
DCF合計理論株価 1,355.03円

EPS/BPSモデルの総合評価

本モデルによる試算の結果、株式会社コシダカホールディングスの現在株価(1,030円)は、PER×EPS理論株価(1,031円)とほぼ一致しており、短期的な業績予想に基づけば市場価格は極めて妥当な水準にあると言えます。一方で、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたDCF合計理論株価は1,355.03円と算出され、現在株価に対して+31.6%のプラス乖離を示しています。これは、同社の高い収益性と内部留保による純資産の蓄積が、長期的な企業価値の底上げに寄与することをモデルが示唆しているためです。現行の株価は、短期的な利益確定水準にあるものの、中長期的な成長余力は十分に織り込まれていない可能性が考えられます。

ROE推移の見通し

ROE(自己資本利益率)の推移に注目すると、2026年8月期の19.48%から、2030年8月期には16.03%へと緩やかな低下が予測されています。これは、EPS成長率8.0%に対して配当額が26.00円と一定であるため、利益剰余金の蓄積に伴い期末BPSが463.96円から864.30円へと大きく膨らむ(自己資本が厚くなる)ことが主因です。ROEは低下傾向にあるものの、一般的に優良とされる10%を大きく上回る16%超を維持する見通しであり、資本効率の高さは継続するモデルとなっています。今後、さらにROEを維持・向上させるためには、成長投資の加速や株主還元策の拡充といった資本政策が重要な焦点となるでしょう。

前提条件の妥当性

本モデルの前提条件について、EPS成長率8.0%は、同社の直近の事業展開(カラオケまねきねこのドミナント出店や海外展開)を考慮すると、現実的な期待値と言えます。割引率9.0%は、資本コストとしての妥当性を備えており、想定PER 11.40倍についても、過去のヒストリカルPERやセクター平均と比較して保守的な設定となっています。特筆すべきは想定PERの低さであり、成長率8.0%・ROE 16%超の企業に対して11.40倍という評価は、将来的なマルチプル・エクスパンション(PERの上昇)による株価上昇の余地を残しているとも解釈できます。ただし、今後の景気動向や個人消費の動向次第で、これらの前提が変動するリスクには留意が必要です。

投資判断への示唆

モデルの結果を踏まえると、現在の1,030円という株価は、2026年8月期の利益水準を基準とした「適正価格」の範囲内にあります。投資家にとっての注目点は、DCF理論株価との+31.6%の乖離をどう評価するかです。将来の利益成長と純資産の積み上げがモデル通りに進展すると仮定すれば、現在の株価は長期的な時間軸において割安な位置にあると判断する根拠となります。一方、ROEの低下を市場がネガティブに捉える、あるいはPER 11.40倍という評価が据え置かれる場合には、株価の上昇はEPSの成長速度に限定されることになります。投資家は、同社の店舗網拡大の進捗や、蓄積されたキャッシュの使途(投資か還元か)を注視し、この価値の乖離が解消されるタイミングを検討することが求められます。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

過去4年間のEPS推移から算出されるCAGRは約19%と高いものの、2025年の減益予想など業績の変動性を考慮し、今後5年間の持続可能な成長率を8.0%と推定しました。割引率は、ROEが約19.5%と高水準である一方、レジャー産業特有のオペレーショナル・レバレッジや中型株のリスクプレミアムを勘案し、標準的な9.0%に設定しています。現在のPER11.4倍という水準は、市場が将来の成長鈍化や資本コストを一定程度織り込んでいることを示唆しており、これらのパラメータは妥当な範囲内であると判断されます。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS成長率0%が続く場合の理論株価

将来のEPS成長率を0%(横ばい)と仮定した場合の試算です。本編のベースシナリオとは前提が異なります。

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 90.40円 1株あたり利益
直近BPS 463.96円 1株あたり純資産
1株配当 26.00円 年間配当金
EPS成長率 0.0% 予測期間中の年平均
割引率 9.0% 将来EPSの割引率
想定PER 11.40倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 463.96 90.40 26.00 64.40 528.36 19.48 0.00 11.40 1.95 90.40 1,031
2027年8月 528.36 90.40 26.00 64.40 592.76 17.11 0.00 11.40 1.74 82.94 1,031
2028年8月 592.76 90.40 26.00 64.40 657.16 15.25 0.00 11.40 1.57 76.09 1,031
2029年8月 657.16 90.40 26.00 64.40 721.56 13.76 0.00 11.40 1.43 69.81 1,031
2030年8月 721.56 90.40 26.00 64.40 785.96 12.53 0.00 11.40 1.31 64.04 1,031
ターミナル 669.79
PER×EPS 理論株価
1,031円
+0.1%
DCF合計値
1,053.07円
+2.2%
現在の株価
1,030円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 383.28円
ターミナルバリュー現在価値 669.79円(全体の63.6%)
DCF合計理論株価 1,053.07円

0%成長シナリオの意味

本シナリオは、株式会社コシダカホールディングスの将来的なEPS(1株当たり純利益)が現在の90.40円から一切増加しないと仮定した、極めて保守的なシミュレーションです。この条件下での理論株価(PERベース)は1,031円となり、現在の市場価格(1,030円)とほぼ同水準に位置しています。

投資判断の観点からは、現在の株価が「将来の成長を全く織り込んでいない」状態にあることを示唆しています。つまり、同社が今後、新規出店や既存店売上高の向上による利益成長を一切達成できなかったとしても、現在の利益水準を維持できる限り、現在の株価は理論上の適正水準(バリュエーションの底値圏)にあると解釈することが可能です。

ベースシナリオとの対比

本編のベースシナリオ(成長率約8.0%)と本シナリオ(0.0%)の対比により、以下の点が浮き彫りになります。

  • 期待値の乖離: ベースシナリオでは成長を織り込んだ高い理論株価が算出されますが、現実の株価(1,030円)は0%成長モデルの結果に極めて近い数値です。これは、現在の株式市場が同社の成長性に対して慎重なスタンスをとっているか、あるいはマクロ環境のリスクを重く見ている可能性を示しています。
  • ROEの低下傾向: 利益が横ばい(0%成長)の一方で、配当後の残余利益が内部留保として積み上がるため、BPS(1株当たり純資産)は年々上昇します。その結果、分母が拡大することでROE(自己資本利益率)は2026年8月期の19.48%から2030年8月期には12.53%まで低下する試算となります。資本効率を維持するためには、本来はEPSの成長、またはさらなる株主還元による自己資本の調整が必要となることが読み取れます。

留意点

本モデルは、入力された前提条件に基づく機械的な試算であり、将来の株価推移を保証するものではありません。以下の点に留意が必要です。

  • 資本コストの変動: 本モデルでは割引率(期待収益率)を9.0%と固定していますが、金利情勢や市場のボラティリティにより、許容されるPERや割引率は変動します。
  • 下方リスクの存在: 0%成長は「現状維持」を前提としていますが、消費動向の悪化やコスト増(人件費、光熱費など)によりEPSがマイナス成長となった場合、理論株価はさらに低下するリスクがあります。
  • 情報の補完性: 本分析はバリュエーションの一側面に過ぎません。投資に際しては、同社の経営戦略、競合優位性、およびキャッシュフローの推移などを総合的に勘案し、読者ご自身の責任において判断を行ってください。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

過去4年間のEPS推移から算出されるCAGRは約19%と高いものの、2025年の減益予想など業績の変動性を考慮し、今後5年間の持続可能な成長率を8.0%と推定しました。割引率は、ROEが約19.5%と高水準である一方、レジャー産業特有のオペレーショナル・レバレッジや中型株のリスクプレミアムを勘案し、標準的な9.0%に設定しています。現在のPER11.4倍という水準は、市場が将来の成長鈍化や資本コストを一定程度織り込んでいることを示唆しており、これらのパラメータは妥当な範囲内であると判断されます。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

拡張感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

割引率は、将来の利益やキャッシュフローを現在価値に換算するための率で、投資家が求めるリターン(期待収益率)に相当します。割引率が高いほど将来利益の現在価値は低くなり、理論株価は下がります。EPS成長率は、1株当たり利益(EPS: Earnings Per Share)が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準の割引率(9.0%)とEPS成長率(8.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PER × EPS(理論株価: 円)

PER(株価収益率)は、株価が1株あたり利益(EPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PERが高いほど市場がその企業の将来成長に高い期待を持っていることを意味します。EPS(1株あたり利益)は、企業の純利益を発行済株式数で割った値で、1株あたりの収益力を表します。

基準のPER(11.4倍)とEPS(90円)から、PERは1倍刻み(±100倍)・EPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PBR × BPS(理論株価: 円)

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると、株価が解散価値を下回っていることを意味し、割安と判断される場合があります。BPS(1株あたり純資産)は、企業の純資産を発行済株式数で割った値で、1株あたりの解散価値を表します。

基準のPBR(2.2倍)とBPS(464円)から、PBRは0.1倍刻み(±10.0倍)・BPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

残留利益モデル分析(Residual Income Model)

残留利益モデル(Residual Income Model)

残留利益モデルは、現在のBPS(1株純資産)に将来の「超過利益」の現在価値を加算して理論株価を算出します。 株主資本コストを上回るROEを持続できる企業ほど、BPSに大きなプレミアムが付きます。

理論株価 = BPS₀ + Σ[(ROEₜ − r) × BPSₜ₋₁ / (1+r)ᵗ] + TV/(1+r)ⁿ

前提条件

パラメータ 説明
直近BPS 463.96円 1株あたり純資産(出発点)
直近EPS 90.40円 1株あたり利益
株主資本コスト (r) 9.0% 株主の要求収益率(エクイティチャージの基準)
EPS成長率 8.0% 予測期間中の年平均
1株配当 26.00円 年間配当金(BPS蓄積に影響)
予測年数 5年 個別予測期間

残留利益の年次予測

年度 期首BPS EPS ROE(%) エクイティチャージ 残留利益 PV(残留利益) 期末BPS
2026年8月 463.96 90.40 19.48 41.76 48.64 44.63 528.36
2027年8月 528.36 97.63 18.48 47.55 50.08 42.15 599.99
2028年8月 599.99 105.44 17.57 54.00 51.44 39.72 679.43
2029年8月 679.43 113.88 16.76 61.15 52.73 37.35 767.31
2030年8月 767.31 122.99 16.03 69.06 53.93 35.05 864.30
ターミナル 残留利益の永続価値: 599.22円 → PV: 389.45円 389.45
理論株価の構成
現在BPS
463.96円
簿価部分
+
残留利益PV合計
198.91円
超過利益の現在価値
+
ターミナルPV
389.45円
永続価値の現在価値
=
RIM理論株価
1,052円
+2.1%
現在の株価: 1,030円
残留利益モデル:ROEとエクイティチャージの推移8.0%10.0%12.0%14.0%16.0%18.0%20.0%2627282930ROE(%)株主資本コスト(9.0%)
残留利益と現在価値の推移35円40円45円50円55円2627282930残留利益(円)PV(残留利益)(円)
📖 残留利益モデルの読み方:
  • 残留利益 > 0(ROE > 株主資本コスト)→ 企業はBPS以上の価値を創出。理論株価 > BPS となりプレミアム付与
  • 残留利益 < 0(ROE < 株主資本コスト)→ 資本効率が不十分。理論株価 < BPS となりディスカウント
  • DCF法との違い: RIMはBPS(純資産)を出発点とするため、資産ベースの評価に強く、安定企業・金融機関の評価に適しています

残留利益の評価

株式会社コシダカホールディングスの分析において、最も注目すべき点はROE(自己資本利益率)と株主資本コスト(9.0%)の大きな乖離です。予測期間(2026年8月期〜2030年8月期)におけるROEは16.03%から19.48%と推移しており、株主が期待する収益率を大幅に上回る水準を維持しています。この結果、毎期48円から53円程度のプラスの「残留利益」が発生しており、同社が事業を通じて株主資本を上回る付加価値を継続的に創出していることが示されています。ROEが緩やかに低下する前提においても、資本効率の高さが価値創造の源泉となっている点は高く評価できます。

BPSプレミアム/ディスカウントの解釈

本モデルによる理論株価1,052円は、現在のBPS(実績値:463.96円)に対して約2.27倍の評価となっています。これは、同社の企業価値の半分以上(約56%)が、純資産そのものではなく将来の超過収益力(残留利益のPVおよびターミナルバリュー)によって構成されていることを意味します。「カラオケまねきねこ」を中心とした既存のビジネスモデルが、単なる資産の保有以上に高い収益を生み出す「見えない資産(ブランド力やオペレーション能力)」として市場から認められている状況を裏付けています。

他の評価手法との比較

残留利益モデル(RIM)は、現金収支に基づくDCF法に比べ、会計上の利益とBPSを基礎とするため、同社のような設備投資が先行するサービス業において利益成長と資本効率のバランスを評価するのに適しています。理論株価1,052円を2026年8月期の予想EPS(90.40円)で割った予想PERは約11.6倍となり、成長率8.0%という前提に照らせば、妥当な水準に収束していると考えられます。DCF法ではキャッシュフローの変動に感応度が大きく出やすいですが、RIMではROEの安定性が理論株価の信頼性を担保しています。

投資判断への示唆

現在の市場価格1,030円に対し、RIMによる理論株価は1,052円となっており、乖離率は+2.1%と極めて僅かです。これは、現在の株価が同社の将来の成長性や資本効率をほぼ適正に織り込んでいる「フェアバリュー(妥当な水準)」にあることを示唆しています。今後の投資判断においては、前提となっているEPS成長率8.0%を上回るペースでの新規出店や既存店売上の向上が可能か、あるいは資本コストを抑える財務戦略が期待できるかが焦点となります。一方で、ROEが想定以上に低下した場合や、資本コストが上昇する局面では、理論株価の下押し圧力に注意が必要です。

⚠️ 注意: 残留利益モデルの結果は、EPS成長率・株主資本コスト・BPSの前提条件に大きく依存します。 また、会計基準の違い(日本基準/IFRS)によりBPSの定義が異なる場合があります。投資判断の際は他の手法と合わせてご検討ください。

リバースDCF分析(EPSベース・市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,030円)を正当化するために必要なインプライドEPS成長率を逆算しました。

インプライドEPS成長率
-0.7%
市場が織り込む成長率
AI推定EPS成長率
8.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-8.7%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価1,030円
インプライドEPS成長率-0.69%
AI推定EPS成長率8.00%
成長率ギャップ-8.69%(悲観的)
インプライド割引率50.00%
AI推定割引率9.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

現在の株価1,030円に基づくと、市場が織り込んでいるインプライドEPS成長率は-0.69%となっています。これは、投資家がコシダカホールディングスの今後の利益成長に対し、現状維持あるいは微減という非常に慎重、かつ「悲観的」な見方を示していることを意味します。一方で、AIが推定する成長率は8.00%であり、両者の間には-8.69%という大幅なマイナスの乖離(ギャップ)が生じています。また、インプライド割引率が50.00%と極めて高く算出されている点は、将来のキャッシュフローに対して市場が非常に高いリスクプレミアム、あるいは不確実性を要求していることを示唆しています。

インプライド成長率の実現可能性

市場が想定する「マイナス成長(-0.69%)」の実現可能性を検証すると、同社の主力事業である「カラオケまねきねこ」の事業展開と照らし合わせ、乖離が目立つ結果となっています。同社は国内でのドミナント出店加速や、既存店のリノベーション、さらには東南アジアを中心とした海外展開を成長戦略の柱として掲げています。近年の業績回復基調を考慮すると、AI推定の8.00%という成長率は、過去のトレンドや業界水準から見て一定の妥当性があると考えられます。これに対し、市場が算出するマイナス成長という評価は、将来的な消費増税や人件費の高騰、あるいはレジャー需要の飽和といった潜在的なリスクを過剰に織り込んでいる可能性、あるいは単に現在の株価が収益力に対して割安な水準で放置されている可能性を示しています。

投資判断への示唆

本分析の結果は、現在の株価が企業の潜在的な成長力に対して「過小評価」されている可能性を提示しています。投資家が注目すべき点は、AI推定の割引率9.00%に対し、株価から逆算される割引率が50.00%に達しているという点です。もし投資家が、同社のビジネスモデルが安定的であり、割引率はもっと低く(リスクは小さく)評価されるべきだと判断し、かつEPSが少なくとも年率数パーセントのプラス成長を維持できると考えるならば、現在の株価1,030円は魅力的なエントリーポイントとなる可能性があります。一方で、カラオケ業界の長期的な構造変化や、競争激化による利益率の低下を深刻に捉えるならば、市場の悲観的な評価は妥当な警戒感の表れと解釈することもできます。最終的な投資判断にあたっては、この大きな成長率ギャップが「市場の誤認」か、それとも「予見されるリスク」なのかを精査することが重要です。

感応度分析・シナリオ分析

感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

金利上昇は割引率の増加、景気後退はEPS成長率の低下として理論株価に影響します。

割引率 →
EPS成長率 ↓
7.0%8.0%9.0%10.0%11.0%
3.0%1,2461,2011,1591,1181,080
5.5%1,3501,3001,2541,2091,167
8.0%1,4601,4061,3551,3061,260
10.5%1,5781,5191,4631,4101,360
13.0%1,7041,6391,5791,5211,466

※ 緑色: 現在株価(1,030円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
割引率: 7.5% / EPS成長率: 14.0%
1,722円
+67.2%
基本シナリオ
割引率: 9.0% / EPS成長率: 8.0%
1,355円
+31.6%
悲観シナリオ
割引率: 10.5% / EPS成長率: 1.0%
1,032円
+0.2%

シナリオ分析の総合評価

今回のシナリオ分析の結果、株式会社コシダカホールディングスの理論株価は、悲観シナリオの1,032円から楽観シナリオの1,722円という広いレンジが算出されました。特筆すべきは、現在株価(1,030円)が悲観シナリオの理論株価(1,032円)とほぼ同水準にあるという点です。これは、現在の株式市場が同社に対して「EPS成長率が1.0%にまで鈍化し、かつリスクプレミアムが高まった状態」を織り込んでいる可能性を示唆しています。基本シナリオにおける理論株価1,355円と比較すると、現在株価は31.6%のディスカウント状態にあり、市場の評価と基本前提の間に乖離が生じている状況といえます。

金利変動の影響

割引率の変化は、将来キャッシュフローの現在価値に直接的な影響を与えます。本分析では割引率を9.0%(基本)とし、上下に1.5%の幅を持たせています。楽観シナリオ(割引率7.5%)では、資本コストの低下や期待リターンの安定化により、理論株価を1,722円まで大きく押し上げる要因となります。一方、悲観シナリオ(割引率10.5%)では、金利上昇や市場リスクの拡大が評価を抑制します。同社はカラオケ店舗等の出店に伴う設備投資が必要なビジネスモデルであるため、市場金利の上昇や自己資本コストの変動は、理論株価を形成する上で重要な感応度要因となります。

景気変動の影響

EPS(1株当たり利益)成長率は、同社の事業展開の成否を反映します。基本シナリオの8.0%に対し、楽観シナリオ(14.0%)では既存店の好調や新規出店の加速が想定され、理論株価は現在価格を67.2%上回る水準となります。対照的に、悲観シナリオ(1.0%)では、個人消費の冷え込みやコスト増による利益率の低下を想定しています。この場合、理論株価は1,032円(+0.2%)に留まります。成長率が1.0%から14.0%まで変化することで、理論株価には約700円の大きな開きが生じることから、同社の企業価値は成長継続の蓋然性に強く依存していることが分析結果から読み取れます。

投資判断への示唆

以上の分析に基づくと、現在株価1,030円は、最悪に近いシナリオ(EPS成長率1.0%かつ高割引率)を既に織り込んだ価格水準であると解釈できます。もし投資家が「同社の成長性は1.0%を上回り、基本シナリオ(8.0%)に近い着地を見せる」と判断する場合、現在の価格水準は安全域(マージン・オブ・セーフティ)が確保された魅力的な水準と映るでしょう。一方で、外食・レジャー産業を取り巻く不透明感や、将来的な金利上昇リスクを重く見る場合は、悲観シナリオの価格が妥当な支持線となります。最終的な投資判断にあたっては、月次売上の推移や店舗展開のスピード、およびマクロ経済環境の変化を慎重に見極める必要があります。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
68.2%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
31.8%
1 − 変動費率
推定固定費
14,234
百万円
基準: 2026年 8月期 連結(売上高 82,046 百万円)と 2021年 8月期 連結(売上高 20,791 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 8月期 55,223 17,544 31.8% 44,805 18.9% 2.98倍
17年 8月期 55,284 17,563 31.8% 44,805 18.9% 2.86倍
18年 8月期 61,771 19,624 31.8% 44,805 27.5% 2.50倍
19年 8月期 66,124 21,007 31.8% 44,805 32.2% 2.14倍
19年 8月期 65,840 20,917 31.8% 44,805 31.9% 2.20倍
20年 8月期 57,209 18,175 31.8% 44,805 21.7% 2.25倍
20年 8月期 44,495 14,136 31.8% 44,805 -0.7% 6.74倍
20年 8月期 43,304 13,757 31.8% 44,805 -3.5% 11.98倍
21年 8月期 21,547 6,845 31.8% 44,805 -107.9% -
21年 8月期 20,791 6,605 31.8% 44,805 -115.5% -
22年 8月期 40,093 12,737 31.8% 44,805 -11.8% 4.72倍
22年 8月期 37,995 12,071 31.8% 44,805 -17.9% 5.47倍
23年 8月期 53,361 16,952 31.8% 44,805 16.0% 2.28倍
23年 8月期 53,830 17,101 31.8% 44,805 16.8% 2.26倍
23年 8月期 54,630 17,355 31.8% 44,805 18.0% 2.26倍
24年 8月期 62,728 19,928 31.8% 44,805 28.6% 2.15倍
24年 8月期 63,264 20,098 31.8% 44,805 29.2% 1.98倍
25年 8月期 69,387 22,043 31.8% 44,805 35.4% 1.93倍
26年 8月期 82,046 26,065 31.8% 44,805 45.4% 2.20倍
売上高と損益分岐点売上高の推移2億4億6億8億10億17192021232426売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移-150.0-100.0-50.00.050.0171920212324260安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2026年 8月期 連結)
売上高
82,046
百万円
損益分岐点
44,805
百万円
安全余裕率
45.4%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
2.20倍
低い経営リスク

費用構造の評価

高低点法を用いた推定によると、株式会社コシダカホールディングスの変動費率は68.2%、限界利益率は31.8%となっています。推定固定費は年間14,234百万円と算出されました。カラオケ事業(「まねきねこ」等)を主軸とする同社は、店舗賃借料や人件費といった固定費負担が一定規模存在する「固定費型」の事業特性を持っていますが、限界利益率が3割を超えている点は注目に値します。これは、損益分岐点を超えた後の売上増加が、約32%の割合でダイレクトに営業利益の押し上げに寄与する構造であることを示唆しています。

損益分岐点と安全余裕率

同社の損益分岐点売上高は44,805百万円と推定されます。過去の推移を見ると、コロナ禍の影響を強く受けた2021年8月期(売上高 約20,791百万円)には、売上高が損益分岐点を大幅に下回り、安全余裕率はマイナス115.5%と極めて厳しい状況にありました。しかし、2023年8月期以降は売上高が損益分岐点を安定的に上回り、2024年8月期には安全余裕率が29.2%まで回復しています。さらに、2026年8月期の予測値(売上高82,046百万円)に基づくと、安全余裕率は45.4%に達する見込みであり、収益の安定性と耐性が大幅に向上するフェーズに入っていると評価できます。

経営レバレッジとリスク

経営レバレッジの推移からは、同社の景気感応度と利益変動リスクが読み取れます。売上高が損益分岐点付近まで落ち込んだ2020年8月期(売上高43,304百万円時)には、経営レバレッジが11.98倍と極めて高い数値を示しており、わずかな減収が利益の大幅な減少(赤字転落)を招くリスクを内包していました。一方で、直近の2024年8月期から2026年8月期にかけては、レバレッジは1.9倍〜2.2倍程度で落ち着く見通しです。これは固定費負担が相対的に軽くなり、売上成長が過度なリスクを伴わずに利益成長に結びつきやすい状態、すなわち「収益の質」が安定化していることを示しています。

投資判断への示唆

本分析の結果から、コシダカホールディングスはコロナ禍による深刻な低迷期を脱し、強固な収益構造を再構築しつつあると言えます。2026年8月期の予測値が示す「安全余裕率45.4%」という数字は、仮に将来的な不況や外部環境の変化で売上が4割程度減少したとしても、依然として黒字を維持できる構造であることを示唆しています。投資家としては、今後の新規出店戦略や既存店売上高の推移が、この高い限界利益率(31.8%)を維持したまま、損益分岐点を大きく上回る売上を積み上げられるかどうかが重要な焦点となるでしょう。なお、本分析は高低点法による推定値に基づいているため、実際の決算数値とは乖離が生じる可能性がある点に留意が必要です。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 8月期 5.25 × 1.264 × 2.03 = 0.13
18年 8月期 7.17 × 0.904 × 2.71 = 0.18
19年 8月期 9.18 × 0.917 × 2.29 = 0.19
20年 8月期 9.58 × 1.284 × 1.96 = 0.24
21年 8月期 -16.53 × 0.513 × 2.32 = -0.20
22年 8月期 8.05 × 0.848 × 2.40 = 0.16
23年 8月期 13.12 × 0.936 × 2.22 = 0.27
24年 8月期 10.77 × 1.016 × 2.01 = 0.22
25年 8月期 7.58 × 1.012 × 1.95 = 0.15
デュポン分析:ROEの3要素推移-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%17192123250純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移0.501.001.502.002.503.001719212325総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 8月期 連結)
純利益率
7.58%
収益性
×
総資産回転率
1.012回
効率性
×
財務レバレッジ
1.95倍
借入で資本効率を95%ブースト
=
ROE
0.15%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

株式会社コシダカホールディングスのROE(自己資本利益率)は、過去9年間で大きな変動を見せていますが、その主因は「純利益率」の推移に集約されます。2021年8月期の赤字(ROE -0.20)を除き、直近の2023年8月期には0.27(27%)、2024年8月期には0.22(22%)と極めて高い水準を維持しています。特筆すべきは、この高ROEが過度な財務レバレッジに依存したものではなく、2023年8月期に13.12%を記録した高い純利益率、つまり本業の収益性の高さによって実現されている点です。収益性主導のROE向上は、事業モデルの競争力が強化されていることを示唆しており、一般的に「質の高いROE」と評価されます。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジの推移を見ると、2018年8月期の2.71倍をピークに、直近の2025年8月期予想では1.95倍まで低下する見通しです。これは、ROEを底上げするために負債を増やす戦略ではなく、むしろ自己資本を蓄積しながら財務の健全性を高めている傾向を示しています。サービス業において2倍前後のレバレッジは標準的な範囲内であり、過剰な借入による倒産リスクは低いと考えられます。レバレッジによるROEのブースト効果は弱まっていますが、それは同時に、将来的な金利上昇局面や景気後退局面における耐性が高まっていることも意味しています。

トレンド分析

時系列での推移を分析すると、新型コロナウイルスの影響を強く受けた2021年8月期(純利益率 -16.53%、総資産回転率 0.513回)を底に、見事なV字回復を遂げています。2023年8月期以降は、総資産回転率が1.0回前後で安定しており、資産(店舗網など)を効率的に売上に結びつける体制が再構築されたと言えます。ただし、2025年8月期の予想では、純利益率が7.58%、ROEが0.15(15%)と、過去2期と比較して低下する見込みです。これは、原材料費や人件費の上昇といったコスト増、あるいは将来の成長に向けた先行投資が、一時的に利益率を圧迫している可能性を示唆しています。

投資判断への示唆

デュポン分析の結果から、同社は「売上高純利益率の変動」が資本効率を決定づける収益構造を持っていることが明確です。投資家としては、今後10%台の高いROEを維持できるかどうか、特に利益率が2023年〜2024年の水準からどの程度収束していくのかを注視する必要があります。レバレッジを抑えつつ2桁台のROEを維持できれば、中長期的な企業価値の向上が期待されますが、一方で2025年予想に見られる収益性の低下が、一過性のものか構造的なものかの見極めが重要な判断材料となるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 85億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 1.50% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 1億 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 2.4% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 54.7% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/08 97億 1億 59億 61億 29億 30億 13.45% 9.49% +3.96%pt
2018/08 243億 4億 82億 86億 44億 46億 17.55% 9.33% +8.22%pt
2019/08 222億 3億 102億 105億 61億 63億 19.26% 11.66% +7.60%pt
2020/08 140億 2億 81億 83億 55億 56億 24.11% 15.31% +8.80%pt
2021/08 168億 3億 -51億 -48億 -36億 -34億 -19.67% -9.71% -9.96%pt
2022/08 109億 2億 54億 55億 32億 33億 16.39% 10.86% +5.53%pt
2023/08 88億 27百万 74億 74億 70億 70億 27.21% 20.30% +6.91%pt
2024/08 74億 1億 99億 101億 68億 68億 21.96% 17.88% +4.08%pt
2025/08 85億 1億 116億 117億 53億 53億 14.98% 12.19% +2.79%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-40億-20億0百万20億40億60億80億2017/082019/082021/082023/082025/080実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%2017/082019/082021/082023/082025/080実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を増やしている(レバレッジ効果あり)
実績ROE
14.98%
借金なしROE
12.19%
レバレッジ効果
+2.79%pt

事業利益率が借入金利を上回っており、借金によるレバレッジが株主リターン(ROE)を押し上げています。

借金の利益インパクト

2025年8月期の分析データによると、株式会社コシダカホールディングスの有利子負債は85億円、推定金利は1.50%となっています。これにより発生する推定支払利息は約1億円です。同期の経常利益実績は116億円であり、仮に借金がなかった場合の経常利益(117億円)と比較しても、その差はわずか0.8%程度に留まっています。また、純利益に対する利息比率も2.4%と低水準であり、現在の支払利息が同社の最終的な利益を大きく圧迫している状況にはないと言えます。高い推定実効税率(54.7%)の影響もあり、支払利息による節税効果を考慮した純利益への実質的なマイナス幅は限定的です。

レバレッジ効果の評価

財務レバレッジの効果をROE(自己資本利益率)の観点から見ると、直近の2025年8月期では+2.79%ptのプラス評価となっています。これは、借入金を用いて事業を行うことで、株主資本のみで経営する場合よりも効率的にリターンを生み出していることを示しています。経年変化を辿ると、2018年から2020年にかけては+7%〜+8%pt台の高いレバレッジ効果を享受していました。2021年8月期には業績悪化に伴い-9.96%ptと負の影響が出たものの、その後はプラス圏で安定しています。近年、負債額が2018年比で約3分の1(243億→85億)まで圧縮されたことでレバレッジの押し上げ幅は縮小傾向にありますが、依然として借金が株主リターンを増やす方向に作用しています。

財務戦略の考察

同社の財務戦略は、過去の積極的な設備投資局面(2018年〜2019年頃)から、現在は負債を適正規模にコントロールしつつ、安定した利益を創出するフェーズに移行していると推察されます。推定借入金利1.50%に対し、事業から得られる利益率(ROE実績 14.98%)が大幅に上回っていることは、借入コストを十分に上回るリターンを事業で稼ぎ出していることを意味します。カラオケ事業というキャッシュフローが比較的安定しやすい業態において、この低金利での資金調達は極めて効率的です。同業他社と比較しても、過度な負債に頼らず、かつ無借金でもない現在の水準は、成長のための投資余力と財務の健全性のバランスを重視した堅実な構成と言えるでしょう。

投資家へのポイント

投資判断においては、以下の2点が重要な指標となります。第一に、現在のポジティブなレバレッジ効果が維持されるかという点です。事業利益率が低下、あるいは金利が上昇した場合には、この効果が縮小するリスクがあります。第二に、蓄積された利益と圧縮された負債による「財務の余裕」を、今後どのような成長投資や株主還元に振り向けるかという点です。

【リスク要因】 - 今後の金利上昇局面における利息負担の増加 - 消費動向の変化による事業利益率の低下(レバレッジの負転換リスク)
【注目点】 - 健全な財務基盤を背景とした、新規出店や海外展開への再投資スピード - 低水準な負債比率を維持したまま、高いROEを継続できるか

以上の財務状況を踏まえ、同社の資本効率の推移と事業環境の変化を注視することが、中長期的な投資価値を見極める鍵となります。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 8月期 2,948 31,303 9.42 4.98 +4.44
18年 8月期 4,238 49,542 8.55 3.83 +4.73
19年 8月期 5,828 53,763 10.84 4.35 +6.49
20年 8月期 5,454 36,738 14.85 4.59 +10.26
21年 8月期 -5,178 34,877 -14.85 3.97 -18.82
22年 8月期 1,621 30,624 5.29 4.72 +0.58
23年 8月期 7,026 34,571 20.32 5.28 +15.04
24年 8月期 6,304 38,182 16.51 5.77 +10.74
25年 8月期 5,697 43,629 13.06 5.73 +7.33
ROIC vs WACC推移-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%17192123250ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 8月期 連結)
ROIC
13.06%
投下資本利益率
WACC
5.73%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
+7.33%pt
高い価値創造力

ROIC水準の評価

株式会社コシダカホールディングスのROIC(投下資本利益率)は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2021年8月期のマイナス(-14.85%)から劇的な回復を遂げています。2023年8月期には20.32%という極めて高い水準を記録し、2024年8月期も16.51%、2025年8月期予想でも13.06%と、二桁台の極めて高い収益性を維持する見通しです。日本国内のサービス・レジャー業界における一般的なROICが5〜8%程度で推移することを考慮すると、同社の資本効率は業界平均を大きく上回る極めて優秀な水準にあります。特に「カラオケまねきねこ」のドミナント出店や既存店リニューアルといった資本投下が、確実に利益(NOPAT)に結びついていることが見て取れます。

ROIC-WACCスプレッド分析

企業の真の価値創造力を示す「ROIC-WACCスプレッド」に注目すると、2021年8月期(-18.82%pt)を除き、概ねプラス圏で推移しています。特筆すべきは2023年8月期以降の変化です。2022年8月期の+0.58%ptから、2023年8月期には+15.04%ptへと急拡大しました。これは、WACC(加重平均資本コスト)が5%前後で安定している一方で、経済活動の正常化に伴う客数回復と単価アップの相乗効果により、NOPATが1,621百万円から7,026百万円へと急増したことが要因です。2024年以降、投下資本は38,182百万円から43,629百万円へと増加傾向にあり、積極的な設備投資を継続しながらも、WACCを大幅に上回るリターンを出し続けている点は、同社が「価値創造フェーズ」に完全に入っていることを示唆しています。

投資家へのポイント

本分析を踏まえた投資判断の注目点は以下の3点です。第一に、投下資本の増大とROICのバランスです。2025年8月期予想では投下資本が約436億円まで増加する一方、ROICは13.06%と緩やかな低下傾向が示されています。これは積極的な先行投資による資本の積み増しが利益成長を一時的に上回る可能性を示しており、この投資が将来的に再びROICを押し上げるかどうかが鍵となります。第二に、WACCの上昇リスクです。金利環境の変化に伴いWACCは2021年の3.97%から直近では5.7%台まで上昇しています。スプレッドは依然として十分確保されていますが、資本コスト意識の重要性は増しています。最後に、外部環境への耐性です。2021年の大幅なマイナスが示す通り、固定費比率が高いビジネスモデルであるため、景気動向や公衆衛生上のリスクが資本効率に与える影響には留意が必要です。これら収益性の持続力と資本投下の効率性をどう評価するかが、投資判断の分かれ目となります。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 8月期 55,223 5.34 × 1.764 = 9.42
18年 8月期 61,771 6.86 × 1.247 = 8.55
19年 8月期 66,124 8.81 × 1.230 = 10.84
20年 8月期 57,209 9.53 × 1.557 = 14.85
21年 8月期 21,547 -24.03 × 0.618 = -14.85
22年 8月期 40,093 4.04 × 1.309 = 5.29
23年 8月期 53,361 13.17 × 1.544 = 20.32
24年 8月期 62,728 10.05 × 1.643 = 16.51
25年 8月期 69,387 8.21 × 1.590 = 13.06
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率-30.00-20.00-10.000.0010.0020.0017192123250NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 8月期 連結)
NOPATマージン
8.21%
NOPAT 5,697百万円 ÷ 売上 69,387百万円
×
投下資本回転率
1.590回
売上 69,387百万円 ÷ IC 43,629百万円
=
ROIC
13.06%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

株式会社コシダカホールディングスのROIC(投下資本利益率)を時系列で俯瞰すると、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2021年8月期の落ち込み(-14.85%)から、劇的なV字回復を遂げていることが分かります。ROICを構成する2つの要素を分析すると、今回の変動の主因は「NOPATマージン」の増減にあります。

年度 ROIC (%) NOPATマージン (%) 投下資本回転率 (回)
2019年8月期 10.84 8.81 1.230
2021年8月期 -14.85 -24.03 0.618
2023年8月期 20.32 13.17 1.544
2024年8月期 16.51 10.05 1.643

特に注目すべきは2023年8月期です。NOPATマージンが過去最高の13.17%まで上昇し、投下資本回転率も1.544回と高い水準を維持したことで、ROICは20%を超える極めて高い資本効率を記録しました。しかし、直近の2024年8月期および2025年8月期の予測値を見ると、投下資本回転率は1.6回前後で安定しているものの、NOPATマージンが10.05%から8.21%へと低下傾向にあり、それに伴いROICも13.06%まで落ち着く見通しとなっています。

改善ドライバーの特定

同社のROICをさらに改善、あるいは高水準で維持するためには、主因である「NOPATマージン」の再強化が最優先課題となります。投下資本回転率は2024年8月期に1.643回と高い効率性を示しており、既存資産(店舗)の活用は進んでいると判断できます。したがって、今後の改善ドライバーは以下の点に集約されます。

  • 収益性の回復と向上: 2025年8月期の予測で見られるマージンの低下(8.21%)をいかに食い止めるかが鍵となります。原材料費や人件費の高騰を適切に価格転嫁できているか、あるいはDX導入による店舗運営の効率化が利益率向上に寄与しているかを注視する必要があります。
  • 出店戦略と資本効率のバランス: 同社は積極的な新規出店を継続していますが、これは「投下資本」を増大させます。回転率を維持・向上させるためには、新店が早期に黒字化し、売上高を積み上げることが不可欠です。
  • 不採算事業・店舗の整理: マージンを押し下げる要因となる低収益店舗のスクラップ&ビルドを徹底し、NOPAT(税引後営業利益)の絶対額を底上げすることが、ROIC向上への最短距離となります。

投資家へのポイント

逆ツリー分析の結果から、コシダカホールディングスの経営状況について以下の視点が導き出されます。これらを踏まえた投資判断が求められます。

第一に、同社はパンデミックという未曾有の危機を乗り越え、資本効率をコロナ前(2019年比)を上回る水準まで回復させた経営体力を有しています。2023年8月期のROIC 20.32%は、カラオケ業界の中でも際立った効率性を示しました。

第二に、足元の2024年〜2025年にかけてのROIC低下をどう評価するかです。これは「一時的な利益率の調整(先行投資によるもの)」なのか、あるいは「収益構造の変化(コスト増によるもの)」なのかを見極める必要があります。投下資本回転率は1.5〜1.6回と堅調であるため、売上を作る力(市場シェアや客数)は維持されていると考えられます。

経営陣が今後、低下傾向にあるNOPATマージンを再び10%台に乗せる施策を打ち出せるか、あるいは現在の投資フェーズが将来の利益成長として結実するか。資産効率の高さ(回転率)を維持しつつ、利益率(マージン)の反転を実現できるかどうかが、中長期的な企業価値を見極める重要な指標となるでしょう。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 8月期 2,948 1,559 1,389 9.42 4.98
18年 8月期 4,238 1,897 2,342 8.55 3.83
19年 8月期 5,828 2,339 3,490 10.84 4.35
20年 8月期 5,454 1,686 3,768 14.85 4.59
21年 8月期 -5,178 1,385 -6,563 -14.85 3.97
22年 8月期 1,621 1,445 177 5.29 4.72
23年 8月期 7,026 1,825 5,199 20.32 5.28
24年 8月期 6,304 2,203 4,101 16.51 5.77
25年 8月期 5,697 2,500 3,197 13.06 5.73
EVA(経済的付加価値)推移-10000-500005.0千1億17192123250EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
3,197
百万円(2025年 8月期 連結)
累積EVA
17,100
百万円(9年間合計)
価値創造評価
高い価値創造力

EVAの推移と評価

株式会社コシダカホールディングスのEVA(経済的付加価値)の推移を分析すると、新型コロナウイルスの影響を強く受けた2021年8月期(EVA:-6,563百万円)を除き、概ねプラス圏で推移しており、株主資本コストを上回る真の利益を創出していることが分かります。特に、2023年8月期にはROIC(投下資本利益率)が20.32%と過去最高水準を記録し、EVAも5,199百万円と大幅なプラスとなりました。これは、行動制限の解除に伴う既存店売上の回復と、不採算店舗の整理による収益性の向上が寄与したものと考えられます。会計上の利益(NOPAT)とEVAの乖離に注目すると、2024年・2025年の予測値では、資本コスト(WACC × 投下資本)が2,000百万円台へと増加傾向にあります。これは新規出店や設備投資による投下資本の拡大を反映しており、会計利益が増加していても、資本効率が低下すればEVAの拡大ペースは鈍化するという、EVA特有の厳格な評価基準が示されています。

価値創造力の持続性

累積EVAが17,100百万円に達していることから、中長期的な価値創造力は非常に高いと評価できます。特筆すべきは、2021年の大幅な赤字からわずか2年で過去最高のEVAを更新した「V字回復の速さ」です。2024年8月期(予測4,101百万円)、2025年8月期(予測3,197百万円)と、EVAの絶対額は減少傾向にありますが、依然としてROICは13%〜16%台を維持しており、WACC(5.7%台)を大きく上回るスプレッド(ROIC - WACC)を確保しています。このスプレッドの維持は、同社が競争優位性を持ち、投下した資本に対して効率的にリターンを得る仕組みが持続していることを示唆しています。今後の焦点は、拡大する投下資本(資本コストの増加)に対し、それを上回るNOPATの成長を再び加速させ、EVAの減少トレンドを反転させられるかにあると言えます。

投資家へのポイント

投資判断における重要なポイントは、同社が「資本コストを意識した経営」を継続できているかという点です。ROICがWACCを大きく上回っている現状は、積極的な新規出店が単なる規模拡大ではなく、経済的付加価値を生むための投資として機能していることを示しています。一方で、2024年以降のEVA予測値が微減している点は、市場環境の成熟や競争激化、あるいは先行投資の負担増を反映している可能性があります。累積EVA 171億円という実績は企業の地力の強さを裏付けていますが、投資家としては、今後の設備投資が再びEVAの拡大(成長加速)に結びつくフェーズに入るのか、あるいは現在の高収益性が一時的なリバウンドに留まるのかを、ROICの推移を通じて注視していく必要があります。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
4.43倍
有効年度の平均
リスク評価
中程度
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 8月期 55,223 5,895 10.67 - - -
17年 8月期 55,284 6,146 11.12 0.11 4.26 -
18年 8月期 61,771 7,858 12.72 11.73 27.86 2.37
19年 8月期 66,124 9,804 14.83 7.05 24.76 3.51
19年 8月期 65,840 9,508 14.44 -0.43 -3.02 -
20年 8月期 57,209 8,084 14.13 -13.11 -14.98 1.14
20年 8月期 44,495 2,098 4.72 -22.22 -74.05 3.33
20年 8月期 43,304 1,148 2.65 -2.68 -45.28 16.92
21年 8月期 21,547 -7,397 -34.33 -50.24 -744.34 14.81
21年 8月期 20,791 -7,629 -36.69 -3.51 -3.14 0.89
22年 8月期 40,093 2,701 6.74 92.84 135.40 1.46
22年 8月期 37,995 2,206 5.81 -5.23 -18.33 3.50
23年 8月期 53,361 7,430 13.92 40.44 236.81 5.86
23年 8月期 53,830 7,570 14.06 0.88 1.88 2.14
23年 8月期 54,630 7,667 14.03 1.49 1.28 0.86
24年 8月期 62,728 9,278 14.79 14.82 21.01 1.42
24年 8月期 63,264 10,164 16.07 0.85 9.55 11.18
25年 8月期 69,387 11,393 16.42 9.68 12.09 1.25
26年 8月期 82,046 11,831 14.42 18.24 3.84 0.21
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-40.0-30.0-20.0-10.00.010.020.0171920212324260DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

株式会社コシダカホールディングスの過去数年間の平均DOL(営業レバレッジ度)は4.43倍となっており、リスク評価は「中程度」に分類されます。これは、同社が展開するカラオケ事業(「まねきねこ」等)が、店舗の賃借料、減価償却費、および一定の人件費といった「固定費」を一定規模抱えるビジネスモデルであることを示唆しています。

特に、売上が大きく落ち込んだ2020年8月期から2021年8月期にかけて、DOLが16.92倍や14.81倍といった極めて高い数値を示した局面があります。これは、売上高が損益分岐点付近まで低下したことで、固定費の負担が相対的に重くなり、わずかな売上変動が利益に甚大な影響を与える「固定費型ビジネス」特有の挙動です。一方で、直近の2024年8月期以降は、売上高営業利益率が16%台まで向上しており、固定費を効率的に吸収できる収益構造へとシフトしている様子が伺えます。

景気変動への感応度

DOLの推移を分析すると、同社の業績は外部環境の変化に対して非常に高い感応度(ボラティリティ)を持っていることが分かります。好況期や需要回復期においては、営業レバレッジがプラスに作用します。例えば、2023年8月期には売上高が40.44%増加した際、営業利益は236.81%増(DOL 5.86倍)と驚異的な伸びを記録しました。これは、一度損益分岐点を超えると、増収分の多くが利益として積み上がる特性を如実に表しています。

半面、不況期や外出自粛等のマイナス要因が発生した際のリスクには注意が必要です。2021年8月期のように売上が半減(-50.24%)した際、営業利益変化率は-744.34%に達し、大幅な赤字転落を余儀なくされています。直近の予測データ(2025年・2026年)では、DOLは1.25倍から0.21倍と落ち着きを見せる見通しとなっており、急激な利益の爆発力は影を潜めるものの、安定的な成長フェーズへの移行が示唆されています。特に2026年8月期のDOL 0.21倍という予測は、売上の伸びに対して利益の伸びが緩やかになることを意味しており、出店投資やコスト増の影響を考慮する必要があります。

投資家へのポイント

投資家が注目すべき点は、同社の「高い収益弾力性」と「固定費リスク」のバランスです。平均DOL 4.43倍という数値は、市場平均と比較しても利益の変化が大きく出やすい傾向にあります。これは、個人消費が活発な局面では他社を凌駕する利益成長が期待できる一方、消費低迷時には利益が急速に圧縮されるリスクを内包していることを意味します。

判断の材料として、現在の営業利益率が14〜16%と過去最高水準にある点、および今後のDOL予測が低水準で推移している点が挙げられます。これは同社が店舗網の拡大と効率化を両立させ、以前よりも損益分岐点を引き下げた安定的な構造に変化しつつあるのか、あるいは成長の踊り場に差し掛かっているのか、という解釈の分かれ目となります。営業レバレッジがもたらす利益増幅効果をポジティブに捉えるか、あるいは景気後退時の下振れリスクを重く見るか、慎重な検討が求められます。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 8月期 13.45 推定30% 70.0 9.41 -
18年 8月期 17.55 推定30% 70.0 12.29 11.86
19年 8月期 19.26 推定30% 70.0 13.48 7.05
20年 8月期 24.11 推定30% 70.0 16.87 -13.48
21年 8月期 -19.67 推定30% 70.0 -13.77 -62.34
22年 8月期 16.39 17.9 82.1 13.46 86.07
23年 8月期 27.21 13.8 86.2 23.46 33.09
24年 8月期 21.96 21.8 78.2 17.18 17.55
25年 8月期 14.98 37.5 62.5 9.36 10.62
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-100.0%-50.0%0.0%50.0%100.0%17192123250SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%17192123250ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 8月期 連結)
ROE
14.98%
×
内部留保率
62.5%
=
SGR
9.36%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRをやや上回っており、持続性に注意が必要

SGR水準の評価

株式会社コシダカホールディングスのSGR(持続的成長率)は、過去数年間で大きな変動を見せています。特に2023年8月期にはROE 27.21%、内部留保率 86.2%を背景に23.46%という極めて高いSGRを記録しました。しかし、最新の2025年8月期予測では、SGRは9.36%へと低下する見通しです。この要因は主に2点に集約されます。第一に、ROEが2023年のピーク時から14.98%へと正常化(低下)していること。第二に、株主還元姿勢の強化により配当性向が2023年の13.8%から37.5%へと大幅に上昇し、内部留保率が86.2%から62.5%へと低下したことです。現在のSGR水準は、爆発的な回復期を経て、安定成長と積極的な配当支払いを両立するフェーズへ移行したことを示唆しています。

成長の持続可能性

実際の売上成長率とSGRを比較すると、同社の成長持続性には注視が必要です。2022年(実際86.07% vs SGR 13.46%)や2023年(実際33.09% vs SGR 23.46%)のように、実際の成長率がSGRを大幅に上回る時期が続いてきました。これは、コロナ禍からの回復局面において、内部留保資金のみならず、蓄積されたキャッシュや外部資本を効率的に回転させて急成長を遂げたことを意味します。2025年8月期の予測においても、実際の成長率(10.62%)がSGR(9.36%)を僅かに上回る見込みです。この「実際成長率 > SGR」の状態が常態化する場合、理論上は追加の外部資金調達が必要となるか、財務レバレッジが高まる可能性があります。成長の源泉が自己資本の蓄積ペースを僅かに上回っている現状は、高効率な経営の証左である一方、財務的な余裕(スラック)は少なくなっていると評価できます。

投資家へのポイント

本分析から導き出される投資判断の材料として、以下の3点に注目してください。第一に、ROEが14.98%と依然として二桁台の高い水準を維持しており、資本効率そのものは良好である点です。第二に、配当性向が37.5%まで引き上げられたことで、株主還元への期待値が高まる一方、それがSGRを押し下げる要因(内部留保の減少)となっている点です。第三に、今後10%を超える成長を継続しようとする場合、現在のSGR(9.36%)とのギャップをどのように埋めるか(借入によるレバレッジ活用か、さらなる効率向上か)が焦点となります。同社が「外部資金に頼らず自律的に成長できる範囲」を僅かに超えて攻めの姿勢を維持している現状を、成長への意欲と捉えるか、財務的な持続性へのサインと捉えるかは、投資家の皆様の判断に委ねられます。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
∞(利息負担なし)
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 8月期 5,895 - 9,737 22.3 -
18年 8月期 7,858 - 24,322 35.6 -
19年 8月期 9,804 - 22,244 30.9 -
20年 8月期 8,084 - 13,996 31.4 -
21年 8月期 -7,397 - 16,770 40.0 -
22年 8月期 2,701 - 10,933 23.1 -
23年 8月期 7,430 27 275.2 8,848 15.5 0.31
24年 8月期 9,278 - 7,436 12.1 -
25年 8月期 11,393 - 8,525 12.4 -
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移0.050.0100.0150.0200.0250.0300.01719212325ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

株式会社コシダカホールディングスのインタレストカバレッジレシオ(ICR)は、分析期間の大部分において「∞(無限大)」または極めて高い数値を記録しており、財務的な利払い能力は「極めて安全」な水準にあります。2021年8月期には、新型コロナウイルス感染症の影響により7,397百万円の営業赤字を計上しましたが、その後の業績回復は著しく、2023年8月期のICRは275.2倍という驚異的な数値をマークしました。これは、安全圏とされる10倍を大幅に上回る水準です。2024年8月期以降の予測においても、営業利益が9,278百万円、11,393百万円と右肩上がりの推移が見込まれており、本業の稼ぐ力で利息負担を余裕を持って吸収できる体制が維持されています。

有利子負債の状況

有利子負債の管理状況は非常に良好です。2018年8月期には24,322百万円あった有利子負債は、2024年8月期には7,436百万円まで圧縮されています。これに伴い、有利子負債比率も2021年8月期の40.0%をピークに、直近では12.1%(2024年8月期)まで低下しました。カラオケ事業という設備投資先行型のビジネスモデルでありながら、借入金への依存度を抑え、自己資本やキャッシュフローの範囲内で成長原資を賄えている点は特筆すべき点です。2023年8月期の推定支払利息が27百万円と極めて少額であることも、有利子負債の絶対量の少なさと、良好な資金調達条件を示唆しています。

投資家へのポイント

投資家にとっての注目点は、同社の強固な財務基盤がもたらす「攻めの経営」への余力です。極めて低い有利子負債比率と高い利払い安全性は、将来的な大規模な設備投資やM&A、あるいは海外展開を加速させる際の借入余力が十分にあることを意味します。パンデミックという未曾有の危機を経て、赤字転落時でも揺るがない財務体質を構築した点は評価に値します。一方で、これほどまでに低いレバレッジは、資本効率(ROE)の観点からはさらなる改善の余地があると捉えることも可能です。今後、この盤石な財務背景を活かして、どのように成長投資と株主還元を両立させていくかが、投資判断における重要な視点となるでしょう。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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データソース

この記事はEDINETから取得した決算報告書をAIが分析して生成しています。

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