2163株式会社アルトナー||

アルトナー(2163) 理論株価分析:連結決算移行と積極M&Aで加速する高収益モデル カチノメ

決算発表日: 2026-04-222026年1月期 通期
総合業績スコア
80/100
好決算

セクション別スコア

業績成長性75収益性85財務健全性78株主還元88成長戦略80理論株価評価72
業績成長性75
収益性85
財務健全性78
株主還元88
成長戦略80
理論株価評価72

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)40億60億80億100億120億140億160億2017年 2019年 2021年 2022年 2024年 2025年 2026年 '27/1売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)0百万5億10億15億20億25億2017年 2019年 2021年 2022年 2024年 2025年 2026年 '27/1営業利益経常利益純利益利益率推移(%)6.0%8.0%10.0%12.0%14.0%16.0%18.0%2017年 2019年 2021年 2022年 2024年 2025年 2026年 '27/1営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 1月期 個別 5,153 553 564 364 -
2018年 1月期 個別 5,765 681 690 481 -
2019年 1月期 個別 6,332 786 794 541 -
2020年 1月期 個別 7,002 886 894 613 -
2021年 1月期 個別 7,175 887 910 629 -
2022年 1月期 個別 7,994 930 952 677 -
2022年 1月期 個別 8,103 1,010 1,032 729 -
2023年 1月期 個別 9,242 1,194 1,203 895 -
2024年 1月期 個別 10,049 1,526 1,536 1,061 -
2024年 1月期 個別 10,111 1,523 1,533 1,052 -
2025年 1月期 個別 11,126 1,810 1,822 1,261 -
2026年 1月期 連/個 11,584 1,855 1,854 1,286 -
2026年 1月期 連/個 12,047 1,822 1,824 1,259 1,280
2027年1月期 14,021 2,017 2,001 1,248

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 1月期 個別 5,153 10.73% 10.95% 7.06%
2018年 1月期 個別 5,765 11.81% 11.97% 8.34%
2019年 1月期 個別 6,332 12.41% 12.54% 8.54%
2020年 1月期 個別 7,002 12.65% 12.77% 8.75%
2021年 1月期 個別 7,175 12.36% 12.68% 8.77%
2022年 1月期 個別 7,994 11.63% 11.91% 8.47%
2022年 1月期 個別 8,103 12.46% 12.74% 9.00%
2023年 1月期 個別 9,242 12.92% 13.02% 9.68%
2024年 1月期 個別 10,049 15.19% 15.29% 10.56%
2024年 1月期 個別 10,111 15.06% 15.16% 10.40%
2025年 1月期 個別 11,126 16.27% 16.38% 11.33%
2026年 1月期 連/個 11,584 16.01% 16.00% 11.10%
2026年 1月期 連/個 12,047 15.12% 15.14% 10.45%
2027年1月期 14,021 14.39% 14.27% 8.90%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年1月期(第64期)より連結決算に移行しました。連結売上高は12,046百万円、営業利益は1,821百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,258百万円となりました。単体ベースでの比較では、売上高が前期比7.4%増、経常利益が同7.3%増と、着実な増収増益を達成しています。営業利益率は15.1%と高い水準を維持しており、技術者派遣業界の中でも優れた収益性を示しています。

注目ポイント

最大の注目点は、従来の単体経営から連結経営への舵切りです。当期中に「有限会社クリップソフト」および「株式会社情報技研」の2社を相次いで完全子会社化しました。これにより、車載ソフトウェアや航空宇宙、輸送用機器設計といった成長分野での技術力・リソースが強化されており、今後のシナジー創出による業績拡大が期待されます。

業界動向

製造業における研究開発投資は、電気自動車(EV)や自動運転、半導体関連を中心に依然として旺盛です。エンジニア不足が常態化する中、同社が強みとするハイエンド(設計開発領域)の派遣需要は非常に高く、競合他社と比較しても高水準の稼働率(高付加価値領域への配属)を維持できる環境にあります。

投資判断材料

長期投資家にとっての魅力は、高い資本効率(ROE 24.1%)と積極的な株主還元姿勢です。配当性向は連結ベースでも高水準を維持する方針であり、自己資本比率57.7%という健全な財務基盤を背景に、安定したインカムゲインと成長によるキャピタルゲインの両取りが狙える銘柄と言えます。

セグメント別業績

同社グループは報告セグメントを単一としていますが、事業内容別では「技術者派遣事業」が売上の約86%を占める中核です。その他、請負・受託事業が13.4%を占めており、OJTを通じた若手技術者のスキルアップや、顧客ニーズへの柔軟な対応を可能にしています。

財務健全性

自己資本比率は57.7%と良好です。M&Aに伴い長期借入金が約10億円増加しましたが、現金及び現金同等物を4,725百万円保有しており、ネットキャッシュは潤沢です。営業キャッシュフローも1,415百万円のプラスとなっており、自社での稼ぎ出す力(現金創出力)には定評があります。

配当・株主還元

当期の年間配当金は1株当たり84円(中間42円、期末42円)を予定しています。配当性向は63.8%(単体ベース)と極めて高く、株主還元への意識の強さが伺えます。また、機動的な資本政策として自己株式の取得(30,000株、50百万円を上限)も発表しており、総還元性向の高さが評価されます。

通期業績予想

新中期経営計画「Make Value for 2025 to 2029」の初年度として、順調な滑り出しを見せています。M&Aによる連結化効果がフル寄与する次期以降、トップライン(売上高)の成長加速と、高単価なハイエンド領域へのシフトによる利益率のさらなる向上が焦点となります。

中長期成長戦略

戦略の柱は「ハイエンド領域の人員拡大」と「多様な人財活用」です。カーボンニュートラル対応技術への注力や、シニア・女性・留学生といった多様なエンジニアの育成・活用を推進しています。また、M&Aやアライアンスを通じて、単なる派遣業から「総合技術サービス会社」への進化を目指しています。

リスク要因

主要顧客である自動車業界の景気動向や通商政策の変化が、直接的にエンジニア需要に影響するリスクがあります。また、採用競争の激化による人件費(採用コスト・教育費)の高騰が利益を圧迫する可能性も考慮しておく必要があります。

ESG・サステナビリティ

人的資本の最大化を掲げ、独自の「T字型スペシャリスト教育システム」を運用しています。また、TCFD提言への賛同やGHG排出量の実質ゼロを目指すなど、環境負荷低減への取り組みも具体化しており、ガバナンス体制も監査等委員会設置会社として透明性を確保しています。

経営陣コメント

関口社長は「エンジニアサポートカンパニー」としての理念を強調しており、エンジニアの夢の実現が企業の成長に直結するモデルを推進しています。今回の連結決算への移行は、グループ一体となって次世代成長の基盤を構築するための重要なステップであるとしています。

バリュエーション

実績PERは17.5倍、PBRは3.6倍程度となっています(決算時点)。ROEが20%を超える高効率経営であることを踏まえると、PER水準には依然として上昇の余地があると考えられます。特に4%を超える高い配当利回りは、下値の支持材料として強力です。

過去決算との比較

過去5年間の推移を見ると、売上高・利益ともに右肩上がりのトレンドを維持しています。特にコロナ禍以降の回復が著しく、1株当たり純利益(EPS)は第60期の68.59円から第64期には118.47円(連結)へと倍増近い成長を遂げており、成長フェーズにあることが確認できます。

市場の評判

株式会社アルトナーは人材派遣業を主に行う企業で、業界内で高い定着率を誇り、過去12年連続増収増益を記録しています。投資家は株価の安定性と成長性を評価しており、リバウンドの可能性があると見なしています。

詳細リサーチレポート

最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年1月期の連結決算では、売上高120.46億円、営業利益18.21億円を記録し、営業利益率は15.1%を達成. 技術者数の増加や単価上昇が業績に貢献し、次期も増収増益を見込んでいる.
  • 2026年1月期の経常損益は1,823百万円と、事前予想を下回る水準.
  • 今後の見通しとして、海外情勢の不安定さは残るものの、自動車や半導体関連の投資増により、技術者需要は引き続き旺盛と予測されている. 今後も研究開発と高付加価値分野への注力を継続し、成長を目指す方針.
  • 中期経営計画では、2030年1月期の売上高を187億円、年平均成長率10%以上を目標としている. 達成のため、エンジニアの増員が不可欠であり、戦略的な請負・受託事業へのシフトを図り、多様な人材活用を推進している.

業界内での競合ポジションと市場シェア

  • アルトナーは、機械設計、電気・電子設計、ソフトウェア開発などの高付加価値な技術支援を行っている.
  • エンジニア派遣・請負開発市場は、DX化や技術革新の波により成長機会が広がっている.
  • 主要な競合他社としては、テクノプロHDやメイテックなどの大手企業が存在する. アルトナーは、大手と直接競争せず、「高スキル・少数精鋭の派遣+請負型受託」で高付加価値化を図っている.

成長戦略と重点投資分野

  • 中期経営計画において、業界No. 1高付加価値の技術者集団の組織化・総合技術サービス会社への進化を基本方針としている.
  • M&Aを成長戦略の一つとしており、総合技術サービス会社への進化を掲げている.
  • 2025年9月には、車載メーターなどの組込みソフトウェア開発のクリップソフトを子会社化し、IT業界でのサービス拡大を図っている.
  • 2025年12月には、輸送用機器設計の情報技研を子会社化し、自動車産業・航空宇宙産業でのサービス拡大を図っている.
  • 今後は、化学や土木建築など新たな専門技術領域の獲得を視野に入れ、業績拡大を図る.

リスク要因と課題

  • 個別銘柄であるアルトナーの株価も、グローバルな金融市場の流動性の影響を受ける可能性がある.
  • 労働者派遣法改正により、コンプライアンス強化・正社員登用比率向上が求められる. アルトナーは正社員比率90%以上であり、法令遵守をアピールしている.

アナリストの評価と目標株価

  • 複数の情報源を確認しましたが、直近3ヶ月のアナリストによるレーティングや目標株価に関する情報は一貫していません.
  • 2025年9月には、日系中堅証券がアルトナーのレーティングを「やや強気」とし、目標株価を2,300円としていた.
  • 株予報Proによると、理論株価(PBR基準)は2,112円、上値目途は2,397円、下値目途は1,826円とされている.

最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年1月23日:ジャパニアス株式会社との業務提携契約締結.
  • 2025年12月8日:株式会社情報技研の株式取得(子会社化).
  • 2025年9月8日:有限会社クリップソフトの株式取得(子会社化).
  • 2026年4月20日:マイナビ・日経 2027年卒大学生就職企業人気ランキング 人材サービス(派遣・紹介)において、3位にランクイン.

ESG・サステナビリティへの取り組み

  • サステナビリティ活動推進の基本的な考え方として、エンジニアの成長と自己実現をサポートし、企業価値の最大化を図るとともに、事業活動を通じて社会的課題の解決に貢献し、持続的成長及び次世代成長の基盤構築を進めていくことを掲げている.
  • 優先的に取り組むべき8つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、課題解決に向けた実効性のある経営、事業活動に取り組んでいる.
  • 環境活動方針を定め、気候変動、生物多様性保全、汚染防止と資源循環に取り組んでいる.
  • SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の達成に向け、「プラスチック・スマート宣言」を制定し、3R(Reduce, Reuse, Recycle)を推進している.
  • 2026年3月には、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)へ500,000円の寄付を実施.
  • 地域社会への貢献として、小学生向けプログラミング教室の開催や公共スペースの清掃活動を実施している.

配当政策と株主還元

  • 安定的な配当を基本方針とし、配当性向は50%をベースとしながら、業績に応じて柔軟に対応している.
  • 10期連続で増配しており、株主還元に積極的.
  • 2027年1月期の1株当たり配当金の会社予想は86.00円.
  • 2026年1月期の配当性向は70.9%.
  • 2026年4月22日時点の配当利回り(会社予想)は4.46%.
  • 2025年7月30日に1株当たり42円の配当金を支払う予定.
  • 過去には自己株式の取得も実施している.

情報源

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
83.5%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
16.5%
1 − 変動費率
推定固定費
298
百万円
基準: 2027年1月期(売上高 14,021 百万円)と 2017年 1月期 個別(売上高 5,153 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 1月期 個別 5,153 851 16.5% 1,803 65.0% 1.54倍
18年 1月期 個別 5,765 952 16.5% 1,803 68.7% 1.40倍
19年 1月期 個別 6,332 1,045 16.5% 1,803 71.5% 1.33倍
20年 1月期 個別 7,002 1,156 16.5% 1,803 74.3% 1.30倍
21年 1月期 個別 7,175 1,185 16.5% 1,803 74.9% 1.34倍
22年 1月期 個別 7,994 1,320 16.5% 1,803 77.4% 1.42倍
22年 1月期 個別 8,103 1,338 16.5% 1,803 77.8% 1.32倍
23年 1月期 個別 9,242 1,526 16.5% 1,803 80.5% 1.28倍
24年 1月期 個別 10,049 1,659 16.5% 1,803 82.1% 1.09倍
24年 1月期 個別 10,111 1,669 16.5% 1,803 82.2% 1.10倍
25年 1月期 個別 11,126 1,837 16.5% 1,803 83.8% 1.01倍
26年 1月期 連/個 11,584 1,912 16.5% 1,803 84.4% 1.03倍
26年 1月期 連/個 12,047 1,989 16.5% 1,803 85.0% 1.09倍
27年1月期 14,021 2,315 16.5% 1,803 87.1% 1.15倍
売上高と損益分岐点売上高の推移05十億1億2億1719212224252627売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.020.040.060.080.0100.01719212224252627安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2027年1月期)
売上高
14,021
百万円
損益分岐点
1,803
百万円
安全余裕率
87.1%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
1.15倍
低い経営リスク

費用構造の評価

アルトナー(2163)の費用構造は、推定変動費率が83.5%と非常に高く、一方で推定固定費は298百万円と極めて低水準に抑えられている「変動費型」の事業特性が顕著です。技術者派遣というビジネスモデル上、売上の増加に伴い技術者の労務費(変動費)が直接的に増加する構造を反映しています。限界利益率は16.5%と決して高くはありませんが、固定費の負担が軽いため、少額の売上でも確実に利益を積み上げることが可能な、極めて身軽な収益構造であると評価できます。

損益分岐点と安全余裕率

損益分岐点売上高は1,803百万円と推定されており、2024年1月期の売上高(約10,111百万円)と比較しても、その水準は非常に低く抑えられています。特筆すべきは安全余裕率の推移です。2017年1月期の65.0%から、2027年1月期の予測値では87.1%まで上昇する見通しとなっています。一般的に30%以上で優良とされる安全余裕率が80%を超えていることは、景気後退局面で売上が大幅に減少したとしても、赤字に転落するリスクが極めて低い、極めて高い収益の安定性と耐性を備えていることを示唆しています。

経営レバレッジとリスク

経営レバレッジは、2017年1月期の1.54倍から、直近では1.1倍前後まで低下し、2027年1月期予測でも1.15倍と低水準で推移しています。これは、売上の増減が営業利益に与える影響(感応度)が小さいことを意味します。固定費が小さいため、売上の急増が爆発的な利益成長をもたらす「レバレッジ効果」は限定的ですが、一方で景気悪化による減収時の利益減少も緩やかになります。事業上のリスクが低く、予測可能性の高い、着実な利益成長を志向する特性があると言えます。

投資判断への示唆

本分析の結果から、アルトナーは極めて強固な財務的安全性を持つ企業であると考察されます。2027年1月期に向けた売上高14,021百万円、限界利益2,315百万円という成長予測は、損益分岐点の低さと相まって、利益水準の確実な底上げを期待させるものです。一方で、変動費率が高いため、売上規模の拡大が劇的な利益率の向上に直結しにくい側面もあります。投資家としては、同社の高い安全性を評価したディフェンシブな成長株として捉えるか、あるいはレバレッジの低さによる成長の緩やかさをどう評価するかが、投資判断の焦点となるでしょう。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 1月期 個別 7.06 × 2.250 × 1.42 = 0.23
18年 1月期 個別 8.34 × 2.086 × 1.41 = 0.25
19年 1月期 個別 8.54 × 1.940 × 1.40 = 0.23
20年 1月期 個別 8.75 × 1.842 × 1.39 = 0.22
21年 1月期 個別 8.77 × 1.619 × 1.42 = 0.20
22年 1月期 個別 8.47 × 1.571 × 1.42 = 0.19
23年 1月期 個別 9.68 × 1.629 × 1.40 = 0.22
24年 1月期 個別 10.56 × 1.644 × 1.43 = 0.25
25年 1月期 個別 11.33 × 1.664 × 1.42 = 0.27
26年 1月期 連/個 11.10 × 1.279 × 1.79 = 0.25
デュポン分析:ROEの3要素推移0.0%2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%12.0%171921232526純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移1.201.401.601.802.002.202.40171921232526総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2026年 1月期 連/個)
純利益率
11.10%
収益性
×
総資産回転率
1.279回
効率性
×
財務レバレッジ
1.79倍
借入で資本効率を79%ブースト
=
ROE
0.25%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「財務レバレッジ」の変化によるものです。借入金の増減がROEに大きく影響しています。高レバレッジによるROEの嵩上げはリスクも伴います。

ROEの質の評価

株式会社アルトナーのROE(自己資本利益率)は、2017年1月期の23%から2025年1月期予想の27%に至るまで、極めて高い水準を維持しています。特筆すべきは、その「質の高さ」です。ROE向上を牽引している主因は、純利益率の大幅な改善にあります。2017年1月期の7.06%から、2025年1月期には11.33%まで上昇しており、技術者派遣という事業構造の中で、高付加価値化や販管費の効率化が着実に進んでいることが読み取れます。レバレッジに過度に依存せず、本業の収益性(マージン)を拡大させることでROEを高めている点は、投資家にとって評価すべき健全な成長と言えます。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジは、2017年1月期から2025年1月期にかけて、1.39倍から1.43倍の間で極めて安定的に推移しています。これは、同社が無理な借入によるROEの底上げを行わず、自己資本を基盤とした堅実な経営を続けてきたことを示唆しています。一方で、2026年1月期の連結・個別予想では、財務レバレッジが1.79倍へと急上昇する計画となっています。これは、連結決算への移行に伴う資産負債構成の変化、あるいは事業拡大に向けた資金調達などが背景にあると推察されます。1.79倍という水準自体は依然として財務的な健全性を保つ範囲内ですが、これまでの安定的な推移と比較して、資本構成の変化に注視する必要があります。

トレンド分析

過去10年弱の推移を概観すると、同社の収益構造の変化が鮮明に現れています。

  • 収益性(純利益率):一貫した上昇トレンドにあります。特に2023年以降は10%台に乗せており、収益力のステージが変わったと言えます。
  • 効率性(総資産回転率):2017年の2.250回をピークに、2022年には1.571回まで低下しました。これは利益の蓄積による総資産(現預金等)の増加が、売上の伸びを上回った可能性を示唆します。しかし、直近では1.6回台で底打ち・反転の兆しを見せています。
  • 2026年の構造変化:2026年予想では、純利益率は11.10%と高水準を維持する一方、総資産回転率が1.279回へ低下し、財務レバレッジが1.79倍へ上昇します。これは、ROEの源泉が「資産効率」から「財務戦略」へ一部シフトする分岐点となる可能性があります。

投資判断への示唆

デュポン分析から見えるアルトナーの強みは、20%を超える高いROEを、11%を超える高い純利益率によって支えている点です。資本効率を重視する投資家にとって、この「収益性主導型」のROEは魅力的な指標となります。今後の焦点は、2026年1月期に見込まれる財務構造の変化です。財務レバレッジの上昇が、M&Aや設備投資といった将来の成長に向けた「攻めのレバレッジ」として機能し、低下傾向にある総資産回転率を再び押し上げる要因となるか、あるいは単なる資本効率の調整に留まるか。この収益構造の転換が、持続的な株主価値向上につながるかどうかを慎重に見極めることが、重要な判断材料となるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 10億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 0.10% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 1百万 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 0.1% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 30.6% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/01 0百万 0百万 6億 6億 4億 4億 22.57% 22.57% +0.00%pt
2018/01 0百万 0百万 7億 7億 5億 5億 24.57% 24.57% +0.00%pt
2019/01 0百万 0百万 8億 8億 5億 5億 23.23% 23.23% +0.00%pt
2020/01 0百万 0百万 9億 9億 6億 6億 22.50% 22.50% +0.00%pt
2021/01 0百万 0百万 9億 9億 6億 6億 20.17% 20.17% +0.00%pt
2022/01 0百万 0百万 10億 10億 7億 7億 18.93% 18.93% +0.00%pt
2023/01 0百万 0百万 12億 12億 9億 9億 22.14% 22.14% +0.00%pt
2024/01 0百万 0百万 15億 15億 11億 11億 24.85% 24.85% +0.00%pt
2025/01 0百万 0百万 18億 18億 13億 13億 26.79% 26.79% +0.00%pt
2026/01 10億 1百万 19億 19億 13億 13億 25.35% 21.06% +4.29%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション2億4億6億8億10億12億14億2017/012019/012021/012023/012025/012026/01実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション18.0%20.0%22.0%24.0%26.0%28.0%2017/012019/012021/012023/012025/012026/01実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を増やしている(レバレッジ効果あり)
実績ROE
25.35%
借金なしROE
21.06%
レバレッジ効果
+4.29%pt

事業利益率が借入金利を上回っており、借金によるレバレッジが株主リターン(ROE)を押し上げています。

借金の利益インパクト

株式会社アルトナーの直近(2026年1月期予想)の財務データに基づくと、有利子負債10億円に対する推定支払利息は1百万円にとどまります。これは、同社の推定金利が0.10%と極めて低水準であることに起因します。経常利益(実績)19億円、純利益(実績)13億円という高い収益規模と比較すると、利息/純利益比率はわずか0.1%です。この数値から、借入金による利息負担が最終利益を圧迫するリスクは現時点において実質的に無視できる範囲であり、収益構造は極めて堅牢であると言えます。

レバレッジ効果の評価

2017年から2025年1月期まで、同社は無借金経営を継続しており、レバレッジ効果は0%で推移してきました。しかし、2026年1月期のシミュレーションでは、実績ROE 25.35%に対し、借金がないと仮定した場合のROE(借金なしROE)は21.06%に低下します。その差分である「+4.29%pt」がレバレッジ効果として表れており、財務レバレッジが株主リターンの向上に大きく寄与していることが分かります。これは、調達コスト(0.10%)を大幅に上回る効率で資本を事業に投下し、利益を上げていることを示唆しています。

財務戦略の考察

長年維持してきた無借金経営から、10億円規模の有利子負債を活用する方針へとシフトした点は注目に値します。技術者派遣という同社の事業モデルは、多額の設備投資を必要としない「ライトアセット」な特性を持つため、本来は負債に頼る必要性が低い業種です。それにもかかわらず、極低金利で資金を調達し、自己資本を効率化(ROEの維持・向上)させる戦略は、資本効率を重視する現代の投資家ニーズに合致したものと評価できます。同業他社と比較しても、ROEが20%を超える高い収益性を維持しながら、適度なレバレッジを効かせる手法は、攻守のバランスが取れた財務戦略と言えるでしょう。

投資家へのポイント

投資判断に際しては、以下の2点を中心に注視することが重要です。

  • 資本効率の向上とROEの持続性: 2026年1月期のROE 25.35%は非常に高い水準です。借入金によってレバレッジを効かせたことで、高ROEが維持されています。今後、この調達資金がさらなる事業拡大や採用強化にどのように結びつき、収益成長を加速させるかが焦点となります。
  • 借入の目的とリスク: 支払利息1百万円という負担は軽微であり、金利上昇局面においても即座に経営を圧迫するリスクは低いと考えられます。ただし、無借金から借入へと方針が変化した背景(M&Aの検討や株主還元強化の準備など)を今後の決算短信等で確認し、資本構成の変化が企業価値向上に資するものかを見極める必要があります。
同社の強固な収益力と、新たな財務戦略による資本効率の改善は、投資家にとってポジティブな側面を持っていますが、最終的な投資判断は市場環境や将来の成長見通しを総合的に考慮した上で行ってください。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 1月期 個別 357 1,613 22.13 7.00 +15.13
18年 1月期 個別 475 1,958 24.25 7.00 +17.25
19年 1月期 個別 536 2,329 22.99 7.00 +15.99
20年 1月期 個別 608 2,725 22.29 7.00 +15.29
21年 1月期 個別 613 3,119 19.66 7.00 +12.66
22年 1月期 個別 661 3,577 18.49 7.00 +11.49
23年 1月期 個別 888 4,042 21.98 7.00 +14.98
24年 1月期 個別 1,054 4,270 24.69 7.00 +17.69
25年 1月期 個別 1,253 4,707 26.61 7.00 +19.61
26年 1月期 連/個 1,287 6,110 21.06 5.82 +15.24
ROIC vs WACC推移5.0%10.0%15.0%20.0%25.0%30.0%171921232526ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2026年 1月期 連/個)
ROIC
21.06%
投下資本利益率
WACC
5.82%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
+15.24%pt
高い価値創造力

ROIC水準の評価

株式会社アルトナーのROIC(投下資本利益率)は、過去10年間にわたり18%から26%という極めて高い水準を維持しています。一般的に日本企業の平均的なROICが5〜8%程度と言われる中で、同社の20%を超えるパフォーマンスは、資本効率が非常に高い「高収益体質」であることを示しています。特に2025年1月期には26.61%と過去最高の効率を記録する見込みであり、人的資本を主な経営資源とする技術者派遣業の特性を活かし、設備投資負担を抑えつつ着実に利益(NOPAT)を積み上げている点が特徴です。2022年1月期に一時18.49%まで低下しましたが、その後は急回復を見せており、外部環境の変化に対する適応力の高さも伺えます。

ROIC-WACCスプレッド分析

資本コスト(WACC)を7.00%(2026年1月期予測では5.82%)と仮定した場合、同社のROIC-WACCスプレッドは常に2桁(+11.49〜+19.61ポイント)のプラスで推移しています。これは、株主や債権者から調達した資本のコストを大幅に上回る付加価値を創出していることを意味します。ポジティブな要因としては、投下資本(2017年の1,613百万円から2025年の4,707百万円へ)の拡大スピードを上回るペースで、NOPAT(357百万円から1,253百万円へ)を成長させている点が挙げられます。2026年1月期は投下資本が6,110百万円へと大きく増加する計画により、ROIC自体は21.06%へと一時的に低下する予測ですが、WACCの低下も相まって依然として+15.24ポイントという高いスプレッドを維持しており、持続的な企業価値の創造が期待される局面です。

投資家へのポイント

アルトナーのROIC分析において、投資家が注目すべきポイントは「事業規模の拡大と資本効率の維持の両立」です。同社は投下資本を増大させながらも高いROICを維持しており、これは事業への追加投資(採用や研修体制の強化など)が、確実に利益成長に結びついていることを示唆しています。2026年1月期の予測では投下資本が前年比で約30%増加しており、これが将来の利益成長に向けた布石となるのか、あるいは効率の鈍化を招くのかが、中長期的な投資判断の鍵となります。また、労働集約型のモデルであるため、エンジニアの稼働率や単価アップの動向が、この高いROICを支えるNOPATの源泉であることを念頭に置く必要があります。これらの数値を踏まえ、同社の資本効率が今後も業界トップクラスを維持できるかどうかを精査することが重要です。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 1月期 個別 5,153 6.93 × 3.195 = 22.13
18年 1月期 個別 5,765 8.23 × 2.944 = 24.25
19年 1月期 個別 6,332 8.46 × 2.719 = 22.99
20年 1月期 個別 7,002 8.68 × 2.570 = 22.29
21年 1月期 個別 7,175 8.54 × 2.300 = 19.66
22年 1月期 個別 7,994 8.27 × 2.235 = 18.49
23年 1月期 個別 9,242 9.61 × 2.286 = 21.98
24年 1月期 個別 10,049 10.49 × 2.353 = 24.69
25年 1月期 個別 11,126 11.26 × 2.364 = 26.61
26年 1月期 連/個 11,584 11.11 × 1.896 = 21.06
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率0.002.004.006.008.0010.0012.00171921232526NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2026年 1月期 連/個)
NOPATマージン
11.11%
NOPAT 1,287百万円 ÷ 売上 11,584百万円
×
投下資本回転率
1.896回
売上 11,584百万円 ÷ IC 6,110百万円
=
ROIC
21.06%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「投下資本回転率」の変化によるものです。資産の効率的活用(または非効率化)がROICを動かしています。

ROIC変動要因の分解

株式会社アルトナー(2163)の過去10年間のROIC推移を分析すると、高水準(概ね20%前後)を維持しながらも、その構成要素が「高効率型」から「高収益型」へと変遷していることが見て取れます。

  • NOPATマージンの向上:2017年1月期の6.93%から2025年1月期(予想)の11.26%まで、ほぼ一貫して上昇傾向にあります。これは、高付加価値な技術者派遣へのシフトや単価交渉力の強化、あるいは販管費の効率化が功を奏していることを示唆しています。
  • 投下資本回転率の低下と安定:2017年1月期には3.195回と非常に高い効率性を誇っていましたが、2022年1月期には2.235回まで低下しました。しかし、直近の2023年〜2025年1月期にかけては2.3回台で安定・微増しており、資産の活用効率が底打ちから回復の兆しを見せています。
  • 2026年1月期の予測:ROICが21.06%へと低下する予測となっていますが、主因はNOPATマージンの大幅な悪化ではなく、投下資本回転率が1.896回まで急低下することにあります。これは連結決算への移行や、成長に向けた先行投資による投下資本の増加が、売上高の成長を一時的に上回ることを示唆しています。

改善ドライバーの特定

分析結果より、同社のROICをさらに改善、あるいは高水準で維持するための鍵は「投下資本回転率の再上昇」にあります。

NOPATマージンは11%台と、技術者派遣業界の中でも高い水準に達しており、ここからのさらなる大幅なマージン拡大には限界があると考えられます。一方で、投下資本回転率は過去の3回台と比較すると低下の余地を残しています。

  • 資産効率の最適化:2026年度に見込まれる回転率の低下を一時的なものに留められるかが重要です。具体的には、採用・教育投資によって増加した投下資本(人財資産等)を、いかに迅速に稼働(売上)へ結びつけるかが問われます。
  • 待機期間の短縮:技術者の稼働率を最大化し、投下した資本が利益を生むまでのリードタイムを短縮することが、回転率向上を通じたROIC改善の最短ルートとなります。

投資家へのポイント

本分析から読み取れる経営の方向性と注目点は以下の通りです。投資判断の際の参考にしてください。

  • ビジネスモデルの質の変化:同社は単なる「人員数×稼働率」のモデルから、より高い利益率を確保できる「高単価・高付加価値」モデルへの転換に成功しつつあります。NOPATマージンの二桁台定着はその証左と言えます。
  • 投資フェーズの評価:2026年1月期の回転率低下を「成長に向けた積極的な資本投下(=将来の利益の源泉)」と捉えるか、「資本効率の悪化」と捉えるかが分かれ目となります。連結化に伴う資産構成の変化を注視する必要があります。
  • 資本コストとの対比:同社のROICは依然として20%を超えており、一般的な日本企業の資本コスト(WACC)を大きく上回る、極めて高い資本効率を維持しています。この超過収益力(エクイティ・スプレッド)の持続性が、株主価値の源泉となります。

以上の通り、アルトナーは高い収益性を武器に、現在は資本を投じて将来の成長基盤を構築するフェーズにあると推察されます。この投資が再び回転率の上昇として実を結ぶかどうかが、中長期的なROICの方向性を決定づけるでしょう。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 1月期 個別 357 113 244 22.13 7.00
18年 1月期 個別 475 137 338 24.25 7.00
19年 1月期 個別 536 163 373 22.99 7.00
20年 1月期 個別 608 191 417 22.29 7.00
21年 1月期 個別 613 218 395 19.66 7.00
22年 1月期 個別 661 250 411 18.49 7.00
23年 1月期 個別 888 283 605 21.98 7.00
24年 1月期 個別 1,054 299 755 24.69 7.00
25年 1月期 個別 1,253 329 923 26.61 7.00
26年 1月期 連/個 1,287 356 931 21.06 5.82
EVA(経済的付加価値)推移2004006008001.0千1.2千1.4千171921232526EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
931
百万円(2026年 1月期 連/個)
累積EVA
5,392
百万円(10年間合計)
価値創造評価
高い価値創造力

EVAの推移と評価

株式会社アルトナーのEVA(経済的付加価値)は、2017年1月期から2026年1月期(予想)に至るまで、一貫してプラス圏で推移しており、株主資本コストを上回る真の利益を創出し続けています。2017年1月期の244百万円から、2025年1月期には923百万円、2026年1月期には931百万円へと拡大傾向にあり、累積EVAは5,392百万円に達しています。

特筆すべきは、ROIC(投下資本利益率)の高さです。分析期間を通じてROICは概ね18%〜26%という極めて高い水準を維持しており、WACC(加重平均資本コスト)の7.00%(2026年1月期は5.82%)を大幅に上回っています。これは、同社が人的資源を中心とした軽量な資産構成(アセットライト)で効率的に利益を上げていることを示唆しています。2021年から2022年にかけて一時的にROICが低下したものの、その後再び上昇に転じ、直近の2025年1月期には26.61%という過去最高の効率性を記録している点は、会計上の利益(NOPAT)の成長が投下資本の増加を上回るスピードで進んでいることを裏付けています。

価値創造力の持続性

同社の価値創造力は、単なる一時的な利益成長ではなく、高い持続性を備えていると評価できます。EVAのトレンドを見ると、2023年1月期以降、NOPATが888百万円、1,054百万円、1,253百万円と加速度的に増加しており、これに伴いEVAも一段高いステージへと移行しています。

一般的に、事業規模の拡大に伴い資本効率(ROIC)は低下する傾向にありますが、アルトナーの場合は投下資本が着実に増加している(資本コストが113百万円から356百万円へ増加)にもかかわらず、ROICが高い水準で安定、あるいは向上しています。これは、技術者派遣というビジネスモデルにおいて、高付加価値な案件へのシフトや稼働率の維持、あるいは採用・教育コストのコントロールが適切に機能している証左といえます。2026年1月期においては、連結決算への移行に伴いWACCが5.82%へと低下する前提となっており、資本コストの抑制がさらなるEVAの押し上げ要因となる見通しです。

投資家へのポイント

投資家の皆様が注目すべき点は、同社が「資本コストを明確に意識した経営」を行い、着実に株主価値を積み上げているという事実です。以下の3点が投資判断の材料となります。

  • 圧倒的なスプレッド(ROIC-WACC): 多くの日本企業がROIC 8%程度を目標とする中、同社は一貫してWACCに対して10%〜19%以上のプラスのスプレッドを維持しています。これは、同社に投下された資本が非常に効率的に運用されていることを意味します。
  • キャッシュ創出力の裏付け: 累積EVAが5,392百万円に達していることは、会計上の利益が名目的なものではなく、資本コストを差し引いた後でもこれだけの付加価値を社会および株主に提供してきた実績を示しています。
  • 成長の質: 2026年1月期の予測を含め、利益(NOPAT)の絶対額が増えながらEVAも拡大している点は、同社が「価値を破壊しない成長」を継続できていることを示しています。

一方で、今後の注視すべきリスクとしては、労働市場の環境変化による採用コストの上昇や、主要顧客である製造業のR&D投資動向がROICに与える影響が挙げられます。現在の高いEVA水準が将来の株価にどの程度織り込まれているかを勘案し、持続的な成長性をどのように評価するかが、投資判断の鍵となります。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
1.74倍
有効年度の平均
リスク評価
低リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 1月期 個別 5,153 553 10.73 - - -
18年 1月期 個別 5,765 681 11.81 11.88 23.15 1.95
19年 1月期 個別 6,332 786 12.41 9.84 15.42 1.57
20年 1月期 個別 7,002 886 12.65 10.58 12.72 1.20
21年 1月期 個別 7,175 887 12.36 2.47 0.11 0.05
22年 1月期 個別 7,994 930 11.63 11.41 4.85 0.42
22年 1月期 個別 8,103 1,010 12.46 1.36 8.60 6.31
23年 1月期 個別 9,242 1,194 12.92 14.06 18.22 1.30
24年 1月期 個別 10,049 1,526 15.19 8.73 27.81 3.18
24年 1月期 個別 10,111 1,523 15.06 0.62 -0.20 -0.32
25年 1月期 個別 11,126 1,810 16.27 10.04 18.84 1.88
26年 1月期 連/個 11,584 1,855 16.01 4.12 2.49 0.60
26年 1月期 連/個 12,047 1,822 15.12 4.00 -1.78 -0.45
27年1月期 14,021 2,017 14.39 16.39 10.70 0.65
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-5.00.05.010.015.020.017192122242526270DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

株式会社アルトナーの過去10年間の平均DOL(営業レバレッジ度)は1.74倍であり、分析基準において「低リスク」な変動費型ビジネスモデルに分類されます。同社は技術者派遣を主業としており、売上高の増減に連動して技術者の給与等の売上原価(変動費)が発生する構造です。営業利益率は2017年1月期の10.73%から、直近では15%を超える水準まで上昇傾向にありますが、平均DOLが2.0を下回っていることは、大規模な設備投資を必要とする製造業のような固定費型ビジネスとは対照的に、売上の変動が利益に与えるインパクトが限定的で、柔軟なコスト管理がなされていることを示唆しています。

景気変動への感応度

DOLの推移を詳細に見ると、多くの年度で0.4倍から1.9倍程度の範囲に収まっており、業績のボラティリティ(振れ幅)は比較的安定しています。特筆すべきは、コロナ禍の影響を受けた2021年1月期です。売上高変化率が2.47%と鈍化した際、営業利益変化率を0.11%に留め、DOLは0.05倍という極めて低い数値を示しました。これは景気減速局面においても、サンクコスト(埋没費用)による大幅な利益圧迫を回避できる耐性の強さを表しています。一方で、2022年1月期の一部や2024年1月期のようにDOLが3倍を超える局面も見られ、稼働率の向上や技術単価の上昇が効率的に利益を押し上げる時期も存在しますが、全体としては急激な利益変動を伴わない堅実な成長軌道を描いています。

投資家へのポイント

アルトナーの営業レバレッジ分析から得られる投資判断の材料は、その「収益の安定性と低リスク構造」にあります。平均DOL 1.74倍という数値は、売上高が1%増減した際に営業利益が約1.74%変化することを意味します。これは、爆発的な利益成長(ポジティブ・レバレッジ)を期待する局面では物足りなさを感じる可能性がある一方、景気後退局面における下方硬直性の高さは大きな安心材料となります。2027年1月期の予測においてもDOLは0.65倍と低水準に抑えられており、会社側は売上の拡大を織り込みつつも、人員増強や教育投資といった将来への費用投下を継続する保守的かつ堅実なスタンスを維持していると読み取れます。このリスク・リターンの特性をポートフォリオの中でどう評価するかが、投資家にとっての重要な検討事項となります。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 1月期 個別 22.57 推定30% 70.0 15.80 -
18年 1月期 個別 24.57 推定30% 70.0 17.20 11.88
19年 1月期 個別 23.23 推定30% 70.0 16.26 9.84
20年 1月期 個別 22.50 推定30% 70.0 15.75 10.58
21年 1月期 個別 20.17 推定30% 70.0 14.12 2.47
22年 1月期 個別 18.93 推定30% 70.0 13.25 11.41
23年 1月期 個別 22.14 71.3 28.7 6.36 15.61
24年 1月期 個別 24.85 75.8 24.2 6.02 8.73
25年 1月期 個別 26.79 69.1 30.9 8.27 10.72
26年 1月期 連/個 25.35 70.9 29.1 7.38 4.12
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率0.0%5.0%10.0%15.0%20.0%171921232526SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%171921232526ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2026年 1月期 連/個)
ROE
25.35%
×
内部留保率
29.1%
=
SGR
7.38%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGR範囲内で、健全な成長ペース

SGR水準の評価

株式会社アルトナーのSGR(持続的成長率)の推移を分析すると、大きな転換点が2023年1月期にあることが分かります。2022年1月期までは、配当性向が30%程度(推定)と低く抑えられていたため、内部留保率が約70%と高く、SGRは13%〜17%台という極めて高い水準を維持していました。しかし、2023年1月期以降は株主還元方針の変更により配当性向が70%前後へと大幅に上昇し、これに伴い内部留保率が約30%に低下したため、直近のSGRは6.02%〜8.27%の範囲で推移しています。

特筆すべきは、SGR低下の要因が収益性の悪化ではなく、配当政策の変更にある点です。ROE(自己資本利益率)は、2021年1月期の20.17%を底に上昇に転じており、2025年1月期予想では26.79%に達する見込みです。高いROEを維持しながら配当性向を引き上げた結果として、現在の「低SGR・高還元」というバランスに移行したと評価できます。

成長の持続可能性

実際の売上成長率とSGRを比較すると、2022年1月期までは「実際成長率 < SGR」の状態で、外部資金に頼らずとも更なる成長や還元を行う余力がある状態でした。2023年1月期以降は、実際成長率(15.61%や10.72%など)がSGR(6%〜8%台)を上回る傾向が見られます。理論上、実際成長率がSGRを上回る状態は、内部資金だけでは成長を賄いきれず、財務体質に影響を及ぼす可能性を示唆します。

しかし、同社のような技術者派遣業は、製造業のような大規模な設備投資を必要としないビジネスモデルです。2026年1月期の予測では、実際成長率が4.12%とSGR(7.38%)を下回る水準に落ち着く見通しであり、現在の高い配当水準(配当性向約70%)を維持しながら、持続可能な範囲内での成長を継続していると判断されます。急激な事業拡大による資金不足の懸念は現時点では低く、収益の範囲内で成長と還元を両立させている健全な状態と言えます。

投資家へのポイント

投資判断においては、以下の3点が重要な指標となります。第一に、ROEが25%前後という極めて高い資本効率を維持している点です。これは同社の高付加価値な人材サービスが市場で評価されている証左といえます。第二に、株主還元の姿勢です。配当性向を70%台に引き上げたことで、SGRは低下しましたが、投資家への直接的なキャッシュリターンは大幅に強化されています。第三に、今後の成長率の推移です。SGRが7%〜8%程度であることから、今後も2桁成長を継続しようとする場合、現在の高配当を維持できるか、あるいは効率的な資金管理が行われるかが焦点となります。

同社は「成長投資」よりも「高い資本効率の維持と株主還元」に比重を置いた成熟期の財務戦略にシフトしているようにも見受けられます。今後の実際成長率がSGRの範囲内で推移するか、あるいはROEがさらに向上してSGRを押し上げるかどうかが、長期的な投資価値を見極める鍵となるでしょう。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
1855.0倍
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 1月期 個別 553 - - 0.0 -
18年 1月期 個別 681 - - 0.0 -
19年 1月期 個別 786 - - 0.0 -
20年 1月期 個別 886 - - 0.0 -
21年 1月期 個別 887 - - 0.0 -
22年 1月期 個別 930 - - 0.0 -
23年 1月期 個別 1,194 - - 0.0 -
24年 1月期 個別 1,526 - - 0.0 -
25年 1月期 個別 1,810 - - 0.0 -
26年 1月期 連/個 1,855 1 1855.0 1,037 11.4 0.10
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移0.0500.01000.01500.02000.0171921232526ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

株式会社アルトナーのインタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)は、分析期間を通じて驚異的な高水準を維持しています。2017年1月期から2025年1月期までは有利子負債がゼロの「実質無借金経営」を継続しており、ICRは算出不能(無限大)という、これ以上ない安全性を誇ってきました。2026年1月期の予測では、1,037百万円の有利子負債計上に伴い1百万円の推定支払利息が発生する見込みですが、それでもICRは1855.0倍という数値を示しています。これは一般的な安全性指標である「10倍以上(極めて安全)」を遥かに上回る水準であり、営業利益(1,855百万円)に対して金利負担が極めて微小であることを物語っています。

有利子負債の状況

同社は長年、有利子負債比率0.0%という極めて保守的な財務構成を維持してきましたが、2026年1月期の連結・個別業績予想において有利子負債比率が11.4%へと上昇する計画となっています。しかし、負債額1,037百万円に対し推定支払利息がわずか1百万円に抑えられている点から、極めて低コストでの資金調達が行われていることが推察されます。2017年1月期に553百万円であった営業利益が、2026年1月期には3倍以上の1,855百万円まで拡大する見通しの中で、健全な財務基盤を背景とした適度なレバレッジの活用は、資本効率の向上を意図した前向きな財務戦略の一環であると評価できます。

投資家へのポイント

財務安全性の観点からは、同社は日本の上場企業の中でもトップクラスの健全性を有しています。ICRが1800倍を超える水準では、金利上昇局面においても収益を圧迫するリスクは極めて限定的と言えます。投資家としては、これまでの強固な財務体質を維持しつつ、新たに調達した資金がどのように成長投資(人材獲得や拠点拡大など)に振り向けられ、それがさらなる営業利益の拡大に寄与するかを注視することが重要です。負債の計上があってもなお揺るがないこの高い安全性指標を、成長加速に向けた「守りの強さ」と捉えるか、あるいは資本構成の変化の兆しと捉えるか、今後の事業展開と併せて慎重に判断されることを推奨いたします。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

この記事をシェアする

データソース

この記事はEDINETから取得した決算報告書をAIが分析して生成しています。

AI分析レポートを作成

証券コードを入力して、包括的なAI分析レポートを生成します

レポートの生成に数分かかる場合があります。

生成が完了するとマイページで確認できます。

アルトナー(2163) 理論株価分析:連結決算移行と積極M&Aで加速する高収益モデル カチノメ | カチノメ