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THE WHY HOW DO COMPANY(3823) 理論株価分析:積極M&Aによる売上倍増と継続的な赤字脱却への挑戦 カチノメ

決算発表日: 2026-04-152026年8月期 第2四半期
総合業績スコア
35/100
注意

セクション別スコア

業績成長性40収益性20財務健全性45株主還元10成長戦略65理論株価評価30
業績成長性40
収益性20
財務健全性45
株主還元10
成長戦略65
理論株価評価30

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)0百万10億20億30億40億2017年 2018年 2019年 2021年 2023年 2025年 2026年 売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)-12億-10億-8億-6億-4億-2億0百万2億2017年 2018年 2019年 2021年 2023年 2025年 2026年 0営業利益経常利益純利益利益率推移(%)-150.0%-100.0%-50.0%0.0%50.0%2017年 2018年 2019年 2021年 2023年 2025年 2026年 0営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 8月期 連結 3,306 87 80 -42 -
2017年 8月期 連結 2,827 -339 -364 -606 -
2017年 8月期 連結 2,663 -364 -402 -891 -891
2018年 8月期 連結 1,487 52 28 40 -
2018年 8月期 連結 1,503 76 54 45 -
2018年 8月期 連結 1,302 52 25 6 7
2019年 8月期 連結 1,554 -174 -143 -349 -353
2020年 8月期 連結 1,147 -432 -452 -1,051 -1,052
2021年 8月期 連結 920 -474 -394 -541 -
2021年 8月期 連結 902 -514 -406 -581 -577
2022年 8月期 連結 922 -175 -138 -142 -
2022年 8月期 連結 919 -162 -162 -403 -377
2023年 8月期 連結 1,015 -224 -243 -287 -
2023年 8月期 連結 941 -244 -297 -348 -338
2024年 8月期 連結 748 -248 -290 -962 -1,000
2025年 8月期 連結 1,772 129 51 5 -
2025年 8月期 連結 1,752 -73 -786 -69 -87
2026年 8月期 連結 3,601 - - - -

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 8月期 連結 3,306 2.63% 2.42% -1.27%
2017年 8月期 連結 2,827 -11.99% -12.88% -21.44%
2017年 8月期 連結 2,663 -13.67% -15.10% -33.46%
2018年 8月期 連結 1,487 3.50% 1.88% 2.69%
2018年 8月期 連結 1,503 5.06% 3.59% 2.99%
2018年 8月期 連結 1,302 3.99% 1.92% 0.46%
2019年 8月期 連結 1,554 -11.20% -9.20% -22.46%
2020年 8月期 連結 1,147 -37.66% -39.41% -91.63%
2021年 8月期 連結 920 -51.52% -42.83% -58.80%
2021年 8月期 連結 902 -56.98% -45.01% -64.41%
2022年 8月期 連結 922 -18.98% -14.97% -15.40%
2022年 8月期 連結 919 -17.63% -17.63% -43.85%
2023年 8月期 連結 1,015 -22.07% -23.94% -28.28%
2023年 8月期 連結 941 -25.93% -31.56% -36.98%
2024年 8月期 連結 748 -33.16% -38.77% -128.61%
2025年 8月期 連結 1,772 7.28% 2.88% 0.28%
2025年 8月期 連結 1,752 -4.17% -44.86% -3.94%
2026年 8月期 連結 3,601 - - -

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年8月期 第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が16億9,903万円(前年同期比110.0%増)と大幅な増収を達成しました。一方で、利益面では営業損失1億8,253万円(前年同期は1,852万円の黒字)、経常損失4億7,331万円(同2,648万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失5億3,986万円(同6,9103万円の損失)となりました。M&Aによる規模拡大が進む一方、買収関連費用や貸付金への引当金計上が利益を圧迫しています。

注目ポイント

最大の注目点は、売却を前提としない「長期伴走型M&A」戦略の加速です。当期間中にブライダル事業の「スティルアン」と漏水探索機器事業の「グッドマン」を子会社化し、ポートフォリオの多角化と売上高の底上げを実現しました。一過性のM&A関連費用を除いた調整後EBITDAでは800万円の黒字を確保しており、表面上の赤字ほど本業のキャッシュ創出力は悪化していない点は評価に値します。

業界動向

同社はIT、飲食、教育、エンタメ、ライフスタイルと多岐にわたる事業を展開しています。特に新しく加わったインフラ保守(漏水探索)分野は、国内の水道管老朽化に伴う更新需要が底堅く、AI技術の導入による高付加価値化が期待される成長市場です。一方で、既存のエンタメ事業や教育事業は市況の変化や競合激化により苦戦を強いられています。

投資判断材料

長期投資家にとっての判断材料は、相次ぐ新株予約権の発行による「株式価値の希薄化」と「継続企業の前提に関する重要な疑義」の解消時期です。資金調達は順調に進んでおり、手元流動性は確保されていますが、M&Aによって取得した各事業のPMI(買収後統合)が早期に収益貢献し、営業キャッシュフローが安定的に黒字化するかが鍵となります。

セグメント別業績

  • ソリューション事業: 売上高2億5,200万円(前年同期比80.3%増)。グッドマン社の連結が大きく寄与。
  • ライフスタイル事業: 売上高9億4,400万円。新規連結のスティルアン社(ブライダル)が主力。
  • エンタテインメント事業: 売上高4億1,300万円(同18.6%減)。大型イベント不在が響き減収減益。
  • 教育関連事業: 売上高6,800万円(同29.1%減)。求職者向けITスクールの定員減少が影響。

財務健全性

自己資本比率は41.1%(前連結会計年度末は62.2%)に低下しました。M&Aに伴う有利子負債の増加と、純損失の計上による純資産の減少が要因です。現金及び現金同等物は約9.9億円を維持していますが、営業キャッシュフローは4.7億円のマイナスとなっており、依然として外部資金調達に依存した財務構造です。

配当・株主還元

当中間期の配当は無配となりました。また、通期でも無配を予定しています。現在は成長戦略としてのM&Aへの投資を最優先しており、内部留保の確保が必要な段階にあります。新株予約権の行使が進んでいるため、既存株主にとっては希薄化が実質的なマイナス還元となっている側面があります。

通期業績予想

会社側は中期目標としてEBITDA 10億円の達成を掲げています。第2四半期累計では大きな赤字ですが、新たに加わった子会社の通期寄与や、後発事象として発表された「飯山土建」の買収効果により、下期以降の収益拡大を見込んでいます。ただし、のれんの償却負担も増えるため、最終利益の黒字化には時間を要する可能性があります。

中長期成長戦略

「人助けM&A」を掲げ、後継者不在の優良企業をグループに取り込む戦略を継続しています。取得した事業に自社のAI・IoT技術やエンタメ系IPを掛け合わせるシナジー創出を模索しています。また、経営の効率化を目指し、2026年より決算期を8月から4月に変更することを決定しました。

リスク要因

筆頭に挙げられるのは、継続的な営業損失の計上です。また、M&Aに依存した成長戦略であるため、買収価格の妥当性やのれんの減損リスクが常に付きまといます。加えて、新株予約権の行使に伴う需給悪化や株価の下落リスクにも注意が必要です。

ESG・サステナビリティ

社会課題である「後継者不足」の解決に資するM&Aを推進しており、社会(Social)面での貢献を経営の柱に据えています。また、漏水探索事業を通じて水資源の保護という環境(Environment)課題にも取り組んでいます。ガバナンス面では、累積損失の解消に向けた資本減少(減資)を実施するなど、財務基盤の整理を進めています。

経営陣コメント

亀田社長は、M&Aを成長の主軸に据え、買収後のPMIとバリューアップによる企業価値向上に自信を示しています。特に、一過性費用を除いた実質的な収益力は改善傾向にあり、中長期的なEBITDA目標の達成に向けて選択と集中を加速させる姿勢を強調しています。

バリュエーション

現時点では最終赤字のためPERでの評価は困難です。PBRは資産背景から一定の下支えがあるものの、負債の増加と希薄化リスクを考慮すると、割安と断じるには収益の確実性が不足しています。今後の時価総額の変化は、買収した事業の成長性とキャッシュフローの改善度合いに強く依存します。

過去決算との比較

前年同期と比較して売上高が倍増したことは、事業規模がフェーズを変えたことを示唆しています。しかし、過去数年にわたり赤字が常態化しており、今回の増収が「質の高い利益」を伴うものに転換できるかの過渡期にあります。直近のトレンドとしては、ソリューション事業とライフスタイル事業への依存度が高まっており、これまでのエンタメ中心の構造から脱却しつつあります。

市場の評判

Company 3823 is a Japanese firm known for its entertainment and lifestyle businesses, including music and tanning services. It has a strong management team and focuses on cost management and corporate governance. The company has expanded into new segments like bridal and granping services.

詳細リサーチレポート

最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年4月14日に発表された中間決算では、M&Aによる事業拡大で売上高は増加したものの、最終赤字を計上した.
  • 2025年8月期の連結売上高は17億5100万円、当期純利益は-6900万円だった.
  • 2025年8月期に7期ぶりの通期営業黒字化を見込んでいる.
  • 2026年4月期の連結本決算、業績見通しが発表される予定.

業界内での競合ポジションと市場シェア

  • THE WHY HOW DO COMPANYは、年間売上高2.5兆円を上げる中小企業群を対象としている.
  • 国内に約10万社の事業承継対象企業が存在する.
  • 国内でのM&A成約件数は増加を続けている.

成長戦略と重点投資分野

  • 企業再“成”プラットフォーム事業を中核に展開している.
  • 今後約10年でM&Aを複数回にわたり実施し、ビジネスモデルの総合商社としての地位を確立することを目指している.
  • 2025年9月にはAIバリューアップ本部を設立し、AI技術を活用したM&A支援と企業価値向上サービスを強化している.

リスク要因と課題

  • サイバー攻撃やシステムトラブルにより、サービスの中断・停止が生じる可能性がある.
  • 顧客情報資産に対する不正アクセスや情報漏洩のリスクがある.
  • M&Aを基軸とした成長戦略を推進しているが、買収費用が嵩み最終赤字を計上している.
  • 新株予約権による希薄化リスクがある.

アナリストの評価と目標株価

  • アナリストによる評価や目標株価はデータなし.

最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年4月14日、半期報告書の提出.
  • 2025年9月30日付でブライダル事業を行う株式会社スティルアンを子会社化.
  • 2025年9月11日、AIバリューアップ本部を設立.

ESG・サステナビリティへの取り組み

  • ESG・サステナビリティに関する具体的な取り組みについての情報は見つからなかった。

配当政策と株主還元

  • 株主還元を第一として継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としている.
  • 中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としている.
  • 当面は経営基盤強化や新サービス開発投資のため内部留保の充実を優先し、業績・財務状況を勘案した早期の利益配当実施を目指している.
  • 2026年4月期の1株当たり配当金(会社予想)は0.00円.

情報源

年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)02004006008001,000'11/8'13/8'16/8'18/8'20/8'22/8'24/8最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍100.0倍200.0倍300.0倍400.0倍500.0倍600.0倍'11/8'13/8'16/8'18/8'20/8'22/8'24/8最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)900倍1000倍1100倍1200倍1300倍1400倍1500倍1600倍'11/8'13/8'16/8'18/8'20/8'22/8'24/8最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億50億100億150億200億'11/8'13/8'16/8'18/8'20/8'22/8'24/8最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)0.5%0.5%0.5%0.5%'11/8'13/8'16/8'18/8'20/8'22/8'24/8最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2011年8月期 867 187 赤字 赤字 18.29 3.95 76億5084万 21億1320万 4.94倍
2012年8月期 290 117 赤字 赤字 83.82 33.7 33億9793万 13億8077万 35.26倍
2013年8月期 703 98 赤字 赤字 28.01 3.91 83億2492万 11億6288万 19.84倍
2014年8月期 719 207 赤字 赤字 579.84 166.94 85億3596万 25億2130万 329.03倍
2016年8月期 678 228 赤字 赤字 32.71 11 97億5248万 32億8780万 17.66倍
2017年8月期 440 260 赤字 赤字 30.24 17.87 84億3308万 41億6993万 22.61倍
2018年8月期 455 298 1516.67 993.33 7.85 5.14 96億991万 57億1149万 5.73倍
2019年8月期 508 160 赤字 赤字 8.58 2.7 119億4881万 36億340万 3.53倍
2020年8月期 372 124 赤字 赤字 11.02 3.67 96億8936万 32億2334万 7.73倍
2021年8月期 281 155 赤字 赤字 11.77 6.49 76億3327万 44億4132万 8倍
2022年8月期 217 140 赤字 赤字 7.18 4.63 64億1223万 48億5529万 5倍
2023年8月期 161 85 赤字 赤字 7.9 4.17 55億8359万 29億4785万 4.47倍
2024年8月期 102 20 赤字 赤字 10.2 2 35億3743万 14億9581万 3.2倍
2025年8月期 189 27 赤字 赤字 13.58 1.94 196億5991万 20億2285万 5.53倍
最新(株探) 42 - -倍 - 4.02倍 - - - 4.02倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2011年8月期 18.29 赤字 - 3.95 赤字 -
2012年8月期 83.82 赤字 - 33.7 赤字 -
2013年8月期 28.01 赤字 - 3.91 赤字 -
2014年8月期 579.84 赤字 - 166.94 赤字 -
2016年8月期 32.71 赤字 - 11 赤字 -
2017年8月期 30.24 赤字 - 17.87 赤字 -
2018年8月期 7.85 1516.67 0.5% 5.14 993.33 0.5%
2019年8月期 8.58 赤字 - 2.7 赤字 -
2020年8月期 11.02 赤字 - 3.67 赤字 -
2021年8月期 11.77 赤字 - 6.49 赤字 -
2022年8月期 7.18 赤字 - 4.63 赤字 -
2023年8月期 7.9 赤字 - 4.17 赤字 -
2024年8月期 10.2 赤字 - 2 赤字 -
2025年8月期 13.58 赤字 - 1.94 赤字 -
最新(株探) 4.02倍 -倍 - - - -

バリュエーション推移の概要

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(3823)の過去14年間にわたるバリュエーションデータを確認すると、極めて特殊かつ不安定な推移を辿っています。収益性を示すPER(株価収益率)は、2018年8月期を除いてほぼ全ての期間で「赤字」となっており、純利益に基づいた評価が困難な状況が続いています。一方で、資産価値を示すPBR(株価純資産倍率)は、最小で1.94倍(2025年8月期安値)、最大で579.84倍(2014年8月期高値)と極端な振れ幅を見せており、実体資産に対して投機的な資金流入や、自己資本の急減による指標の跳ね上がりが頻繁に発生していることが示唆されます。

PBR分析

PBRの推移パターンは、同社の財務基盤の脆弱性と株価のボラティリティを顕著に表しています。2014年8月期にはPBR高値が579.84倍という異常値に達しており、これは当時の純資産が極めて少額であったか、あるいは株価が実態を離れて急騰したことを示しています。その後、2016年から2017年にかけては20〜30倍台で推移していましたが、直近数年間(2022年〜2025年)はPBR安値が2倍〜4倍程度まで低下し、歴史的水準と比較すると相対的に落ち着いた動きを見せています。しかし、一般的に1倍を基準とするPBRにおいて、依然として4.02倍(最新値)という数値は、継続的な赤字状態にある企業としては市場から一定の将来期待、あるいは特有の需給要因を内包していると解釈できます。

PER分析

PERに関しては、2011年から現在に至るまで、2018年8月期(PER 993.33〜1516.67倍)を除き、一貫して「赤字」による算出不能状態にあります。2018年度に唯一記録された数値も、1000倍を超える極めて高い水準であり、わずかな黒字に対して株価が先行していたことを示しています。この長期にわたる赤字傾向は、本業による収益基盤の構築が課題であることを示しており、バリュエーションの観点からは、利益成長を根拠とした投資判断が極めて困難な銘柄であると言わざるを得ません。

時価総額の推移

時価総額は、2013年から2021年頃までは概ね30億円から100億円の間で大きく変動してきました。特筆すべきは2025年8月期の動向で、時価総額の高値が196億5,991万円に達する一方で、安値は20億2,285万円となっており、単一年度内で10倍近い格差が生じています。これは株価が27円から189円まで急騰・急落したことに起因しており、発行済株式数の変動や大規模な資本移動、あるいは極めて高い流動性を伴う材料視された商いがあった可能性を示唆しています。長期的なトレンドとしては、2010年代前半の80億円規模から、足元では時価総額のレンジが大きく上下に乖離する不安定な局面に入っています。

現在のバリュエーション評価

最新の株価42円に基づくPBRは4.02倍となっています。これは、2014年の579倍や2012年の35倍といった過去の異常な過熱期と比較すれば大幅に低い水準ですが、2024年8月期に記録したPBR 2.0倍(安値)と比較すると、底値圏からは脱しているものの、依然として資産価値に対してはプレミアムがついた状態にあります。PERが測定不能である以上、現在の株価は「将来の収益回復への期待」または「低位株特有の需給」によって支えられている側面が強く、歴史的な安値圏(株価20円〜30円)との比較において、現在の42円という水準が底堅いものか、あるいは依然として調整局面にあるのか、慎重な見極めが求められるフェーズにあります。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-10億-8億-6億-4億-2億0百万2億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/80営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-10億-8億-6億-4億-2億0百万'17/8'19/8'21/8'23/8'25/8設備投資#1フリーCF現金等残高推移0百万5億10億15億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/8現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2017年8月期 通期 -117 -794 806 -910 -90 30
2018年8月期 通期 39 -343 615 -304 -181 340
2019年8月期 通期 -30 -379 528 -408 -466 455
2020年8月期 通期 -200 -266 603 -465 -255 591
2021年8月期 通期 -315 46 409 -269 -13 736
2022年8月期 通期 -139 -135 616 -274 -24 1104
2023年8月期 通期 -371 -126 -92 -496 -55 520
2024年8月期 通期 -54 -772 902 -826 -757 596
2025年8月期 通期 -64 -24 740 -89 -61 1247

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

過去9期(2017年8月期〜2025年8月期)のキャッシュフロー(CF)推移を概観すると、本業による現金創出能力が極めて不安定であり、外部からの資金調達によって事業を継続している構図が鮮明です。営業CFは直近の2025年8月期を含め、ほとんどの期でマイナスを記録しています。直近の2025年8月期のCFパターンは、営業CFがマイナス(-0.64億円)、投資CFがマイナス(-0.24億円)、財務CFがプラス(+7.40億円)となっており、フレームワークに基づけば「勝負型」に分類されます。これは、本業の赤字と投資に必要な資金を、借入や増資などの外部調達によって賄っている状態を示しています。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、2018年8月期(+0.39億円)を除き、継続的にマイナス圏で推移しています。特に2023年8月期には-3.71億円まで流出額が拡大しました。直近の2024年8月期は-0.54億円、2025年8月期は-0.64億円と流出幅こそ縮小傾向にあるものの、本業の事業活動を通じて現金を獲得できていない状況が続いています。売上債権の回収や在庫管理、あるいは損益構造そのものに抜本的な改善が必要なフェーズにあり、キャッシュ創出力の安定化が急務と言えます。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

投資活動については、2017年8月期の-7.94億円や2024年8月期の-7.72億円など、数年おきに大規模な支出が行われています。特に2024年8月期は設備投資に7.57億円を投じており、積極的な事業拡大の姿勢が見て取れます。一方で、直近の2025年8月期の投資CFは-0.24億円(設備投資0.61億円)に留まっており、前年度の大規模投資から一転して抑制的な方針へとシフトしています。これまでの投資が将来的な営業CFのプラス転換にどの程度寄与するかが、今後の分析における焦点となります。

フリーキャッシュフロー分析

フリーCFは分析期間中の全期を通じてマイナスとなっており、非常に厳しい状況です。特に2024年8月期は営業CFの赤字に加え、巨額の投資を行ったことで-8.26億円ものフリーCFの赤字を計上しました。直近の2025年8月期は-0.89億円まで改善していますが、依然として事業から生み出した資金で投資を賄うという自律的なサイクルは確立されていません。このため、株主還元(配当や自社株買い)を行う余力は現状では乏しく、企業価値向上のためにはフリーCFの黒字化が最低条件となります。

財務戦略・現金残高の評価

財務CFは2023年8月期(-0.92億円)を除いて一貫してプラスを維持しており、外部資金への依存度の高さが顕著です。2024年8月期に+9.02億円、2025年8月期に+7.40億円と積極的な資金調達を実施したことで、2025年8月期末の現金等残高は過去最高の12.47億円まで積み上がっています。手元流動性は大幅に強化されており、短期的には運転資金や投資資金に余裕がある状態ですが、これはあくまで財務活動の結果であり、将来的な返済負担や株式希薄化のリスクを内包している点に留意が必要です。

キャッシュフロー総合評価

THE WHY HOW DO COMPANYのキャッシュフロー構造は、典型的な「成長投資先行・資金調達依存型」と言えます。現金等残高を12.47億円確保したことで財務的なクッションは形成されましたが、その源泉は本業ではなく財務活動(資金調達)によるものです。過去9期にわたるフリーCFのマイナス継続は、投資の効率性と本業の収益性に課題があることを示唆しています。投資家としては、積み上げた手元資金をいかに効率よく営業CFの黒字化に繋げられるか、自律的なキャッシュ創出サイクルへの転換時期を慎重に見極める必要があります。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
86.9%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
13.1%
1 − 変動費率
推定固定費
346
百万円
基準: 2017年 8月期 連結(売上高 3,306 百万円)と 2024年 8月期 連結(売上高 748 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 8月期 3,306 433 13.1% 2,642 20.1% 4.98倍
17年 8月期 2,827 370 13.1% 2,642 6.6% -
17年 8月期 2,663 349 13.1% 2,642 0.8% -
18年 8月期 1,487 195 13.1% 2,642 -77.7% 3.75倍
18年 8月期 1,503 197 13.1% 2,642 -75.8% 2.59倍
18年 8月期 1,302 171 13.1% 2,642 -102.9% 3.28倍
19年 8月期 1,554 204 13.1% 2,642 -70.0% -
20年 8月期 1,147 150 13.1% 2,642 -130.3% -
21年 8月期 920 120 13.1% 2,642 -187.1% -
21年 8月期 902 118 13.1% 2,642 -192.9% -
22年 8月期 922 121 13.1% 2,642 -186.5% -
22年 8月期 919 120 13.1% 2,642 -187.4% -
23年 8月期 1,015 133 13.1% 2,642 -160.3% -
23年 8月期 941 123 13.1% 2,642 -180.7% -
24年 8月期 748 98 13.1% 2,642 -253.2% -
25年 8月期 1,772 232 13.1% 2,642 -49.1% 1.80倍
25年 8月期 1,752 229 13.1% 2,642 -50.8% -
売上高と損益分岐点売上高の推移5001十億2十億2十億3十億3十億4十億17181921232525売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移-300.0-250.0-200.0-150.0-100.0-50.00.050.0171819212325250安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2025年 8月期 連結)
売上高
1,752
百万円
損益分岐点
2,642
百万円
安全余裕率
-50.8%
安全余裕が低い
経営レバレッジ
-
中程度の経営リスク

費用構造の評価

高低点法による推定の結果、THE WHY HOW DO COMPANY株式会社の変動費率は86.9%、限界利益率は13.1%となっています。この数値から、同社は売上高の大部分を変動費(原材料費や外注費、販売手数料等)が占める「変動費型」の費用構造であることが分かります。推定固定費は346百万円となっており、事業規模に対して固定費負担そのものは極端に重いわけではありませんが、限界利益率が13.1%と低位であるため、固定費を回収するために必要な売上高(損益分岐点)が高くなる傾向にあります。売上が1単位増えても手元に残る利益が少ないため、収益性を向上させるには、単価の引き上げや原価低減による限界利益率の改善が不可欠な状況といえます。

損益分岐点と安全余裕率

損益分岐点売上高は2,642百万円と推定されます。過去の推移を概観すると、2017年8月期の売上高(3,306百万円)は損益分岐点を上回り、安全余裕率20.1%を確保していましたが、2018年8月期以降は売上規模の縮小に伴い、安全余裕率は大幅なマイナス圏で推移しています。特に2024年8月期の売上高は748百万円に留まり、安全余裕率は-253.2%に達するなど、損益分岐点に対して売上高が著しく不足している状態です。2025年8月期の予測値(1,752~1,772百万円)では売上回復が見込まれているものの、依然として損益分岐点の2,642百万円には届かず、安全余裕率は-50%前後と、収益の安定性確保に向けた道筋は依然として険しい局面にあると分析されます。

経営レバレッジとリスク

2017年8月期の連結決算時には、経営レバレッジは4.98倍と比較的高水準にありました。これは売上高の変動が営業利益に約5倍の影響を与えることを意味し、増収局面では利益が飛躍的に伸びる一方で、減収局面では赤字転落のリスクが高いことを示していました。直近の2025年8月期の予想値における経営レバレッジは1.80倍と算出されていますが、これは依然として営業損失(赤字)が継続している、あるいは利益水準が極めて低いことを示唆しています。同社の場合、限界利益率が低いため、レバレッジを活かして利益を拡大させるためには、まずは売上規模を損益分岐点付近まで回復させ、利益体質をプラスに転換させることが最優先課題となります。現状では、売上のわずかな未達が財務状況に深刻な影響を及ぼしうる、感応度の高いリスク状態が続いています。

投資判断への示唆

本分析から導き出される同社の現状は、事業規模が損益分岐点を大きく下回る「構造的な赤字体質」からの脱却プロセスにあるといえます。2025年8月期に向けた売上高の急回復(約1,772百万円)はポジティブな兆候ではありますが、推定される損益分岐点(2,642百万円)までには依然として約870百万円の乖離があります。投資家としては、以下の3点に注目すべきです。第一に、現在の13.1%という限界利益率を改善する施策(高付加価値化や原価削減)があるか。第二に、固定費346百万円をさらに圧縮する余地があるか。そして第三に、損益分岐点を超えるまでの資金繰りと資本政策の妥当性です。今後の売上回復の確実性と、費用構造の改革がどこまで進展するかを慎重に精査することが求められます。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 8月期 -1.27 × 3.370 × 3.52 = -0.15
18年 8月期 2.69 × 0.802 × 1.42 = 0.03
19年 8月期 -22.46 × 0.719 × 1.35 = -0.22
20年 8月期 -91.63 × 0.706 × 1.70 = -1.10
21年 8月期 -58.80 × 0.654 × 1.94 = -0.75
22年 8月期 -15.40 × 0.552 × 1.63 = -0.14
23年 8月期 -28.28 × 0.750 × 2.01 = -0.43
24年 8月期 -128.61 × 0.488 × 2.14 = -1.34
25年 8月期 0.28 × 0.717 × 1.61 = 0.00
デュポン分析:ROEの3要素推移-150.0%-100.0%-50.0%0.0%50.0%17192123250純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移0.001.002.003.004.001719212325総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 8月期 連結)
純利益率
0.28%
収益性
×
総資産回転率
0.717回
効率性
×
財務レバレッジ
1.61倍
借入で資本効率を61%ブースト
=
ROE
0.00%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

THE WHY HOW DO COMPANY(以下、同社)のROEは、過去8期のうち7期がマイナス圏で推移しており、自己資本を効率的に活用して利益を生み出す構造が維持できていない状況にあります。2024年8月期にはROEが-1.34%(純利益率-128.61%)と大きく落ち込みましたが、ROE変動の主因は一貫して「純利益率」の劇的な変動にあります。2025年8月期の予想ではROE 0.00%(純利益率0.28%)と均衡点への回復が見込まれていますが、これは売上規模に対する利益幅が極めて薄い状態での黒字化予想であり、現時点では「質の高いROE」と評価するには至りません。本質的な収益性の回復が急務と言えます。

財務レバレッジの影響

同社の財務レバレッジは、2017年8月期の3.52倍をピークに低下した後、直近数年は1.6倍から2.1倍前後で推移しています。2024年8月期は2.14倍まで上昇していますが、これは積極的な負債活用による投資拡大の結果というよりは、純損失の計上による自己資本の毀損(減少)がレバレッジを押し上げた側面が強いと考えられます。純利益率がマイナスの局面では、財務レバレッジはROEのマイナス幅を拡大させる方向に作用するため、財務リスクの増大には注意を要します。2025年8月期の予測では1.61倍まで低下する見込みとなっており、財務体質の安定化が図られるかが焦点となります。

トレンド分析

過去数年のトレンドを俯瞰すると、ビジネスモデルの大きな転換点が見て取れます。2017年8月期には3.370回と高水準だった「総資産回転率」は、翌年以降0.4倍〜0.8倍程度にまで急落しており、資産を売上に変える効率性が大幅に低下したまま固定化されています。また、純利益率は2020年(-91.63%)や2024年(-128.61%)に見られるように、断続的に巨額の赤字を計上する構造にあります。2025年8月期の予測では、総資産回転率が0.717回へと改善し、純利益率も0.28%とプラス転換が示されていますが、これは過去数年の低迷期からの脱却を図る野心的な目標値であり、この改善傾向が継続的なものか、あるいは一時的な会計上の変動によるものかを慎重に見極める必要があります。

投資判断への示唆

デュポン分析の結果から、同社は「収益性の極端な不安定さ」と「資産効率の低下」という二つの課題を抱えていることが浮き彫りになりました。2025年8月期の黒字化予想はポジティブな兆候ではありますが、純利益率0.28%という水準は外部環境の僅かな変化で容易にマイナスへ転じるリスクを孕んでいます。投資家としては、同社が掲げる収益改善策が、総資産回転率の向上を伴う「本業の効率化」によるものか、それともコスト削減等の「一時的な利益確保」によるものかを精査することが重要です。自己資本を毀損させずに安定的なROEを計上できるフェーズに移行できるかどうかが、中長期的な企業価値評価の分かれ道となるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 3億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 1.50% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 5百万 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 100.0% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 30.0% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/08 3億 7百万 80百万 87百万 -42百万 -37百万 -15.05% -5.94% -9.12%pt
2018/08 3億 24百万 28百万 52百万 40百万 57百万 3.07% 3.55% -0.48%pt
2019/08 3億 4百万 -1億 -1億 -3億 -3億 -21.80% -18.31% -3.49%pt
2020/08 5億 20百万 -5億 -4億 -11億 -10億 -110.05% -73.29% -36.77%pt
2021/08 5億 8百万 -4億 -4億 -5億 -5億 -74.52% -43.02% -31.50%pt
2022/08 4億 6百万 -1億 -1億 -1億 -1億 -13.89% -9.57% -4.32%pt
2023/08 3億 19百万 -2億 -2億 -3億 -3億 -42.58% -27.07% -15.51%pt
2024/08 5億 42百万 -3億 -2億 -10億 -9億 -133.98% -79.10% -54.88%pt
2025/08 3億 5百万 51百万 56百万 5百万 9百万 0.33% 0.45% -0.13%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-12億-10億-8億-6億-4億-2億0百万2億2017/082019/082021/082023/082025/080実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-150.0%-100.0%-50.0%0.0%50.0%2017/082019/082021/082023/082025/080実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金の影響は限定的
実績ROE
0.33%
借金なしROE
0.45%
レバレッジ効果
-0.13%pt

有利子負債の水準が小さい、または事業利益率と借入金利がほぼ均衡しています。

借金の利益インパクト

2025年8月期の予測データに基づくと、有利子負債は3億円、それに対する推定支払利息は5百万円となっています。一見すると支払利息の額は小さく感じられますが、同期の実績純利益(予想)が5百万円である点に注目する必要があります。利息/純利益比率は100.0%に達しており、もし借金がなければ純利益は9百万円まで改善(約80%増)する計算となります。直近の業績回復局面において、わずかな利息負担が最終利益の規模を大きく左右する構造となっていることが浮き彫りになっています。

レバレッジ効果の評価

財務レバレッジの効果(実績ROEと借金なしROEの差)を分析すると、直近の2025年8月期は-0.13%ptと、マイナスの影響は限定的となりつつあります。しかし、過去の推移を振り返ると、2020年8月期(-36.77%pt)や2024年8月期(-54.88%pt)など、大幅な赤字を計上した年度には負債がROEを劇的に押し下げる要因となっていました。通常、借入金は事業利益率が金利を上回ることで株主リターンを高める「正のレバレッジ」を期待するものですが、同社においては長らく「負のレバレッジ」が働いており、負債が株主資本の毀損を加速させるリスク要因として機能してきた経緯があります。

財務戦略の考察

同社の推定金利は1.50%と、一般的な中小規模の上場企業としては標準的な水準に抑えられています。財務上の課題は金利負担そのものの重さではなく、調達した資金が金利コストを上回る利益を生み出せていない「資本効率」にあります。2025年度にようやく経常利益が黒字化し、ROE(実績)も0.33%とプラスに転じましたが、借金なしROE(0.45%)を依然として下回っています。これは、現時点では借金をして事業を拡大するよりも、自己資本のみで運営した方が効率が良い状態であることを示唆しており、積極的なレバレッジ経営に舵を切るには、さらなる収益性の改善が不可欠と言えます。

投資家へのポイント

投資判断においては、以下の2点を注視する必要があります。
1. 損益分岐点の脆弱性: 現在の利益水準では、わずかな金利上昇や営業利益の減少が純利益を容易に赤字へ転落させるリスクを孕んでいます。
2. 負のレバレッジからの脱却: 2025年度はROEがプラス圏へ浮上し、レバレッジのマイナス幅も最小限まで縮小しました。今後、事業利益率が向上し「正のレバレッジ(実績ROE > 借金なしROE)」へ転換できるかどうかが、成長フェーズへの移行を判断する重要な指標となります。
有利子負債の規模(3億円)自体は過大とは言えませんが、利益体質が依然として薄氷の上にあることを踏まえ、キャッシュフローの安定性を慎重に見極めることが求められます。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 8月期 61 625 9.74 3.91 +5.84
18年 8月期 36 1,599 2.28 6.76 -4.48
19年 8月期 -122 1,890 -6.44 6.04 -12.48
20年 8月期 -302 1,415 -21.37 5.71 -27.08
21年 8月期 -332 1,245 -26.65 4.37 -31.02
22年 8月期 -122 1,438 -8.52 5.18 -13.70
23年 8月期 -157 1,011 -15.51 5.98 -21.49
24年 8月期 -174 1,179 -14.72 6.76 -21.48
25年 8月期 65 1,872 3.45 7.09 -3.64
ROIC vs WACC推移-30.0%-20.0%-10.0%0.0%10.0%17192123250ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 8月期 連結)
ROIC
3.45%
投下資本利益率
WACC
7.09%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
-3.64%pt
価値破壊

ROIC水準の評価

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社のROIC(投下資本利益率)は、過去9年間で極めて激しい変動を見せています。2017年8月期には9.74%と高い資本効率を記録していましたが、翌2018年からは急激に悪化し、2019年から2024年にかけてはNOPAT(税引後営業利益)の赤字に伴い、ROICもマイナス圏で推移し続ける極めて厳しい状況が続いていました。特に2021年8月期には-26.65%まで落ち込み、投下資本を大きく毀損する構造となっていました。

しかし、2025年8月期の予測値ではROICが3.45%と、7期ぶりにプラスに転じる見通しとなっています。IT・サービス業種においてROIC 3.45%という水準は決して高いとは言えませんが、長年の営業赤字から脱却し、投下資本に対して利益を生み出せるフェーズへ移行しつつある点は、収益性の底打ちを示唆しています。ただし、依然として過去のピーク時(9.74%)の水準には遠く、収益力の抜本的な回復にはまだ時間を要する段階にあると評価されます。

ROIC-WACCスプレッド分析

企業の「真の稼ぐ力」を示すROIC-WACCスプレッドを確認すると、2017年(+5.84%pt)を除き、継続的に「価値破壊」の状態にあることがわかります。特に2020年から2021年にかけては、スプレッドが-30%pt前後という極めて大幅なマイナスを記録しました。これは、事業から得られるリターンが、株主や債権者から要求される資本コスト(WACC)を大幅に下回っていたことを意味します。

ポジティブな側面としては、2025年8月期の予測においてスプレッドが-3.64%ptまで縮小している点です。これはNOPATが65百万円と黒字化する見込みであることが主因ですが、一方でWACCが7.09%と、2017年(3.91%)に比べて上昇傾向にある点には注意が必要です。資本コストが増加する中で、スプレッドをプラスにする(価値創造へ転じる)ためには、ROICを現在の3.45%からさらに4%ポイント以上改善させる必要があり、依然としてハードルの高い局面が続いています。

投資家へのポイント

本分析に基づく投資判断のポイントは、以下の3点に集約されます。

  1. 黒字化の継続性と信頼性: 2025年8月期に予測されているNOPAT 65百万円が、一過性のものではなく、持続的な事業構造の変化によるものかどうかを見極める必要があります。投下資本が前年度の1,179百万円から1,872百万円へと大幅に積み増されている中で、この投資が将来の利益成長に結びつくかが焦点となります。
  2. 資本コスト(WACC)の上昇要因: 2025年予測のWACC 7.09%は過去最高水準です。これは株価のボラティリティや財務リスクに伴う期待収益率の上昇を反映している可能性があり、企業側が市場の信頼を回復し、資本コストを低減できるかが中長期的な企業価値向上の鍵を握ります。
  3. 価値創造(スプレッドの正転)への距離: 現在、価値破壊の幅は縮小傾向にありますが、依然としてスプレッドはマイナスです。投資家としては、同社が「資本コストを上回る利益を創出できる企業」へと完全に脱皮する確証が得られるか、あるいは現在の改善スピードが株価にどの程度織り込まれているかを慎重に検討する必要があります。

以上の通り、同社は最悪期を脱しつつある兆候を見せているものの、資本効率の観点からは依然として課題が残る状況にあります。今後の四半期ごとの利益推移と、投下資本の使途を注視することが推奨されます。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 8月期 3,306 1.84 × 5.290 = 9.74
18年 8月期 1,487 2.45 × 0.930 = 2.28
19年 8月期 1,554 -7.84 × 0.822 = -6.44
20年 8月期 1,147 -26.36 × 0.811 = -21.37
21年 8月期 920 -36.07 × 0.739 = -26.65
22年 8月期 922 -13.29 × 0.641 = -8.52
23年 8月期 1,015 -15.45 × 1.004 = -15.51
24年 8月期 748 -23.21 × 0.634 = -14.72
25年 8月期 1,772 3.64 × 0.947 = 3.45
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率-40.00-30.00-20.00-10.000.0010.0017192123250NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 8月期 連結)
NOPATマージン
3.64%
NOPAT 65百万円 ÷ 売上 1,772百万円
×
投下資本回転率
0.947回
売上 1,772百万円 ÷ IC 1,872百万円
=
ROIC
3.45%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社のROIC(投下資本利益率)推移を分析すると、極めてボラティリティの高い局面から脱却しようとする途上にあることが読み取れます。 2017年8月期にはROIC 9.74%を記録していましたが、2018年8月期に投下資本回転率が5.290回から0.930回へと急落したことを契機に、収益構造が大きく変化しました。

2019年8月期から2024年8月期にかけては、ROICがマイナス圏で推移する厳しい期間が続いています。この主因は、分析結果にも示されている通り「NOPATマージン」の悪化です。 特に2021年8月期にはNOPATマージンが-36.07%まで落ち込み、ROICも-26.65%と過去最低水準を記録しました。 直近の2024年8月期においても、投下資本回転率は0.634回と低迷し、NOPATマージンも-23.21%と大幅な赤字を計上しています。 しかし、2025年8月期の予測では、NOPATマージンが3.64%へとV字回復し、ROICも3.45%と7期ぶりのプラス転換を見込んでいます。

改善ドライバーの特定

同社のROICをさらに改善し、持続的な企業価値向上に繋げるための最重要ドライバーは、引き続き「NOPATマージンの抜本的な改善」にあります。 投下資本回転率は2018年以降、概ね0.6回〜1.0回の範囲で推移しており、資産効率の向上よりも、まずは「売上からいかに利益を残すか」という収益性の回復が最優先課題です。

2025年8月期の予測値(ROIC 3.45%)を達成するためには、以下の要素が不可欠となります。

  • 不採算事業の整理とコスト構造の見直し: 長期にわたるマイナスマージンを解消するため、販管費の抑制や原価率の低減が必須です。
  • 高付加価値サービスの展開: 投下資本回転率が1.0回を下回る水準であることを踏まえると、薄利多売モデルではなく、マージンを確保できるビジネスモデルへの転換が求められます。
  • 事業ポートフォリオの再構築: 過去数年の大幅な赤字要因を特定し、リソースを収益性の高い領域へ集中させる必要があります。

投資家へのポイント

本分析から読み取れる経営の方向性は、長年の赤字構造に終止符を打ち、再生フェーズへと舵を切る「大きな転換点」に立っているということです。 投資家の皆様におかれましては、以下の3点を注視することが肝要です。

  1. 2025年予測の実現性: 2024年8月期のNOPATマージン -23.21%から、2025年8月期に3.64%へと劇的な改善を見込んでいますが、この数値目標を裏付ける具体的施策とその進捗状況。
  2. 資本効率の安定化: 投下資本回転率が1.0回近辺で停滞している中、マージン改善が一時的なものに留まらず、継続的に投下資本を上回る利益を生み出せる構造になっているか。
  3. ガバナンスと再建策: 過去数年にわたりROICが大きくマイナスに振れていた要因が完全に排除され、新たな成長戦略が機能し始めているか。

同社は現在、過去の負の遺産を清算し、収益性の正常化を目指す重要な局面にあります。 2025年8月期の黒字化予想が、単なるコストカットによる一時的なものか、あるいは持続可能な収益基盤の構築によるものか、その質を慎重に見極める必要があります。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 8月期 61 24 36 9.74 3.91
18年 8月期 36 108 -72 2.28 6.76
19年 8月期 -122 114 -236 -6.44 6.04
20年 8月期 -302 81 -383 -21.37 5.71
21年 8月期 -332 54 -386 -26.65 4.37
22年 8月期 -122 74 -197 -8.52 5.18
23年 8月期 -157 60 -217 -15.51 5.98
24年 8月期 -174 80 -253 -14.72 6.76
25年 8月期 65 133 -68 3.45 7.09
EVA(経済的付加価値)推移-400-300-200-100010017192123250EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
-68
百万円(2025年 8月期 連結)
累積EVA
-1,776
百万円(9年間合計)
価値創造評価
価値破壊

EVAの推移と評価

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社のEVA(経済的付加価値)の推移を分析すると、2017年8月期(EVA:36百万円)を最後に、2018年8月期から2025年8月期(予想含む)までの8期連続でマイナス圏での推移が続いています。特に2020年8月期から2021年8月期にかけては、ROIC(投下資本利益率)が-20%を下回る大幅な悪化を見せ、年間で380百万円を超える価値破壊が生じていました。2025年8月期にはNOPAT(税引後営業利益)が65百万円と黒字転換し、ROICも3.45%まで回復する見通しですが、WACC(加重平均資本コスト)の7.09%を下回っているため、EVAは-68百万円と依然としてマイナスの評価となります。会計上の利益が改善傾向にあっても、株主が期待する資本コストを上回るリターンを得るには至っていない状況です。

価値創造力の持続性

過去9年間の累積EVAは-1,776百万円に達しており、長期にわたり「価値破壊」の状態が継続しています。価値創造力の持続性という観点では、極めて厳しい局面にあると言わざるを得ません。2025年8月期に向けた改善の兆しは見られるものの、ROICとWACCの差を示す「EVAスプレッド」は依然として-3.64ポイント(3.45% - 7.09%)のマイナスです。このことは、事業から得られる収益が、投下された資本を維持するためのコストを賄えていないことを示唆しています。持続的な価値創造フェーズに移行するためには、さらなる収益性の向上(ROICの改善)か、事業構造の最適化による投下資本の効率化が不可欠な課題となっています。

投資家へのポイント

本分析に基づき、投資家が注目すべきポイントは以下の3点です。
第一に、「会計上の黒字と経済的付加価値の乖離」です。2025年8月期にNOPATがプラスに転じる点は評価材料となりますが、EVAがマイナスであることは、投資家の期待リターンを考慮した実質的な価値は依然として減少していることを意味します。
第二に、「資本コスト(WACC)の上昇傾向」です。2021年の4.37%から2024年・2025年には7%前後まで上昇しており、利益成長がこのコスト上昇を上回るスピードで進むかが焦点となります。
第三に、「累積EVAの毀損度合い」です。約17億円の価値毀損を今後どのように埋め合わせ、企業価値を再構築していくのか、経営陣による資本効率改善策の具体性と実行力を見極める必要があります。これらの指標を総合的に勘案し、同社の事業再生に向けた進捗を注視することが求められます。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
11.18倍
有効年度の平均
リスク評価
高リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 8月期 3,306 87 2.63 - - -
17年 8月期 2,827 -339 -11.99 -14.49 -489.66 33.80
17年 8月期 2,663 -364 -13.67 -5.80 -7.37 1.27
18年 8月期 1,487 52 3.50 -44.16 114.29 -2.59
18年 8月期 1,503 76 5.06 1.08 46.15 42.89
18年 8月期 1,302 52 3.99 -13.37 -31.58 2.36
19年 8月期 1,554 -174 -11.20 19.35 -434.62 -22.46
20年 8月期 1,147 -432 -37.66 -26.19 -148.28 5.66
21年 8月期 920 -474 -51.52 -19.79 -9.72 0.49
21年 8月期 902 -514 -56.98 -1.96 -8.44 4.31
22年 8月期 922 -175 -18.98 2.22 65.95 29.74
22年 8月期 919 -162 -17.63 -0.33 7.43 -
23年 8月期 1,015 -224 -22.07 10.45 -38.27 -3.66
23年 8月期 941 -244 -25.93 -7.29 -8.93 1.22
24年 8月期 748 -248 -33.16 -20.51 -1.64 0.08
25年 8月期 1,772 129 7.28 136.90 152.02 1.11
25年 8月期 1,752 -73 -4.17 -1.13 -156.59 -
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-60.0-40.0-20.00.020.040.060.0171819212325250DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社の過去のデータに基づく平均DOL(営業レバレッジ度)は11.18倍と非常に高い水準にあります。一般的にDOLが5倍を超えると「高リスク(固定費型ビジネス)」と判定されますが、同社はこの基準を大幅に上回っています。この数値は、同社の費用構造において売上高に連動して増減する変動費よりも、人件費や地代家賃、減価償却費といった「固定費」の比率が極めて高いことを示唆しています。IT事業やコンサルティング関連など、無形資産や人的資源への投資が先行する業態において見られる特徴ですが、売上が損益分岐点付近にある時期が長く、わずかな売上の変動が利益を大きく左右しやすい構造となっています。

景気変動への感応度

DOLの推移を見ると、業績のボラティリティ(振れ幅)が非常に激しいことが確認できます。例えば、2017年8月期(第2四半期付近)には売上高が14.49%減少した際、営業利益が489.66%も悪化しており、DOLは33.80倍に達しています。一方で、直近の2025年8月期予想では売上高が136.90%増加する見込みに対し、営業利益が152.02%増(黒字転換)と、利益の急激な回復が示されています。このように、好況期や新規事業の寄与で売上が拡大する局面では爆発的な利益成長が期待できる反面、不況期や競争激化により売上がわずかに減少するだけで、営業損失が加速度的に拡大するリスクを内包しています。過去数年間、営業赤字が継続していた期間のDOLが不安定であることは、固定費をカバーできるだけの売上規模を確保できるかどうかが、同社の存続における最大の焦点であることを物語っています。

投資家へのポイント

投資家としては、同社の「高い営業レバレッジ」を双刃の剣として捉える必要があります。分析結果から得られるリスク評価は「高リスク」であり、売上高の微増・微減が株主価値に与えるインパクトは、一般的な事業会社よりも遥かに大きくなります。特に注目すべきは、2025年8月期に見込まれている売上高の急拡大(136.90%増)が計画通りに進捗するかどうかです。この増収が実現すれば、固定費負担を吸収し、営業利益率の劇的な改善(-33.16%から7.28%への転換など)が期待できます。しかし、計画が未達となった場合、高い固定費負担が再び利益を圧迫する懸念があります。同社の事業ポートフォリオの再編や固定費削減の進捗、そしてトップライン(売上高)の確実な成長性を慎重に見極めることが、投資判断における重要な要素となります。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 8月期 -15.05 推定30% 70.0 -10.54 -
18年 8月期 3.07 推定30% 70.0 2.15 -55.02
19年 8月期 -21.80 推定30% 70.0 -15.26 4.51
20年 8月期 -110.05 推定30% 70.0 -77.04 -26.19
21年 8月期 -74.52 推定30% 70.0 -52.16 -19.79
22年 8月期 -13.89 推定30% 70.0 -9.73 0.22
23年 8月期 -42.58 推定30% 70.0 -29.81 10.09
24年 8月期 -133.98 推定30% 70.0 -93.79 -26.31
25年 8月期 0.33 推定30% 70.0 0.23 136.90
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-100.0%-50.0%0.0%50.0%100.0%150.0%17192123250SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移-150.0%-100.0%-50.0%0.0%50.0%17192123250ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 8月期 連結)
ROE
0.33%
×
内部留保率
70.0%
=
SGR
0.23%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRを大幅に上回っており、外部資金調達や財務レバレッジの拡大が必要な可能性

SGR水準の評価

THE WHY HOW DO COMPANY(以下「同社」)の持続的成長率(SGR)を分析すると、過去数年間にわたり極めて厳しい推移を辿ってきたことが浮き彫りになります。2017年8月期から2024年8月期にかけて、2018年を除きROEが大幅なマイナス圏で推移しており、それに伴いSGRも2020年(-77.04%)や2024年(-93.79%)など、自己資本を大きく毀損させる水準を記録しています。

2025年8月期にはROEが0.33%と黒字化し、SGRも0.23%とプラスに転じていますが、これは長年の赤字構造からようやく脱却の兆しが見えた段階に過ぎません。分析結果から、SGRの低迷は内部留保率(推定70%)の変動ではなく、純利益の赤字に伴うROEの著しい悪化が主因であることが明白です。

成長の持続可能性

同社の成長の持続可能性については、自己資金のみでの成長能力を示すSGRと、実際の売上成長率との間に極めて大きな乖離が見られる点に注意が必要です。特に2025年8月期は、SGRが0.23%であるのに対し、実際の成長率は136.90%と驚異的な乖離を記録しています。

SGR分析の理論上、「実際の成長率 > SGR」の状態は、自社で稼いだ利益(内部留保)だけでは成長資金を賄えていないことを示します。2025年期の急激な成長は、内部留保ではなく、外部からの資金調達(増資や借入)や資産の売却、あるいはビジネスモデルの大幅な転換等によって支えられている可能性が高いと考えられます。このような状態は、一時的な事業拡大には寄与しますが、中長期的な財務体質の強化が伴わない限り、成長の持続性には不透明感が残ります。

投資家へのポイント

投資家の皆様が今後注目すべき点は、2025年8月期に見られたV字回復の「質」と、それに伴う財務レバレッジの影響です。SGR(0.23%)を遥かに上回る実際の成長率(136.90%)を維持するためには、今後も継続的な外部資金の導入が必要となる可能性があり、それは一株当たり利益の希薄化や財務コストの上昇というリスクを内包しています。

ROEがわずか0.33%という現況において、同社が今後いかにして収益性を高め、外部資金に頼らずとも成長できる「自律的な成長サイクル」を構築できるかが焦点となります。直近の急成長が安定的な利益成長に結びつくのか、あるいは財務的な負荷を増大させる結果となるのか、今後のキャッシュフローの推移と資本構成の変化を慎重に見極めることが、投資判断における重要な指標となるでしょう。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
1.6倍
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
要注意
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 8月期 87 7 12.4 346 35.3 2.02
18年 8月期 52 24 2.2 295 15.9 8.14
19年 8月期 -174 - 289 13.4 -
20年 8月期 -432 20 -21.6 460 28.3 4.35
21年 8月期 -474 - 519 36.9 -
22年 8月期 -175 - 416 24.9 -
23年 8月期 -224 19 -11.8 337 24.9 5.64
24年 8月期 -248 42 -5.9 461 30.1 9.11
25年 8月期 129 78 1.6 335 13.6 23.28
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移-30.0-20.0-10.00.010.020.030.040.017192123250ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

同社のインタレストカバレッジレシオ(ICR)は、過去数年間にわたり極めて厳しい状況が続いています。2017年8月期には12.4倍と安全圏にありましたが、2019年8月期から2024年8月期にかけては営業利益が恒常的に赤字となり、ICRが算出不能、あるいはマイナス値を示す「利払いが困難な状態」が続いてきました。特に2020年8月期(-21.6倍)や直近の2024年8月期(-5.9倍)の数値は、本業の収益で金融コストを全く賄えていない実態を浮き彫りにしています。2025年8月期の予想では、営業利益1億2,900万円の黒字化を見込むことでICRは1.6倍まで回復する見通しですが、依然として「要注意」とされる3倍を大きく下回る水準であり、収益性の改善が急務といえる状況です。

有利子負債の状況

有利子負債の推移を見ると、3億円から5億円程度のレンジで推移しており、2024年8月期時点では4億6,100万円となっています。有利子負債比率は2017年8月期の35.3%から、2025年予想では13.6%へと低下する見込みですが、一方で注目すべきは「推定支払利息」の増加です。2024年8月期の4,200万円から、2025年8月期には7,800万円へと大幅な増加が予想されています。これを有利子負債残高(3億3,500万円)から逆算した推定利子率は極めて高い水準にあり、調達コストの負担が増大している傾向が見て取れます。有利子負債の額そのものは抑制傾向にあるものの、金利負担が営業利益を圧迫する構造が強まっており、負債管理における慎重な注視が必要です。

投資家へのポイント

投資判断においては、2025年8月期に計画されている「黒字転換」の確実性が最大の焦点となります。仮に計画通り営業利益が1億2,900万円に達したとしても、推定支払利息が7,800万円に膨らむため、本業利益の約6割が利払いに消える計算となります。財務の安全性を示すICRが1.6倍という低位に留まることは、わずかな収益の下振れが即座に利払い能力の欠如につながるリスクを内包していることを意味します。過去数年にわたる赤字継続から脱却し、安定的なキャッシュフローを創出できるステージに移行できるのか、あるいは高コストな負債負担が継続するのか、今後の収益力回復の持続性を慎重に見極める必要があります。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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データソース

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