※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。
決算履歴(業績推移)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 包括利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年 3月期 連結 | 630,000 | 27,000 | 24,000 | 10,000 | - |
| 2017年 3月期 連結 | 650,000 | 32,000 | 30,000 | 11,000 | - |
| 2017年 3月期 連結 | 653,800 | 34,200 | 32,600 | 12,900 | 18,500 |
| 2018年 3月期 連結 | 730,000 | 38,000 | 36,000 | 20,000 | - |
| 2018年 3月期 連結 | 730,000 | 35,000 | 33,000 | 20,000 | - |
| 2018年 3月期 連結 | 740,100 | 34,300 | 34,100 | 18,400 | 23,300 |
| 2019年 3月期 連結 | 720,000 | 30,000 | 26,000 | 14,000 | - |
| 2019年 3月期 連結 | 720,000 | 28,000 | 21,000 | 4,000 | - |
| 2019年 3月期 連結 | 710,800 | 27,700 | 21,000 | 1,500 | 2,900 |
| 2020年 3月期 連結 | 680,000 | 15,500 | 13,000 | 1,000 | - |
| 2020年 3月期 連結 | 670,000 | 8,000 | 7,000 | -7,500 | - |
| 2020年 3月期 連結 | 670,000 | 3,000 | 1,000 | -33,000 | - |
| 2020年 3月期 連結 | 672,300 | 3,300 | 1,300 | -38,500 | -55,000 |
| 2021年 3月期 連結 | 600,000 | 11,000 | 4,500 | -10,000 | - |
| 2021年 3月期 連結 | 630,000 | 15,000 | 8,500 | -10,000 | - |
| 2021年 3月期 連結 | 643,700 | 24,400 | 18,400 | -5,400 | - |
| 2021年 3月期 連結 | 643,700 | 24,400 | 18,400 | -5,400 | 9,900 |
| 2022年 3月期 連結 | 635,000 | 29,500 | 25,500 | 15,000 | - |
| 2022年 3月期 連結 | 644,000 | 30,000 | 25,500 | 15,000 | - |
| 2022年 3月期 連結 | 650,500 | 32,000 | 27,500 | 17,000 | - |
| 2022年 3月期 連結 | 670,000 | 38,000 | 34,000 | 39,000 | - |
| 2022年 3月期 連結 | 670,400 | 38,300 | 34,100 | 39,100 | 59,300 |
| 2023年 3月期 連結 | 740,000 | 50,000 | 47,000 | 34,000 | - |
| 2023年 3月期 連結 | 790,000 | 68,500 | 69,000 | 35,500 | - |
| 2023年 3月期 連結 | 806,500 | 70,200 | 67,900 | 40,900 | 58,900 |
| 2024年 3月期 連結 | 760,000 | 54,000 | 56,000 | 41,000 | - |
| 2024年 3月期 連結 | 790,000 | 63,000 | 62,000 | 45,000 | - |
| 2024年 3月期 連結 | 799,800 | 69,500 | 69,700 | 51,000 | 84,700 |
| 2025年 3月期 連結 | 870,000 | 89,000 | 87,000 | 60,000 | - |
| 2025年 3月期 連結 | 880,000 | 104,000 | 103,000 | 62,000 | - |
| 2025年 3月期 連結 | 940,000 | 124,000 | 122,000 | 74,000 | - |
| 2025年 3月期 連結 | 979,400 | 135,500 | 137,200 | 91,100 | 91,500 |
| 2026年 3月期 連結 | 996,000 | 142,000 | 148,000 | 103,000 | - |
| 2026年 3月期 連結 | 1,109,000 | 179,000 | 184,000 | 132,000 | - |
| 2026年 3月期 連結 | 1,143,000 | 195,000 | 204,000 | 150,000 | - |
※単位: 百万円
利益率推移
営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100
| 年度 | 売上高 (百万円) | 営業利益率 (%) | 経常利益率 (%) | 純利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 3月期 連結 | 630,000 | 4.29% | 3.81% | 1.59% |
| 2017年 3月期 連結 | 650,000 | 4.92% | 4.62% | 1.69% |
| 2017年 3月期 連結 | 653,800 | 5.23% | 4.99% | 1.97% |
| 2018年 3月期 連結 | 730,000 | 5.21% | 4.93% | 2.74% |
| 2018年 3月期 連結 | 730,000 | 4.79% | 4.52% | 2.74% |
| 2018年 3月期 連結 | 740,100 | 4.63% | 4.61% | 2.49% |
| 2019年 3月期 連結 | 720,000 | 4.17% | 3.61% | 1.94% |
| 2019年 3月期 連結 | 720,000 | 3.89% | 2.92% | 0.56% |
| 2019年 3月期 連結 | 710,800 | 3.90% | 2.95% | 0.21% |
| 2020年 3月期 連結 | 680,000 | 2.28% | 1.91% | 0.15% |
| 2020年 3月期 連結 | 670,000 | 1.19% | 1.04% | -1.12% |
| 2020年 3月期 連結 | 670,000 | 0.45% | 0.15% | -4.93% |
| 2020年 3月期 連結 | 672,300 | 0.49% | 0.19% | -5.73% |
| 2021年 3月期 連結 | 600,000 | 1.83% | 0.75% | -1.67% |
| 2021年 3月期 連結 | 630,000 | 2.38% | 1.35% | -1.59% |
| 2021年 3月期 連結 | 643,700 | 3.79% | 2.86% | -0.84% |
| 2021年 3月期 連結 | 643,700 | 3.79% | 2.86% | -0.84% |
| 2022年 3月期 連結 | 635,000 | 4.65% | 4.02% | 2.36% |
| 2022年 3月期 連結 | 644,000 | 4.66% | 3.96% | 2.33% |
| 2022年 3月期 連結 | 650,500 | 4.92% | 4.23% | 2.61% |
| 2022年 3月期 連結 | 670,000 | 5.67% | 5.07% | 5.82% |
| 2022年 3月期 連結 | 670,400 | 5.71% | 5.09% | 5.83% |
| 2023年 3月期 連結 | 740,000 | 6.76% | 6.35% | 4.59% |
| 2023年 3月期 連結 | 790,000 | 8.67% | 8.73% | 4.49% |
| 2023年 3月期 連結 | 806,500 | 8.70% | 8.42% | 5.07% |
| 2024年 3月期 連結 | 760,000 | 7.11% | 7.37% | 5.39% |
| 2024年 3月期 連結 | 790,000 | 7.97% | 7.85% | 5.70% |
| 2024年 3月期 連結 | 799,800 | 8.69% | 8.71% | 6.38% |
| 2025年 3月期 連結 | 870,000 | 10.23% | 10.00% | 6.90% |
| 2025年 3月期 連結 | 880,000 | 11.82% | 11.70% | 7.05% |
| 2025年 3月期 連結 | 940,000 | 13.19% | 12.98% | 7.87% |
| 2025年 3月期 連結 | 979,400 | 13.84% | 14.01% | 9.30% |
| 2026年 3月期 連結 | 996,000 | 14.26% | 14.86% | 10.34% |
| 2026年 3月期 連結 | 1,109,000 | 16.14% | 16.59% | 11.90% |
| 2026年 3月期 連結 | 1,143,000 | 17.06% | 17.85% | 13.12% |
※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100
決算サマリー
2026年3月期 第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高5,589億円(前年同期比24.9%増)、営業利益902億円(同63.5%増)、経常利益917億円(同75.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益671億円(同133.7%増)と、大幅な増収増益を達成しました。特に純利益は前年同期の2.3倍を超え、極めて好調な推移を見せています。
注目ポイント
最大の注目点は「情報通信事業部門」の爆発的な成長です。生成AIの普及に伴うデータセンタ向け需要が世界的に拡大しており、同セグメントの営業利益は前年同期比で117.5%増と倍増しました。光ファイバ関連製品の高度化と需要取り込みが、グループ全体の収益性を大きく押し上げています。
業界動向
電線・光ファイバ業界において、フジクラはデータセンタ向け高密度光融着接続関連製品などで高い競争力を有しています。競合他社が原材料費高騰や自動車市場の減速に苦しむ中、同社はAIインフラという成長領域にリソースを集中させたことで、業界内でも際立った成長率と利益率を確保しています。
投資判断材料
長期投資家にとってのポジティブ要素は、単なる増収だけでなく、利益率の劇的な向上と自己資本比率の改善(47.5%→54.5%)が同時に進行している点です。一方で、エレクトロニクス事業や自動車事業における地政学リスクや為替変動の影響、特定顧客への依存度は注視すべき項目です。
セグメント別業績
- 情報通信事業: 売上高3,035億円(63.4%増)、営業利益738億円(117.5%増)。データセンタ向け需要が牽引。
- エネルギー事業: 売上高732億円(2.2%増)、営業利益75億円(52.0%増)。高採算製品の寄与。
- エレクトロニクス事業: 売上高862億円(2.4%減)、営業利益49億円(55.5%減)。サプライチェーン問題やバーツ高が響く。
- 自動車事業: 売上高862億円(6.2%減)、営業利益23億円(38.0%減)。端境期による数量減。
財務健全性
総資産は8,546億円と前期末比で242億円増加しましたが、中身は売上債権や棚卸資産の増加といった前向きなものです。一方で長期借入金の返済を進めた結果、有利子負債が減少し、自己資本比率は54.5%まで上昇しました。バランスシートの筋肉質化が鮮明になっています。
配当・株主還元
当中間期の配当金は1株当たり95円(前年同期は33.5円)と大幅な増配を決定しました。利益成長をダイレクトに還元する姿勢を示しており、株主還元への積極性が増しています。配当の原資となる利益剰余金も3,213億円まで積み上がっています。
通期業績予想
中間期時点での純利益(671億円)は、前通期実績(911億円)の約74%に達しており、極めて高い進捗率を誇ります。生成AI関連の需要は下期も継続が見込まれることから、通期での業績上振れへの期待が高まる内容です。
中長期成長戦略
情報通信分野における次世代光ネットワーク製品への設備投資を継続しており、AIサーバー間の接続需要を取り込む体制を強化しています。また、不採算分野の事業構造改善費用(18億円)を計上するなど、ポートフォリオの最適化による収益性の持続的向上を企図しています。
リスク要因
主なリスクは、製造拠点があるタイの通貨「バーツ」の対ドル・対円での上昇です。エレクトロニクス事業では既に利益圧縮要因となっており、為替の動向が利益を左右します。また、原材料である銅価格の変動や、生成AI投資の一巡による需要の波も考慮する必要があります。
ESG・サステナビリティ
報告書内では事業再編を通じた経営効率の向上が示されています。環境負荷の低い光ファイバ製品の供給を通じて、世界のデジタルインフラの省電力化・効率化に貢献しており、事業そのものが社会的課題解決(S)と直結している点が強みです。
経営陣コメント
社長の岡田直樹氏を中心に、データセンタ向け需要の取り込みを最優先課題として掲げています。サプライチェーン問題やコスト増加といった課題(負の側面)を認めつつ、高付加価値製品へのシフトを加速させる強い意志が業績の数字に反映されています。
バリュエーション
中間期EPSは243.35円に達しました。年換算のEPS想定に基づくと、過去の歴史的なPER水準と比較して、現在の成長性を市場がどこまで織り込むかが焦点となります。自己資本の増加に伴い、PBR面での評価も、資産効率の向上とともに再評価(リレーティング)の局面にあります。
過去決算との比較
前中間期と比較して、売上高が約1,100億円増加したのに対し、営業利益は約350億円増加しています。増分利益率(限界利益率に近い指標)が非常に高く、売上拡大が効率的に利益に結びつく体質に変化していることが、直近4四半期のトレンドからも見て取れます。
市場の評判
株式会社フジクラは投資家から好評で、アナリストは2026年3月期に27,675円の予想株価を示す。業績は好調で、売上高と利益が増加傾向。株価は2024年8月から上昇し、2026年3月期の業績も上方修正された。
詳細リサーチレポート
株式会社フジクラ リサーチレポート
最新の業績動向と今後の見通し
- フジクラの業績は近年大きく改善しており、売上や利益が市場予想を上回る結果が続いています. 特に情報通信関連事業の利益率が高まっており、全体の収益に大きく貢献しています.
- 2026年3月期は過去最高の業績となる予想です.
- 2025年度の業績予想について、売上高は9,500億円(前年比-3.0%)、営業利益は1,000億円(前年比-26.2%)、営業利益率は10.5%とされています.
- 2026年3月期第3四半期決算では、情報通信事業部門の大幅成長により、売上高8,549億円(前年同期比20.2%増)、営業利益1,422億円(同47.7%増)と増収増益を達成しました. 通期予想も上方修正され、売上高1兆1,430億円、営業利益1,950億円を見込んでいます.
- データセンター向け通信機器の売上が大幅に増加しており、2026年3月期も高い成長が見込まれています.
- 生成AIの普及・拡大を背景に、AIデータセンターへの投資が拡大しており、省スペースに貢献する同社の光ファイバケーブルは需要が拡大しています.
- アナリストは、2026年3月期の経常利益予想について、1週間前と比較して0.6%上昇したと分析しています.
業界内での競合ポジションと市場シェア
- 同業他社には古河電工や住友電工があり、フジクラは成長分野への注力と収益性の改善で市場から再評価されつつあります.
- フジクラは同業他社と比較して、ROEや利益率が高く、収益性が高いです. また、海外売上比率が7割を超えており、成長が著しい情報通信事業の売上比率が比較的高いという特徴があります.
- 世界の電線メーカーとしては、ルメンタム、コヒレント、コーニングなどが挙げられます.
- 日経平均で上昇率1位になったこともあります.
成長戦略と重点投資分野
- 2023年度から新しい中期経営計画をスタートさせました.
- 2025年中期経営計画では、高度情報化社会実現に向け、フジクラグループの技術が活かせる3つの核心的事業領域を掲げ、重点的にリソースを投入し、"つなぐ"テクノロジー™で「技術のフジクラ」による顧客価値創造と社会貢献を目指しています.
- 成長市場である核心的3分野に重点投資し、新規事業へ機動的に投資する方針です.
- 光ファイバー及び光ケーブル「SWR/WTC」の生産能力増強を目的に設備投資を行うと発表しており、日本及び米国において合計最大3000億円を投じ、生産能力をそれぞれ現状の最大3倍に拡大する計画です.
- 千葉県佐倉市に光ファイバと独自開発の光ケーブル「SWR」の次世代工場を建設予定です. 総投資額は約450億円で、2029年度の稼働開始を予定しています.
- 核融合やEVなどの将来を見据えた開発を進めています.
- 若手社員を対象にアイデア募集を行い、新規事業開発や既存事業改革のアイデアを募ってプレゼンテーションをしてもらい、採用されれば実際に従事してもらう制度があります.
リスク要因と課題
- AI・データセンター投資の減速リスクがあります. 生成AIの普及に伴うデータセンター建設ラッシュが大きく寄与していますが、もしAI関連投資が鈍化したり、データセンターの設備投資ペースが低下した場合、その恩恵が薄れる可能性があります.
- 株価が高いバリュエーションにあるため、今後も同じペースで利益成長が続かないと、PERやPBRが縮小し株価の調整圧力になる可能性も指摘されています.
- 気候変動リスクとして、炭素税の導入など各国地域におけるCO₂排出規制強化や、顧客や操業国からの温室効果ガスやカーボンフットプリントの削減要請義務などが挙げられます. また、洪水や大型台風など自然災害による操業への影響も懸念されます.
- 原油先物相場が再び節目の100ドルを超えて景気悪化リスクが改めて意識されています.
アナリストの評価と目標株価
- アナリスト判断(コンセンサス)は強気買いです.
- 13人のアナリストのレーティングに基づくと、大半が強い買いトレンドを支持しています.
- アナリストの平均目標株価は27,675円で、株価はあと9.25%上昇すると予想しています.
- 最近のアナリスト予想の変化を見ると、この1週間で27,312円から27,675円と判断が変更されました.
- 別のアナリストによると、目標価格は28,747.86 JPY であり、最高で 42,000.00 JPY、最低で 21,000.00 JPY と予想されています.
- 日系中堅証券は2月18日、フジクラのレーティングを強気(A)に据え置いた一方、目標株価は20,500円から25,000円に引き上げました.
- 米系大手証券は、レーティング強気を継続し、目標株価を31,000円、29,500円に設定しています.
最近の重要ニュースやイベント
- 2026年3月13日、光ファイバー及び光ケーブル「SWR/WTC」の生産能力増強を目的に設備投資を行うと発表しました. 日本及び米国において合計最大3000億円を投じ、千葉県の佐倉事業所で建設中の新工場とあわせて生産能力をそれぞれ現状の最大3倍に拡大するとのことです.
- 2026年2月9日、25円の増配を発表しました. 2026年3月期の配当予想は中間配当95円、期末配当120円、年間215円(前期比+115円)となっています.
- 2026年2月17日、レーザー方式の核融合発電技術の開発に取り組む米スタートアップ企業であるブルー・レーザー・フュージョン社と、核融合発電向けレーザ装置の共同開発を始めたと発表しました.
- 2026年1月26日、「2025年サステナブルファイナンス大賞」で優秀賞を受賞しました.
ESG・サステナビリティへの取り組み
- 持続可能な社会の実現に向け、カーボンニュートラルに寄与する先進的な技術開発に取り組んでいます.
- 超電導線材は核融合の実用化に欠かせない部品であり、同社の高温超電導線材は世界の核融合スタートアップ企業から多くの引き合いが来ています.
- EV(電気自動車)に急速充電する技術も注目されており、世界のEVシフトへの貢献が見込まれています.
- 2025環境管理活動指針を定め、「2030年度において再エネ率45%達成」として、CO₂削減量を定め、海外拠点も共通した目標としています.
- 2023年7月、SBTの認定を取得し、Scope1,2を2030年度33%削減(2020年度比)、Scope3を2030年度15%削減(2020年度比)を目標としています.
- 建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において最高位である5つ星評価を取得しています.
- サステナビリティ情報収集と分析のため、サステナビリティ推進室を設置しています.
配当政策と株主還元
- 配当性向は30%を担保する方針です.
- 今後も配当性向30%を目安に株主還元を強化するとのことです.
- 2026年3月期の配当予想は年間215円(前期比+115円)となっています.
- 2021年3月期は赤字に転落したため配当をゼロとしていますが、業績向上に伴って、順調に増配を続けています.
- 過去の配当履歴は以下の通りです:
(注:各期の配当は最終更新日付時点の株数に換算した値を表示しています)
情報源
年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)
| 年度 | 株価高値 | 株価安値 | PER高値 | PER安値 | PBR高値 | PBR安値 | 時価総額高値 | 時価総額安値 | 期末PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011年3月期 | 549 | 281 | 21.12 | 10.81 | 1.09 | 0.56 | 1981億1378万 | 1014億250万 | 0.8倍 |
| 2012年3月期 | 421 | 205 | 赤字 | 赤字 | 0.88 | 0.43 | 1519億2332万 | 739億7700万 | 0.58倍 |
| 2013年3月期 | 323 | 199 | 38.22 | 23.55 | 0.61 | 0.38 | 1165億5888万 | 718億1182万 | 0.55倍 |
| 2014年3月期 | 538 | 271 | 53.85 | 27.13 | 0.91 | 0.46 | 1941億4452万 | 977億9398万 | 0.8倍 |
| 2015年3月期 | 551 | 418 | 14.53 | 11.02 | 0.78 | 0.59 | 1988億3574万 | 1508億4090万 | 0.75倍 |
| 2016年3月期 | 741 | 462 | 20.04 | 12.49 | 1.12 | 0.7 | 2673億9979万 | 1667億1890万 | 0.8倍 |
| 2017年3月期 | 860 | 433 | 19.28 | 9.71 | 1.21 | 0.61 | 2544億4254万 | 1281億886万 | 1.13倍 |
| 2018年3月期 | 1,184 | 684 | 18.4 | 10.63 | 1.54 | 0.89 | 3503億229万 | 2023億7057万 | 0.94倍 |
| 2019年3月期 | 853 | 388 | 167.58 | 76.23 | 1.12 | 0.51 | 2523億7149万 | 1147億9500万 | 0.55倍 |
| 2020年3月期 | 512 | 245 | 赤字 | 赤字 | 0.93 | 0.44 | 1514億8207万 | 724億8653万 | 0.57倍 |
| 2021年3月期 | 574 | 262 | 赤字 | 赤字 | 0.97 | 0.44 | 1698億2560万 | 775億1621万 | 0.92倍 |
| 2022年3月期 | 723 | 451 | 5.1 | 3.18 | 0.9 | 0.56 | 2139億925万 | 1334億3440万 | 0.78倍 |
| 2023年3月期 | 1,166 | 533 | 7.86 | 3.59 | 1.19 | 0.54 | 3449億7674万 | 1576億9520万 | 0.96倍 |
| 2024年3月期 | 2,298 | 863 | 12.42 | 4.67 | 1.86 | 0.7 | 6798億9414万 | 2553億3013万 | 1.84倍 |
| 2025年3月期 | 7,620 | 2,163 | 23.07 | 6.55 | 5.16 | 1.46 | 2兆2544億 | 6399億5257万 | 3.65倍 |
| 最新(株探) | 25330 | - | 46.6倍 | - | 13.79倍 | - | - | - | 13.79倍 |
ROE算出表(PBR÷PER×100)
PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。
| 年度 | PBR高値 | PER高値 | ROE高値(%) | PBR安値 | PER安値 | ROE安値(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011年3月期 | 1.09 | 21.12 | 5.2% | 0.56 | 10.81 | 5.2% |
| 2012年3月期 | 0.88 | 赤字 | - | 0.43 | 赤字 | - |
| 2013年3月期 | 0.61 | 38.22 | 1.6% | 0.38 | 23.55 | 1.6% |
| 2014年3月期 | 0.91 | 53.85 | 1.7% | 0.46 | 27.13 | 1.7% |
| 2015年3月期 | 0.78 | 14.53 | 5.4% | 0.59 | 11.02 | 5.4% |
| 2016年3月期 | 1.12 | 20.04 | 5.6% | 0.7 | 12.49 | 5.6% |
| 2017年3月期 | 1.21 | 19.28 | 6.3% | 0.61 | 9.71 | 6.3% |
| 2018年3月期 | 1.54 | 18.4 | 8.4% | 0.89 | 10.63 | 8.4% |
| 2019年3月期 | 1.12 | 167.58 | 0.7% | 0.51 | 76.23 | 0.7% |
| 2020年3月期 | 0.93 | 赤字 | - | 0.44 | 赤字 | - |
| 2021年3月期 | 0.97 | 赤字 | - | 0.44 | 赤字 | - |
| 2022年3月期 | 0.9 | 5.1 | 17.6% | 0.56 | 3.18 | 17.6% |
| 2023年3月期 | 1.19 | 7.86 | 15.1% | 0.54 | 3.59 | 15.0% |
| 2024年3月期 | 1.86 | 12.42 | 15.0% | 0.7 | 4.67 | 15.0% |
| 2025年3月期 | 5.16 | 23.07 | 22.4% | 1.46 | 6.55 | 22.3% |
| 最新(株探) | 13.79倍 | 46.6倍 | 29.6% | - | - | - |
バリュエーション推移の概要
株式会社フジクラ(5803)のバリュエーション推移を振り返ると、2011年3月期から2022年3月期までは、PBR(株価純資産倍率)が1倍を恒常的に下回る「割安・停滞期」が長く続いていました。しかし、2024年3月期を境に評価が一変し、PBR・PER(株価収益率)ともに歴史的レンジを大きく逸脱する急騰を見せています。かつてはPBR 0.4倍〜1.0倍程度、時価総額1,000億円〜3,000億円規模で推移していた同社は、直近ではPBR 13倍超、時価総額2兆円を超える「高成長銘柄」としての評価を獲得しています。
PBR分析
過去15年間のPBR推移を見ると、明確なフェーズの変化が確認できます。
- 停滞期(2011年〜2023年): 期末PBRは0.5倍から0.9倍の間で推移することが多く、解散価値である1倍を下回る評価が定着していました。歴史的な安値は2013年3月期の0.38倍、および2012年・2020年・2021年の0.4倍台です。
- ブレイクアウト期(2024年〜現在): 2024年3月期に期末PBR 1.84倍と1倍の壁を突破すると、2025年3月期には高値ベースで5.16倍に到達。最新の株探データでは13.79倍に達しており、資産価値に対する評価は過去最低水準(0.38倍)と比較して約36倍の乖離が生じています。
PER分析
PERの推移からは、収益の不安定期から急成長期への変遷が読み取れます。 2012年、2020年、2021年には赤字を計上しており、当時は純利益に基づいた評価が困難な時期もありました。黒字期においても、2022年3月期のPER(安値)は3.18倍、2023年3月期は3.59倍と、極めて低い期待値に留まっていました。 しかし、最新データではPER 46.6倍まで上昇しています。2025年3月期の想定PERレンジ(6.55倍〜23.07倍)と比較しても一段と切り上がっており、利益成長に対する投資家のプレミアム(期待値)が急激に膨らんでいることが示唆されます。
時価総額の推移
企業価値を示す時価総額は、劇的な膨張を遂げています。 2013年3月期には安値ベースで718億円まで落ち込んでいた時価総額は、2024年3月期に6,798億円(高値)へと成長し、2025年3月期には2兆2,544億円にまで達しました。 約10年前の低迷期と比較すると、時価総額は約30倍に拡大しています。この要因には、構造改革による収益性の向上に加え、生成AI市場の拡大に伴うデータセンター向け光配線ソリューション等の需要増が、市場から「グローバルな成長テーマ」として強く意識されたことが背景にあると考えられます。
現在のバリュエーション評価
現在のフジクラのバリュエーションは、歴史的な観点から見れば「前例のない高水準」にあります。
- PBR: 歴史的平均(概ね0.7〜0.8倍)に対し、現在13.79倍。
- PER: 過去の黒字期の多くが10〜20倍程度であったのに対し、現在46.6倍。