※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。
決算履歴(業績推移)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 包括利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年 3月期 連結 | 4,300,000 | 330,000 | 280,000 | 100,000 | - |
| 2017年 3月期 連結 | 4,000,000 | 240,000 | 180,000 | 100,000 | - |
| 2017年 3月期 連結 | 3,900,000 | 150,000 | 120,000 | 90,000 | - |
| 2017年 3月期 連結 | 3,914,018 | 150,543 | 124,293 | 87,720 | 157,248 |
| 2018年 3月期 連結 | 4,050,000 | 180,000 | 170,000 | 80,000 | - |
| 2018年 3月期 連結 | 4,110,816 | 126,530 | 114,462 | 70,484 | 104,868 |
| 2019年 3月期 連結 | 4,200,000 | - | - | 100,000 | - |
| 2019年 3月期 連結 | 4,078,344 | *226,419 | 167,447 | 101,354 | 103,216 |
| 2020年 3月期 連結 | 4,150,000 | - | - | 100,000 | - |
| 2020年 3月期 連結 | 4,041,376 | *126,162 | - | 87,123 | 6,668 |
| 2021年 3月期 連結 | 3,700,000 | - | - | 20,000 | - |
| 2021年 3月期 連結 | 3,699,946 | - | - | 40,639 | - |
| 2021年 3月期 連結 | 3,699,946 | *52,099 | - | 40,639 | 181,616 |
| 2022年 3月期 連結 | 3,750,000 | - | - | 100,000 | - |
| 2022年 3月期 連結 | 3,860,283 | *99,184 | - | 113,541 | 268,540 |
| 2023年 3月期 連結 | 4,100,000 | - | - | 120,000 | - |
| 2023年 3月期 連結 | 4,202,797 | *141,379 | - | 130,451 | 219,456 |
| 2024年 3月期 連結 | 4,400,000 | - | - | 190,000 | - |
| 2024年 3月期 連結 | 4,657,147 | *234,770 | - | 222,023 | 587,916 |
| 2025年 3月期 連結 | 5,000,000 | - | - | 240,000 | - |
| 2025年 3月期 連結 | 5,027,176 | *314,300 | - | 245,447 | 203,213 |
| 2026年 3月期 連結 | 4,750,000 | - | - | 230,000 | - |
| 2026年 3月期 連結 | 4,800,000 | - | - | 230,000 | - |
| 2026年 3月期 連結 | 4,800,000 | - | - | 260,000 | - |
※単位: 百万円
利益率推移
営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100
| 年度 | 売上高 (百万円) | 営業利益率 (%) | 経常利益率 (%) | 純利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 3月期 連結 | 4,300,000 | 7.67% | 6.51% | 2.33% |
| 2017年 3月期 連結 | 4,000,000 | 6.00% | 4.50% | 2.50% |
| 2017年 3月期 連結 | 3,900,000 | 3.85% | 3.08% | 2.31% |
| 2017年 3月期 連結 | 3,914,018 | 3.85% | 3.18% | 2.24% |
| 2018年 3月期 連結 | 4,050,000 | 4.44% | 4.20% | 1.98% |
| 2018年 3月期 連結 | 4,110,816 | 3.08% | 2.78% | 1.71% |
| 2019年 3月期 連結 | 4,200,000 | - | - | 2.38% |
| 2019年 3月期 連結 | 4,078,344 | - | 4.11% | 2.49% |
| 2020年 3月期 連結 | 4,150,000 | - | - | 2.41% |
| 2020年 3月期 連結 | 4,041,376 | - | - | 2.16% |
| 2021年 3月期 連結 | 3,700,000 | - | - | 0.54% |
| 2021年 3月期 連結 | 3,699,946 | - | - | 1.10% |
| 2021年 3月期 連結 | 3,699,946 | - | - | 1.10% |
| 2022年 3月期 連結 | 3,750,000 | - | - | 2.67% |
| 2022年 3月期 連結 | 3,860,283 | - | - | 2.94% |
| 2023年 3月期 連結 | 4,100,000 | - | - | 2.93% |
| 2023年 3月期 連結 | 4,202,797 | - | - | 3.10% |
| 2024年 3月期 連結 | 4,400,000 | - | - | 4.32% |
| 2024年 3月期 連結 | 4,657,147 | - | - | 4.77% |
| 2025年 3月期 連結 | 5,000,000 | - | - | 4.80% |
| 2025年 3月期 連結 | 5,027,176 | - | - | 4.88% |
| 2026年 3月期 連結 | 4,750,000 | - | - | 4.84% |
| 2026年 3月期 連結 | 4,800,000 | - | - | 4.79% |
| 2026年 3月期 連結 | 4,800,000 | - | - | 5.42% |
※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100
決算サマリー
2025年度第2四半期(中間期)の連結業績は、売上収益2兆1,137億円(前年同期比7.3%増)、事業利益1,715億円(同2.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益1,149億円(同7.3%増)となりました。物流子会社の三菱ロジスネクストを非継続事業に分類した影響を含めつつ、主力事業の伸長により増収増益を確保しています。
注目ポイント
- エナジー事業の爆発的な受注:受注高が前年同期比51.6%増の1兆9,812億円に達し、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)や原子力発電システムへの強い需要が浮き彫りとなりました。
- 防衛・宇宙セグメントの収益改善:防衛関連の売上増に加え、民間航空機エンジンの回復が寄与し、セグメント利益は前年同期比37.2%増と大幅に伸長しました。
- 事業ポートフォリオの最適化:三菱ロジスネクストの非公開化・連結除外を決定し、経営資源を成長領域(防衛、原子力、脱炭素)へ集中させる姿勢を明確にしました。
業界動向
地政学リスクの高まりを背景とした国内防衛予算の拡大、および世界的な電力需要増(データセンター増設等)に伴う発電設備の更新需要が追い風となっています。競合他社と比較しても、防衛・電力インフラの両面で国内トップシェアを誇る同社の優位性が際立っています。
投資判断材料
受注高の大幅な積み上がり(3兆3,147億円、前年比8.5%増)は、中長期的な売上成長の確実性を高めています。一方で、大型プロジェクトの工期が長いため、原材料費や労務費のインフレが収益性に与える影響を継続的に注視する必要があります。
セグメント別業績
- エナジー:売上収益8,710億円(+4.7%)、事業利益807億円(-21.7%)。利益減はスチームパワーの減少によるものですが、ガスタービンの受注は極めて堅調です。
- プラント・インフラ:売上収益4,159億円(+9.7%)、事業利益446億円(+58.6%)。エンジニアリング業務の好調が利益を押し上げました。
- 航空・防衛・宇宙:売上収益5,388億円(+24.8%)、事業利益603億円(+37.2%)。防衛・民間航空機ともに力強い伸びを見せています。
財務健全性
親会社所有者帰属持分比率は35.6%(前期末比0.4ポイント増)と微増しました。特筆すべきは営業キャッシュ・フローで、契約資産の管理強化等により前年同期の赤字から2,079億円の黒字へと劇的に改善しており、キャッシュ創出力が高まっています。
配当・株主還元
中間配当は1株当たり12円(前年同期の株式分割考慮後と同等水準)を実施しました。2024年4月に実施した1:10の株式分割により投資家層の拡大を図りつつ、安定的な配当維持・増配を目指す方針を維持しています。
通期業績予想
今回の報告書では通期予想の修正は発表されていませんが、中間期時点での事業利益進捗率は堅調です。特に受注残高が過去最高水準にあることが、下期および来期以降の業績の下支えとなる見通しです。
中長期成長戦略
「2024事業計画」に基づき、ガスタービンの水素混焼化、次世代革新炉の開発、防衛装備品の高度化に注力しています。不採算・非コア事業の売却による資産効率(ROIC)の向上を並行して進めています。
リスク要因
為替レートの急激な変動、防衛装備品における開発スケジュールの遅延、およびグローバルサプライチェーンにおける部材調達コストの上昇が主なリスクとして挙げられます。
ESG・サステナビリティ
2040年のネットゼロ達成に向けたロードマップを推進中。CCUS(二酸化炭素回収・転換・利用・貯留)技術や水素サプライチェーン構築において、世界的なリーダーシップを発揮することを目指しています。
経営陣コメント
伊藤社長は、三菱ロジスネクストの構造改革について、専業メーカーとしての自律的な成長を促すとともに、三菱重工本体の資本効率を最大化するための決断である旨を強調しています。
バリュエーション
株価は防衛需要を織り込み堅調に推移していますが、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は将来の成長期待を反映した水準にあります。豊富な受注残高を考慮すれば、妥当な評価範囲内と見られます。
過去決算との比較
前年同期と比較して、営業キャッシュ・フローがマイナスから大幅プラスに転換した点は非常にポジティブな変化です。季節性として下期に利益が偏重する傾向がある中、中間期でこれだけの受注を積み上げたことは異例の強さと言えます。
市場の評判
Mitsubishi Heavy Industries is highly regarded by analysts with a consensus "strong buy" rating; its stock has shown significant volatility but holds promising long-term growth potential. The company is a leader in aerospace, defense, and energy sectors. Investor sentiment is generally positive based on its technological leadership and market position.
詳細リサーチレポート
三菱重工業株式会社(7011)リサーチレポート
1. 最新の業績動向と今後の見通し
- 2025年3月期第3四半期決算:2025年3月期第3四半期(2025年12月31日時点)の連結業績が発表されており、受注高は前年同期比13%増の5兆291億円と過去最高を記録しました. ビジネス利益は3931億円(前年同期比1.1%増)、親会社株主に帰属する四半期利益は2109億円(前年同期比23%増)となりました.
- 業績予想:通期の業績予想も上方修正され、受注高は6兆7000億円、ビジネス利益は4100億円、親会社株主に帰属する当期利益は2600億円、フリーキャッシュフローは2000億円を見込んでいます.
- アナリストの見解:アナリストは三菱重工業に対し強気な見方をしています. 15人のアナリストによるコンセンサス評価は「強い買い」であり、目標株価は平均5,321.93円と予想されています. これは現在の株価から約9.78%の上昇を示唆しています.
2. 業界内での競合ポジションと市場シェア
- 主要競合他社:三菱重工業の主要な競合他社としては、川崎重工業、IHI、日立、Siemens Energy、General Electricなどが挙げられます.
- 市場シェア:三菱重工業は、大規模CO2回収プラントの分野で2025年時点で世界市場の30%以上を占めています.
- 競合との比較:
3. 成長戦略と重点投資分野
- 中期経営計画:三菱重工業は、2024-2026年度の中期経営計画において、収益性の向上と事業成長のバランスを重視しています.
- 重点投資分野:
- M&A・新規事業:
4. リスク要因と課題
- 事業上のリスク:
- 外部環境の変化:
5. アナリストの評価と目標株価
- アナリストのレーティング:アナリストのコンセンサスレーティングは「強い買い」です.
- 目標株価:
- 証券会社:
6. 最近の重要ニュースやイベント
- 2026年2月:
- 株価に影響を与えたイベント:
7. ESG・サステナビリティへの取り組み
- 環境への取り組み:
- ガバナンス体制:
8. 配当政策と株主還元
- 配当方針:
- 配当状況:
- 自社株買い:
- その他株主還元:
免責事項:本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘を意図するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
情報源
年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)
| 年度 | 株価高値 | 株価安値 | PER高値 | PER安値 | PBR高値 | PBR安値 | 時価総額高値 | 時価総額安値 | 期末PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011年3月期 | 397 | 255 | 44.46 | 28.56 | 1.05 | 0.67 | 1兆3393億 | 8602億7998万 | 1倍 |
| 2012年3月期 | 411 | 303 | 56.53 | 41.68 | 1.08 | 0.79 | 1兆3865億 | 1兆222億 | 1.05倍 |
| 2013年3月期 | 560 | 288 | 19.41 | 9.98 | 1.38 | 0.71 | 1兆8892億 | 9716億1057万 | 1.33倍 |
| 2014年3月期 | 765 | 497 | 16 | 10.4 | 1.72 | 1.12 | 2兆5808億 | 1兆6767億 | 1.35倍 |
| 2015年3月期 | 727 | 530 | 22.1 | 16.11 | 1.51 | 1.1 | 2兆4526億 | 1兆7880億 | 1.37倍 |
| 2016年3月期 | 805 | 350 | 42.32 | 18.4 | 1.65 | 0.72 | 2兆7157億 | 1兆1807億 | 0.86倍 |
| 2017年3月期 | 571 | 367 | 21.86 | 14.05 | 1.37 | 0.88 | 1兆9263億 | 1兆2381億 | 1.08倍 |
| 2018年3月期 | 478 | 385 | 赤字 | 赤字 | 1.15 | 0.93 | 1兆6126億 | 1兆2971億 | 0.98倍 |
| 2019年3月期 | 470 | 380 | 14.3 | 11.56 | 1.12 | 0.9 | 1兆5852億 | 1兆2809億 | 1.09倍 |
| 2020年3月期 | 489 | 252 | 18.84 | 9.7 | 1.35 | 0.69 | 1兆6483億 | 8491億4715万 | 0.75倍 |
| 2021年3月期 | 367 | 218 | 30.36 | 18.04 | 0.9 | 0.54 | 1兆2384億 | 7364億6731万 | 0.85倍 |
| 2022年3月期 | 421 | 251 | 12.44 | 7.43 | 0.9 | 0.53 | 1兆4189億 | 8474億6032万 | 0.86倍 |
| 2023年3月期 | 569 | 386 | 14.64 | 9.95 | 1.1 | 0.75 | 1兆9185億 | 1兆3032億 | 0.94倍 |
| 2024年3月期 | 1,450 | 490 | 21.95 | 7.41 | 2.17 | 0.73 | 4兆8917億 | 1兆6520億 | 2.17倍 |
| 2025年3月期 | 2,932 | 1,234 | 40.14 | 16.89 | 4.2 | 1.77 | 9兆8915億 | 4兆1630億 | 3.61倍 |
| 最新(株探) | 4848 | - | 62.7倍 | - | 6.14倍 | - | - | - | 6.14倍 |
ROE算出表(PBR÷PER×100)
PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。
| 年度 | PBR高値 | PER高値 | ROE高値(%) | PBR安値 | PER安値 | ROE安値(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011年3月期 | 1.05 | 44.46 | 2.4% | 0.67 | 28.56 | 2.3% |
| 2012年3月期 | 1.08 | 56.53 | 1.9% | 0.79 | 41.68 | 1.9% |
| 2013年3月期 | 1.38 | 19.41 | 7.1% | 0.71 | 9.98 | 7.1% |
| 2014年3月期 | 1.72 | 16 | 10.8% | 1.12 | 10.4 | 10.8% |
| 2015年3月期 | 1.51 | 22.1 | 6.8% | 1.1 | 16.11 | 6.8% |
| 2016年3月期 | 1.65 | 42.32 | 3.9% | 0.72 | 18.4 | 3.9% |
| 2017年3月期 | 1.37 | 21.86 | 6.3% | 0.88 | 14.05 | 6.3% |
| 2018年3月期 | 1.15 | 赤字 | - | 0.93 | 赤字 | - |
| 2019年3月期 | 1.12 | 14.3 | 7.8% | 0.9 | 11.56 | 7.8% |
| 2020年3月期 | 1.35 | 18.84 | 7.2% | 0.69 | 9.7 | 7.1% |
| 2021年3月期 | 0.9 | 30.36 | 3.0% | 0.54 | 18.04 | 3.0% |
| 2022年3月期 | 0.9 | 12.44 | 7.2% | 0.53 | 7.43 | 7.1% |
| 2023年3月期 | 1.1 | 14.64 | 7.5% | 0.75 | 9.95 | 7.5% |
| 2024年3月期 | 2.17 | 21.95 | 9.9% | 0.73 | 7.41 | 9.9% |
| 2025年3月期 | 4.2 | 40.14 | 10.5% | 1.77 | 16.89 | 10.5% |
| 最新(株探) | 6.14倍 | 62.7倍 | 9.8% | - | - | - |
バリュエーション推移の概要
三菱重工業(7011)の過去14年間のデータを確認すると、2011年3月期から2023年3月期までの長期にわたり、PBR(株価純資産倍率)1倍前後、PER(株価収益率)10倍〜20倍程度で推移する「停滞期」が続いていました。しかし、2024年3月期を境にバリュエーションは急拡大(リレーティング)しており、伝統的な重厚長大産業としての評価から、防衛・エネルギー関連の成長株としての評価へ変貌を遂げていることが数値から見て取れます。
PBR分析
PBRの推移パターンを見ると、2011年3月期(期末1倍)から2023年3月期(期末0.94倍)までの約12年間、その多くが1倍近辺、あるいは1倍を割り込む水準で推移していました。歴史的な安値は2022年3月期の0.53倍であり、資産価値に対して株価が著しく過小評価されていた時期もありました。 しかし、2024年3月期に期末PBRが2.17倍と過去最高値を更新すると、最新のデータでは6.14倍まで急騰しています。現在の6.14倍という水準は、過去10年以上のレンジ(0.53倍〜1.72倍)を大幅に逸脱しており、解散価値を大きく上回る極めて高い期待値が織り込まれている状態と言えます。
PER分析
PERは、2018年3月期に赤字を計上するなど収益の不安定さが見られた時期もありましたが、概ね10倍〜20倍の範囲で推移してきました。特に2022年3月期(安値7.43倍)や2024年3月期(安値7.41倍)といった局面では、利益成長に対して株価が割安な水準に放置されていました。 一方で、2025年3月期には高値PERが40.14倍に達し、最新データでは62.7倍まで上昇しています。過去10年のPER中央値が概ね15倍前後であったことを考慮すると、現在の水準は利益面からも歴史的な高値圏にあり、今後の飛躍的な利益成長を前提とした株価形成がなされています。
時価総額の推移
時価総額は、2011年から2023年3月期までは1兆円から2兆円規模で推移する傾向が続いていました。2021年3月期には安値で7364億円まで落ち込む場面もありましたが、2024年3月期には高値で4兆8917億円、2025年3月期には9兆8915億円と、わずか数年で企業価値が10倍近くまで膨らんでいます。この急激な成長トレンドは、単なる業績回復の域を超え、同社の市場における立ち位置が「景気敏感なバリュー株」から「国策を背景としたグロース株」へと構造的に変化したことを示唆しています。
現在のバリュエーション評価
現在のバリュエーション(PBR 6.14倍、PER 62.7倍)を歴史的水準と比較すると、統計的な観点からは「過去に類を見ない極めて高い水準」に位置しています。 2011年〜2023年までの平均的な水準(PBR 1倍、PER 15倍程度)を基準とするならば、現在の株価は大幅なプレミアムが乗った状態にあります。投資家はこの高い倍率が、防衛予算の増額や脱炭素エネルギー需要といった将来の収益拡大によって正当化されるかどうかを精査する必要があります。過去の安値圏(PBR 0.5倍〜0.7倍)と比較すれば、現在のマーケットのセンチメントは極めて強気であると評価できます。