7445株式会社ライトオン||

ライトオン(7445) 理論株価分析:ワールド完全子会社化による上場廃止と再建の道 カチノメ

決算発表日: 2026-04-142026年8月期 第2四半期
総合業績スコア
18/100
注意

セクション別スコア

業績成長性10収益性10財務健全性5株主還元10成長戦略40理論株価評価35
業績成長性10
収益性10
財務健全性5
株主還元10
成長戦略40
理論株価評価35

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)200億400億600億800億1,000億2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 '26/8売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)-150億-100億-50億0百万50億2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 '26/80営業利益経常利益純利益利益率推移(%)-40.0%-30.0%-20.0%-10.0%0.0%10.0%2017年 2018年 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 '26/80営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 8月期 個別 85,700 1,250 1,200 100 -
2017年 8月期 個別 81,000 -2,000 -2,100 -3,400 -
2017年 8月期 個別 80,028 -2,849 -2,888 -4,421 -
2018年 8月期 連/個 76,798 1,202 1,036 457 483
2019年 8月期 連結 77,000 100 100 -1,650 -
2019年 8月期 連結 74,500 -2,600 -2,500 -5,300 -
2019年 8月期 連結 73,960 -2,175 -2,196 -6,144 -6,209
2020年 8月期 連結 53,500 -3,900 -4,000 -5,850 -
2020年 8月期 連結 52,969 -3,775 -3,705 -5,720 -5,670
2021年 8月期 連結 54,000 600 650 -1,050 -
2021年 8月期 連結 49,605 49 87 -2,070 -
2021年 8月期 連結 49,605 49 87 -2,070 -2,013
2022年 8月期 連/個 50,500 650 500 50 -
2022年 8月期 連/個 48,229 239 7 -1,166 -
2023年 8月期 個別 47,800 150 50 -550 -
2023年 8月期 個別 46,926 -922 -1,048 -2,545 -
2023年 8月期 個別 46,926 -922 -1,048 -2,545 -
2024年 8月期 個別 41,000 -2,400 -2,500 -3,200 -
2024年 8月期 個別 38,808 -5,000 -5,166 -12,142 -
2025年 8月期 個別 28,130 -454 -752 -449 -
2026年8月期 20,800 240 60 30

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 8月期 個別 85,700 1.46% 1.40% 0.12%
2017年 8月期 個別 81,000 -2.47% -2.59% -4.20%
2017年 8月期 個別 80,028 -3.56% -3.61% -5.52%
2018年 8月期 連/個 76,798 1.57% 1.35% 0.60%
2019年 8月期 連結 77,000 0.13% 0.13% -2.14%
2019年 8月期 連結 74,500 -3.49% -3.36% -7.11%
2019年 8月期 連結 73,960 -2.94% -2.97% -8.31%
2020年 8月期 連結 53,500 -7.29% -7.48% -10.93%
2020年 8月期 連結 52,969 -7.13% -6.99% -10.80%
2021年 8月期 連結 54,000 1.11% 1.20% -1.94%
2021年 8月期 連結 49,605 0.10% 0.18% -4.17%
2021年 8月期 連結 49,605 0.10% 0.18% -4.17%
2022年 8月期 連/個 50,500 1.29% 0.99% 0.10%
2022年 8月期 連/個 48,229 0.50% 0.01% -2.42%
2023年 8月期 個別 47,800 0.31% 0.10% -1.15%
2023年 8月期 個別 46,926 -1.96% -2.23% -5.42%
2023年 8月期 個別 46,926 -1.96% -2.23% -5.42%
2024年 8月期 個別 41,000 -5.85% -6.10% -7.80%
2024年 8月期 個別 38,808 -12.88% -13.31% -31.29%
2025年 8月期 個別 28,130 -1.61% -2.67% -1.60%
2026年8月期 20,800 1.15% 0.29% 0.14%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

株式会社ライトオンの2026年8月期中間決算は、売上高10,388百万円(前年同期比38.6%減)、営業損失610百万円(前年同期は244百万円の損失)、経常損失813百万円、中間純損失846百万円となり、大幅な減収および赤字幅の拡大を記録しました。店舗網の縮小に加え、既存店の苦戦が続き、非常に厳しい着地となっています。

注目ポイント

  • ワールドによる完全子会社化と上場廃止:2026年3月1日付で株式会社ワールドの完全子会社となり、2026年2月26日をもって上場廃止となりました。
  • 債務超過への転落:中間会計期間末時点で純資産がマイナス389百万円となり、債務超過に陥っています。
  • 資金繰り支援の実行:親会社となったワールドから1,000百万円の資金支援が実行され、当面の資金懸念は解消されています。

業界動向

カジュアル衣料品業界では、消費者の嗜好の多様化やECシフトが加速しています。競合他社が独自の強みを打ち出す中、同社はトレンド対応の遅れや品揃えの課題から客数の回復が鈍く、厳しい市場環境に置かれています。今後はワールドグループのサプライチェーンやMDノウハウを活用した再成長が鍵となります。

投資判断材料

本報告書公表時点で既に上場廃止となっており、一般投資家による市場での売買は不可能です。株式交換により、ライトオン株1株に対しワールド株0.20株が割り当てられており、投資家の関心は今後のワールドグループ全体の成長性へと移行しています。

セグメント別業績

同社はアパレル小売の単一セグメントですが、商品カテゴリー別の売上状況は以下の通りです。

  • ボトムス:4,590百万円(構成比44.2%)
  • カットソー・ニット:2,654百万円(構成比25.5%)
  • シャツ・アウター:1,698百万円(構成比16.3%)
  • その他:1,445百万円(構成比14.0%)

全カテゴリーで前年を大きく下回る推移となりました。

財務健全性

自己資本比率はマイナス3.5%となり、財務基盤は極めて脆弱です。総資産11,197百万円に対し、負債合計が11,586百万円と資産を上回っています。ただし、ワールドによる子会社化に伴い、キャッシュマネジメントシステム(CMS)による機動的な資金調達が可能となっており、倒産リスクは親会社の支援によって回避されている状態です。

配当・株主還元

当期の中間配当は無配です。継続的な純損失の計上および債務超過の状態にあることから、株主還元余力は失われており、上場廃止に伴い今後の配当方針も親会社の戦略に準じることとなります。

通期業績予想

上場廃止に伴い、単体での詳細な通期業績予想の修正や進捗管理の重要性は低下していますが、引き続き「聖域なきコスト構造改革」を軸とした再建を目指しています。店舗数は中間期末時点で206店舗(24店舗退店)まで減少しています。

中長期成長戦略

「フェーズ2:再成長への挑戦」として、ワールドのリソースを最大限に活用したPB(プライベートブランド)開発の強化、サプライチェーンの最適化、MD構成の抜本的な見直しを進めています。不採算店舗の整理と本部組織のスリム化により、筋肉質な体質への転換を図ります。

リスク要因

  • 再建の遅れ:ワールド主導のMD改革が功を奏さない場合、赤字体質からの脱却が遅れるリスク。
  • 消費マインドの冷え込み:物価高騰による衣料品支出の抑制。

ESG・サステナビリティ

ワールドグループの一員として、衣料品廃棄の削減や持続可能な原材料の調達など、グループ全体での環境負荷低減に向けた取り組みを強化する方針です。

経営陣コメント

大峯社長は、トレンド性の高い新作への支持や客数回復の兆しを認めつつも、品揃えの偏りや雑貨の展開不足といった課題が未だ多く、計画未達となった点について言及。ワールドとの統合により仕組みづくりを再現性のあるものに昇華させる強い意志を示しています。

バリュエーション

上場廃止直前の株式交換比率(1:0.20)に基づけば、ライトオンの価値はワールドの株価に連動する形となりました。単体でのPBR等は債務超過のため算出不能、あるいはマイナスとなります。

過去決算との比較分析

直近数年、営業赤字が継続しており、売上高の右肩下がりが止まらない深刻なトレンドにありました。今回のワールドによる完全子会社化は、自力再建が困難な状況下での「救済的統合」の側面が強く、過去の延長線上ではない抜本的な変化が求められています。

市場の評判

株式会社ライトオンの評判は、社員のワークライフバランスや退職理由に焦点を当てた多数の口コミがある。投資家は、業績上方修正と成長性に注目している。IRBANKの情報によると、主要な負債と資産の内訳が詳細に記載されている。

詳細リサーチレポート

最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年8月期第1四半期の業績は、売上高が50.14億円(前年同期比35.3%減)、四半期純損失7.14億円と、大幅な減収減益となっています.
  • 2026年8月期の通期業績予想は、売上高208億円(前期比26.1%減)、営業利益2.4億円、経常利益6,000万円、当期純利益3,000万円を見込んでいます.
  • 親会社であるワールドによる完全子会社化により、事業再構築と財務基盤の強化が期待されています.
  • 2025年8月期は、売上高281.3億円(前年同期比27.5%減)、営業損失4.54億円、経常損失7.52億円、当期純損失4.49億円でした.
  • 2025年8月期末の店舗数は230店舗と、不採算店舗の閉鎖により110店舗減少しています.
  • 2025年8月期から2029年8月期までの5ヵ年を期間とする中期経営計画を策定し、コスト構造改革の徹底による利益体質への転換を目指しています.

業界内での競合ポジションと市場シェア

具体的な市場シェアのデータは確認できませんでしたが、以下の情報から競合環境を推測できます。

  • ジーンズを中心としたカジュアルウェア市場で、SPA(製造小売)企業やECサイトとの競争が激化しています.
  • 主な競合企業として、ジーユー、ユニクロ、しまむらなどが挙げられます.
  • ライトオンは、ショッピングセンターや駅ビルなどのインショップを中心に店舗展開しています.

成長戦略と重点投資分野

  • ワールドによる完全子会社化により、ワールドグループのリソースを活用した経営再建を目指します.
  • 中期経営計画では、コスト構造改革による利益体質への転換、MD(マーチャンダイジング)構成の見直し、仕入先の再構築、モノづくり体制の改革などを掲げています.
  • ECサイトの強化や不採算店舗の閉鎖を進めています.

リスク要因と課題

  • 消費行動の変化や競合他社との競争激化により、業績が悪化しています.
  • 暖冬など気候の影響を受けやすい体質が課題となっています.
  • 2026年8月期第1四半期末時点で債務超過に陥っており、財務基盤の強化が急務です.
  • 監査法人から「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が指摘されています.

アナリストの評価と目標株価

  • 2026年2月26日に上場廃止となっているため、アナリストによる評価や目標株価は存在しません.
  • 過去には、再建策や業務提携のニュースが出た際に株価が急反発するボラティリティの高さが指摘されていました.

最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年2月26日に上場廃止となりました.
  • 2025年11月14日、ワールドが株式交換により完全子会社化することを発表しました.
  • 2025年1月、W&Dインベストメントデザインがライトオン株式に対する公開買付けを完了し、親会社が変更されました.

ESG・サステナビリティへの取り組み

具体的な取り組み内容は不明ですが、以下の情報から関連活動を推測できます。

  • 2024年10月、サステナブルをテーマにした自転車イベント「MARUNOUCHI CRITERIUM」に、ライトオンの「つなごう藍い糸PROJECT」が出展しました.

配当政策と株主還元

  • 業績不振のため、2019年8月期以降、無配が続いています.
  • 2025年11月、株主優待制度を廃止しました.
  • 過去には株主優待として、自社店舗で利用できる優待券が贈呈されていました.

情報源

年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)05001,0001,5002,000'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍20.0倍40.0倍60.0倍80.0倍'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍20倍40倍60倍80倍'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億100億200億300億400億500億600億'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)1.0%2.0%3.0%4.0%5.0%6.0%'11/8'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2011年8月期 566 319 赤字 赤字 0.56 0.32 167億7142万 94億5244万 0.42倍
2012年8月期 795 406 12.48 6.38 0.74 0.38 235億5704万 120億3038万 0.61倍
2013年8月期 1,049 567 16.83 9.1 0.87 0.47 310億8344万 168億106万 0.79倍
2014年8月期 956 638 61.68 41.16 0.79 0.53 283億2771万 189億489万 0.57倍
2015年8月期 1,085 673 39.74 24.65 0.89 0.55 321億5017万 199億4199万 0.79倍
2016年8月期 1,971 922 30.63 14.33 1.56 0.73 584億368万 273億2024万 0.85倍
2017年8月期 1,253 901 赤字 赤字 1.17 0.84 371億2826万 266億9798万 0.85倍
2018年8月期 1,146 890 68.95 53.55 1.08 0.84 339億5769万 263億7203万 0.97倍
2019年8月期 1,137 674 赤字 赤字 1.39 0.82 336億9101万 199億7163万 0.85倍
2020年8月期 696 390 赤字 赤字 1.14 0.64 206億2352万 115億5628万 0.93倍
2021年8月期 780 548 赤字 赤字 1.45 1.02 231億1257万 162億3806万 1.32倍
2022年8月期 766 660 赤字 赤字 1.51 1.31 226億9772万 195億5679万 1.38倍
2023年8月期 705 541 赤字 赤字 1.67 1.28 208億9020万 160億3064万 1.29倍
2024年8月期 551 358 赤字 赤字 64.9 42.17 163億2695万 106億807万 42.87倍
2025年8月期 366 167 赤字 赤字 28.48 13 108億4512万 59億3527万 23.74倍
最新(株探) 5 - -倍 - -倍 - - - -倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2011年8月期 0.56 赤字 - 0.32 赤字 -
2012年8月期 0.74 12.48 5.9% 0.38 6.38 6.0%
2013年8月期 0.87 16.83 5.2% 0.47 9.1 5.2%
2014年8月期 0.79 61.68 1.3% 0.53 41.16 1.3%
2015年8月期 0.89 39.74 2.2% 0.55 24.65 2.2%
2016年8月期 1.56 30.63 5.1% 0.73 14.33 5.1%
2017年8月期 1.17 赤字 - 0.84 赤字 -
2018年8月期 1.08 68.95 1.6% 0.84 53.55 1.6%
2019年8月期 1.39 赤字 - 0.82 赤字 -
2020年8月期 1.14 赤字 - 0.64 赤字 -
2021年8月期 1.45 赤字 - 1.02 赤字 -
2022年8月期 1.51 赤字 - 1.31 赤字 -
2023年8月期 1.67 赤字 - 1.28 赤字 -
2024年8月期 64.9 赤字 - 42.17 赤字 -
2025年8月期 28.48 赤字 - 13 赤字 -
最新(株探) -倍 -倍 - - - -

バリュエーション推移の概要

株式会社ライトオン(7445)の過去15年間にわたるバリュエーションデータを確認すると、大きな転換点が2016年8月期にあることが分かります。2010年代前半は、PBRが1倍を下回る水準で推移する伝統的な小売業の評価を受けていましたが、2016年をピークに収益性が悪化。2010年代後半から直近にかけては赤字決算が常態化しており、PERによる評価が不可能な期間が長期化しています。特に直近数年は純資産の毀損に伴い、PBRが数十倍という異常値を示すなど、バリュエーションの指標としての機能が変質している状況が見て取れます。

PBR分析

PBR(株価純資産倍率)の推移には、企業の資産背景の変化が顕著に表れています。 2011年8月期から2015年8月期にかけては、PBR安値0.32倍から高値0.89倍の範囲で推移し、解散価値である1倍を恒常的に下回る「割安圏」にありました。しかし、2016年8月期に株価が1,971円を記録した際にPBRは1.56倍まで上昇。その後、業績悪化に伴う自己資本の減少により、PBRの分母となる純資産が急速に縮小しました。その結果、2024年8月期にはPBR高値が64.9倍、2025年8月期には28.48倍と、株価の下落を大幅に上回るスピードで資産が減少していることを示す極めて高い数値となっています。これは通常の「割高」を示すものではなく、財務基盤の脆弱化を反映した数値と言えます。

PER分析

収益性を示すPER(株価収益率)は、2012年8月期から2016年8月期の間は概ね算出可能であり、2012年には低水準(6.38倍〜12.48倍)でしたが、2014年には利益水準の低下により高値61.68倍まで跳ね上がる場面もありました。しかし、2017年8月期以降は、2018年を除きほぼすべての年度で「赤字」となっており、収益に基づいた株価形成が行われていない期間が続いています。2018年8月期に一時的に黒字化した際もPERは53.55倍〜68.95倍と高い水準に留まっており、かつての利益水準への回復が期待されつつも、実際の収益力が追いついていない状況が示唆されています。

時価総額の推移

時価総額は、同社の企業価値に対する市場の期待感を如実に反映しています。 2011年8月期の約94億円を底に、2016年8月期には584億円まで急拡大しました。これが過去15年間における企業価値のピークとなっています。しかし、その後は右肩下がりのトレンドが続き、2020年にはコロナ禍の影響も受け、安値圏で115億円まで減少。直近の2025年8月期には、高値108億円、安値59億円と、ピーク時の約10分の1程度の水準まで時価総額が縮小しています。店舗網の縮小や売上高の減少といった事業規模の縮小が、市場価値の低下に直結していると考えられます。

現在のバリュエーション評価

直近のデータ(2025年8月期)に基づくと、PBRは期末で23.74倍と歴史的に見て極めて異例な高水準にあります。これは、株価が167円〜366円という低位にあるにもかかわらず、それ以上に一株当たり純資産(BPS)が減少していることを示しており、一般的な「資産面からの割安感」は完全に消失しています。また、PERが算出不能(赤字)であることから、現在の株価は将来の事業再生や資本注入などの構造改革への期待、あるいは流動性のみによって維持されている側面が強いと考えられます。歴史的な時価総額の安値圏にある一方で、財務指標上は割安とは言えない複雑な局面にあり、投資に際しては今後の再建策の具体性と実現可能性を慎重に精査する必要があります。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-100億-50億0百万50億100億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/80営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-100億-50億0百万50億100億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/80設備投資#1フリーCF現金等残高推移0百万50億100億150億200億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/8現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2017年8月期 通期 -2294 -4074 3304 -6368 -3857 12928
2018年8月期 通期 5942 942 -2156 6884 -2252 17864
2019年8月期 通期 1043 -989 -4367 54 -1431 13542
2020年8月期 通期 -3535 -1516 1704 -5051 -1009 10204
2021年8月期 通期 -528 -471 -3025 -999 -765 6183
2022年8月期 通期 682 -287 1669 395 -594 8218
2023年8月期 通期 -1719 -460 -2556 -2179 -594 3482
2024年8月期 通期 -577 823 -2772 246 -337 955
2025年8月期 通期 -4225 769 3079 -3456 -217 578

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

過去9期にわたる株式会社ライトオンのキャッシュフロー(CF)推移を分析すると、かつての「優良安定型」から、近年は厳しい経営環境を反映した「事業転換型」あるいは「縮小型」へと変化しています。特に直近の2025年8月期(予想)のCFパターンは、営業CFがマイナス(-42.25億円)、投資CFがプラス(7.69億円)、財務CFがプラス(30.79億円)となっており、CF分析フレームワークでは「事業転換型(資産売却+調達で営業赤字を補填)」に分類されます。本業でのキャッシュ創出が困難な中、資産の切り売りと資金調達によって手元流動性を維持しようとする苦境が鮮明になっています。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、本業による稼ぎを示す指標ですが、2020年以降の6期中5期がマイナス、または極めて低い水準に留まっています。2018年8月期には59.42億円のプラスを記録していましたが、2023年8月期には-17.19億円、さらに2025年8月期予想では-42.25億円と大幅な赤字が見込まれています。衣料品小売業界の競争激化や消費行動の変化に対し、在庫管理や店舗運営の最適化が追いつかず、本業のキャッシュ創出力が著しく低下している状況と言えます。キャッシュが流出し続ける構造からの脱却が急務となっています。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

投資CFと設備投資額の推移からは、同社の投資抑制姿勢が読み取れます。2017年8月期には38.57億円の設備投資を行っていましたが、直近の2025年8月期予想では2.17億円まで縮小しています。2024年以降、投資CFがプラス(2024年:8.23億円、2025年予想:7.69億円)に転じている点は重要です。これは新たな成長投資を上回る規模で、不採算店舗の閉鎖や資産売却を進めていることを示唆しています。将来の成長に向けた「攻め」の投資ではなく、財務の維持を優先した「守り」の資産整理が進んでいる状況です。

フリーキャッシュフロー分析

営業CFと投資CFを合算したフリーCF(FCF)は、2020年以降、2022年と2024年のわずかなプラスを除き、多くがマイナス圏で推移しています。特に2025年8月期予想では、営業CFの悪化により-34.56億円という大幅なマイナスが見込まれています。FCFが恒常的にマイナスであることは、事業活動を通じて「自由に使える現金」を生み出せていないことを意味します。このため、配当などの株主還元や新規事業への投資余力は極めて限定的であり、現時点では事業の存続そのものにキャッシュが費やされている評価となります。

財務戦略・現金残高の評価

財務CFと現金等残高の推移は、同社の資金繰りの厳しさを如実に示しています。2018年8月期に178.64億円あった現金等は、毎年のように減少を続け、2025年8月期予想では5.78億円まで減少する見通しです。かつての潤沢な手元流動性はほぼ底を突きつつあります。2025年8月期の財務CFが30.79億円のプラスとなっているのは、不足する運転資金を補填するための借入や増資等の資金調達によるものと推察されます。手元流動性の確保が経営上の最優先課題となっており、財務基盤の安定化には本業の黒字化が不可欠な状況です。

キャッシュフロー総合評価

株式会社ライトオンのキャッシュフローデータ全体を評価すると、財務的な健全性は非常に厳しい局面にあります。営業CFの断続的な赤字、投資の極端な抑制と資産売却による現金確保、そして急激な現金残高の減少は、典型的な業績不振企業のCFパターンを示しています。2025年8月期予想における現金残高5.78億円という水準は、売上規模に対して極めて低く、わずかな収支の狂いが致命的な資金不足を招くリスクを孕んでいます。投資家としては、進行中の構造改革が営業CFの劇的な改善に結びつくのか、あるいはさらなる資本増強策が講じられるのかを注視する必要があります。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
98.4%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
1.6%
1 − 変動費率
推定固定費
84
百万円
基準: 2017年 8月期 個別(売上高 85,700 百万円)と 2026年8月期(売上高 20,800 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 8月期 個別 85,700 1,334 1.6% 5,378 93.7% 1.07倍
17年 8月期 個別 81,000 1,261 1.6% 5,378 93.4% -
17年 8月期 個別 80,028 1,245 1.6% 5,378 93.3% -
18年 8月期 連/個 76,798 1,195 1.6% 5,378 93.0% 0.99倍
19年 8月期 77,000 1,198 1.6% 5,378 93.0% 11.98倍
19年 8月期 74,500 1,159 1.6% 5,378 92.8% -
19年 8月期 73,960 1,151 1.6% 5,378 92.7% -
20年 8月期 53,500 833 1.6% 5,378 90.0% -
20年 8月期 52,969 824 1.6% 5,378 89.8% -
21年 8月期 54,000 840 1.6% 5,378 90.0% 1.40倍
21年 8月期 49,605 772 1.6% 5,378 89.2% 15.75倍
21年 8月期 49,605 772 1.6% 5,378 89.2% 15.75倍
22年 8月期 連/個 50,500 786 1.6% 5,378 89.3% 1.21倍
22年 8月期 連/個 48,229 751 1.6% 5,378 88.8% 3.14倍
23年 8月期 個別 47,800 744 1.6% 5,378 88.8% 4.96倍
23年 8月期 個別 46,926 730 1.6% 5,378 88.5% -
23年 8月期 個別 46,926 730 1.6% 5,378 88.5% -
24年 8月期 個別 41,000 638 1.6% 5,378 86.9% -
24年 8月期 個別 38,808 604 1.6% 5,378 86.1% -
25年 8月期 個別 28,130 438 1.6% 5,378 80.9% -
26年8月期 20,800 324 1.6% 5,378 74.1% 1.35倍
売上高と損益分岐点売上高の推移02億4億6億8億10億1718192122232426売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.020.040.060.080.0100.01718192122232426安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2026年8月期)
売上高
20,800
百万円
損益分岐点
5,378
百万円
安全余裕率
74.1%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
1.35倍
低い経営リスク

費用構造の評価

提供された高低点法による分析データに基づくと、株式会社ライトオンの推定変動費率は98.4%、限界利益率は1.6%という極めて特徴的な数値を示しています。一般的なアパレル小売業では、商品の仕入原価(変動費)に加えて、店舗家賃や人件費(固定費)が大きな比重を占めますが、本分析結果では費用の大部分が売上高に連動する「変動費型」の構造として算出されています。推定固定費が84百万円と売上規模に対して非常に低く見積もられている点は、近年の店舗閉鎖や事業縮小に伴うコスト構造の流動化を反映している可能性があります。しかし、1.6%という限界利益率は、売上が100円増えても利益が1.6円しか残らないことを意味しており、極めて薄利な構造と言わざるを得ません。

損益分岐点と安全余裕率

損益分岐点売上高は5,378百万円と推定されています。直近の2024年8月期(38,808百万円)や2026年8月期の予測値(20,800百万円)と比較すると、売上高が損益分岐点を大きく上回っているように見えます。これに伴い、安全余裕率は2017年8月期の93.7%から2026年8月期の74.1%へと低下傾向にあるものの、一般的に優良とされる30%を依然として大きく上回っています。ただし、これは限界利益率が極端に低く、かつ固定費も極端に低く算出されている分析モデルに起因するものです。実態としては、売上高が2017年の85,700百万円から2026年には20,800百万円へと約4分の1まで減少する見通しであり、収益の絶対額が急速に縮小している点に強い注意が必要です。

経営レバレッジとリスク

経営レバレッジは、2021年8月期に15.75倍という非常に高い数値を記録しており、売上のわずかな変動が利益に甚大な影響を与えるリスクの高い状態にありました。2026年8月期の予測では1.35倍まで低下していますが、これは利益水準が極めて低いため、わずかなコスト増(変動費率の上昇)で容易に赤字転落する構造であることを示唆しています。限界利益率が1.6%と低いため、原材料費の高騰や為替変動による仕入価格の上昇といった外部要因を自社で吸収する余力が乏しく、景気感応度よりも「コスト耐性の弱さ」が経営リスクの核心であると分析されます。

投資判断への示唆

本CVP分析の結果は、投資家に対して以下の示唆を与えます。第一に、同社のビジネスモデルは極めて高い変動費率(98.4%)に依存しており、売上の拡大が利益成長に結びつきにくい「薄利多売」の限界に達している可能性があります。第二に、安全余裕率は形式上高いものの、売上の減少トレンドが止まっておらず、事業規模の縮小が止まらない限り、固定費の削減(店舗閉鎖等)だけで利益を確保し続けることには限界があります。今後、限界利益率を改善させるためのブランド価値向上や、売上減少を食い止める抜本的な戦略転換が確認できるかどうかが、投資判断における重要な焦点となるでしょう。以上の数値を踏まえ、同社の回復可能性をどのように評価するかが判断の分かれ目となります。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 8月期 個別 0.12 × 1.431 × 2.04 = 0.00
18年 8月期 連/個 0.60 × 1.329 × 1.98 = 0.02
19年 8月期 -2.14 × 1.652 × 2.07 = -0.07
20年 8月期 -10.93 × 1.347 × 2.36 = -0.35
21年 8月期 -1.94 × 1.576 × 2.32 = -0.07
22年 8月期 連/個 0.10 × 1.484 × 2.28 = 0.00
23年 8月期 個別 -1.15 × 1.770 × 2.18 = -0.04
24年 8月期 個別 -7.80 × 2.680 × 60.24 = -12.60
25年 8月期 個別 -1.60 × 2.345 × 26.36 = -0.99
デュポン分析:ROEの3要素推移-15.0%-10.0%-5.0%0.0%5.0%17192123250純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移0.0010.0020.0030.0040.0050.0060.0070.001719212325総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 8月期 個別)
純利益率
-1.60%
収益性
×
総資産回転率
2.345回
効率性
×
財務レバレッジ
26.36倍
借入で資本効率を2536%ブースト
=
ROE
-0.99%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

株式会社ライトオンのROE(自己資本利益率)は、過去数年間にわたり極めて低い水準、あるいは大幅なマイナスで推移しています。特に2024年8月期のROEは-12.60%と、深刻な赤字状態にあります。ROEの内訳を見ると、本来の「稼ぐ力」を示す純利益率が2023年8月期の-1.15%から2024年8月期には-7.80%へと大幅に悪化しており、収益性の欠如がROEを押し下げている主因です。通常、ROEの向上は純利益率や資産効率の改善が望ましいですが、同社の場合は収益構造の悪化と自己資本の毀損が同時進行しており、「質の高いROE」とは言い難い状況にあります。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジの推移には、極めて注視すべき変化が見られます。2017年から2023年までは2倍前後で安定していましたが、2024年8月期には60.24倍、2025年8月期(予想)も26.36倍という異例の数値となっています。この急上昇は、積極的な借入による事業拡大ではなく、相次ぐ純損失によって自己資本(純資産)が大きく減少したことによるものです。一般的にレバレッジはROEをブーストさせる効果がありますが、同社のケースでは財務基盤の脆弱化を如実に示しており、倒産リスクや資金繰りへの懸念を含んだ、極めて高い財務リスクを示唆しています。

トレンド分析

過去8年間のトレンドを分析すると、大きな構造変化が読み取れます。総資産回転率は2017年の1.431回から2024年には2.680回へと上昇しており、資産を売上に変える効率自体は改善、あるいは在庫の圧縮・不採算店舗の閉鎖による「持たざる経営」へのシフトが見て取れます。しかし、その効率化が利益に結びついておらず、純利益率は2020年(-10.93%)や2024年(-7.80%)など、定期的に大きな赤字を計上する不安定な体質から脱却できていません。効率性は向上しているものの、それ以上に収益性と財務の健全性が損なわれているという、歪な構造への変化が顕著です。

投資判断への示唆

デュポン分析から導き出される同社の現状は、「収益性の抜本的な改善」が急務であるという点に尽きます。資産回転率の高さは店舗網や在庫管理の合理化を示唆するポジティブな側面もありますが、60倍を超える財務レバレッジは、わずかな追加損失で債務超過に陥りかねない危険な水準です。投資家としては、今後の純利益率が黒字圏で安定するか、また増資や資産売却等を通じて財務レバレッジが健全な水準(自己資本の回復)に戻るかどうかが、再建の成否を見極める重要な判断材料となります。現在のROEおよび各指標は、ハイリスク・ハイリターンな局面、あるいは事業継続の岐路にあることを示しています。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 36億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 8.18% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 3億 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 0.0% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 30.0% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/08 141億 50百万 12億 13億 1億 1億 0.34% 0.31% +0.03%pt
2018/08 125億 2億 10億 12億 5億 5億 1.56% 1.27% +0.29%pt
2019/08 86億 1億 1億 2億 -16億 -16億 -7.31% -5.00% -2.31%pt
2020/08 103億 1億 -40億 -39億 -58億 -58億 -34.74% -21.27% -13.48%pt
2021/08 73億 1億 7億 8億 -10億 -10億 -7.11% -4.41% -2.70%pt
2022/08 77億 2億 5億 7億 50百万 2億 0.33% 0.69% -0.35%pt
2023/08 51億 1億 50百万 2億 -5億 -5億 -4.44% -2.74% -1.70%pt
2024/08 24億 1億 -25億 -24億 -32億 -31億 -1259.84% -116.14% -1143.70%pt
2025/08 36億 3億 -8億 -5億 -4億 -2億 -98.68% -5.87% -92.81%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-60億-40億-20億0百万20億2017/082019/082021/082023/082025/080実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-1500.0%-1000.0%-500.0%0.0%500.0%2017/082019/082021/082023/082025/080実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を減らしている(逆レバレッジ)
実績ROE
-98.68%
借金なしROE
-5.87%
レバレッジ効果
-92.81%pt

借入金利が事業利益率を上回っている、または利息負担が大きく、借金が株主リターン(ROE)を押し下げています。

借金の利益インパクト

株式会社ライトオンの直近(2025年8月期予想)における有利子負債は36億円であり、そこから推定される支払利息は約3億円に達します。注目すべきは推定金利の高さで、8.18%という水準は一般的な事業融資としては非常に高く、財務的なコスト負担が重い現状を示しています。

「借金がなかったら」というシミュレーションで見ると、2025年8月期の経常利益(実績ベース)は8億円の赤字ですが、借金がない場合は5億円の赤字に留まると推定されます。また、純利益においても実績の4億円の赤字に対し、利息負担がなければ2億円の赤字まで圧縮される計算となります。この3億円という利息負担は、赤字幅を約2倍に拡大させており、ボトムライン(最終利益)に対して極めて深刻な圧迫要因となっています。

レバレッジ効果の評価

財務レバレッジの効果は「-92.81%pt」と極めて強いマイナス評価となっています。本来、借入金は事業利益率が金利を上回る場合にROE(自己資本利益率)を押し上げる効果がありますが、同社の場合は逆転現象が起きています。

時系列で確認すると、2017年〜2018年頃まではわずかにプラスのレバレッジ効果を維持していましたが、2019年以降は慢性的にマイナスに転じています。特に2024年8月期(-1143.70%pt)、2025年8月期(-92.81%pt)の数値は、純資産の毀損と営業赤字が重なったことで、借金が株主リターンを劇的に悪化させている現状を浮き彫りにしています。現在の財務構造は、収益を稼ぐための「テコ」ではなく、損失を拡大させる「重石」として機能してしまっていると言わざるを得ません。

財務戦略の考察

有利子負債の総額自体は、2017年の141億円から2025年の36億円へと大幅に縮小しており、一見するとデレバレッジ(債務削減)が進んでいるように見えます。しかし、推定金利が8%台という高水準にあることは、金融機関等からの調達条件が厳格化している可能性、あるいは高利の資金調達に依存せざるを得ない状況を示唆しています。

衣料品小売業界の競合他社と比較しても、この利息負担率は異例の高さです。通常の小売業であれば低金利での調達が可能ですが、同社は事業利益(ROA)が金利コストを大きく下回る「ネガティブ・スプレッド」の状態にあります。現在の財務戦略は、攻めの投資のための資金調達ではなく、赤字補填や資金繰りの維持が優先されている段階にあると推察されます。

投資家へのポイント

本分析から、投資家が注目すべきポイントは以下の通りです。

  • 利息負担の解消時期: 現在、利益の多く(あるいは赤字の要因)が利息支払いに消えています。本業の営業利益が利息コスト(3億円超)を安定的に上回る状態まで回復できるかが、投資判断の生命線となります。
  • 資本構成の脆弱性: ROEの大幅なマイナス推移は、自己資本が急速に失われていることを意味します。負債額は減っていますが、それ以上に自己資本が減少している場合、財務健全性は改善していない点に注意が必要です。
  • 金利コストの背景: 8.18%という推定金利は、通常の銀行融資の枠組みを超えたコスト感です。今後、リファイナンス(借換え)によって金利を下げられる余地があるのか、あるいは更なる条件悪化のリスクがあるのか、短信等での資金調達状況の注視が求められます。

借金が利益を押し下げる構造から脱却するためには、店舗ポートフォリオの最適化や粗利益率の改善といった抜本的な事業再生が不可欠な状況にあります。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 8月期 個別 625 43,531 1.44 4.79 -3.35
18年 8月期 連/個 601 41,686 1.44 5.11 -3.66
19年 8月期 70 31,188 0.22 5.26 -5.03
20年 8月期 -2,730 27,178 -10.04 4.59 -14.64
21年 8月期 420 22,087 1.90 4.91 -3.01
22年 8月期 連/個 325 22,621 1.44 4.96 -3.52
23年 8月期 個別 105 17,541 0.60 5.35 -4.75
24年 8月期 個別 -1,680 2,695 -62.34 3.26 -65.59
25年 8月期 個別 -318 4,096 -7.76 5.87 -13.63
ROIC vs WACC推移-80.0%-60.0%-40.0%-20.0%0.0%20.0%17192123250ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 8月期 個別)
ROIC
-7.76%
投下資本利益率
WACC
5.87%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
-13.63%pt
価値破壊

ROIC水準の評価

株式会社ライトオンのROIC(投下資本利益率)は、過去9年間にわたり極めて厳しい水準で推移しています。2017年8月期の1.44%をピークに、概ね2%を下回る低空飛行が続いており、2020年8月期(-10.04%)や2024年8月期(-62.34%)には大幅なマイナスを記録しました。アパレル小売業界は一般的に在庫回転率や店舗効率に左右されやすいものの、同社のROIC水準は業界平均を大きく下回っており、収益性の抜本的な改善が急務となっています。

特に注目すべきは、投下資本が2017年8月期の43,531百万円から2024年8月期には2,695百万円へと大幅に縮小している点です。これは不採算店舗の閉鎖や資産の売却、そして累積損失による自己資本の毀損が反映されたものと考えられます。2025年8月期の予測では-7.76%と赤字幅の縮小が見込まれていますが、依然として資本を効率的に活用して利益を生み出すフェーズには至っていないと評価せざるを得ません。

ROIC-WACCスプレッド分析

企業の真の価値創造力を示す「ROIC-WACCスプレッド」を確認すると、分析対象全期間においてマイナス(負)の状態が続いています。これは、事業から得られるリターン(ROIC)が、株主や債権者から調達した資本のコスト(WACC)を一度も上回っていないことを意味し、財務的な観点からは「価値破壊」が継続している状態です。

ネガティブな要因としては、長期的な既存店売上高の低迷と、それに伴うNOPAT(税引後営業利益)の悪化が挙げられます。特に2024年8月期はスプレッドが-65.59%ptと深刻な乖離を見せました。一方で、2025年8月期に向けた動きとしては、投下資本の圧縮と営業損益の改善によりスプレッドが-13.63%ptまで回復する見通しとなっています。しかし、依然としてWACC(5.87%)を大きく下回る状況に変わりはなく、資本効率の正常化にはNOPATの大幅な黒字化が不可欠な条件となります。

投資家へのポイント

投資家が今後注目すべきポイントは、同社が「価値破壊」のループから脱却し、ROICをプラス圏、さらにはWACCを上回る水準まで引き上げられるかという点に集約されます。具体的には、以下の3点に留意が必要です。

  • 利益構造の転換: 2025年8月期予想で見られる赤字幅縮小が、一時的なコスト削減によるものか、あるいはブランド再構築や在庫管理の適正化といった本業の競争力回復によるものか。
  • 資本基盤の安定性: 投下資本が大幅に減少している中で、今後の成長投資や運転資本の確保に必要な資金繰りと、自己資本比率の動向。
  • スプレッドの改善傾向: マイナス幅が着実に縮小し、将来的にROIC > WACCを実現するための明確なロードマップが示されているか。

現在の財務データは極めて厳しい局面を示唆していますが、事業再生に向けた構造改革の進展がROICの劇的な回復に繋がる可能性もあります。再生フェーズにおけるリスクとリターンを慎重に見極め、投資判断を行う必要があります。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 8月期 個別 85,700 0.73 × 1.969 = 1.44
18年 8月期 連/個 76,798 0.78 × 1.842 = 1.44
19年 8月期 77,000 0.09 × 2.469 = 0.22
20年 8月期 53,500 -5.10 × 1.969 = -10.04
21年 8月期 54,000 0.78 × 2.445 = 1.90
22年 8月期 連/個 50,500 0.64 × 2.232 = 1.44
23年 8月期 個別 47,800 0.22 × 2.725 = 0.60
24年 8月期 個別 41,000 -4.10 × 15.213 = -62.34
25年 8月期 個別 28,130 -1.13 × 6.868 = -7.76
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率-10.00-5.000.005.0010.0015.0020.0017192123250NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 8月期 個別)
NOPATマージン
-1.13%
NOPAT -318百万円 ÷ 売上 28,130百万円
×
投下資本回転率
6.868回
売上 28,130百万円 ÷ IC 4,096百万円
=
ROIC
-7.76%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

株式会社ライトオンのROIC(投下資本利益率)推移を分析すると、極めて厳しい収益環境と、貸借対照表(B/S)のスリム化が同時に進行している状況が浮き彫りになります。2017年8月期から2022年8月期までは、ROICは1~2%程度の低水準で推移していましたが、直近の2024年8月期には-62.34%という極めて異例の数値を記録しています。

この変動の主因を分解すると、以下の2点が指摘できます。

  • 収益性の悪化(NOPATマージンの低迷): 2020年8月期(-5.10%)や2024年8月期(-4.10%)に見られるように、営業段階での赤字がROICを押し下げる最大の要因となっています。2025年8月期の予測も-1.13%と、依然として本業での利益確保に苦慮している状況です。
  • 効率性の急変(投下資本回転率のスパイク): 2024年8月期に投下資本回転率が15.213回と急上昇しています。これは売上の拡大によるものではなく、減損損失の計上や店舗閉鎖、在庫圧縮等により、分母である「投下資本」が大幅に減少した結果であると考えられます。効率性は一見向上していますが、これは「事業規模の縮小」を伴うものであり、健全な効率化とは性質が異なります。

改善ドライバーの特定

同社がROICを正常化し、企業価値を再構築するために注力すべき最優先課題は、効率性の追求よりも「NOPATマージンのプラス圏回復」にあります。

2024年8月期のように、どれほど投下資本回転率を高めたとしても、マージンがマイナスであれば、回転すればするほど損失(負のROIC)が拡大する構造に陥ります。今後の具体的な改善ポイントは以下の通りです。

  • 売上高総利益率の改善: 値引き販売の抑制とプロパー販売比率の向上、および不採算店舗の整理による売上構成の健全化。
  • 販管費の抜本的抑制: 2025年8月期のマージン予測(-1.13%)を早期にプラス転換させるための、固定費負担の軽減。
  • 適切な在庫コントロール: 2.7回〜15回と乱高下する回転率を、持続可能な水準(マージンが確保できる適正在庫量)で安定させること。

投資家へのポイント

本分析から、ライトオンは現在、単なる業績不振の段階を超え、事業構造の「外科的な再編期」にあると読み取れます。投資家が今後注目すべき指標は、以下の3点に集約されます。

  1. 黒字化の蓋然性: 2025年8月期予測のNOPATマージン-1.13%が、四半期ベースで着実に0%へ近づき、プラスに転じるか。
  2. 投下資本の安定化: 2024年以降の急激な回転率の上昇は、資本の毀損を伴っている可能性があります。純資産の毀損を食い止め、持続可能な資本構成を維持できているか。
  3. 事業モデルの再定義: 高回転・低マージンの現在の構造から、付加価値を高めてマージンを確保するモデルへ転換できるのか、あるいはさらなる規模縮小による筋肉質化を進めるのか。

過去数年間のデータは、同社が効率性(回転率)のコントロールだけでは補いきれない、収益性の構造的課題を抱えていることを示唆しています。V字回復のシナリオを描くには、NOPATマージンの反転を確認することが不可欠と言えるでしょう。

※本分析は提供されたデータに基づいたものであり、特定の投資行動を勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断で行ってください。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 8月期 個別 625 2,085 -1,458 1.44 4.79
18年 8月期 連/個 601 2,130 -1,527 1.44 5.11
19年 8月期 70 1,640 -1,569 0.22 5.26
20年 8月期 -2,730 1,247 -3,979 -10.04 4.59
21年 8月期 420 1,084 -665 1.90 4.91
22年 8月期 連/個 325 1,122 -796 1.44 4.96
23年 8月期 個別 105 938 -833 0.60 5.35
24年 8月期 個別 -1,680 88 -1,768 -62.34 3.26
25年 8月期 個別 -318 240 -558 -7.76 5.87
EVA(経済的付加価値)推移-4000-3000-2000-100001.0千17192123250EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
-558
百万円(2025年 8月期 個別)
累積EVA
-13,153
百万円(9年間合計)
価値創造評価
価値破壊

EVAの推移と評価

株式会社ライトオンの2017年8月期から2025年8月期(予測)までのEVA(経済的付加価値)を分析すると、対象期間の全年度においてEVAがマイナスで推移しています。累積EVAはマイナス13,153百万円に達しており、長期間にわたり「価値破壊」の状態が続いていると言わざるを得ません。 特筆すべきは、2021年8月期(420百万円)や2022年8月期(325百万円)のように、NOPAT(税引後営業利益)で会計上の利益を確保している期であっても、EVAはそれぞれ-665百万円、-796百万円と依然としてマイナス圏にある点です。これは、事業から得られるリターン(ROIC)が、株主や債権者が求める資本コスト(WACC)を一度も上回ることができていないことを意味し、会計上の黒字が必ずしも経済的な価値創造に結びついていない実態を浮き彫りにしています。

価値創造力の持続性

同社の価値創造力については、極めて厳しい局面にあると評価されます。ROIC(投下資本利益率)とWACC(加重平均資本コスト)の差である「EVAスプレッド」は一貫してマイナスであり、特に2024年8月期にはROICが-62.34%と急激に悪化しました。 投下資本の圧縮に伴い、資本コスト(額)自体は2017年8月期の2,085百万円から2024年8月期には88百万円まで減少していますが、これは事業規模の縮小や資産の毀損を反映している側面が強く、収益性の改善によるポジティブなスプレッドの縮小ではありません。2025年8月期の予測においても、EVAはマイナス558百万円、ROICは-7.76%と、WACC(5.87%)を大きく下回る見通しであり、現在のビジネスモデルにおいて持続的な価値創造を実現するサイクルは未だ構築できていないと判断されます。

投資家へのポイント

本分析結果を踏まえた投資判断のポイントは以下の通りです。

  • 慢性的なマイナス・スプレッド:過去9年間、一度もROICがWACCを上回っていない事実は、資本効率に根本的な課題があることを示唆しています。投資家は、同社が今後いかにしてROICをWACC(約3%〜6%)以上の水準まで引き上げるか、その具体的な収益改善策に注目する必要があります。
  • 累積EVAの毀損:累積で130億円を超える経済的価値が失われている現状は、株主資本が実質的に毀損され続けていることを意味します。会計上の純利益の黒字化だけでなく、資本コストを考慮した「真の利益」であるEVAがプラスに転じるかどうかが、長期的な企業価値回復の試金石となります。
  • 再生シナリオの蓋然性:2024年度の劇的な悪化から、2025年度予測ではEVAのマイナス幅が縮小する見込みですが、依然として「価値破壊」の域を出ていません。この回復基調が一時的なコスト削減によるものか、それとも売上成長を伴う本質的な競争力回復によるものかを慎重に見極める必要があります。

以上の通り、EVAの観点からは非常に警戒を要する数値が並んでいますが、今後の構造改革による資本効率の劇的な改善が実現するかどうかが、将来の投資判断における重要な分水嶺となるでしょう。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
23.23倍
有効年度の平均
リスク評価
高リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 8月期 個別 85,700 1,250 1.46 - - -
17年 8月期 個別 81,000 -2,000 -2.47 -5.48 -260.00 47.41
17年 8月期 個別 80,028 -2,849 -3.56 -1.20 -42.45 35.38
18年 8月期 連/個 76,798 1,202 1.57 -4.04 142.19 -35.23
19年 8月期 77,000 100 0.13 0.26 -91.68 -
19年 8月期 74,500 -2,600 -3.49 -3.25 -2700.00 -
19年 8月期 73,960 -2,175 -2.94 -0.72 16.35 -22.55
20年 8月期 53,500 -3,900 -7.29 -27.66 -79.31 2.87
20年 8月期 52,969 -3,775 -7.13 -0.99 3.21 -3.23
21年 8月期 54,000 600 1.11 1.95 115.89 -
21年 8月期 49,605 49 0.10 -8.14 -91.83 11.28
21年 8月期 49,605 49 0.10 0.00 0.00 -
22年 8月期 連/個 50,500 650 1.29 1.80 1226.53 -
22年 8月期 連/個 48,229 239 0.50 -4.50 -63.23 14.06
23年 8月期 個別 47,800 150 0.31 -0.89 -37.24 41.86
23年 8月期 個別 46,926 -922 -1.96 -1.83 -714.67 -
23年 8月期 個別 46,926 -922 -1.96 0.00 0.00 -
24年 8月期 個別 41,000 -2,400 -5.85 -12.63 -160.30 12.69
24年 8月期 個別 38,808 -5,000 -12.88 -5.35 -108.33 20.26
25年 8月期 個別 28,130 -454 -1.61 -27.51 90.92 -3.30
26年8月期 20,800 240 1.15 -26.06 152.86 -5.87
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-40.0-20.00.020.040.060.017181921222324260DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

株式会社ライトオンの過去数年間の平均DOL(営業レバレッジ度)は23.23倍と、一般的な「高リスク」の基準とされる5倍を大幅に上回っています。この数値は、同社の費用構造において固定費の比率が極めて高いことを示唆しています。アパレル小売業という業態特有の店舗賃借料や人件費、棚卸資産の管理コストといった固定的な経費が重く、売上高のわずかな変動が営業利益に対して数十倍のインパクトを与える構造になっています。例えば、2017年8月期の売上高5.48%の減少に対し、営業利益が260%減少(赤字転換)した局面などは、まさにこの固定費型の費用構造が鮮明に表れた事例と言えます。

景気変動への感応度

DOLの推移を見ると、業績のボラティリティ(振れ幅)が非常に大きいことがわかります。2024年8月期においても、売上高が5.35%減少した際に営業利益が108.33%減少するなど、マイナスのレバレッジ効果が強く働いています。これは景気後退や消費マインドの冷え込みにより売上高が減少した際、利益が急速に剥落するリスクが高いことを意味します。一方で、2022年8月期のように、売上が1.80%増加しただけで営業利益が1226.53%も急増するケースもあり、好況期や回復期には爆発的な利益成長を見せるポテンシャルも秘めています。しかし、近年の売上高減少トレンドの中では、高いDOLが負の方向に作用し、損益分岐点を維持するためのハードルを高くしています。

投資家へのポイント

投資家は、同社が現在「ハイリスク・ハイリターン」の典型的な営業レバレッジ構造にあることを認識する必要があります。平均DOL 23.23倍という数字は、売上が1%改善すれば利益が約23%改善する可能性を示す一方で、その逆も然りです。注目すべきは、2025年、2026年の予測値において、売上高がさらに縮小しながらも、営業利益の改善や黒字化(2026年予測:240百万円)を目指している点です。これは不採算店舗の閉鎖やコスト構造の抜本的な見直しによる「損益分岐点の引き下げ」がどの程度進展するかが鍵となることを示唆しています。固定費削減によってDOLが適正水準へ低下し、収益安定性が向上するか、あるいは依然として高いレバレッジを抱えたまま売上減少に耐えうるか、今後の構造改革の進捗が重要な判断材料となります。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 8月期 個別 0.34 推定30% 70.0 0.24 -
18年 8月期 連/個 1.56 推定30% 70.0 1.09 -10.39
19年 8月期 -7.31 推定30% 70.0 -5.12 0.26
20年 8月期 -34.74 推定30% 70.0 -24.32 -30.52
21年 8月期 -7.11 推定30% 70.0 -4.98 0.93
22年 8月期 連/個 0.33 推定30% 70.0 0.23 -6.48
23年 8月期 個別 -4.44 推定30% 70.0 -3.11 -5.35
24年 8月期 個別 -1259.84 推定30% 70.0 -881.89 -14.23
25年 8月期 個別 -98.68 推定30% 70.0 -69.08 -31.39
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-1000.0%-800.0%-600.0%-400.0%-200.0%0.0%200.0%17192123250SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移-1500.0%-1000.0%-500.0%0.0%500.0%17192123250ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 8月期 個別)
ROE
-98.68%
×
内部留保率
70.0%
=
SGR
-69.08%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRを大幅に上回っており、外部資金調達や財務レバレッジの拡大が必要な可能性

SGR水準の評価

株式会社ライトオンの持続的成長率(SGR)は、近年の業績悪化を反映し、極めて厳しい水準で推移しています。2017年、2018年当時は1%前後のプラスを維持していましたが、2019年以降はROE(自己資本利益率)のマイナス転落に伴い、SGRも恒常的なマイナス圏に沈んでいます。特に2024年8月期は、ROEが-1259.84%という極端な数値となり、その結果SGRも-881.89%と算出不能に近い毀損状態を示しました。配当性向は一貫して30%(推定)と仮定されていますが、本分析におけるSGR低下の主因は「内部留保率」ではなく、分母となる自己資本の急減および大幅な当期純損失による「ROEの深刻な悪化」にあります。2025年8月期の予測値においてもSGRは-69.08%と、自律的な回復シナリオを描くには至っていない状況です。

成長の持続可能性

SGRの理論値と実際の売上成長率を比較すると、同社の構造的な課題が浮き彫りになります。2024年8月期の実際成長率-14.23%に対し、SGRは-881.89%であり、2025年8月期予測でも実際成長率-31.39%に対し、SGRは-69.08%となっています。通常の成長企業であれば「実際成長率 > SGR」は外部資金による積極投資を意味しますが、同社の場合は「事業規模の縮小スピード以上に、内部資金(自己資本)が急速に枯渇している」という事態を示唆しています。内部資金のみでは現在の事業規模を維持することすら困難であり、データが示す通り、外部からの資金調達や財務レバレッジの拡大、あるいは資本増強策を講じなければ、事業の継続性そのものが危ぶまれる「持続不可能な状態」にあると評価せざるを得ません。

投資家へのポイント

本分析から投資家が注目すべきポイントは以下の3点です。第一に、ROEが極端なマイナスを示していることから、自己資本が極めて薄くなっており、わずかな損失でも財務基盤に致命的な影響を与える段階にある点です。第二に、SGRが実際成長率を大幅に下回る(マイナス幅が大きい)状態が続いていることは、現在のビジネスモデルがキャッシュを生み出す構造になっていないことを示しており、抜本的な事業再編が急務である点です。第三に、2025年8月期の予測値においてマイナス幅は縮小しているものの、依然としてROEは-98.68%と高水準の赤字が想定されている点です。投資に際しては、単なる売上高の回復だけでなく、債務超過リスクの有無や、キャッシュフローの改善を伴う資本効率の正常化がいつ実現するかを慎重に見極める必要があります。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
-1.5倍
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
危険
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 8月期 個別 1,250 50 25.0 14,125 23.6 0.35
18年 8月期 連/個 1,202 166 7.2 12,470 21.6 1.33
19年 8月期 100 - 8,630 18.5 -
20年 8月期 -3,900 100 -39.0 10,340 26.0 0.97
21年 8月期 600 - 7,320 21.4 -
22年 8月期 連/個 650 150 4.3 7,678 22.6 1.95
23年 8月期 個別 150 100 1.5 5,144 19.1 1.94
24年 8月期 個別 -2,400 100 -24.0 2,441 15.9 4.10
25年 8月期 個別 -454 298 -1.5 3,641 30.4 8.18
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移-40.0-20.00.020.040.017192123250ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

株式会社ライトオンのインタレストカバレッジレシオ(ICR)は、極めて厳しい状況にあります。2017年8月期には25.0倍と高い安全性を誇っていましたが、近年の業績悪化に伴い急激に低下しています。特に2024年8月期は営業損失2,400百万円を計上したことでICRは-24.0倍となり、本業の利益で利息を支払うことができない「危険」な水準に陥っています。2025年8月期の予測においても、営業損失454百万円に対し推定支払利息が298百万円と増加しており、ICRは-1.5倍とマイナス圏を脱却できない見通しです。2022年(4.3倍)から2023年(1.5倍)にかけての推移を見ても、安全圏とされる10倍を大きく割り込み、継続的な悪化傾向にある点は注視すべき事項です。

有利子負債の状況

有利子負債の総額については、2017年の14,125百万円から2024年には2,441百万円まで圧縮を進めてきました。しかし、2025年8月期の予測では3,641百万円へと再び増加に転じる見込みです。特筆すべきは有利子負債比率の変化で、2024年の15.9%から2025年には30.4%へと急上昇しており、財務基盤に対する負債の重みが増しています。また、推定支払利息が前年の100百万円から298百万円へと約3倍に膨らんでおり、借入条件の変更や金利負担の増大が、収益をさらに圧迫する要因となっていることが推察されます。負債の絶対額は過去と比較して低い水準にあるものの、稼ぐ力の低下が負債管理の難易度を高めています。

投資家へのポイント

財務安全性の観点からは、以下の3点が投資判断の重要な鍵となります。第一に「本業の黒字化」です。ICRがマイナスである以上、利払いは手元資金の取り崩しや資産売却、あるいは追加借入に頼らざるを得ない状況です。第二に「資金繰りの持続性」です。2025年予測で負債比率が急増している背景に、どのような資金需要があるのか、またリファイナンス(借換え)が円滑に進んでいるかを確認する必要があります。第三に「利息負担の急増」への耐性です。営業利益が低迷する中で支払利息が増加する「逆ザヤ」の状態がいつまで続くのか、経営再建計画の進捗を慎重に見極める必要があります。現時点での数値は財務的な余裕が乏しいことを示唆しており、リスク許容度に応じた冷静な判断が求められます。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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データソース

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ライトオン(7445) 理論株価分析:ワールド完全子会社化による上場廃止と再建の道 カチノメ | カチノメ