7513株式会社コジマ||

コジマ(7513) 理論株価分析:DX推進と高付加価値化で営業益18%増 カチノメ

決算発表日: 2026-04-132026年8月期 第2四半期
総合業績スコア
66/100
中立

セクション別スコア

業績成長性75収益性55財務健全性75株主還元65成長戦略65理論株価評価60
業績成長性75
収益性55
財務健全性75
株主還元65
成長戦略65
理論株価評価60

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)2,200億2,400億2,600億2,800億3,000億2017年 2018年 2019年 2020年 2022年 2023年 2024年 2026年 売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)0百万20億40億60億80億100億2017年 2018年 2019年 2020年 2022年 2023年 2024年 2026年 営業利益経常利益純利益利益率推移(%)0.5%1.0%1.5%2.0%2.5%3.0%3.5%2017年 2018年 2019年 2020年 2022年 2023年 2024年 2026年 営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 8月期 個別 233,000 2,500 2,300 1,400
2017年 8月期 個別 232,700 2,700 3,200 2,300
2017年 8月期 個別 232,700 2,746 3,214 2,363
2018年 8月期 個別 242,000 3,800 4,000 2,200
2018年 8月期 個別 246,391 4,248 4,475 3,418
2019年 8月期 個別 268,000 6,300 6,800 5,600
2019年 8月期 個別 268,127 6,426 7,165 6,604
2020年 8月期 個別 274,000 2,600 2,700 1,800
2020年 8月期 個別 288,000 7,200 7,300 6,000
2020年 8月期 個別 288,216 7,221 7,382 6,056
2021年 8月期 個別 298,000 8,800 8,800 6,200
2021年 8月期 個別 297,535 8,861 9,244 6,302
2022年 8月期 個別 280,700 8,300 8,500 5,900
2022年 8月期 個別 279,374 8,107 8,525 5,761
2023年 8月期 個別 277,900 5,000 5,200 3,100
2023年 8月期 個別 267,893 4,819 5,146 2,869
2024年 8月期 個別 263,800 4,600 4,800 3,000
2024年 8月期 個別 267,900 5,300 5,500 3,400
2024年 8月期 個別 269,868 6,359 6,627 4,001
2025年 8月期 個別 278,700 7,550 7,850 5,150
2025年 8月期 個別 282,790 7,325 7,732 4,709
2026年 8月期 個別 294,000 8,200 8,500 5,300

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 8月期 個別 233,000 1.07% 0.99% 0.60%
2017年 8月期 個別 232,700 1.16% 1.38% 0.99%
2017年 8月期 個別 232,700 1.18% 1.38% 1.02%
2018年 8月期 個別 242,000 1.57% 1.65% 0.91%
2018年 8月期 個別 246,391 1.72% 1.82% 1.39%
2019年 8月期 個別 268,000 2.35% 2.54% 2.09%
2019年 8月期 個別 268,127 2.40% 2.67% 2.46%
2020年 8月期 個別 274,000 0.95% 0.99% 0.66%
2020年 8月期 個別 288,000 2.50% 2.53% 2.08%
2020年 8月期 個別 288,216 2.51% 2.56% 2.10%
2021年 8月期 個別 298,000 2.95% 2.95% 2.08%
2021年 8月期 個別 297,535 2.98% 3.11% 2.12%
2022年 8月期 個別 280,700 2.96% 3.03% 2.10%
2022年 8月期 個別 279,374 2.90% 3.05% 2.06%
2023年 8月期 個別 277,900 1.80% 1.87% 1.12%
2023年 8月期 個別 267,893 1.80% 1.92% 1.07%
2024年 8月期 個別 263,800 1.74% 1.82% 1.14%
2024年 8月期 個別 267,900 1.98% 2.05% 1.27%
2024年 8月期 個別 269,868 2.36% 2.46% 1.48%
2025年 8月期 個別 278,700 2.71% 2.82% 1.85%
2025年 8月期 個別 282,790 2.59% 2.73% 1.67%
2026年 8月期 個別 294,000 2.79% 2.89% 1.80%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年8月期 第2四半期(中間期)の業績は、売上高が1,439億3,700万円(前年同期比5.3%増)、営業利益が40億7,400万円(同18.4%増)、経常利益が42億1,800万円(同14.4%増)、中間純利益が28億1,900万円(同13.2%増)となり、増収増益を達成しました。パソコンやスマートフォン、エアコンなどの主力カテゴリーが堅調に推移し、販管費率の抑制が利益を押し上げました。

注目ポイント

最大級の注目点は、DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上です。2026年2月末までに133店舗へ電子棚札(ESL)の導入を完了しており、2026年8月末までにはほぼ全店への導入を計画しています。これにより、値札貼り替え作業などの店舗オペレーション負荷を軽減し、接客時間の確保と人時生産性の向上を同時に実現しています。

業界動向

家電小売業界全体では、物価上昇に伴う消費者の節約志向により、冷蔵庫やテレビなどの大型家電が苦戦する傾向にあります。しかし、Windows 10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要や、東京都の助成制度(省エネ家電購入支援)などが追い風となり、特定カテゴリーでの需要喚起が続いています。競合他社と比較しても、ビックカメラグループとしての調達力と、地域密着型の「くらし応援」戦略が功を奏しています。

投資判断材料

長期投資家にとって、自己資本比率が59.5%と高い財務健全性は大きな安心材料です。また、人件費の上昇というコスト増要因に対し、電子棚札の導入や不採算店舗のスクラップ&ビルド(1店舗開店、1店舗閉店)により、筋肉質な経営体質への転換を進めている点が評価できます。

セグメント別業績

当社は物品販売業の単一セグメントですが、品目別の売上では以下の通り成長が見られます。

  • 音響映像商品:194億円(前年同期比3.5%減)テレビの低調が響く。
  • 家庭電化商品:576億6,200万円(同1.5%増)エアコンや生活家電が堅調。
  • 情報通信機器商品:466億3,800万円(同7.9%増)パソコン、スマホが大きく伸長。
  • その他:195億8,900万円(同24.0%増)トイズ、住設・工事関連が大幅成長。

財務健全性

自己資本比率は前事業年度末の58.0%から59.5%へ向上しました。有利子負債も順調に削減されており、長期借入金の返済が進んでいます。営業キャッシュ・フローも前年同期のマイナスから6億9,800万円のプラスに転じており、現預金残高も230億円を確保するなど、非常に安定した財務基盤を維持しています。

配当・株主還元

株主還元にも積極的で、2025年8月期(前期)は創業70周年記念配当2円を含む年間22円を実施しました。また、2026年1月には株主優待制度の拡充を発表しており、長期保有株主を優遇する仕組みを整えています。配当性向も一定水準を維持し、安定的な還元方針を継続しています。

通期業績予想

中間期時点での進捗は概ね計画通りであり、通期での増収増益への期待が高まっています。パソコンの買い替え特需が継続するか、および夏季の気温上昇に伴うエアコン販売が後半戦の鍵を握ります。現時点で会社発表の業績予想に修正はありません。

中長期成長戦略

「店舗ブランド力強化」「人時生産性向上」「成長事業の収益拡大」の3本柱を掲げています。特にB2B(法人事業)や住設・リフォーム事業、再生可能エネルギー関連への投資を加速させており、家電販売以外の収益源を育成することで、外部環境の変化に強いビジネスモデルへの転換を図っています。

リスク要因

主要なリスクとしては、原材料価格高騰に伴う製品価格の上昇が消費マインドを冷え込ませる可能性、および物流コストや電気代の再上昇が挙げられます。また、中東情勢などの地政学リスクによるサプライチェーンへの影響も注視が必要です。

ESG・サステナビリティ

2025年12月に国際的な非営利団体CDPから気候変動分野で最高評価の「Aリスト」に選定されました。小売業での選定は稀であり、脱炭素経営への取り組みが世界水準で認められています。これは将来的な機関投資家からの評価向上につながる重要な指標です。

経営陣コメント

代表取締役社長の中澤裕二氏は、パーパスである「笑顔あふれる明るく暖かいみらいをつくる」の実現に向け、地域の「くらし応援企業」としての地位を確立することに自信を見せています。特に人財投資とDXを両輪とした生産性向上の成果を強調しています。

バリュエーション

1株当たり中間純利益は36.43円(前年同期:32.34円)と着実に成長しています。PBR(株価純資産倍率)は依然として解散価値である1倍を大きく下回る水準で推移することが多く、財務の健全性と収益の安定性を考慮すると、下値リスクは限定的と考えられます。

過去決算との比較

直近のトレンドとして、販管費率が前年同期の24.7%から24.2%へと0.5ポイント改善している点が重要です。売上の拡大以上に利益の伸びが大きくなっている(営業利益率2.5%→2.8%)のは、高付加価値商品の拡販とコスト構造の改革が同時に進んでいることを示唆しています。

市場の評判

株式会社コジマ (Kojima) is a Japanese retail chain specializing in electronics, listed on the Tokyo Stock Exchange with code 7513. It has faced challenges but focuses on sustainability and employee well-being. The company aims for long-term growth and innovation.

詳細リサーチレポート

株式会社コジマ(7513)リサーチレポート

最新の業績動向と今後の見通し

  • 業績: 2026年8月期第2四半期累計(2025年9月~2026年2月)の経常利益は、前年同期比14.4%増の42.1億円。通期の経常利益は、従来予想の79億円から85億円(前期比9.9%増)に上方修正。
  • 業績予想修正: コジマは2026年8月期の利益と配当予想を上方修正。
  • アナリストの見解: IFIS株予報によると、2026年8月期の経常利益は9.9%増益を予想。

業界内での競合ポジションと市場シェア

  • 競合: 家電小売業界では、同業他社との競争激化が続いており、低価格販売による企業間競争が激しい状況。
  • 市場シェア: ビックカメラグループは、コジマの子会社化により売上高1兆円規模となり、家電量販店業界で第2位。特に首都圏でのシェアは20%を超える。
  • ポジショニング: コジマは地域密着型で、東日本を中心に都市近郊型店舗を展開。ビックカメラは主に大都市圏で「都市型」「駅前」「大型」店舗を展開しており、両社で広範囲なマーケットをカバー。

成長戦略と重点投資分野

  • 中期経営計画: 2025年8月期から2029年8月期までの中期経営計画を策定。2029年8月期の売上高目標は3,150億円、営業利益目標は90億円。
  • 重点戦略: 店舗ブランド力強化、人時生産性向上、成長事業における収益拡大、資本効率向上。
  • 成長事業: EC事業、法人事業、住設事業に注力。
  • 店舗戦略: 「コジマ×ビックカメラ」フォーマットを推進し、「体験」と「発見」を重視した売場作りを行う。
  • リブランディング: 新ブランドメッセージ「Big Sunny Smile 笑顔で、地域に陽だまりを。」を発表。

リスク要因と課題

  • 競争激化: 家電小売業界における同業他社との競争激化。
  • 消費低迷: 消費低迷による業績への影響。
  • 季節要因: 冷夏暖冬等の異常気象による季節商品の需要変動。
  • 法的規制: 大規模小売店舗立地法による規制。

アナリストの評価と目標株価

  • レーティング: アナリストによるレーティング情報は、情報源によって異なる。
  • 目標株価: アナリストが発表した目標株価の平均値は情報源によって異なる。
  • みんかぶ予想株価: みんかぶによる予想株価は751円で【売り】と評価。

最近の重要ニュースやイベント

  • 業績予想の修正: 2026年8月期の通期業績予想を上方修正。
  • 配当予想の修正: 2026年8月期の配当予想を修正(増配)。
  • 株主優待の拡充: 株主優待を拡充し、配当+優待利回りが4.4%に。
  • 健康経営優良法人認定: コジマが健康経営優良法人2026に認定。

ESG・サステナビリティへの取り組み

  • サステナビリティ経営: サステナビリティ経営を推進し、6つのマテリアリティを特定。
  • SDGs宣言: 2022年4月にコジマのSDGs宣言を実施。
  • 重点取り組み: 多様な人財が安心して働ける環境づくり、組織のパフォーマンス向上に向けた人財育成基盤の強化、環境に配慮した持続可能な社会づくりへの貢献。

配当政策と株主還元

  • 配当方針: 株主に対する収益性、会社の今後の収益予想、企業基盤の強化等を考慮し、業績に裏付けられた成果の配分を行うことを基本方針。
  • 配当金: 2025年8月期の期末配当は1株当たり22円。2026年8月期の期末配当は1株当たり24円を予定。
  • 株主優待: 100株以上の株主に対し、保有株数に応じて「株主買い物優待券」を年2回贈呈。長期保有株主には追加贈呈あり。
  • 株主優待拡充: 2月末時点の株主に贈呈される「株主買い物優待券」がすべての配布区分で増える。
免責事項: このリサーチレポートは、株式会社コジマ(7513)に関する公開情報に基づいて作成されています。情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

情報源

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年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)05001,0001,500'11/3'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍0.5倍1.0倍1.5倍2.0倍'11/3'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍10倍20倍30倍40倍50倍'11/3'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億200億400億600億800億1,000億1,200億'11/3'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)0.0%5.0%10.0%15.0%'11/3'14/8'17/8'20/8'23/8最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2011年3月期 838 360 16.19 6.96 0.64 0.27 326億885万 140億857万 0.38倍
2012年3月期 617 219 赤字 赤字 0.97 0.35 240億914万 170億6288万 0.35倍
2013年8月期 408 193 赤字 赤字 0.77 0.37 317億8838万 150億3715万 0.52倍
2014年8月期 345 252 25.46 18.6 0.64 0.47 268億7988万 196億3400万 0.59倍
2015年8月期 426 280 赤字 赤字 0.92 0.61 331億9081万 218億1556万 0.76倍
2016年8月期 345 217 47.59 29.93 0.74 0.46 268億7988万 169億705万 0.49倍
2017年8月期 409 213 13.48 7.02 0.82 0.43 318億6630万 165億9540万 0.81倍
2018年8月期 590 320 13.45 7.29 1.09 0.59 459億6850万 249億3206万 0.88倍
2019年8月期 688 431 8.11 5.08 1.1 0.69 536億394万 335億8038万 0.69倍
2020年8月期 600 300 7.69 3.84 0.86 0.43 467億4762万 233億7381万 0.81倍
2021年8月期 946 497 11.62 6.11 1.24 0.65 737億542万 387億2261万 0.85倍
2022年8月期 699 507 9.36 6.79 0.87 0.63 544億6098万 395億174万 0.8倍
2023年8月期 678 526 18.24 14.15 0.82 0.64 528億2482万 409億8208万 0.77倍
2024年8月期 1,130 617 21.79 11.9 1.31 0.72 880億4136万 480億7214万 1.16倍
2025年8月期 1,395 897 22.85 14.69 1.54 0.99 1086億8823万 698億8770万 1.24倍
最新(株探) 1301 - 19.0倍 - 1.41倍 - 1,014億円 - 1.41倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2011年3月期 0.64 16.19 4.0% 0.27 6.96 3.9%
2012年3月期 0.97 赤字 - 0.35 赤字 -
2013年8月期 0.77 赤字 - 0.37 赤字 -
2014年8月期 0.64 25.46 2.5% 0.47 18.6 2.5%
2015年8月期 0.92 赤字 - 0.61 赤字 -
2016年8月期 0.74 47.59 1.6% 0.46 29.93 1.5%
2017年8月期 0.82 13.48 6.1% 0.43 7.02 6.1%
2018年8月期 1.09 13.45 8.1% 0.59 7.29 8.1%
2019年8月期 1.1 8.11 13.6% 0.69 5.08 13.6%
2020年8月期 0.86 7.69 11.2% 0.43 3.84 11.2%
2021年8月期 1.24 11.62 10.7% 0.65 6.11 10.6%
2022年8月期 0.87 9.36 9.3% 0.63 6.79 9.3%
2023年8月期 0.82 18.24 4.5% 0.64 14.15 4.5%
2024年8月期 1.31 21.79 6.0% 0.72 11.9 6.1%
2025年8月期 1.54 22.85 6.7% 0.99 14.69 6.7%
最新(株探) 1.41倍 19.0倍 7.4% - - -

バリュエーション推移の概要

株式会社コジマ(7513)の過去15年弱のバリュエーション推移を俯瞰すると、2010年代の長期にわたる「低評価(バリュートラップ)期」から、2020年代に入り「再評価(リレーティング)期」へと構造的に変化したことが見て取れます。2010年代は赤字決算やPBR1倍を大きく下回る水準で推移していましたが、近年は利益水準の安定化とともに、株価・評価倍率ともに歴史的な高水準に到達しています。特に直近2〜3年でPER・PBRのボトムが切り上がっており、市場からの期待値が一段階引き上げられた状態にあります。

PBR分析

PBR(株価純資産倍率)の推移は、同社の企業価値に対する市場の評価を如実に表しています。2011年3月期の安値圏では0.27倍という極めて低い水準にありましたが、その後、長期にわたり0.4倍から0.8倍程度の「1倍割れ」が定着していました。しかし、2024年8月期に期末PBRで1.16倍と1倍を突破し、2025年8月期には高値ベースで1.54倍を記録しています。歴史的な安値0.27倍(2011年)と比較すると、資産効率や将来のキャッシュフローに対する信頼感が大幅に改善されたことを示唆しています。現在は1.41倍(最新値)と、過去15年で最高値圏に位置しています。

PER分析

PER(株価収益率)は、業績の不安定だった2010年代前半から、収益基盤が安定した近年でその性質を変えています。2012年、2013年、2015年と赤字を計上した時期は算出不能(赤字)であり、2016年には47.59倍まで跳ね上がるなど、利益の振れ幅が大きい時期がありました。その後、2019年から2020年にかけてはPER3.84倍〜8.11倍という極めて低い倍率で放置されていましたが、直近の2024年・2025年8月期は11.9倍〜22.85倍の間で推移しています。最新の19.0倍という数値は、過去の低迷期と比較して高い成長期待、あるいは利益の質的向上が織り込まれていると考えられます。

時価総額の推移

時価総額は、2011年当時の安値140億円規模から、最新データでは1,014億円へと飛躍的な拡大を遂げています。2011年から2017年頃までは概ね150億〜300億円台のレンジで停滞していましたが、2021年8月期に一時737億円まで拡大。その後一旦調整を経たものの、2024年8月期以降に再び急騰し、2025年8月期には1,086億円のピークを形成しました。これは、単なる株価の上昇だけでなく、ビックカメラグループ内でのシナジー創出や、不採算店舗の整理・改装といった構造改革が、時価総額という形で市場に承認された結果と言えます。

現在のバリュエーション評価

最新のバリュエーション(PER 19.0倍、PBR 1.41倍)を歴史的水準と比較すると、過去15年間における「最高値圏」にあることは明らかです。PBRは長年の定位置であった1.0倍を明確に上回り、PERも一桁台が常態化していた時期から一転して20倍弱まで買われています。これは、かつての家電量販店特有の「低収益・低評価銘柄」からの脱却を意味する一方、現在の株価は過去のトレンドと比較して相当程度のプレミアムが付与されている状態です。今後の焦点は、この高水準のバリュエーションを維持・正当化できるだけの持続的な利益成長、あるいは資本効率の改善(ROEの向上)を継続できるかにあると考えられます。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-50億0百万50億100億150億200億250億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/80営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-50億0百万50億100億150億200億250億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/80設備投資#1フリーCF現金等残高推移0百万100億200億300億400億'17/8'19/8'21/8'23/8'25/8現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2017年8月期 通期 3170 -1800 -5093 1370 -2624 1513
2018年8月期 通期 11871 -1485 -10137 10386 -2207 1760
2019年8月期 通期 2787 -1436 -1152 1351 -2323 1959
2020年8月期 通期 24160 -260 4283 23900 -1123 30144
2021年8月期 通期 1918 -1466 -12540 452 -1213 18055
2022年8月期 通期 7772 -2389 -6003 5383 -1856 17435
2023年8月期 通期 1329 324 -4995 1653 -1386 14093
2024年8月期 通期 13190 -1108 -1717 12082 -1384 24458
2025年8月期 通期 3981 -3016 1131 965 -2878 26554

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

過去9期にわたる株式会社コジマのキャッシュフロー(CF)推移を俯瞰すると、営業活動によるキャッシュの創出力は年度ごとに変動が激しいものの、概ねプラス圏を維持しています。特に2020年8月期は巣ごもり需要や特別定額給付金による家電需要の急増を背景に、営業CFが241.6億円、フリーCFが239億円と突出した数値を記録しました。2024年8月期は「優良安定型(営業+、投資-、財務-)」の構成でしたが、直近の2025年8月期は、営業CFが39.8億円のプラス、投資CFが30.2億円のマイナス、財務CFが11.3億円のプラスとなっており、CF分析のフレームワークでは「積極投資型」に分類されます。これは本業の稼ぎに加え、外部調達も活用しながら攻めの姿勢に転じている状態を示唆しています。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、2020年8月期の241.6億円をピークに、翌2021年8月期には19.2億円まで急減するなど、外部環境や在庫状況、売上債権の増減に強く影響を受ける傾向があります。2024年8月期には131.9億円まで回復しましたが、2025年8月期は39.8億円に落ち着いています。長期的なトレンドとしては、本業でキャッシュを稼ぐ力は維持されているものの、年度ごとのボラティリティ(変動率)が高い点は注視すべきです。特に小売業特有の在庫管理(棚卸資産)の増減が営業CFの質に直結している可能性があり、安定的な創出には収益性の向上と効率的な在庫回転が求められます。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

投資CFおよび設備投資額は、概ね年間10億円〜20億円台で推移してきましたが、2025年8月期は設備投資に28.8億円、投資CF全体で30.2億円の支出となっており、過去9年間で最大の投資規模となっています。2023年8月期に投資CFがプラス(3.2億円)に転じている局面もありますが、これは資産売却等による一時的なものと考えられます。近年の積極的な設備投資は、既存店の改装やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、あるいは物流網の整備など、将来の競争力強化に向けた成長投資へのシフトを鮮明にしています。投資の効率性が将来の営業CFにどう還元されるかが今後の焦点です。

フリーキャッシュフロー分析

フリーCF(FCF)は、過去9期のうち全ての年度でプラスを維持しており、本業の範囲内で投資を賄える健全な構造を継続しています。特に2020年8月期の239億円、2024年8月期の120.8億円といった大幅な黒字により、内部留保が着実に蓄積されてきました。2025年8月期は投資の拡大と営業CFの減少によりFCFは9.7億円に縮小していますが、依然としてプラスを維持している点は評価できます。十分なFCFを創出し続けてきた実績から、配当支払いや機動的な自社株買いといった株主還元に向けた余力は、競合他社と比較しても相応に確保されていると分析できます。

財務戦略・現金残高の評価

財務戦略における最大の変化は、2020年8月期に財務CFが42.8億円のプラスとなり、現金等残高が前年の19.6億円から301.4億円へと急増した点です。その後、借入金の返済や配当支払いにより財務CFはマイナス基調(返済・還元優先)で推移してきましたが、2025年8月期には11.3億円のプラスとなり、再び資金調達を実施しています。2025年8月期末の現金等残高は265.5億円と高水準を維持しており、手元流動性は極めて潤沢です。この豊富なキャッシュは、不透明な景気動向に対するバッファ(緩衝材)であると同時に、M&Aや大規模な店舗戦略を遂行するための「攻めの資金」としての側面も持っています。

キャッシュフロー総合評価

株式会社コジマのキャッシュフロー構造は、総じて「財務健全性が極めて高く、成長投資へのシフトを強めている状態」と評価できます。過去の好調な業績時に蓄積した265.5億円という潤沢な現預金背景があり、直近の2025年8月期に見られる「積極投資型」のCFパターンは、一時的な資金不足ではなく、意図的な戦略投資によるものと解釈されます。課題としては、営業CFの年度ごとの変動をいかに抑制し、持続的な現金創出力(キャッシュ・ジェネレーション能力)を高められるかにあります。投資家としては、拡大した設備投資が次期以降の営業CFの拡大に結びついているか、また、積み上がった現金の資本効率(ROE等)をどう高めていくかという点が、中長期的な評価の分かれ道となるでしょう。

DCF法による理論株価分析

DCF分析の前提条件

パラメータ 説明
WACC(割引率) 7.0% 加重平均資本コスト
FCF成長率 6.0% 予測期間中の年平均成長率
EV/FCF倍率 93.10倍 ターミナルバリュー算出用(現在の市場評価)
予測年数 5年 将来FCFの予測期間
発行済株式数 77,940,046株 理論株価算出の分母
現金及び現金同等物 266億 非事業資産として加算
有利子負債 150億 企業価値から控除

将来フリーキャッシュフロー予測

予測年 予測FCF 現在価値(PV)
1年目 10億 10億
2年目 11億 9億
3年目 11億 9億
4年目 12億 9億
5年目 13億 9億
ターミナルバリュー 1,202億 857億
フリーキャッシュフロー推移(実績 + DCF予測)0百万20億40億60億80億100億120億140億2123252028予2030予2031予FCF実績FCF予測

理論株価の算出プロセス

① 予測FCF現在価値の合計 47億
② ターミナルバリューの現在価値 857億
③ 事業価値(① + ②) 904億
④ 加算: 現金及び現金同等物 +266億
⑤ 控除: 有利子負債 -150億
⑥ 株主価値(③ + ④ − ⑤) 1,020億
DCF理論株価
1,308円
現在の株価
1,301円
乖離率(割安)
+0.5%

感度分析(理論株価: 円)

WACC(横軸)とFCF成長率(縦軸)を変化させた場合の理論株価の変動を示します。

WACC →
FCF成長率 ↓
5.0%6.0%7.0%8.0%9.0%
1.0%1,1531,1071,0641,024985
3.5%1,2801,2291,1801,1351,091
6.0%1,4211,3631,3081,2571,208
8.5%1,5751,5101,4491,3911,336
11.0%1,7441,6711,6021,5381,476

※ 緑色: 現在株価(1,301円)より高い(割安方向) / 赤色: 低い(割高方向) / 青背景: 現在の前提条件

DCF分析の総合評価

今回のDCF分析に基づく株式会社コジマ(7513)の理論株価は1,308円と算出されました。現在の市場価格である1,301円との乖離率は+0.5%であり、現在の株価は理論上の公正価値とほぼ一致している「適正水準(フェア・バリュー)」にあると評価できます。理論株価が現在の株価をわずかに上回っているものの、その差は極めて小さく、市場は将来のキャッシュフロー創出能力を概ね正確に織り込んでいる状態と言えます。

フリーキャッシュフローの質

過去のフリーキャッシュフロー(FCF)の実績を確認すると、2020年8月期の23,900百万円から2021年8月期の452百万円、さらには2024年8月期の12,082百万円から2025年8月期の965百万円(見込)といったように、年度ごとの変動が非常に激しいのが特徴です。家電小売業界特有の在庫投資のタイミングや、店舗改装・新規出店に伴う設備投資額の増減がFCFに大きな影響を与えていると推察されます。予測期間における1年目のFCFを1,023百万円と低めに見積もっている点は、近年の実績の波を考慮した保守的な設定と言えますが、この予測値が将来の安定的なキャッシュフローのベースとなるかについては、今後の収益性改善の進捗を注視する必要があります。

前提条件の妥当性

WACC(加重平均資本コスト)は7.0%に設定されており、小売業の標準的なリスクプレミアムを反映した妥当な水準と考えられます。一方で、予測期間5年間のFCF成長率6.0%および、出口マルチプルとしてのEV/FCF倍率93.10倍という設定は、成熟産業である家電小売業としては強気な前提となっています。特に、高い出口マルチプル設定は、将来の成長継続、あるいは資産価値の維持に対する高い期待を前提としており、この前提が崩れた場合には理論株価が大きく下振れするリスクを内包しています。予測FCFの起点が低いため、成長率が高く設定されている側面もありますが、実態としての成長力との整合性の検証が不可欠です。

ターミナルバリューの影響

本分析において、事業価値904億円のうち、ターミナルバリュー(TV)の現在価値が857億円を占めており、事業価値全体に対するTVの構成比は約94.8%に達しています。これは企業価値の大部分が予測期間(5年間)以降の将来に依存していることを示しています。TVへの依存度が極めて高い構造は、中長期的な不確実性に対して脆弱であることを意味しており、予測期間以降の成長性や割引率の微小な変化が、理論株価を劇的に変動させる要因となります。投資家は、5年目以降も持続的にキャッシュを生み出し続けられる経営基盤が維持されるかを見極める必要があります。

感度分析から読み取れること

TVの構成比が極めて高いため、本モデルはWACC(割引率)と成長率の変化に対して非常に高い感応度を持っています。仮にWACCが1%上昇、あるいは出口マルチプルが数割低下するだけで、理論株価は現在の1,301円を大きく下回る可能性があります。現在の株価が理論株価とほぼ同等であることは、市場が「現在の強気な出口マルチプル(93.10倍)を維持できる」というシナリオを許容していることを示唆しています。逆に言えば、金利上昇によるWACCの増大や、消費低迷による長期成長期待の鈍化といった外部環境の変化に対し、株価が敏感に反応しやすい状況にあります。

投資判断への示唆

本DCF分析の結果からは、現在の株式会社コジマの株価は妥当な範囲内にあり、特段の割安感や割高感は見られません。投資判断においては、現在の「適正価格」を前提とした上で、同社が推進する店舗戦略やネット販売とのシナジー、親会社であるビックカメラとの連携による効率化が、予測値(6.0%成長)を上回るペースで進むかどうかを検討する必要があります。ただし、DCF法は将来予測に基づくシミュレーションであり、前提条件の設定一つで結果が大きく変動するという限界があります。特に本件のようにTV依存度が高いケースでは、将来の不確実性が高いことを十分に認識し、他のバリュエーション指標(PER、PBR等)や定性的なビジネスモデル分析と併用して判断することをお勧めします。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

営業利益が2026年8月期にかけて年率10%前後の成長を見込む計画であることを踏まえ、FCF成長率は在庫投資等の変動を考慮しつつ保守的に6%と推定しました。WACCは、国内家電量販店の安定性と親会社ビックカメラとの連携による信用力を背景に、株主資本コストを主軸として7%に設定しています。永久成長率は成熟した国内市場環境を反映し、日本の長期的な期待成長率に準じた0.8%としています。有利子負債は、豊富な現預金水準(約265億円)を考慮しつつ、店舗展開に伴う標準的な借入規模を推計しました。

⚠️ 免責事項: 本DCF分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 DCF法は前提条件(WACC、成長率等)に大きく依存するため、感度分析を参考に幅を持って評価してください。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

リバースDCF分析(市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,301円)を正当化するために必要なインプライドFCF成長率を逆算しました。

インプライドFCF成長率
5.9%
市場が織り込む成長率
AI推定FCF成長率
6.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-0.1%
ほぼ妥当

リバースDCF詳細

現在の株価1,301円
インプライドFCF成長率5.87%
AI推定FCF成長率6.00%
成長率ギャップ-0.13%(ほぼ妥当)
インプライドWACC30.00%
AI推定WACC7.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

株式会社コジマ(7513)の現在の株価1,301円から算出されたインプライドFCF(フリーキャッシュフロー)成長率は5.87%です。これは、市場が同社に対して今後数年間にわたり年率約6%近いキャッシュフローの成長を継続的に見込んでいることを示唆しています。家電量販店業界は人口減少やECサイトとの競争激化により、成熟市場と見なされることが多い中で、5.87%という数字は比較的ポジティブな期待値と言えます。AI推定成長率の6.00%と比較すると、その差(成長率ギャップ)はわずか-0.13%であり、現在の株価は市場の予測とAIの予測がほぼ一致している「妥当な水準」にあると評価できます。

インプライド成長率の実現可能性

市場が織り込む5.87%の成長率が実現可能かどうかを分析すると、いくつかの重要な要素が浮上します。まず、ポジティブな側面としては、親会社であるビックカメラとの連携強化による仕入れコストの低減や、不採算店舗のスクラップ&ビルドを通じた店舗効率の改善が挙げられます。また、昨今のリフォーム需要の取り込みや、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による在庫管理の最適化も成長の原動力となります。一方で、家電業界特有の個人消費の動向や、原材料高に伴う製品価格上昇が消費マインドに与える影響は無視できません。過去数年の同社の業績推移を鑑みると、5%台後半の成長維持には、既存店の売上高確保に加え、高付加価値商品の販売比率向上などの利益率改善策が着実に遂行される必要があります。

投資判断への示唆

今回のリバースDCF分析の結果、現在の株価1,301円は、AIが推定する将来の成長ポテンシャル(6.00%)をほぼ正確に反映していると言えます。特筆すべき点として、インプライドWACC(資本コスト)が30.00%と極めて高い値を示している一方で、AI推定WACCは7.00%となっています。この乖離は、市場が同社に対して高いリスクプレミアムを要求しているか、あるいは現在のキャッシュフロー水準に対して株価が極めて慎重に評価されている可能性を示唆しています。もし、将来的に市場が認識するリスクが低下し、WACCがAI推定の7.00%に近づくような局面があれば、株価には大きな上昇余地が生じるシナリオも考えられます。現在の株価が「期待値を織り込み済み」と見るか、あるいは「リスクを過大評価されている」と見るかが、投資判断の分かれ目となるでしょう。

拡張感応度分析・シナリオ分析

感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

金利上昇はWACCの増加、景気後退はFCF成長率の低下として理論株価に影響します。

WACC →
FCF成長率 ↓
5.0%6.0%7.0%8.0%9.0%
1.0%1,1531,1071,0641,024985
3.5%1,2801,2291,1801,1351,091
6.0%1,4211,3631,3081,2571,208
8.5%1,5751,5101,4491,3911,336
11.0%1,7441,6711,6021,5381,476

※ 緑色: 現在株価(1,301円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
WACC: 5.5% / FCF成長率: 12.0%
永久成長率: 1.2%
1,777円
+36.6%
基本シナリオ
WACC: 7.0% / FCF成長率: 6.0%
永久成長率: 0.8%
1,308円
+0.5%
悲観シナリオ
WACC: 8.5% / FCF成長率: 1.0%
永久成長率: 0.4%
1,004円
-22.8%

シナリオ分析の総合評価

今回のシナリオ分析の結果、株式会社コジマ(7513)の理論株価は、悲観的な1,004円から楽観的な1,777円の範囲に分布することが示されました。現在株価の1,301円は、基本シナリオの理論株価である1,308円(乖離率+0.5%)とほぼ一致しています。これは、現在の市場価格が当社の標準的な成長予測や資本コストを極めて正確に織り込んでいる「適正価格(フェアバリュー)」の状態にあることを示唆しています。投資家にとっては、現在の株価水準でのエントリーは大きな割安感はないものの、過度な割高感も排除された中立的な状況であると評価できます。

金利変動の影響

加重平均資本コスト(WACC)の変化に対する感応度を分析すると、WACCが5.5%まで低下する楽観シナリオでは理論株価が1,777円まで上昇する一方、8.5%まで上昇する悲観シナリオでは1,004円まで下落します。家電量販店業界は在庫投資や店舗展開において資金需要が発生しやすく、金利上昇によるWACCの増大は企業価値を押し下げる直接的な要因となります。現在の1,301円という株価はWACC 7.0%を前提としており、今後市場金利が上昇傾向に転じた場合、理論株価が20%を超える下方修正を余儀なくされるリスク(1,004円への接近)を内包している点に注意が必要です。

景気変動の影響

フリー・キャッシュ・フロー(FCF)成長率の変動は、景気敏感セクターである家電小売業において極めて重要な要素です。基本シナリオの成長率6.0%に対し、消費停滞や競争激化により成長率が1.0%まで鈍化する悲観シナリオでは、理論株価は1,000円台まで沈み込みます。一方で、ビックカメラグループとのシナジー深化やDX推進による効率化が結実し、成長率が12.0%に達する楽観シナリオでは、現在株価から約36.6%の上値余地が生まれます。下値リスク(-22.8%)よりも上振れポテンシャル(+36.6%)の方が数値上は大きいものの、これはあくまで二桁成長が持続するという高いハードルを前提とした試算です。

投資判断への示唆

本分析に基づくと、現在の株価1,301円における「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」は、基本シナリオ比でわずか0.5%に留まっています。バリュー投資の観点からは、予期せぬ外部ショックに対する耐性は必ずしも高くありません。投資判断に際しては、現在の株価が「期待通り」の業績推移を前提としていることを理解する必要があります。楽観シナリオへの移行(理論株価1,777円)を期待する場合には、既存店売上高の推移や営業利益率の改善兆候など、FCF成長率を押し上げる具体的なKPIの達成状況を注視すべきです。逆に、悲観的なマクロ経済見通しを持つ投資家にとっては、下値支持線としての1,000円付近までの調整を待つという戦略も検討の余地があります。

モンテカルロシミュレーション

シミュレーション結果サマリー

WACC・FCF成長率・永久成長率をそれぞれ正規分布でランダムに変動させ、100,000回のDCF計算を実行した結果です。DCF計算の非線形性(特にゴードン成長モデルの割引構造)により、理論株価の分布は対数正規分布に近い形状となるため、ヒストグラムは対数スケールで表示しています。

平均理論株価
406円
中央値
401円
90%レンジ(5-95%点)
341 〜 489円
割安確率
0.0%
理論株価 > 現在株価
モンテカルロシミュレーション:理論株価の確率分布(100,000回・対数スケール)0.0%1.2%2.3%3.5%4.7%5.8%329円349円371円394円419円445円472円502円シミュレーション分布現在株価

※ ヒストグラムは対数スケールで表示し、外れ値の影響を抑えるため分布の中央96%(2〜98パーセンタイル)を表示しています。対数スケールにより、DCF計算の非線形性に起因する右裾の歪みが補正され、分布の形状をより正確に把握できます。平均・中央値・パーセンタイルなどの統計値は元のスケールで有効サンプル全体から計算しています。

理論株価のパーセンタイル分布

シミュレーション結果を小さい順に並べたとき、各パーセンタイルにおける理論株価を示します。

パーセンタイル 5% 10% 25% 50% 75% 90% 95%
理論株価341円352円374円401円433円467円489円

※ 緑色: 現在株価(1,301円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 中央値(50%タイル)

リスク指標

理論株価の標準偏差 46円
5% VaR(下位5%タイル) 341円
変動係数(CV = σ / 平均) 11.3%
有効シミュレーション数 100,000 / 100,000

確率分布の解釈

今回のモンテカルロシミュレーションの結果、理論株価の分布は平均値406円、中央値401円となりました。分布形状は平均値が中央値を上回る対数正規分布に近い形を示しており、これはDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法特有の非線形性(特に分母となるWACCや成長率の変動が理論株価に及ぼす影響)を反映しています。理論株価の90%信頼区間(5〜95パーセンタイル)は341円から489円の範囲に収まっており、入力されたパラメータ(WACC 7.0%、FCF成長率 6.0%等)に基づく価値算出においては、この価格帯に収束する蓋然性が高いことを示唆しています。

リスク評価

リスク指標を確認すると、5% VaR(バリュー・アット・リスク)は341円となっています。これは、想定したパラメータの変動範囲内において、95%の確率で理論株価が341円以上になることを示しており、ファンダメンタルズに基づく下値の目処として機能します。変動係数(CV)は約11.3%(標準偏差46円 / 平均406円)と算出され、パラメータの不確実性が理論株価に与える影響は比較的限定的かつ安定していると評価できます。しかし、パーセンタイル分布の幅(最頻値付近の集中度)から見て、現在の前提条件が大きく崩れない限り、理論上の価値が現在の市場価格付近まで上昇するシナリオは統計的に想定しにくい状況です。

現在株価の統計的位置づけ

株式会社コジマの現在株価(1,301円)は、本シミュレーションで得られた理論株価の分布(341円〜489円)から大きく乖離しています。割安確率は0.0%であり、100,000回の試行の中で理論株価が現在株価を一度も上回らなかったことを意味します。現在株価は、最も楽観的なシナリオ(95パーセンタイル:489円)の約2.6倍の水準にあり、統計的な分布の外側に位置しています。この結果は、現在の市場価格が「将来のキャッシュフローに対する極めて高い成長期待」、あるいは「DCFモデルには含まれていない資産価値(含み資産等)や戦略的プレミアム」を織り込んでいる可能性を強く示唆しています。

投資判断への示唆

本シミュレーション結果に基づくと、ファンダメンタルズの観点からは「マージン・オブ・セーフティ(安全域)」が全く確保されていない状態と言わざるを得ません。DCFモデルによる理論価値(平均406円)と市場価格(1,301円)の乖離があまりに大きく、現在の株価水準での投資は、事業から生み出される現金の裏付け以上に、市場の需給や別の評価軸(PBR視点や株主優待、グループ再編期待等)に依存しているリスクがあります。投資家としては、現在株価がなぜこれほど高い評価を受けているのか、その背景にある市場の前提条件を再確認する必要があります。ファンダメンタルズへの回帰が起こった場合には大きな下方硬直性を欠く恐れがあるため、慎重なモニタリングが求められます。

※本解析は提供されたシミュレーション結果に基づく統計的分析であり、将来の株価推移を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。

📖 モンテカルロシミュレーションの読み方:
  • 割安確率: シミュレーション結果のうち、理論株価が現在株価を上回った割合。50%超なら統計的に割安寄り
  • 90%レンジ(5-95%点): 全シミュレーション結果を並べたときの下位5%点から上位95%点までの範囲。幅が広いほど不確実性が高い
  • 5% VaR: 悲観的な条件下でも95%の確率でこの値以上になると期待される最低ライン
  • 変動係数: 平均に対する標準偏差の比率。30%超だとパラメータ感度が高い(結果の信頼性に注意)
⚠️ 免責事項: 本モンテカルロシミュレーションはAIが推定したパラメータの分布に基づく統計的な参考値であり、投資助言ではありません。 入力パラメータに正規分布を仮定し、DCF計算の非線形性により出力は対数正規分布に近い形状となります。パラメータ間の独立性の仮定など、実際の市場とは異なる前提を含んでいます。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS/BPSベース理論株価分析

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 68.40円 1株あたり利益
直近BPS 922.70円 1株あたり純資産
1株配当 24.00円 年間配当金
EPS成長率 5.0% 予測期間中の年平均
割引率 8.0% 将来EPSの割引率
想定PER 19.00倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 922.70 68.40 24.00 44.40 967.10 7.41 0.00 19.00 1.34 68.40 1,300
2027年8月 967.10 71.82 24.00 47.82 1014.92 7.43 5.00 19.00 1.34 66.50 1,365
2028年8月 1014.92 75.41 24.00 51.41 1066.33 7.43 5.00 19.00 1.34 64.65 1,433
2029年8月 1066.33 79.18 24.00 55.18 1121.51 7.43 5.00 19.00 1.34 62.86 1,504
2030年8月 1121.51 83.14 24.00 59.14 1180.65 7.41 5.00 19.00 1.34 61.11 1,580
ターミナル 1075.10
PER×EPS 理論株価
1,300円
-0.1%
DCF合計値
1,398.62円
+7.5%
現在の株価
1,301円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 323.52円
ターミナルバリュー現在価値 1075.10円(全体の76.9%)
DCF合計理論株価 1,398.62円

EPS/BPSモデルの総合評価

本モデルによる分析の結果、株式会社コジマ(7513)の現在の株価1,301円は、PER×EPS理論株価(2026年8月期予想)の1,300円と極めて近い水準にあります。これは、現在の市場価格が直近の利益成長見通しをほぼ正確に織り込んでいることを示唆しています。一方で、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたDCF合計理論株価は1,398.62円となっており、現在株価に対して+7.5%の乖離(割安)が認められます。総じて、短期的なバリュエーションには過熱感はなく、中長期的な成長余力を考慮すると、緩やかな上昇余地を残した適正価格圏内にあると評価されます。

ROE推移の見通し

本予測モデルにおいて、ROE(自己資本利益率)は2026年8月期の7.41%から、2030年8月期にかけて7.4%台を維持する推移となっています。通常、配当性向を一定に保ちながら利益剰余金が積み上がると(BPSの蓄積)、ROEは低下する圧力を受けます。しかし、本モデルでは年率5.0%のEPS成長を前提としているため、資本の蓄積速度と利益の成長速度が概ね均衡し、効率性を維持できるシナリオとなっています。投資家としては、今後この7.4%程度のROEを維持、あるいは向上させるための施策(自社株買いによる資本効率改善や、さらなる利益率の向上)が継続されるかどうかが、将来のPBR(株価純資産倍率)1.34倍を正当化する鍵となります。

前提条件の妥当性

本モデルの前提条件を検証すると、想定PER 19.00倍の設定が評価の分かれるポイントとなります。家電量販店業界の平均的なPERと比較して、19倍はやや強気な設定と言えますが、ビックカメラグループ内でのシナジーや、これまでの経営効率改善の実績が背景にあると考えられます。また、割引率8.0%は標準的な資本コストを反映しており妥当です。EPS成長率5.0%については、成熟市場である国内家電小売業界において、EC強化や店舗改装、DX推進による経費削減が計画通りに進捗することを前提とした数値です。これらの前提条件が、今後の決算発表を通じて維持・達成されるかを見極める必要があります。

投資判断への示唆

現在の株価1,301円は、モデル上のPER基準価格(1,300円)とほぼ一致しており、短期的には下値の堅さが意識される水準です。DCFモデルによる理論株価(1,398.62円)を目標とする場合、約7.5%のアップサイドが期待できる計算となりますが、これは5年間の継続的な利益成長と配当の維持を前提としています。配当利回りは現時点で約1.84%(24円/1,301円)となっており、成長性とインカムゲインのバランスを重視する投資家にとっては検討に値する水準と言えます。今後の焦点は、BPSの増大に伴うROEの低下を回避できるだけの利益成長、あるいは株主還元策の拡充が実現するかどうかに集約されます。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

EPS成長率は、2023年の底打ちからの回復基調と家電量販業界の成熟性を加味し、2022年から2026年にかけての推移を平滑化した持続可能な水準として5%と推定しました。割引率は、ビックカメラグループとしての信用力と小売業の事業リスクを勘案し、株主資本コストの標準的な水準である8%に設定しています。現在のPER19倍という評価は、中期的な利益回復への期待を反映しており、これらのパラメータは妥当な範囲内であると判断しました。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS成長率0%が続く場合の理論株価

将来のEPS成長率を0%(横ばい)と仮定した場合の試算です。本編のベースシナリオとは前提が異なります。

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 68.40円 1株あたり利益
直近BPS 922.70円 1株あたり純資産
1株配当 24.00円 年間配当金
EPS成長率 0.0% 予測期間中の年平均
割引率 8.0% 将来EPSの割引率
想定PER 19.00倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 922.70 68.40 24.00 44.40 967.10 7.41 0.00 19.00 1.34 68.40 1,300
2027年8月 967.10 68.40 24.00 44.40 1011.50 7.07 0.00 19.00 1.28 63.33 1,300
2028年8月 1011.50 68.40 24.00 44.40 1055.90 6.76 0.00 19.00 1.23 58.64 1,300
2029年8月 1055.90 68.40 24.00 44.40 1100.30 6.48 0.00 19.00 1.18 54.30 1,300
2030年8月 1100.30 68.40 24.00 44.40 1144.70 6.22 0.00 19.00 1.14 50.28 1,300
ターミナル 884.49
PER×EPS 理論株価
1,300円
-0.1%
DCF合計値
1,179.44円
-9.3%
現在の株価
1,301円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 294.95円
ターミナルバリュー現在価値 884.49円(全体の75%)
DCF合計理論株価 1,179.44円

0%成長シナリオの意味

本シナリオは、株式会社コジマが将来にわたって利益成長を実現できず、EPS(1株当たり純利益)が現在の68.40円で横ばいに推移すると仮定した「保守的なシミュレーション」です。この条件下では、現在の市場価格(1,301円)がPER(株価収益率)19.00倍という評価基準において、ほぼ理論株価(1,300円)と一致していることが分かります。

投資判断の観点からは、現在の株価は「将来の利益成長をほとんど織り込んでいない」か、あるいは「現状の利益水準を維持することへの期待」で構成されていると解釈できます。DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法による理論株価が1,179.44円(乖離率 -9.3%)と算出されている点は、時間価値を考慮した場合、ゼロ成長前提では現在の株価がやや割高な水準にある可能性を示唆しています。

ベースシナリオとの対比

本編のベースシナリオ(成長率 約5.0%)と比較すると、成長率の有無がバリュエーションに与える影響が明確になります。

  • ROE(自己資本利益率)の推移: 0%成長シナリオでは、配当支払後の利益が内部留保としてBPS(1株当たり純資産)を押し上げる一方、EPSが固定されているため、ROEは2026年8月期の7.41%から2030年8月期には6.22%へと低下していきます。これは、利益成長が伴わない中での資本効率の悪化を意味します。
  • プレミアムの正体: ベースシナリオにおける理論株価と本シナリオの差額は、市場が期待する「成長の価値」そのものです。現在の株価が1,300円前後で推移している事実は、市場が少なくとも現状維持、あるいはそれ以上の緩やかな成長を期待している証左と言えます。

留意点

本モデルは、入力された前提条件に基づく機械的な試算であり、将来の株価推移を保証するものではありません。以下の点に留意が必要です。

  • 想定PERの妥当性: 本モデルではPER 19.00倍を固定値として使用していますが、実際の市場環境や競合他社(家電量販店セクター)のマルチプル変動により、適正とされるPER水準は変化します。
  • 配当政策の影響: EPSが成長しない中で配当性向を維持・引き上げた場合、BPSの積み上がりが抑制され、ROEの低下は緩やかになりますが、企業価値の構成要素は変化します。
  • 非財務リスクの欠如: 本シミュレーションには、家電市場の需要動向、EC競合、原材料高に伴うコスト増などの外部環境変化は直接反映されていません。

以上の結果は、投資検討における一つの基準値(ボトムライン)として活用し、最終的な投資判断はご自身の責任において行われるようお願いいたします。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

EPS成長率は、2023年の底打ちからの回復基調と家電量販業界の成熟性を加味し、2022年から2026年にかけての推移を平滑化した持続可能な水準として5%と推定しました。割引率は、ビックカメラグループとしての信用力と小売業の事業リスクを勘案し、株主資本コストの標準的な水準である8%に設定しています。現在のPER19倍という評価は、中期的な利益回復への期待を反映しており、これらのパラメータは妥当な範囲内であると判断しました。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

拡張感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

WACC(加重平均資本コスト)は、株主資本コストと負債コストを資本構成比率で加重平均した「企業の資金調達コスト」です。WACCが高いほど将来キャッシュフローの現在価値は低くなり、理論株価は下がります。FCF成長率は、営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた「企業が自由に使えるキャッシュ(フリーキャッシュフロー)」が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準のWACC(7.0%)とFCF成長率(6.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

割引率は、将来の利益やキャッシュフローを現在価値に換算するための率で、投資家が求めるリターン(期待収益率)に相当します。割引率が高いほど将来利益の現在価値は低くなり、理論株価は下がります。EPS成長率は、1株当たり利益(EPS: Earnings Per Share)が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準の割引率(8.0%)とEPS成長率(5.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PER × EPS(理論株価: 円)

PER(株価収益率)は、株価が1株あたり利益(EPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PERが高いほど市場がその企業の将来成長に高い期待を持っていることを意味します。EPS(1株あたり利益)は、企業の純利益を発行済株式数で割った値で、1株あたりの収益力を表します。

基準のPER(19.0倍)とEPS(68円)から、PERは1倍刻み(±100倍)・EPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

拡張感度分析: PBR × BPS(理論株価: 円)

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると、株価が解散価値を下回っていることを意味し、割安と判断される場合があります。BPS(1株あたり純資産)は、企業の純資産を発行済株式数で割った値で、1株あたりの解散価値を表します。

基準のPBR(1.4倍)とBPS(923円)から、PBRは0.1倍刻み(±10.0倍)・BPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

📊 巨大感度分析テーブルを計算中...

残留利益モデル分析(Residual Income Model)

残留利益モデル(Residual Income Model)

残留利益モデルは、現在のBPS(1株純資産)に将来の「超過利益」の現在価値を加算して理論株価を算出します。 株主資本コストを上回るROEを持続できる企業ほど、BPSに大きなプレミアムが付きます。

理論株価 = BPS₀ + Σ[(ROEₜ − r) × BPSₜ₋₁ / (1+r)ᵗ] + TV/(1+r)ⁿ

前提条件

パラメータ 説明
直近BPS 922.70円 1株あたり純資産(出発点)
直近EPS 68.40円 1株あたり利益
株主資本コスト (r) 8.0% 株主の要求収益率(エクイティチャージの基準)
EPS成長率 5.0% 予測期間中の年平均
1株配当 24.00円 年間配当金(BPS蓄積に影響)
予測年数 5年 個別予測期間

残留利益の年次予測

年度 期首BPS EPS ROE(%) エクイティチャージ 残留利益 PV(残留利益) 期末BPS
2026年8月 922.70 68.40 7.41 73.82 -5.42 -5.01 967.10
2027年8月 967.10 71.82 7.43 77.37 -5.55 -4.76 1014.92
2028年8月 1014.92 75.41 7.43 81.19 -5.78 -4.59 1066.33
2029年8月 1066.33 79.18 7.43 85.31 -6.12 -4.50 1121.51
2030年8月 1121.51 83.14 7.41 89.72 -6.58 -4.48 1180.65
ターミナル 残留利益の永続価値: -82.25円 → PV: -55.98円 -55.98
理論株価の構成
現在BPS
922.7円
簿価部分
+
残留利益PV合計
-23.34円
超過利益の現在価値
+
ターミナルPV
-55.98円
永続価値の現在価値
=
RIM理論株価
843円
-35.2%
現在の株価: 1,301円
残留利益モデル:ROEとエクイティチャージの推移7.4%7.5%7.6%7.7%7.8%7.9%8.0%2627282930ROE(%)株主資本コスト(8.0%)
残留利益と現在価値の推移-7円-7円-6円-6円-5円-5円-4円2627282930残留利益(円)PV(残留利益)(円)
📖 残留利益モデルの読み方:
  • 残留利益 > 0(ROE > 株主資本コスト)→ 企業はBPS以上の価値を創出。理論株価 > BPS となりプレミアム付与
  • 残留利益 < 0(ROE < 株主資本コスト)→ 資本効率が不十分。理論株価 < BPS となりディスカウント
  • DCF法との違い: RIMはBPS(純資産)を出発点とするため、資産ベースの評価に強く、安定企業・金融機関の評価に適しています

残留利益の評価

本モデルの結果から、株式会社コジマの収益力は株主の期待収益率(資本コスト)をわずかに下回る水準にあると評価されます。設定された株主資本コスト8.0%に対し、予測期間(2026年〜2030年)のROEは7.41%〜7.43%で推移しており、その差(エクイティ・スプレッド)はマイナスです。このため、各年度の残留利益は-5.42円から-6.58円と負の値を示しています。これは、会計上の利益は計上されているものの、株主が投資リスクに対して求める最低限の報酬を完全には充足できていない「価値毀損(経済的損失)」の状態にあることを示唆しています。

BPSプレミアム/ディスカウントの解釈

残留利益モデルにおける理論株価(843円)は、現在のBPS(922.70円)を下回る結果となりました。具体的には、残留利益の現在価値(PV)合計が-23.34円、さらに継続価値(ターミナルバリュー)のPVが-55.98円となり、純資産(BPS)に対して約79円のディスカウント(マイナスの修正)が行われています。ROEが資本コストを下回る状況では、市場は純資産価値を100%評価せず、その収益性の低さを反映してBPS以下で評価するというRIMの論理的帰結に基づいています。

他の評価手法との比較

現在の株価(1,301円)と本モデルの理論株価(843円)の間には-35.2%の大きな乖離が存在します。この乖離は、市場が本モデルの前提(EPS成長率5.0%、資本コスト8.0%)よりも楽観的なシナリオ、あるいは効率化によるROEの劇的な改善を織り込んでいる可能性を示しています。PER法で見れば、現在の株価は予想EPS(68.40円)に対して約19倍の水準にあり、家電量販店セクターの平均的な水準と比較してプレミアムが付与されている状況です。一方、DCF法で評価する場合も、将来のフリーキャッシュフロー(FCF)の成長や親会社(ビックカメラ)とのシナジーによる資本コストの低減を考慮すれば、RIMの結果とは異なる結論が導かれる余地があります。

投資判断への示唆

RIMの結果から導かれる現在の株式会社コジマの評価は、保守的な観点からは「割高」の領域にあります。しかし、投資家が注目すべきは、同社が今後ROEを8.0%というハードルレート以上に引き上げられるかどうかという点です。もし資本効率の向上や利益率の改善によりROEが8%を超えれば、残留利益はプラスに転じ、理論株価はBPSにプレミアムを加えた1,000円以上の水準へ急浮上する可能性があります。現在の市場価格1,301円を正当化するためには、本モデルで設定した5.0%を超える成長率、あるいは資本コストの大幅な低下が必要です。これらの数値的な乖離を「成長への期待」と捉えるか、「過大評価」と捉えるかは、投資家の皆様の将来予測とリスク許容度に委ねられます。

⚠️ 注意: 残留利益モデルの結果は、EPS成長率・株主資本コスト・BPSの前提条件に大きく依存します。 また、会計基準の違い(日本基準/IFRS)によりBPSの定義が異なる場合があります。投資判断の際は他の手法と合わせてご検討ください。

リバースDCF分析(EPSベース・市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,301円)を正当化するために必要なインプライドEPS成長率を逆算しました。

インプライドEPS成長率
2.9%
市場が織り込む成長率
AI推定EPS成長率
5.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-2.1%
ほぼ妥当

リバースDCF詳細

現在の株価1,301円
インプライドEPS成長率2.86%
AI推定EPS成長率5.00%
成長率ギャップ-2.14%(ほぼ妥当)
インプライド割引率50.00%
AI推定割引率8.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

現在の株価1,301円に基づくリバースDCF分析の結果、市場が織り込んでいるインプライドEPS成長率は2.86%となりました。これは、投資家が株式会社コジマの将来的な一株当たり利益(EPS)に対し、年間3%弱という非常に緩やかで安定した成長を期待していることを示しています。AI推定成長率の5.00%と比較すると、-2.14%のマイナス乖離(ギャップ)が生じており、現在の株価形成において市場はAIの予測よりも慎重な、あるいは保守的な見通しを立てていると言えます。また、インプライド割引率が50.00%という極めて高い数値を示している点は、計算上の特殊要因を除けば、将来のキャッシュフローに対する不確実性やリスクプレミアムが強く意識されている可能性を示唆しています。

インプライド成長率の実現可能性

市場が期待する「2.86%」という成長率は、家電量販店業界の成熟度や国内の人口動態を考慮すると、決して非現実的なハードルではありません。AI推定成長率の5.00%に対し、市場の期待が低水準に留まっている背景には、ECサイトとの競争激化や個人消費の伸び悩みといった構造的な懸念が反映されていると考えられます。しかし、同社が進めるビックカメラグループ内での物流効率化や、リフォーム事業・スマート家電といった付加価値指数の高い領域へのシフトが奏功すれば、この2.86%というハードルを上回る成長を達成する余地は十分にあります。AIが推定する8.00%の割引率(資本コスト相当)を基準に考えれば、現在の市場評価は過度にリスクを警戒している、あるいは成長の可能性を過小評価している側面があると言えるでしょう。

投資判断への示唆

本分析の結果、株式会社コジマの株価は、AIの推定成長率(5.00%)に対して市場の期待値(2.86%)が下回っており、数値上は「割安」あるいは「期待値の過小評価」の状態にあると解釈できます。特に、インプライド割引率(50.00%)とAI推定割引率(8.00%)の大きな開きは、市場が織り込む「見えないリスク」が株価を抑制している可能性を示しています。もし、投資家が同社の業績安定性やビックカメラグループとしてのシナジーをAIの推定通り(割引率8%程度)と評価するのであれば、現在の株価には上昇の余地が存在することになります。一方で、家電流通業界全体の構造的変化や将来の減益リスクを重く見るのであれば、現在の慎重な市場評価は妥当なものとなります。これらのギャップをどのように解釈するかが、投資判断の重要な鍵となります。

感応度分析・シナリオ分析

感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

金利上昇は割引率の増加、景気後退はEPS成長率の低下として理論株価に影響します。

割引率 →
EPS成長率 ↓
6.0%7.0%8.0%9.0%10.0%
0.0%1,2771,2271,1791,1351,092
2.5%1,3921,3371,2851,2361,189
5.0%1,5161,4561,3991,3441,293
7.5%1,6491,5831,5201,4611,404
10.0%1,7911,7181,6501,5851,523

※ 緑色: 現在株価(1,301円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
割引率: 6.5% / EPS成長率: 11.0%
1,812円
+39.3%
基本シナリオ
割引率: 8.0% / EPS成長率: 5.0%
1,399円
+7.5%
悲観シナリオ
割引率: 9.5% / EPS成長率: -2.0%
1,039円
-20.2%

シナリオ分析の総合評価

株式会社コジマ(7513)の理論株価は、基本シナリオにおいて1,399円と算出され、現在の市場価格1,301円(分析時点)に対して+7.5%の乖離となっています。分析の結果、理論株価のレンジは1,039円(悲観)から1,812円(楽観)と幅広く、現在の株価は「基本」と「悲観」の中間、やや基本シナリオ寄りに位置しています。このことは、現在の株価が中長期的な成長期待を一定程度織り込みつつも、過熱感はなく、下値リスクに対しても一定の耐性を持っている状態を示唆しています。

金利変動の影響

本分析において、割引率(資本コスト)を基準の8.0%から±1.5%変動させた結果、理論株価に顕著な影響が見られました。楽観シナリオ(6.5%)では株価を押し上げる大きな要因となる一方、悲観シナリオ(9.5%)では理論株価が1,039円まで低下します。家電小売業は借入金や消費者の割賦販売、さらには店舗不動産の価値などを通じて金利耐性が問われる業態です。今後、国内の金利情勢が上昇局面に移行した場合、割引率の上昇が理論株価の押し下げ圧力となる可能性には留意が必要です。

景気変動の影響

EPS(1株当たり利益)成長率の前提を基準の5.0%から、11.0%(楽観)〜 -2.0%(悲観)の範囲で設定しました。家電小売市場は、物価高騰に伴う消費マインドの変化や、省エネ家電への買い替え需要、住宅着工件数といった外部環境に強く依存します。成長率が11.0%まで加速する楽観シナリオでは、理論株価は1,812円(+39.3%)まで跳ね上がりますが、マイナス成長に陥る悲観シナリオでは1,039円(-20.2%)まで沈み込みます。利益成長の継続性が、現時点のバリュエーションを正当化する鍵となります。

投資判断への示唆

今回の感応度分析に基づくと、株式会社コジマの株価は基本シナリオに対して割安圏にあり、楽観シナリオが現実味を帯びた場合のアップサイド(上昇余地)は+39.3%と魅力的です。一方で、景気後退や金利上昇が重なる悲観的な局面では約20%の下落リスクも内包されています。投資家は、ビックカメラグループ内でのシナジー創出や物流効率化による利益率改善(EPS成長)がどの程度の確度で実現するか、またマクロ的な金利環境が割引率にどう影響するかを精査し、自身の許容リスクに照らして判断することが求められます。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
90.7%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
9.3%
1 − 変動費率
推定固定費
19,038
百万円
基準: 2021年 8月期 個別(売上高 298,000 百万円)と 2017年 8月期 個別(売上高 232,700 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
17年 8月期 個別 233,000 21,766 9.3% 203,797 12.5% 8.71倍
17年 8月期 個別 232,700 21,738 9.3% 203,797 12.4% 8.05倍
17年 8月期 個別 232,700 21,738 9.3% 203,797 12.4% 7.92倍
18年 8月期 個別 242,000 22,606 9.3% 203,797 15.8% 5.95倍
18年 8月期 個別 246,391 23,017 9.3% 203,797 17.3% 5.42倍
19年 8月期 個別 268,000 25,035 9.3% 203,797 24.0% 3.97倍
19年 8月期 個別 268,127 25,047 9.3% 203,797 24.0% 3.90倍
20年 8月期 個別 274,000 25,596 9.3% 203,797 25.6% 9.84倍
20年 8月期 個別 288,000 26,904 9.3% 203,797 29.2% 3.74倍
20年 8月期 個別 288,216 26,924 9.3% 203,797 29.3% 3.73倍
21年 8月期 個別 298,000 27,838 9.3% 203,797 31.6% 3.16倍
21年 8月期 個別 297,535 27,794 9.3% 203,797 31.5% 3.14倍
22年 8月期 個別 280,700 26,222 9.3% 203,797 27.4% 3.16倍
22年 8月期 個別 279,374 26,098 9.3% 203,797 27.1% 3.22倍
23年 8月期 個別 277,900 25,960 9.3% 203,797 26.7% 5.19倍
23年 8月期 個別 267,893 25,025 9.3% 203,797 23.9% 5.19倍
24年 8月期 個別 263,800 24,643 9.3% 203,797 22.8% 5.36倍
24年 8月期 個別 267,900 25,026 9.3% 203,797 23.9% 4.72倍
24年 8月期 個別 269,868 25,210 9.3% 203,797 24.5% 3.96倍
25年 8月期 個別 278,700 26,035 9.3% 203,797 26.9% 3.45倍
25年 8月期 個別 282,790 26,417 9.3% 203,797 27.9% 3.61倍
26年 8月期 個別 294,000 27,464 9.3% 203,797 30.7% 3.35倍
売上高と損益分岐点売上高の推移20億22億24億26億28億30億1718192022232426売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.010.020.030.040.01718192022232426安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2026年 8月期 個別)
売上高
294,000
百万円
損益分岐点
203,797
百万円
安全余裕率
30.7%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
3.35倍
中程度の経営リスク
### 費用構造の評価

株式会社コジマの費用構造を分析すると、推定変動費率が90.7%、限界利益率が9.3%となっており、極めて高い変動費率に支えられた「薄利多売型」のビジネスモデルであることが浮き彫りになっています。家電量販店という業態上、仕入原価が費用の大部分を占めるため、売上の増減が直接的に限界利益の額を左右します。推定固定費は19,038百万円と見積もられており、この固定費をいかに効率よく回収できるかが、同社の利益水準を決定づける構造となっています。限界利益率が10%を下回る水準であるため、わずかな変動費率の改善(仕入価格の抑制や高付加価値商品の販売)が、営業利益に対して非常に大きなインパクトを与える特性を持っています。

### 損益分岐点と安全余裕率

本分析に基づく損益分岐点売上高は203,797百万円(約2,038億円)と算出されます。過去の売上実績を概観すると、全ての年度でこの水準を上回っており、安定的に黒字を確保できる体制にあると言えます。収益の安定性を示す安全余裕率は、巣ごもり需要が旺盛であった2021年8月期の31.6%をピークに、直近の2024年8月期(個別実績値)では24.5%となっています。一般的に安全余裕率は30%以上が望ましいとされる中で、同社の現状は「一定の耐性はあるものの、市場環境の変化に対して楽観視はできない水準」と評価できます。2026年8月期の予測値(30.7%)に向けて回復傾向にあるかどうかが、今後の注視すべきポイントです。

### 経営レバレッジとリスク

経営レバレッジは、2024年8月期時点で3.96倍から5.36倍程度の水準で推移しています。これは、売上高が1%変動した場合に、営業利益が概ね4〜5%程度増減することを意味します。この数値は、同社が売上高の拡大期には利益が加速度的に増える「増益効果」を享受しやすい一方で、減収時には利益が急激に悪化するリスクを内包していることを示唆しています。特に2020年8月期のように、特需等で売上が急増した際に経営レバレッジが一時的に跳ね上がる(9.84倍)局面があり、景気動向や消費増税、給付金といった外部要因による利益のボラティリティ(変動性)が比較的高い銘柄であると言えます。

### 投資判断への示唆

限界利益分析の結果から、株式会社コジマは「損益分岐点を大きく上回る売上規模を維持しつつ、安全余裕率を再び30%台へ乗せられるか」という局面にあると考察されます。2025年以降の業績予想では売上高の回復とともに安全余裕率の改善(26.9%〜30.7%)が見込まれており、これが実現すれば財務的な堅牢性は高まります。投資家としては、低い限界利益率(9.3%)という構造上、販売単価の下落や仕入コストの上昇が利益を圧迫しやすい点に留意しつつ、経営レバレッジが効く局面(売上拡大期)での利益の伸びをどの程度評価するかが判断の分かれ目となります。今後の景気動向や家電買い替えサイクルが、同社の収益構造に与える影響を慎重に検討する必要があります。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 8月期 個別 0.60 × 2.256 × 2.66 = 0.04
18年 8月期 個別 0.91 × 2.385 × 2.40 = 0.05
19年 8月期 個別 2.09 × 2.451 × 2.24 = 0.11
20年 8月期 個別 0.66 × 2.137 × 2.37 = 0.03
21年 8月期 個別 2.08 × 2.648 × 1.91 = 0.11
22年 8月期 個別 2.10 × 2.396 × 1.89 = 0.10
23年 8月期 個別 1.12 × 2.544 × 1.72 = 0.05
24年 8月期 個別 1.14 × 2.301 × 1.73 = 0.05
25年 8月期 個別 1.85 × 2.307 × 1.72 = 0.07
デュポン分析:ROEの3要素推移0.0%0.5%1.0%1.5%2.0%2.5%1719212325純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移1.601.802.002.202.402.602.801719212325総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 8月期 個別)
純利益率
1.85%
収益性
×
総資産回転率
2.307回
効率性
×
財務レバレッジ
1.72倍
借入で資本効率を72%ブースト
=
ROE
0.07%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

株式会社コジマのROE(自己資本利益率)は、2017年8月期の約4.0%から、2021年・2022年8月期には10%〜11%台へと上昇し、直近の2025年8月期予想では約7.3%(0.07)となる見通しです。この変動の主因は、会社側も指摘する通り「純利益率」の推移にあります。2021年以降、純利益率が1%〜2%台を確保できるようになったことで、ROEの底上げが図られました。

一般的に、財務レバレッジに頼らず純利益率の向上でROEを高める構造は「質の高いROE」と評価されます。同社の場合、総資産回転率も2.3回〜2.6回と高い水準を維持しており、薄利多売の家電量販店モデルにおいて、資産を効率的に売上に変えつつ、最終的な利益を確保する力が強まっている点はポジティブな要素と言えます。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジは、2017年8月期の2.66倍から、2025年8月期予想の1.72倍へと、長期的かつ顕著な低下傾向にあります。これは、借入金の返済が進んだか、あるいは利益剰余金の積み増しによって自己資本が厚くなったことを示唆しています。

レバレッジの低下は、ROEの計算上では押し下げ要因(デバレッジャー)として働きますが、財務の安全性・健全性は大幅に向上しています。2017年当時は高いレバレッジによってROEを維持していましたが、現在は低いレバレッジでも当時以上のROEを創出できる体質へと変化しています。過剰なレバレッジによるリスクは低減されており、非常に安定感のある財務基盤を構築しつつあると分析できます。

トレンド分析

過去9年間の推移を見ると、以下の3つのトレンドが読み取れます。

  • 収益性の安定化への挑戦: 2020年8月期の純利益率0.66%を底に、翌年には2.08%へ急回復しました。その後、1%台まで低下したものの、2025年予測では1.85%と再び上昇に転じる見込みであり、収益性の改善に向けた構造改革が奏功しつつあることが伺えます。
  • 効率性の維持: 総資産回転率は、コロナ禍の影響を受けた時期を除き、概ね2.3回〜2.5回で安定しています。店舗網の最適化や在庫管理の効率化が継続的に行われている証左です。
  • 資本構成のシフト: 財務レバレッジの低下が止まり、1.7倍前後で推移し始めている点は注目です。これは、積極的な負債削減フェーズから、現在の資本構成を維持しながら内部留保と投資のバランスを取るフェーズに移行した可能性を示しています。

投資判断への示唆

株式会社コジマの現在の収益構造は、かつての「借入金依存・低利益率」から「自己資本充実・利益率重視」の形へと着実に進化を遂げています。2025年8月期のROE予想(0.07 = 7%)は、日本の家電量販店セクターにおいて極めて高いわけではありませんが、純利益率の改善が伴っている点は評価に値します。

投資家としては、今後の純利益率が2%の大台を安定的に超えていけるか、あるいは積み上がった自己資本を配当や自社株買い、あるいは新たな成長投資へとどのように活用していくか(資本効率のさらなる改善)が、次なる株価形成の鍵になると考えられます。財務的な安全性は確保されているため、今後は純利益率の持続的な向上が、ROEの向上および企業価値の増大に直結する局面と言えるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 95億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 1.50% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 1億 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 2.8% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 34.4% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/08 321億 2億 23億 25億 14億 15億 3.60% 2.15% +1.46%pt
2018/08 224億 3億 40億 43億 22億 24億 5.21% 3.69% +1.52%pt
2019/08 218億 3億 68億 71億 56億 59億 11.50% 8.32% +3.17%pt
2020/08 272億 4億 27億 31億 18億 21億 3.33% 2.55% +0.78%pt
2021/08 161億 2億 88億 90億 62億 64億 10.52% 8.49% +2.03%pt
2022/08 113億 2億 85億 87億 59億 60億 9.54% 8.23% +1.31%pt
2023/08 75億 1億 52億 53億 31億 32億 4.87% 4.45% +0.42%pt
2024/08 72億 1億 48億 49億 30億 31億 4.52% 4.17% +0.35%pt
2025/08 95億 1億 79億 80億 52億 52億 7.35% 6.59% +0.76%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション10億20億30億40億50億60億70億2017/082019/082021/082023/082025/08実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%12.0%2017/082019/082021/082023/082025/08実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を増やしている(レバレッジ効果あり)
実績ROE
7.35%
借金なしROE
6.59%
レバレッジ効果
+0.76%pt

事業利益率が借入金利を上回っており、借金によるレバレッジが株主リターン(ROE)を押し上げています。

借金の利益インパクト

株式会社コジマの2025年8月期における有利子負債は95億円、推定金利は1.50%となっています。これにより発生する推定支払利息は約1億円と算出されます。 直近の純利益(実績)52億円に対し、利息が利益を押し下げている比率(利息/純利益比率)は2.8%に留まっており、借入による金利負担が最終利益を大きく圧迫している状況ではありません。 仮に借金が全くなかったと仮定した場合のシミュレーションでは、純利益は52億円と、四捨五入ベースでは実績値と大きな乖離は見られません。このことから、現在の同社の収益構造において、借金に伴う金利コストは十分に許容範囲内であると判断されます。

レバレッジ効果の評価

2025年8月期の実績ROEは7.35%であり、借金がないと仮定した「借金なしROE」の6.59%を0.76ポイント上回っています。これは、財務レバレッジが株主リターンに対してプラスに作用していることを示しています。 経年変化を見ると、2017年8月期時点では321億円あった有利子負債を段階的に圧縮しており、一時はレバレッジ効果が+3.17%pt(2019年8月期)に達した時期もありました。近年は有利子負債の削減(デレバレッジ)に伴い、レバレッジ効果の絶対値は縮小傾向にありましたが、直近の2025年8月期では負債額が微増したことで、再びレバレッジ効果がやや拡大しています。 総じて、低コストの資金調達(推定1.50%)が事業利益率を上回る効率で運用されており、株主資本に対する収益性を高めることに成功しています。

財務戦略の考察

同社の財務戦略は、過去10年弱で有利子負債を300億円規模から100億円以下まで大幅に削減しており、財務の健全化を優先してきたことが伺えます。 現在の推定金利1.50%に対し、ROE(実績)が7.35%という水準は、負債コストを大きく上回るリターンを上げていることを意味します。家電量販店業界は在庫確保や店舗投資に多額の資金を必要とする特性がありますが、同社は自己資本比率を高めつつ、健全な範囲で外部資金を活用する「バランスの取れた保守的な財務構成」へ移行したと言えます。 同業他社と比較しても、現在の負債水準は過重ではなく、むしろ金利上昇局面における耐性は高まっていると推察されます。

投資家へのポイント

投資判断においては、以下の2点が重要なポイントとなります。

  • 財務の安全性と効率性の両立: 大幅な債務削減を経て、現在は借金が利益を押し下げるリスクよりも、少ない金利負担でROEを底上げする「ポジティブ・レバレッジ」の状態にあります。
  • 今後の資金活用の方向性: 負債の圧縮が進んだことで、今後は創出したキャッシュをさらなる店舗投資や株主還元、あるいはデジタルトランスフォーメーション(DX)などの成長戦略にどのように配分していくかが注目されます。

リスク要因としては、急激な市場環境の変化により経常利益が大きく損なわれた場合、レバレッジが逆回転し、借金がROEを押し下げる要因に転じる可能性が挙げられます。現在のレバレッジ効果はプラスを維持していますが、今後の負債水準と収益性のバランスを注視していく必要があります。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 8月期 個別 1,522 70,887 2.15 4.01 -1.86
18年 8月期 個別 2,090 64,639 3.23 4.77 -1.53
19年 8月期 個別 5,188 70,516 7.36 5.09 +2.27
20年 8月期 個別 1,733 81,158 2.14 4.88 -2.74
21年 8月期 個別 6,200 75,072 8.26 5.65 +2.61
22年 8月期 個別 5,761 73,140 7.88 6.03 +1.85
23年 8月期 個別 2,981 71,149 4.19 6.33 -2.14
24年 8月期 個別 2,875 73,588 3.91 6.37 -2.47
25年 8月期 個別 4,953 79,606 6.22 6.24 -0.02
ROIC vs WACC推移2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%1719212325ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 8月期 個別)
ROIC
6.22%
投下資本利益率
WACC
6.24%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
-0.02%pt
価値創造力が弱い

ROIC水準の評価

株式会社コジマのROIC(投下資本利益率)は、過去9年間において2.14%から8.26%の間で大きく変動しており、極めてボラティリティの高い推移を辿っています。2021年8月期にはコロナ禍における「巣ごもり需要」やテレワーク関連、GIGAスクール構想等の特需を背景に8.26%という高い水準を記録しましたが、その後は減益に伴い低下し、2024年8月期には3.91%まで落ち込みました。

家電量販店業界は一般に薄利多売の構造にあり、ROICが低位に留まりやすい傾向がありますが、同社の直近数年の平均的なROICは5%を下回る年が多く、投下資本を効率的に利益に結びつける力には課題が残ります。ただし、2025年8月期の予測では6.22%と、前年比で2.31ポイントの改善が見込まれており、収益性の反転に向けた過渡期にあると評価できます。

ROIC-WACCスプレッド分析

企業の価値創造の尺度となるROIC-WACCスプレッドを確認すると、分析期間の9期のうち、スプレッドが正(プラス)となったのは2019年、2021年、2022年の3期のみであり、残りの期間は「価値を破壊している」状態(ROIC < WACC)にあります。

ネガティブな要因として、WACC(加重平均資本コスト)の緩やかな上昇傾向が挙げられます。2017年の4.01%から、直近では6%台へと推移しており、企業が最低限クリアすべきハードルレートが上がっています。これに対し、2023年および2024年8月期はNOPAT(税引後営業利益)が30億円を下回る水準まで減少したことで、スプレッドは-2%ptを超える大幅なマイナスを記録しました。2025年8月期の予測では、NOPATが4,953百万円まで回復することでスプレッドは-0.02%ptと、ほぼ均衡点まで戻る見通しですが、依然として資本コストを安定的に上回る価値創造力は確立できていません。

投資家へのポイント

コジマへの投資を検討するにあたっての主要な注目点は、以下の2点に集約されます。

  • 収益性の回復と持続性: 2025年8月期のROIC 6.22%への回復予測が、一時的なコスト削減や市況によるものか、あるいはビックカメラグループとのシナジー深化や不採算店舗の再編など、構造的な収益力の向上によるものかを見極める必要があります。
  • 資本効率の最適化: 2025年8月期の投下資本は79,606百万円と過去最高水準にあります。NOPATが増加しても、在庫水準や有利子負債などの投下資本が膨らみ続ければ、ROICの向上は限定的となります。今後、同社が資産のスリム化やキャッシュ・フローの改善を通じて、WACCを上回るROICを安定的に創出できるフェーズに移行できるかが、長期的な株主価値向上の鍵を握ります。

現状、同社の価値創造力は「弱い」との評価が出ており、リスクプレミアムに見合うリターンを創出できているかは慎重な判断を要します。2025年期のV字回復の実現可能性を一つの試金石として、今後の業績推移を注視すべきでしょう。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 8月期 個別 233,000 0.65 × 3.287 = 2.15
18年 8月期 個別 242,000 0.86 × 3.744 = 3.23
19年 8月期 個別 268,000 1.94 × 3.801 = 7.36
20年 8月期 個別 274,000 0.63 × 3.376 = 2.14
21年 8月期 個別 298,000 2.08 × 3.970 = 8.26
22年 8月期 個別 280,700 2.05 × 3.838 = 7.88
23年 8月期 個別 277,900 1.07 × 3.906 = 4.19
24年 8月期 個別 263,800 1.09 × 3.585 = 3.91
25年 8月期 個別 278,700 1.78 × 3.501 = 6.22
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率0.001.002.003.004.001719212325NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 8月期 個別)
NOPATマージン
1.78%
NOPAT 4,953百万円 ÷ 売上 278,700百万円
×
投下資本回転率
3.501回
売上 278,700百万円 ÷ IC 79,606百万円
=
ROIC
6.22%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

株式会社コジマの過去9期分(2025年8月期予想含む)のROIC推移を分析すると、ROICは最低2.14%(2020年8月期)から最高8.26%(2021年8月期)の間で大きく変動しています。この変動の主因は、投下資本回転率よりもNOPATマージンの推移に強く相関していることが見て取れます。

具体的には、ROICがピークに達した2021年8月期において、NOPATマージンは過去最高の2.08%を記録し、投下資本回転率も3.970回と高い水準にありました。一方で、ROICが4%前後に低迷した2023年および2024年8月期は、NOPATマージンが1.0%台前半まで低下しています。投下資本回転率は3.5回から3.9回程度の範囲で比較的安定して推移しているのに対し、NOPATマージンは0.6%台から2.0%台まで約3倍の振れ幅があり、これが同社の資本効率を左右する決定的な要因となっています。

改善ドライバーの特定

今後、ROICを安定的に向上させるための最優先課題は、「NOPATマージンの持続的な改善」です。2025年8月期の予測では、ROICは6.22%まで回復する見込みですが、これもNOPATマージンが前期の1.09%から1.78%へと大きく改善することを前提としています。家電量販店業界は価格競争が激しく利益率が圧縮されやすい傾向にありますが、高付加価値商品の販売構成比向上や販管費の効率化、ビックカメラグループとしての共同仕入れによる原価低減などがマージン回復の鍵を握ります。

一方で、効率性指標である投下資本回転率は、2021年(3.970回)をピークに2025年予想(3.501回)にかけて緩やかな低下傾向にあります。これは、新規出店や既存店改装、あるいは物流・ECへの設備投資が先行し、売上高の伸びを上回るペースで投下資本が増加している可能性を示唆しています。マージンの改善に加え、これら投資した資本が着実に売上・利益に結びついているか、資産効率の観点からも注視が必要です。

投資家へのポイント

投資家の皆様においては、以下の2点を今後の判断材料として注視することをお勧めします。

  1. マージン回復の確実性:2025年8月期予想のNOPATマージン1.78%という目標が、単なる一時的な要因によるものか、それとも構造的なコスト削減や商品ミックスの改善によるものかを見極める必要があります。
  2. 資本効率のトレンド:投下資本回転率が3.5回を割り込むような低下が続く場合、マージン改善の効果を打ち消してしまうリスクがあります。利益率(収益性)の追求と並行して、在庫管理の徹底や不採算資産の圧縮など、資本効率(効率性)を維持・向上させる施策が機能しているかがポイントとなります。

同社はマージンの振れ幅によって資本効率が大きく変動する収益構造を有しており、現在は回復局面にあると予測されています。この回復が持続可能な成長軌道に乗るものか、あるいは循環的な変動にとどまるか、経営陣による資本コストを意識した経営判断が問われています。最終的な投資判断は、これらの指標推移と市場環境を照らし合わせた上で、慎重にご検討ください。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 8月期 個別 1,522 2,843 -1,319 2.15 4.01
18年 8月期 個別 2,090 3,083 -991 3.23 4.77
19年 8月期 個別 5,188 3,589 1,599 7.36 5.09
20年 8月期 個別 1,733 3,961 -2,227 2.14 4.88
21年 8月期 個別 6,200 4,242 1,961 8.26 5.65
22年 8月期 個別 5,761 4,410 1,354 7.88 6.03
23年 8月期 個別 2,981 4,504 -1,520 4.19 6.33
24年 8月期 個別 2,875 4,688 -1,815 3.91 6.37
25年 8月期 個別 4,953 4,967 -16 6.22 6.24
EVA(経済的付加価値)推移-4000-200002.0千4.0千6.0千8.0千17192123250EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
-16
百万円(2025年 8月期 個別)
累積EVA
-2,974
百万円(9年間合計)
価値創造評価
価値創造力が弱い

EVAの推移と評価

株式会社コジマの過去9期にわたるEVA(経済的付加価値)の推移を分析すると、プラスとマイナスが交互に現れる極めてボラティリティ(変動性)の高い状況が見て取れます。特に2021年8月期にはROIC 8.26%に対しWACC 5.65%となり、1,961百万円という高いEVAを創出しましたが、直近の2023年8月期(-1,520百万円)および2024年8月期(-1,815百万円)は、再び大幅なマイナスに転じています。

会計上の利益を示すNOPAT(税引後営業利益)は全期間を通じて黒字を維持していますが、EVAがマイナスとなるケースが多いのは、事業が生み出すリターンが株主や債権者が求める資本コストを十分にカバーできていないことを示唆しています。累積EVAが-2,974百万円となっている事実は、長期的視点では投下資本に対して期待される収益を積み上げられておらず、会計上の利益と経済的価値の創出に乖離が生じている現状を表しています。

価値創造力の持続性

同社の価値創造力における課題は、資本コスト(WACC)の上昇傾向とROICの不安定さにあります。2017年8月期に4.01%であったWACCは、2024年8月期には6.37%まで上昇しており、資本効率への要求水準は年々高まっています。一方で、ROIC(投下資本利益率)は2%台から8%台まで大きく変動しており、外部環境(需要の波や競合状況)に対して収益構造が敏感に反応しやすい傾向があります。

2025年8月期にはROICが6.22%まで回復し、EVAは-16百万円と「均衡状態(損益分岐点)」付近まで改善する見通しです。しかし、これが一過性の回復なのか、あるいは構造的な収益性の改善によるものなのかは慎重な見極めが必要です。累積EVAがマイナスであることから、現時点では「持続的な価値創造フェーズ」に入ったと断定するには時期尚早と言わざるを得ません。

投資家へのポイント

投資判断にあたっては、以下の3点に注目することが重要です。

  • スプレッド(ROIC - WACC)のプラス定着: 2025年8月期の予測値に見られる改善が、次期以降に明確なプラス圏で安定するかどうかが、株主価値向上の鍵となります。
  • 資本コストへの対応: WACCが6%台で推移する中、これを上回るROICを維持するための店舗戦略やEC戦略が奏功しているかを注視する必要があります。
  • 投下資本の効率性: 資本コスト(金額ベース)は2017年の2,843百万円から2025年の4,967百万円へと拡大しています。この拡大した資本に見合う利益成長が伴っているか、効率性の改善度合いを確認すべきです。

以上の通り、同社は会計上の黒字を確保しつつも、経済的付加価値の面では「価値創造力の再構築期」にあると評価されます。今後のROICの安定的な上昇と、それによるEVAのプラス転換の持続性が、投資対象としての魅力を判断する重要な指標となるでしょう。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
9.46倍
有効年度の平均
リスク評価
高リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 8月期 個別 233,000 2,500 1.07 - - -
17年 8月期 個別 232,700 2,700 1.16 -0.13 8.00 -
17年 8月期 個別 232,700 2,746 1.18 0.00 1.70 -
18年 8月期 個別 242,000 3,800 1.57 4.00 38.38 9.60
18年 8月期 個別 246,391 4,248 1.72 1.81 11.79 6.50
19年 8月期 個別 268,000 6,300 2.35 8.77 48.31 5.51
19年 8月期 個別 268,127 6,426 2.40 0.05 2.00 -
20年 8月期 個別 274,000 2,600 0.95 2.19 -59.54 -27.18
20年 8月期 個別 288,000 7,200 2.50 5.11 176.92 34.63
20年 8月期 個別 288,216 7,221 2.51 0.08 0.29 -
21年 8月期 個別 298,000 8,800 2.95 3.39 21.87 6.44
21年 8月期 個別 297,535 8,861 2.98 -0.16 0.69 -
22年 8月期 個別 280,700 8,300 2.96 -5.66 -6.33 1.12
22年 8月期 個別 279,374 8,107 2.90 -0.47 -2.33 -
23年 8月期 個別 277,900 5,000 1.80 -0.53 -38.32 -
23年 8月期 個別 267,893 4,819 1.80 -3.60 -3.62 1.01
24年 8月期 個別 263,800 4,600 1.74 -1.53 -4.54 2.97
24年 8月期 個別 267,900 5,300 1.98 1.55 15.22 9.79
24年 8月期 個別 269,868 6,359 2.36 0.73 19.98 27.20
25年 8月期 個別 278,700 7,550 2.71 3.27 18.73 5.72
25年 8月期 個別 282,790 7,325 2.59 1.47 -2.98 -2.03
26年 8月期 個別 294,000 8,200 2.79 3.96 11.95 3.01
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移-40.0-20.00.020.040.017181920222324260DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

株式会社コジマの平均DOL(営業レバレッジ度)は9.46倍と算出されており、分析基準における「高リスク(5倍以上)」に該当します。これは同社の費用構造において、売上高の増減にかかわらず発生する「固定費」の比率が高いことを示唆しています。家電量販店という業態上、大型店舗の賃借料、光熱費、および一定数の店舗スタッフに係る人件費といった固定費負担が重く、損益分岐点を超えた後の増収が利益に大きく寄与しやすい一方で、減収時には利益が急激に圧迫される「固定費型ビジネス」の典型的な特徴が見て取れます。特に営業利益率が1%〜3%台と低水準で推移していることが、DOLの数値を押し上げる(わずかな売上変化が利益率に大きなインパクトを与える)要因となっています。

景気変動への感応度

DOLの推移を見ると、業績のボラティリティ(振れ幅)が非常に大きいことが確認できます。例えば、2020年8月期には売上高が5.11%増加した際に、営業利益が176.92%増加するという、DOL 34.63倍もの劇的な利益成長を記録しています。これは、いわゆる「巣ごもり需要」による増収が、高い営業レバレッジを通じて利益を爆発的に押し上げた好例です。反面、2020年8月期の別の期中データでは売上2.19%増に対して利益が59.54%減となる局面もあり、景気動向や消費マインドの僅かな変化が、最終的な営業利益に極めて大きな影響を及ぼす傾向があります。好況期や需要拡大期には強い利益成長が期待できますが、消費増税や競争激化による減収局面では、利益が急速に剥落するリスクを内包しています。

投資家へのポイント

投資に際しては、同社の「高い営業レバレッジ」が諸刃の剣であることを理解する必要があります。直近の2024年8月期(個別)においてもDOL 27.20倍を記録しており、売上高の0.73%という微増が、営業利益の19.98%増という大幅な改善に直結しています。一方で、2025年、2026年の予測値ではDOLが3.01倍〜5.72倍程度に落ち着く見通しとなっており、会社側がより安定的な収益構造への転換、あるいは慎重な費用管理を見込んでいる可能性もあります。家電市場全体の需要動向に加え、固定費削減の進捗やEC比率の変化が、将来のDOLおよび利益の安定性にどう影響するかを注視することが重要です。この高いレバレッジを成長の原動力と捉えるか、あるいは収益の不透明感と捉えるかは、投資家の皆様のリスク許容度に応じた判断が求められます。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 8月期 個別 3.60 推定30% 70.0 2.52 -
18年 8月期 個別 5.21 推定30% 70.0 3.64 3.86
19年 8月期 個別 11.50 推定30% 70.0 8.05 10.74
20年 8月期 個別 3.33 推定30% 70.0 2.33 2.24
21年 8月期 個別 10.52 推定30% 70.0 7.36 8.76
22年 8月期 個別 9.54 18.7 81.3 7.75 -5.81
23年 8月期 個別 4.87 37.6 62.4 3.04 -1.00
24年 8月期 個別 4.52 30.8 69.2 3.13 -5.07
25年 8月期 個別 7.35 36.0 64.0 4.70 5.65
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-10.0%-5.0%0.0%5.0%10.0%15.0%17192123250SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%1719212325ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 8月期 個別)
ROE
7.35%
×
内部留保率
64.0%
=
SGR
4.70%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRをやや上回っており、持続性に注意が必要

SGR水準の評価

株式会社コジマの持続的成長率(SGR)は、2017年以降、最低2.33%(2020年8月期)から最高8.05%(2019年8月期)の間で大きく変動しており、直近の2025年8月期予想では4.70%となっています。この変動の主因は「ROE(自己資本利益率)」の推移にあります。内部留保率は概ね60%〜70%台(配当性向30%前後)で安定的に推移しているのに対し、ROEは3%台から11%台まで振れ幅が大きく、収益性の良し悪しがそのまま自律的な成長余力を規定している構図が見て取れます。特に2024年8月期のROE 4.52%から2025年8月期の7.35%への改善見通しが、SGRを3.13%から4.70%へと押し上げる原動力となっています。

成長の持続可能性

過去のデータ(2018年〜2021年)では、実際の成長率がSGRを上回る傾向にあり、外部資金の活用や資産回転率の向上によって成長を加速させていた時期がありました。しかし、2022年8月期から2024年8月期にかけては実際の成長率がマイナス圏に沈み、SGR(理論上の成長余力)を下回る状況が続きました。これは資金的な制約よりも、市場環境や競争力の問題で潜在的な成長力を活かしきれなかった可能性を示唆しています。直近の2025年8月期予測では、実際成長率(5.65%)がSGR(4.70%)を再び上回る見込みとなっており、回復基調にある一方で、外部調達への依存度や財務レバレッジの変化に注意を払うべき局面にあると評価されます。

投資家へのポイント

投資判断における注目点は、ROEの改善が「本業の利益率向上」によるものか、あるいは「効率的な資本運用」によるものかを見極めることです。2025年8月期のSGR 4.70%という水準は、増資や追加融資に頼らずに維持できる成長の限界値を示しています。今後、実際の成長率がこのSGRを大きく上回り続ける場合、財務体質の変化(自己資本比率の低下等)を伴う可能性がある一方、SGRを下回る成長に留まる場合は、余剰資金がさらなる株主還元(配当性向の引き上げ等)や、新たな設備投資に振り向けられる余地が生まれます。現在の配当性向36.0%という水準と、再加速しつつある成長スピードのバランスが、同社の企業価値にどう影響するかを注視する必要があります。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
∞(利息負担なし)
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 8月期 個別 2,500 200 12.5 32,051 31.0 0.62
18年 8月期 個別 3,800 - 22,384 22.1 -
19年 8月期 個別 6,300 - 21,812 19.9 -
20年 8月期 個別 2,600 - 27,173 21.2 -
21年 8月期 個別 8,800 - 16,132 14.3 -
22年 8月期 個別 8,300 - 11,307 9.7 -
23年 8月期 個別 5,000 - 7,487 6.8 -
24年 8月期 個別 4,600 - 7,229 6.3 -
25年 8月期 個別 7,550 - 9,501 7.9 -
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移5.010.015.020.025.030.035.01719212325ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

株式会社コジマのインタレストカバレッジレシオ(ICR)を分析すると、財務の安全性は極めて高い水準にあります。2017年8月期には12.5倍であったICRは、2018年8月期以降、「∞(無限大)」という異例の数値を示し続けています。これは推定支払利息(営業外費用における金融コスト)が実質的にゼロ、あるいは営業外収益が費用を上回る状態にあることを示唆しています。2023年8月期や2024年8月期のように、営業利益が一時的に落ち込んだ局面(5,000百万円〜4,600百万円)においても、利払い負担による財務圧迫のリスクは一切見られず、時系列で見ても利払い能力の盤石さは年々強固になっています。

有利子負債の状況

有利子負債の管理状況は極めて良好です。2017年8月期に32,051百万円あった有利子負債は、2024年8月期には7,229百万円まで大幅に圧縮されました。これに伴い、有利子負債比率も31.0%から6.3%へと劇的に低下しており、積極的な負債削減(デレバレッジ)が進んだことが確認できます。2025年8月期の予測では、有利子負債が9,501百万円(比率7.9%)へと微増する計画ですが、これは営業利益の回復(7,550百万円)を見込んだ前向きな資金活用と推察され、依然として自己資本の範囲内で十分にコントロール可能な極めて低い水準を維持しています。

投資家へのポイント

投資判断における注目点は、同社の圧倒的な「財務の余裕」です。家電量販店業界は景気動向や消費マインドの変化を受けやすい業種ですが、コジマは利払い負担がほぼ皆無であり、有利子負債比率も1桁台という健全な財務体質を構築しています。この余剰資金力は、将来的な不況への耐性だけでなく、新規出店や既存店改装、あるいはEC事業への投資といった成長戦略、さらには配当や自社株買いといった株主還元へ振り向けるための大きな原動力となり得ます。2025年8月期の利益回復見通しと併せ、この強固な財務基盤をどう企業価値向上に結びつけていくかが、中長期的な視点での評価の鍵となるでしょう。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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データソース

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