8771イー・ギャランティ株式会社

イー・ギャランティ(8771) 理論株価分析:倒産増加を追い風に増収増益、積極的な株主還元が光る カチノメ

決算発表日: 2025-11-142026年3月期 第2四半期
総合業績スコア
80/100
好決算

セクション別スコア

業績成長性75収益性95財務健全性85株主還元90成長戦略70理論株価評価65
業績成長性75
収益性95
財務健全性85
株主還元90
成長戦略70
理論株価評価65

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)40億60億80億100億120億2017年 2018年 2020年 2022年 2024年 '26/3売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)10億20億30億40億50億60億2017年 2018年 2020年 2022年 2024年 '26/3営業利益経常利益純利益利益率推移(%)25.0%30.0%35.0%40.0%45.0%50.0%55.0%2017年 2018年 2020年 2022年 2024年 '26/3営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 3月期 連結 4,550 2,100 2,150 1,280 -
2017年 3月期 連結 4,577 2,120 2,153 1,336 1,519
2018年 3月期 連結 5,105 2,277 2,303 1,469 1,593
2019年 3月期 連結 5,573 2,512 2,552 1,652 1,763
2020年 3月期 連結 5,957 2,719 2,751 2,301 2,434
2021年 3月期 連結 7,195 3,089 3,109 2,004 2,162
2022年 3月期 連結 7,895 3,732 3,760 2,463 2,613
2023年 3月期 連結 8,495 4,151 4,231 2,865 2,925
2024年 3月期 連結 9,165 4,850 4,903 3,263 3,403
2025年 3月期 連結 10,224 5,104 5,203 3,491 3,615
2026年3月期 11,300 5,200 5,300 3,550

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 3月期 連結 4,550 46.15% 47.25% 28.13%
2017年 3月期 連結 4,577 46.32% 47.04% 29.19%
2018年 3月期 連結 5,105 44.60% 45.11% 28.78%
2019年 3月期 連結 5,573 45.07% 45.79% 29.64%
2020年 3月期 連結 5,957 45.64% 46.18% 38.63%
2021年 3月期 連結 7,195 42.93% 43.21% 27.85%
2022年 3月期 連結 7,895 47.27% 47.63% 31.20%
2023年 3月期 連結 8,495 48.86% 49.81% 33.73%
2024年 3月期 連結 9,165 52.92% 53.50% 35.60%
2025年 3月期 連結 10,224 49.92% 50.89% 34.15%
2026年3月期 11,300 46.02% 46.90% 31.42%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年3月期 第2四半期の連結業績は、売上高5,488百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益2,512百万円(同5.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,740百万円(同6.4%増)となりました。国内の企業倒産件数が12年ぶりに5,000件を超えるなど、経営環境の不透明感が高まる中、主力の信用リスク保証サービスへの需要が着実に拡大し、増収増益を確保しています。

注目ポイント

最大の注目点は、保証債務残高の拡大と積極的な自己株式の取得です。保証債務残高は8,690億円(前年同期比9.8%増)に達しており、将来の収益基盤が強固になっています。また、当中間期に約27.6億円もの自己株式取得を実施しており、資本効率(ROE)の向上と株主還元に対する経営陣の強い姿勢が示されています。

業界動向

帝国データバンクの調査によると、2025年度上半期の企業倒産件数は前年同期比3.1%増の5,146件となり、8半期連続で増加しています。物価高や人手不足を背景とした倒産が過去最多を更新しており、BtoB取引における売掛金回収リスクをヘッジする同社のサービスは、追い風の市場環境にあります。競合他社が少ないニッチトップの地位を確立しています。

投資判断材料

長期投資家にとっての魅力は、営業利益率45.8%という圧倒的な収益性の高さと、ストック型のビジネスモデルです。一度契約した保証契約の更新率向上に注力しており、安定的なキャッシュフローが見込めます。一方で、倒産件数の急増は保証履行(支払い)の増加を招くリスクもありますが、同社はリスクを金融機関等に再移転する仕組みを持っており、損失を限定的に抑えるノウハウが強みです。

セグメント別業績

同社は「信用保証事業」の単一セグメントですが、サービス区分で見ると「顧客との契約から生じる収益」が4,977百万円(前年同期比6.5%増)、「その他の収益」が510百万円(同148.8%増)となっています。新規顧客の獲得に加え、既存顧客の保証枠拡大が寄与しています。

財務健全性

自己資本比率は71.7%と極めて高い水準を維持しています。総資産は自己株式の取得等により前期末比で約30億円減少しましたが、有利子負債はなく、実質無借金経営を継続しています。流動比率も高く、短期的な支払い能力に懸念はありません。

配当・株主還元

当中間期において、1株当たり37円の配当(前期は35円)を実施しました。加えて、市場買い付けによる大規模な自社株買いを行っており、総還元性向は非常に高い水準にあります。成長投資と株主還元のバランスを重視する方針が明確です。

通期業績予想

2026年3月期の通期予想に対する進捗率は、経常利益で48.5%、純利益で49.0%と概ね計画通りに推移しています。下期に向けて営業人員の戦力化が進むことで、さらなる契約積み上げが期待されます。現時点で修正はありません。

中長期成長戦略

「人的投資の継続的拡大」を最優先課題としており、営業人員の早期戦力化と営業支援体制の強化を進めています。また、伊藤忠商事や帝国データバンクといった強力なパートナーとの提携を深め、紹介チャネルの多角化によるシェア拡大を目指しています。

リスク要因

短期間での記録的な倒産件数の急増が起こった場合、再保証によるリスクヘッジを超えた保証履行が発生する可能性があります。また、労働市場のタイト化による採用コストの上昇や、DX投資に伴う販管費の増加が利益率を圧迫する可能性があります。

ESG・サステナビリティ

中小企業の連鎖倒産を防ぐという事業自体が社会的なセーフティネットとしての役割を果たしており、S(社会)の側面で大きな貢献をしています。ガバナンス面では社外取締役の活用や、女性役員比率の向上(現在8%)に取り組んでいます。

経営陣コメント

経営陣は、現在の倒産増加基調を「サービスの真価が問われる機会」と捉えており、新規顧客の取り込みと契約更新率の維持に自信を見せています。また、資本効率を意識した経営(自己株取得など)を今後も継続する意向です。

バリュエーション

現在のPER(株価収益率)は過去のトレンド比較で適正からやや割安な水準にあります。高い営業利益率と安定した成長性を考慮すると、プレミアムが付与されやすい銘柄です。自己株取得によるEPS(1株当たり利益)の押し上げ効果も今後の株価を下支えすると予想されます。

過去決算との比較

直近4四半期の推移を見ると、売上高は右肩上がりを続けています。季節性として年度末に向けて需要が高まる傾向がありますが、今期は倒産件数の増加という外部要因により、例年以上に上期から強い引き合いが見られたのが特徴です。

年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)05001,0001,5002,0002,5003,000'11/3'14/3'17/3'20/3'23/3最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍2.0倍4.0倍6.0倍8.0倍10.0倍12.0倍'11/3'14/3'17/3'20/3'23/3最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍20倍40倍60倍80倍'11/3'14/3'17/3'20/3'23/3最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億500億1,000億1,500億'11/3'14/3'17/3'20/3'23/3最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)12.0%14.0%16.0%18.0%20.0%'11/3'14/3'17/3'20/3'23/3最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2011年3月期 194 109 14.6 8.24 2.46 1.39 62億6262万 35億3535万 1.54倍
2012年3月期 167 86 14.39 7.44 1.84 0.95 53億9393万 34億1191万 1.05倍
2013年3月期 498 87 35 6.11 5.22 0.91 202億2557万 35億829万 5.22倍
2014年3月期 1,165 405 67.38 23.42 10.72 3.73 473億1484万 164億6859万 5.22倍
2015年3月期 606 396 27.49 17.97 4.83 3.15 248億4703万 162億4022万 3.79倍
2016年3月期 700 457 25.98 16.95 4.8 3.13 289億7048万 187億6361万 4.27倍
2017年3月期 834 544 25.84 16.86 4.95 3.23 345億591万 225億1420万 3.63倍
2018年3月期 1,156 555 33.15 15.9 5.85 2.8 486億7627万 229億5319万 5.48倍
2019年3月期 1,299 880 33.21 22.5 5.63 3.81 547億4557万 370億8707万 4.79倍
2020年3月期 1,645 1,075 30.38 19.86 6.05 3.95 699億2302万 456億9438万 5.81倍
2021年3月期 2,803 1,561 62.12 34.6 8.07 4.5 1191億4543万 663億5249万 6.01倍
2022年3月期 2,845 1,757 53.76 33.2 7.34 4.53 1325億9805万 821億2604万 5.29倍
2023年3月期 2,594 1,854 42.75 30.55 6.05 4.32 1225億6598万 868億5137万 5.07倍
2024年3月期 2,203 1,625 32.11 23.69 4.74 3.49 1045億7134万 773億141万 3.85倍
2025年3月期 1,859 1,160 25.43 15.87 3.68 2.3 888億6038万 553億9243万 3.48倍
最新(株探) 1790 - 22.4倍 - 4.08倍 - 812億円 - 4.08倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2011年3月期 2.46 14.6 16.8% 1.39 8.24 16.9%
2012年3月期 1.84 14.39 12.8% 0.95 7.44 12.8%
2013年3月期 5.22 35 14.9% 0.91 6.11 14.9%
2014年3月期 10.72 67.38 15.9% 3.73 23.42 15.9%
2015年3月期 4.83 27.49 17.6% 3.15 17.97 17.5%
2016年3月期 4.8 25.98 18.5% 3.13 16.95 18.5%
2017年3月期 4.95 25.84 19.2% 3.23 16.86 19.2%
2018年3月期 5.85 33.15 17.6% 2.8 15.9 17.6%
2019年3月期 5.63 33.21 17.0% 3.81 22.5 16.9%
2020年3月期 6.05 30.38 19.9% 3.95 19.86 19.9%
2021年3月期 8.07 62.12 13.0% 4.5 34.6 13.0%
2022年3月期 7.34 53.76 13.7% 4.53 33.2 13.6%
2023年3月期 6.05 42.75 14.2% 4.32 30.55 14.1%
2024年3月期 4.74 32.11 14.8% 3.49 23.69 14.7%
2025年3月期 3.68 25.43 14.5% 2.3 15.87 14.5%
最新(株探) 4.08倍 22.4倍 18.2% - - -

バリュエーション推移の概要

イー・ギャランティ(8771)の過去約14年間のバリュエーション推移を見ると、同社は典型的な「バリュー株」から「高成長グロース株」へと変貌を遂げ、現在はその調整局面にあることが分かります。2011年3月期時点ではPER 10倍以下、PBR 1.5倍前後という極めて保守的な評価でしたが、事業モデルの認知度向上と共にマルチプルが拡大。2021年3月期にはPERが60倍を超え、PBRも8倍に達するピークを迎えました。その後、2023年以降は利益水準の維持・成長を続けつつも、バリュエーション(評価倍率)は沈静化し、歴史的なレンジの中位からやや下位に位置するプロセスにあります。

PBR分析

PBR(株価純資産倍率)の推移は、同社の市場における期待値の変動を顕著に示しています。2013年3月期の安値(0.91倍)から始まり、成長期待が高まった2014年3月期には一時10.72倍まで急騰しました。その後、概ね3倍から6倍の範囲で安定的に推移してきましたが、コロナ禍以降の2021年3月期に再び8.07倍(高値)まで上昇。直近の2025年3月期末の3.48倍、および最新データの4.08倍という水準は、過去10年の推移(おおよそ3.5倍〜6.0倍)で見ると、過熱感が消え、底堅さを模索するレンジに位置しています。特に2012年以来の1倍割れはなく、強固な資産背景と収益性が下支えとなっていると考えられます。

PER分析

PER(株価収益率)は、同社の収益力の拡大とマーケットのセンチメントを反映しています。2011年〜2012年頃はPER 7倍〜14倍と低水準でしたが、売掛債権保証という独自のビジネスモデルが評価され、2014年3月期には高値67.38倍を記録しました。以降、多くの期間でPER 15倍から30倍の間で推移しており、これが同社の「実力相応の評価レンジ」と言えます。2021年3月期の62.12倍は特筆すべき高値ですが、現在は22.4倍まで低下しています。赤字期がなく安定して利益を積み上げているにもかかわらず、PERが低下していることは、利益成長に対して株価が調整、あるいは横ばいとなっている「バリュエーション・コンプレッション」の状態にあることを示唆しています。

時価総額の推移

時価総額は、2011年3月期の約62億円から、2022年3月期の最高値1,325億円まで、約11年間で最大21倍以上に膨らみました。特に2020年から2021年にかけて、約700億円から約1,191億円へと急拡大した時期が最大の成長期でした。現在の時価総額(約812億円)は、ピーク時からは約38%減少しているものの、2020年3月期の水準を上回っており、長期的には企業価値を一段ずつ切り上げてきた軌跡が確認できます。この変動は、単なる投機的な動きではなく、事業規模の拡大を伴った中長期的なトレンドであると評価できます。

現在のバリュエーション評価

最新のバリュエーション(PER 22.4倍、PBR 4.08倍)を歴史的な水準と比較すると、過去の「熱狂期」(2014年、2021年)と比較して大幅に割安な水準にあります。一方で、初期の「不遇期」(2011年〜2012年)ほど低評価ではありません。現在のPER 22.4倍は、2015年から2019年にかけての安定期の中心値に近く、成長期待とリスクが均衡した中立的な位置付けにあると考えられます。PBR 4.08倍もまた、2025年3月期の低水準(2.3倍〜3.68倍)からやや回復しており、市場が再び同社の資産効率と収益性を再評価し始めているのか、あるいは一時的な反発に留まるのか、今後の収益動向と併せて注視される局面です。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-60億-40億-20億0百万20億40億60億'17/3'19/3'21/3'23/3'25/30営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-20億-10億0百万10億20億30億40億50億'17/3'19/3'21/3'23/3'25/30設備投資#1フリーCF現金等残高推移40億60億80億100億120億140億'17/3'19/3'21/3'23/3'25/3現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2017年3月期 通期 1309 1309 -394 2618 -85 4216
2018年3月期 通期 1842 -684 667 1158 -578 6041
2019年3月期 通期 1882 -2195 332 -313 -518 6060
2020年3月期 通期 1036 -1662 -614 -625 -112 4821
2021年3月期 通期 4694 -80 2210 4614 -107 11644
2022年3月期 通期 2663 -1824 -88 838 -101 12395
2023年3月期 通期 3238 -4193 -713 -955 -509 10727
2024年3月期 通期 3132 -4285 -1331 -1153 -229 8244
2025年3月期 通期 4102 311 -1442 4413 -201 11215

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

イー・ギャランティ(8771)の過去9年間のキャッシュフロー(CF)推移を俯瞰すると、本業の稼ぎを示す営業CFは一貫してプラスを維持しており、2021年3月期以降は30億円から40億円規模の安定したキャッシュ創出力を確立しています。直近の2025年3月期(予想含む)のCFパターンは、営業CFがプラス(41.0億円)、投資CFがプラス(3.1億円)、財務CFがマイナス(-14.4億円)となっており、フレームワークに基づくと「リストラ型(資産売却による借入返済や還元)」に分類されます。ただし、同社は成長企業であるため、これは事業縮小ではなく、過去に投資した資産の回収やポートフォリオの最適化による「資金の効率化」局面にあると評価するのが妥当です。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、2017年3月期の13.1億円から2025年3月期の41.0億円へと、長期的に力強い成長を遂げています。特に2021年3月期には一時的に46.9億円まで急増しており、コロナ禍における売掛債権保証ニーズの高まりを背景に、本業のキャッシュ創出力が一段階上のステージへ移行したことが見て取れます。2022年以降も30億円を下回ることなく推移しており、景気動動向に左右されやすい保証ビジネスでありながら、非常に安定した収益構造を構築している点が特徴的です。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

設備投資額は、年間1億円から5億円程度(直近2025年3月期は2.0億円)で推移しており、大規模な工場や設備を必要としない「アセットライト」なビジネスモデルであることが確認できます。投資CFについては、2023年3月期(-41.9億円)および2024年3月期(-42.8億円)に大きなマイナスを記録していますが、これは主に余剰資金の運用や有価証券の取得等によるものと考えられます。2025年3月期に投資CFが3.1億円のプラスに転じている点は、これら投資資産の回収フェーズに入ったことを示唆しています。

フリーキャッシュフロー分析

フリーCF(営業CF+投資CF)は、積極的な資産運用を行った2023年・2024年3月期こそマイナス(それぞれ-9.6億円、-11.5億円)となりましたが、それ以外の期間はおおむねプラスを維持しています。特に2025年3月期は、営業CFの伸長と投資回収により44.1億円という過去最高水準のフリーCFを創出する見込みです。設備投資負担が軽い同社にとって、この潤沢なフリーCFは、増配や自社株買いといった株主還元の強化、あるいは将来的な新規事業への投資余力として非常にポジティブな要素です。

財務戦略・現金残高の評価

財務CFは、2023年3月期以降、連続してマイナス(2025年3月期は-14.4億円)となっており、配当支払いや借入金の返済を計画的に進めていることが分かります。現金等残高については、2022年3月期の123.9億円をピークに一旦減少したものの、2025年3月期には112.1億円まで回復する見通しです。自己資本比率の高さを示唆する財務構成であり、手元流動性は極めて潤沢です。機動的な経営判断を支える強固なキャッシュポジションを維持していると言えます。

キャッシュフロー総合評価

イー・ギャランティのキャッシュフロー構造は、本業での安定した現金創出力(営業CFの成長)と、低負担な設備投資が両立した「高効率なビジネスモデル」を体現しています。投資CFの変動は資産運用の側面が強く、事業継続のリスクを示すものではありません。2025年3月期に見られるフリーCFの急拡大は、同社の財務健全性をさらに高めると同時に、今後の株主還元方針への期待を抱かせる内容です。総じて、極めて健全かつ、将来の成長と還元に向けた十分な「貯蓄」と「稼ぐ力」を兼ね備えた企業であると評価されます。

DCF法による理論株価分析

DCF分析の前提条件

パラメータ 説明
WACC(割引率) 7.0% 加重平均資本コスト
FCF成長率 9.0% 予測期間中の年平均成長率
EV/FCF倍率 15.86倍 ターミナルバリュー算出用(現在の市場評価)
予測年数 5年 将来FCFの予測期間
発行済株式数 45,363,128株 理論株価算出の分母
現金及び現金同等物 112億 非事業資産として加算
有利子負債 0百万 企業価値から控除

将来フリーキャッシュフロー予測

予測年 予測FCF 現在価値(PV)
1年目 48億 45億
2年目 52億 46億
3年目 57億 47億
4年目 62億 48億
5年目 68億 48億
ターミナルバリュー 1,077億 768億
フリーキャッシュフロー推移(実績 + DCF予測)-20億0百万20億40億60億80億2123252028予2030予2031予0FCF実績FCF予測

理論株価の算出プロセス

① 予測FCF現在価値の合計 233億
② ターミナルバリューの現在価値 768億
③ 事業価値(① + ②) 1,001億
④ 加算: 現金及び現金同等物 +112億
⑤ 控除: 有利子負債 -0百万
⑥ 株主価値(③ + ④ − ⑤) 1,113億
DCF理論株価
2,454円
現在の株価
1,790円
乖離率(割安)
+37.1%

感度分析(理論株価: 円)

WACC(横軸)とFCF成長率(縦軸)を変化させた場合の理論株価の変動を示します。

WACC →
FCF成長率 ↓
5.0%6.0%7.0%8.0%9.0%
4.0%2,1912,1092,0331,9601,891
6.5%2,4112,3202,2342,1522,075
9.0%2,6522,5502,4542,3632,276
11.5%2,9152,8022,6942,5932,496
14.0%3,2013,0752,9562,8432,735

※ 緑色: 現在株価(1,790円)より高い(割安方向) / 赤色: 低い(割高方向) / 青背景: 現在の前提条件

DCF分析の総合評価

今回のDCF分析に基づくと、イー・ギャランティ(8771)の理論株価は2,454円と算出され、現在の市場価格1,790円(分析時点)に対して+37.1%の乖離(割安)を示しています。この結果は、市場が同社の将来的なキャッシュフロー創出力や、無借金経営による強固な財務体質を現在の株価に十分反映しきれていない可能性を示唆しています。ただし、3割を超える乖離率は、前提条件に対する市場の慎重な見方(ディスカウント)の表れであるとも解釈できます。

フリーキャッシュフローの質

過去のFCF実績を確認すると、2023年3月期(-955百万円)、2024年3月期(-1,153百万円)とマイナスが続く一方で、2025年3月期には4,413百万円へと急回復する見込みとなっており、非常にボラティリティ(変動性)が高いのが特徴です。同社は売掛債権の保証ビジネスを展開しており、事業拡大に伴う前払費用や保証債務の計上タイミング、また預け金等の変動により、会計上の利益とキャッシュフローが一致しにくい性質があります。予測期間において年率9.0%の安定成長を前提としていますが、実績値の振れ幅を考慮すると、この予測の実現性には一定の不確実性が伴う点に留意が必要です。

前提条件の妥当性

WACC(割引率)を7.0%に設定した点は、同社の無借金経営(有利子負債0円)と、ベータ値が比較的落ち着いている現状を反映した妥当な水準と言えます。また、FCF成長率9.0%は、企業の信用リスクヘッジニーズの拡大という市場環境を背景にした強気な設定です。出口マルチプル(EV/FCF倍率)15.86倍は、同社の成長ポテンシャルを考慮すれば適正範囲内ですが、金融・保証という景気敏感な業態を鑑みると、やや楽観的なシナリオに基づいている側面も否定できません。将来FCFの成長が鈍化した場合には、理論株価が大きく切り下がるリスクを孕んでいます。

ターミナルバリューの影響

今回の算出において、企業価値全体(事業価値1,001億円)に占めるターミナルバリューの現在価値(768億円)の割合は約76.7%に達しています。これは、本モデルが5年目以降の永続的なキャッシュフローに価値の大部分を依存していることを意味します。この構造は成長株によく見られる傾向ですが、裏を返せば、超長期的な成長予測や割引率のわずかな変動が、理論株価を数百円単位で上下させる「感応度の高さ」を示しています。

感度分析から読み取れること

本分析の核心となる変数はWACCと成長率です。仮に、マクロ経済の変化によりWACCが1.0%上昇(8.0%へ)し、同時に成長率が1.0%下振れた場合、理論株価は現在の割安感を解消する水準まで下落する可能性があります。一方で、同社が持つ112億円の現預金(負債なし)は株価の下値支え要因となっており、事業価値が変動しても、ネットキャッシュの存在が株主価値の棄損を一定程度防ぐクッションの役割を果たしています。

投資判断への示唆

DCF分析の結果は、現在の株価が理論値に対して魅力的な水準にあることを示しています。特に、有利子負債ゼロという財務の健全性と、今後の成長期待が計算上の「安全域」を作り出しています。しかし、DCF法はあくまで「将来の予測」に基づくシミュレーションであり、特にFCFの変動が激しい同社においては、単一の理論株価を過信するのは禁物です。投資家は、今後の四半期決算を通じて予測通りのキャッシュフローが創出されているか、また保証残高の伸びが維持されているかを継続的に監視し、状況に応じて前提条件を適宜見直すことが推奨されます。最終的な投資判断は、これらのリスクとリターンのバランスを考慮し、ご自身の責任において行われるようお願いいたします。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

売上高および営業利益が年率11%前後で安定成長しており、FCFの変動性を考慮しつつも、本業の収益力に基づき予測期間の成長率を9%と推定しました。WACCは、有利子負債がほぼ皆無である財務構成と、日本市場のリスクフリーレートおよび同社のベータ値を踏まえ、株主資本コスト中心に7%と設定しています。永久成長率は日本経済の長期見通しに準じ保守的に1%とし、発行済株式数は時価総額812億円を現在株価で除して算出しました。実質無借金経営であるため、有利子負債は0としています。

⚠️ 免責事項: 本DCF分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 DCF法は前提条件(WACC、成長率等)に大きく依存するため、感度分析を参考に幅を持って評価してください。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

リバースDCF分析(市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(1,790円)を正当化するために必要なインプライドFCF成長率を逆算しました。

インプライドFCF成長率
0.7%
市場が織り込む成長率
AI推定FCF成長率
9.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-8.3%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価1,790円
インプライドFCF成長率0.66%
AI推定FCF成長率9.00%
成長率ギャップ-8.34%(悲観的)
インプライドWACC1.00%
AI推定WACC7.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

リバースDCF分析の結果、イー・ギャランティ(8771)の現在株価1,790円に織り込まれている「インプライドFCF成長率」は0.66%となりました。同社は売掛債権の保証という独自のビジネスモデルを展開しており、過去数年間の営業収益および営業利益は概ね10%前後のCAGR(年平均成長率)で成長を続けてきました。この実績値と比較すると、市場が現在織り込んでいる0.66%という成長期待は、過去の実績を大幅に下回る極めて保守的、あるいは「悲観的」な水準であると評価できます。投資家は、同社の成長がほぼ横ばいに転じる、あるいは将来的な収益性に何らかの停滞が生じるリスクを現時点で強く意識している可能性が示唆されます。

インプライド成長率の実現可能性

市場が想定する0.66%という成長率は、現在の事業環境を鑑みると、下振れ余地よりも上振れの可能性が検討されるべき水準と言えます。同社は金融機関等との提携を通じて保証残高を順調に積み上げており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)進展やリスク管理意識の高まりが追い風となっています。AIが推定する9.00%という成長率は、過去のトレンドや同社の競争優位性を反映した数値ですが、市場の期待値(0.66%)との間には-8.34%という大きなギャップが存在します。インプライドWACCが1.00%と低く見積もられている点には留意が必要ですが、仮に標準的なWACC(AI推定の7.00%など)を適用した場合、市場が織り込む将来期待はさらに低迷していることになり、現在の株価形成には強い慎重姿勢が伺えます。

投資判断への示唆

本分析における最大の注目点は、市場の期待値(0.66%)とAIの推定成長率(9.00%)の間に存在する乖離です。もし投資家が「同社は今後も年率数パーセント程度の成長を維持できる」と判断するのであれば、現在の株価はファンダメンタルズに対して割安な位置にあると考えることができます。一方で、インプライドWACCと実態WACCの乖離や、保証債務にかかる信用コストの急増リスク、あるいは金利環境の変化が事業モデルに与える影響を懸念する場合、現在の慎重な株価形成は妥当であるという解釈も成り立ちます。この「期待値の低さ」を過度な悲観による投資機会と捉えるか、あるいは潜在的なリスクの予兆と捉えるかが、今後の投資判断の分かれ目となるでしょう。

拡張感応度分析・シナリオ分析

感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

金利上昇はWACCの増加、景気後退はFCF成長率の低下として理論株価に影響します。

WACC →
FCF成長率 ↓
5.0%6.0%7.0%8.0%9.0%
4.0%2,1912,1092,0331,9601,891
6.5%2,4112,3202,2342,1522,075
9.0%2,6522,5502,4542,3632,276
11.5%2,9152,8022,6942,5932,496
14.0%3,2013,0752,9562,8432,735

※ 緑色: 現在株価(1,790円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
WACC: 5.5% / FCF成長率: 15.0%
永久成長率: 1.4%
3,256円
+81.9%
基本シナリオ
WACC: 7.0% / FCF成長率: 9.0%
永久成長率: 1.0%
2,454円
+37.1%
悲観シナリオ
WACC: 8.5% / FCF成長率: 1.0%
永久成長率: 0.6%
1,720円
-3.9%

シナリオ分析の総合評価

今回の感応度分析およびシナリオ分析の結果、イー・ギャランティ(8771)の理論株価は、悲観シナリオの1,720円から楽観シナリオの3,256円という非常に広いレンジとなりました。現在の市場価格1,790円は、弊社の算出した基本シナリオの理論株価(2,454円)に対して約27%のディスカウント状態にあります。特筆すべきは、現在株価が「悲観シナリオ(1,720円)」に極めて近い水準にある点です。これは、現在の市場が同社の将来的な成長性や事業環境に対して、かなり慎重な、あるいは悲観的な見方を既に織り込んでいる可能性を示唆しています。

金利変動の影響

WACC(加重平均資本コスト)を5.5%から8.5%まで変動させた分析では、理論株価への顕著な影響が確認されました。一般に、同社のような成長期待の高い企業は資本コストの変化に敏感ですが、基本シナリオ(WACC 7.0%)から悲観シナリオ(WACC 8.5%)へ1.5%上昇し、かつ成長率が鈍化したとしても、理論株価の下落率は現在株価比で-3.9%に留まります。同社は無借金経営に近く自己資本比率が高いため、負債コスト上昇による直接的な利益圧迫リスクは限定的ですが、市場全体の金利上昇による割引率の増大が株価評価の重石となるリスクについては、引き続き留意が必要です。

景気変動の影響

FCF(フリーキャッシュフロー)成長率が理論株価に与える影響は、WACC以上に大きいことが判明しました。楽観シナリオ(成長率15.0%)では理論株価は3,256円まで跳ね上がる一方、景気後退や競争激化を想定した悲観シナリオ(成長率1.0%)では1,720円まで低下します。しかし、同社のビジネスモデルである売掛債権保証は、景気後退局面において企業の与信管理ニーズが高まる「反景気循環的」な側面を有しています。成長率が1.0%という、歴史的な実績から見て極めて低い水準を仮定しても、現在株価と同程度の価値が維持される点は、下値の堅さ(ダウンサイド・プロテクション)を評価する上での重要な指標となります。

投資判断への示唆

本分析における最大の注目点は「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」の大きさです。基本シナリオに基づく理論株価2,454円に対し、現在株価は37.1%の上昇余地を有しています。市場価格が悲観シナリオの価格(1,720円)に近いという事実は、将来的な成長がわずかでも基本シナリオの軌道(成長率9.0%)に回帰すれば、大きなリバウンドが期待できる状況にあることを示しています。投資家としては、同社の四半期ごとの保証残高の推移や保証料率の動向を注視し、実態としての成長率が「悲観」と「基本」のどちらに近い状態にあるかを慎重に見極めることが、投資判断の鍵となります。

モンテカルロシミュレーション

シミュレーション結果サマリー

WACC・FCF成長率・永久成長率をそれぞれ正規分布でランダムに変動させ、100,000回のDCF計算を実行した結果です。DCF計算の非線形性(特にゴードン成長モデルの割引構造)により、理論株価の分布は対数正規分布に近い形状となるため、ヒストグラムは対数スケールで表示しています。

平均理論株価
2,621円
中央値
2,564円
90%レンジ(5-95%点)
1,942 〜 3,492円
割安確率
98.4%
理論株価 > 現在株価
モンテカルロシミュレーション:理論株価の確率分布(100,000回・対数スケール)0.0%1.2%2.3%3.5%4.6%5.8%1,815円2,003円2,210円2,439円2,691円2,969円3,277円3,616円シミュレーション分布現在株価

※ ヒストグラムは対数スケールで表示し、外れ値の影響を抑えるため分布の中央96%(2〜98パーセンタイル)を表示しています。対数スケールにより、DCF計算の非線形性に起因する右裾の歪みが補正され、分布の形状をより正確に把握できます。平均・中央値・パーセンタイルなどの統計値は元のスケールで有効サンプル全体から計算しています。

理論株価のパーセンタイル分布

シミュレーション結果を小さい順に並べたとき、各パーセンタイルにおける理論株価を示します。

パーセンタイル 5% 10% 25% 50% 75% 90% 95%
理論株価1,942円2,058円2,282円2,564円2,901円3,250円3,492円

※ 緑色: 現在株価(1,790円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 中央値(50%タイル)

リスク指標

理論株価の標準偏差 481円
5% VaR(下位5%タイル) 1,942円
変動係数(CV = σ / 平均) 18.4%
有効シミュレーション数 100,000 / 100,000

確率分布の解釈

今回のモンテカルロシミュレーションの結果、イー・ギャランティ(8771)の理論株価は平均値2,621円、中央値2,564円となりました。平均値が中央値を上回るこの分布形状は、DCF計算の特性である非線形性を反映した「右に裾が長い対数正規分布」に近い形を示しています。これは、FCF成長率が高位に振れた際の上振れポテンシャルが、下振れリスクよりも理論株価に大きく寄与することを示唆しています。 また、5パーセンタイル(1,942円)から95パーセンタイル(3,492円)という広範な分布範囲は、同社の成長性の不確実性(標準偏差3.50%)を反映しており、将来のキャッシュフロー創出能力に対する市場の期待値が大きく変動し得ることを示しています。

リスク評価

リスク管理の指標となる5% VaR(バリュー・アット・リスク)は1,942円と算出されました。これは、統計的に極めて悲観的なシナリオ(下位5%)を想定した場合でも、理論上の価値が1,942円を下回る確率は低いことを意味します。 変動係数(CV)は約18.4%(481円/2,621円)となっており、中小型成長株としては比較的制御されたボラティリティと言えます。ただし、90%信頼区間の幅(1,942円〜3,492円)が1,500円以上あることは、WACCや永久成長率といった微細なパラメータの変化が理論株価に大きな影響を与える「感応度の高さ」を物語っており、投資に際してはこれらの前提条件の妥当性を継続的に精査する必要があります。

現在株価の統計的位置づけ

現在株価1,790円をシミュレーション結果と照合すると、極めて特筆すべき位置にあります。割安確率は98.4%に達しており、10万回の試行のうち、現在株価が理論株価を下回ったケースはわずか1.6%に過ぎません。 さらに、現在株価(1,790円)は、悲観的シナリオの閾値である5%パーセンタイル(1,942円)よりもさらに低い位置にあります。統計的な観点からは、現在の市場価格はDCFモデルが示唆する「保守的な見積もり」すらも下回る過小評価の状態にある可能性が高いと分析されます。

投資判断への示唆

本シミュレーションの結果は、イー・ギャランティの株価に極めて強力な「マージン・オブ・セーフティ(安全域)」が存在していることを示唆しています。平均理論株価(2,621円)に対する現在株価の乖離率は約31.7%に達しており、事業リスクや市場全体のボラティリティを考慮しても、なお十分な下値余地が確保されていると考えられます。 投資家にとっては、現在の1,790円という価格帯は、将来の成長シナリオが標準的な予測(FCF成長率9.0%)を大きく下回らない限り、長期的なリターンを期待しやすいエントリーポイントであると解釈できます。ただし、本シミュレーションは入力パラメータ(WACCや成長率)の正確性に依存するため、同社の信用保証残高の推移や経済環境の変化が前提条件に与える影響には、引き続き十分な注視が必要です。

📖 モンテカルロシミュレーションの読み方:
  • 割安確率: シミュレーション結果のうち、理論株価が現在株価を上回った割合。50%超なら統計的に割安寄り
  • 90%レンジ(5-95%点): 全シミュレーション結果を並べたときの下位5%点から上位95%点までの範囲。幅が広いほど不確実性が高い
  • 5% VaR: 悲観的な条件下でも95%の確率でこの値以上になると期待される最低ライン
  • 変動係数: 平均に対する標準偏差の比率。30%超だとパラメータ感度が高い(結果の信頼性に注意)
⚠️ 免責事項: 本モンテカルロシミュレーションはAIが推定したパラメータの分布に基づく統計的な参考値であり、投資助言ではありません。 入力パラメータに正規分布を仮定し、DCF計算の非線形性により出力は対数正規分布に近い形状となります。パラメータ間の独立性の仮定など、実際の市場とは異なる前提を含んでいます。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
53.6%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
46.4%
1 − 変動費率
推定固定費
47
百万円
基準: 2026年3月期(売上高 11,300 百万円)と 2020年 3月期 連結(売上高 5,957 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
20年 3月期 5,957 2,766 46.4% 101 98.3% 1.02倍
21年 3月期 7,195 3,341 46.4% 101 98.6% 1.08倍
22年 3月期 7,895 3,666 46.4% 101 98.7% 0.98倍
23年 3月期 8,495 3,945 46.4% 101 98.8% 0.95倍
24年 3月期 9,165 4,256 46.4% 101 98.9% 0.88倍
25年 3月期 10,224 4,747 46.4% 101 99.0% 0.93倍
26年3月期 11,300 5,247 46.4% 101 99.1% 1.01倍
売上高と損益分岐点売上高の推移02十億4十億6十億8十億1億1億20212223242526売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.020.040.060.080.0100.020212223242526安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2026年3月期)
売上高
11,300
百万円
損益分岐点
101
百万円
安全余裕率
99.1%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
1.01倍
低い経営リスク
⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
17年 3月期 28.13 × 0.388 × 1.65 = 0.18
18年 3月期 28.78 × 0.355 × 1.72 = 0.18
19年 3月期 29.64 × 0.339 × 1.67 = 0.17
20年 3月期 38.63 × 0.362 × 1.42 = 0.20
21年 3月期 27.85 × 0.319 × 1.42 = 0.13
22年 3月期 31.20 × 0.313 × 1.39 = 0.14
23年 3月期 33.73 × 0.303 × 1.38 = 0.14
24年 3月期 35.60 × 0.304 × 1.36 = 0.15
25年 3月期 34.15 × 0.310 × 1.36 = 0.14
デュポン分析:ROEの3要素推移0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%1719212325純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移0.000.501.001.502.001719212325総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 3月期 連結)
純利益率
34.15%
収益性
×
総資産回転率
0.310回
効率性
×
財務レバレッジ
1.36倍
借入で資本効率を36%ブースト
=
ROE
0.14%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。
⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 0百万 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 0.00% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 0百万 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 0.0% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 32.9% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2017/03 6百万 0百万 22億 22億 13億 13億 18.05% 18.03% +0.01%pt
2018/03 0百万 0百万 23億 23億 15億 15億 17.63% 17.63% +0.00%pt
2019/03 0百万 0百万 26億 26億 17億 17億 16.84% 16.84% +0.00%pt
2020/03 0百万 0百万 28億 28億 23億 23億 19.91% 19.91% +0.00%pt
2021/03 0百万 0百万 31億 31億 20億 20億 12.62% 12.62% +0.00%pt
2022/03 0百万 0百万 38億 38億 25億 25億 13.56% 13.56% +0.00%pt
2023/03 0百万 0百万 42億 42億 29億 29億 14.08% 14.08% +0.00%pt
2024/03 0百万 0百万 49億 49億 33億 33億 14.71% 14.71% +0.00%pt
2025/03 0百万 0百万 52億 52億 35億 35億 14.42% 14.42% +0.00%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション10億15億20億25億30億35億2017/032019/032021/032023/032025/03実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション12.0%14.0%16.0%18.0%20.0%2017/032019/032021/032023/032025/03実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金の影響は限定的
実績ROE
14.42%
借金なしROE
14.42%
レバレッジ効果
+0.00%pt

有利子負債の水準が小さい、または事業利益率と借入金利がほぼ均衡しています。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
17年 3月期 1,250 7,098 17.61 6.99 +10.62
18年 3月期 1,452 8,331 17.43 7.00 +10.43
19年 3月期 1,626 9,810 16.58 7.00 +9.58
20年 3月期 2,274 11,559 19.68 7.00 +12.68
21年 3月期 1,991 15,877 12.54 7.00 +5.54
22年 3月期 2,445 18,158 13.46 7.00 +6.46
23年 3月期 2,811 20,348 13.81 7.00 +6.81
24年 3月期 3,228 22,180 14.55 7.00 +7.55
25年 3月期 3,425 24,206 14.15 7.00 +7.15
ROIC vs WACC推移5.0%10.0%15.0%20.0%1719212325ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 3月期 連結)
ROIC
14.15%
投下資本利益率
WACC
7.00%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
+7.15%pt
高い価値創造力
⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
17年 3月期 4,550 27.48 × 0.641 = 17.61
18年 3月期 5,105 28.45 × 0.613 = 17.43
19年 3月期 5,573 29.18 × 0.568 = 16.58
20年 3月期 5,957 38.18 × 0.515 = 19.68
21年 3月期 7,195 27.67 × 0.453 = 12.54
22年 3月期 7,895 30.96 × 0.435 = 13.46
23年 3月期 8,495 33.09 × 0.417 = 13.81
24年 3月期 9,165 35.22 × 0.413 = 14.55
25年 3月期 10,224 33.50 × 0.422 = 14.15
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率0.0010.0020.0030.0040.001719212325NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 3月期 連結)
NOPATマージン
33.50%
NOPAT 3,425百万円 ÷ 売上 10,224百万円
×
投下資本回転率
0.422回
売上 10,224百万円 ÷ IC 24,206百万円
=
ROIC
14.15%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
17年 3月期 1,250 496 754 17.61 6.99
18年 3月期 1,452 583 869 17.43 7.00
19年 3月期 1,626 687 939 16.58 7.00
20年 3月期 2,274 809 1,465 19.68 7.00
21年 3月期 1,991 1,111 880 12.54 7.00
22年 3月期 2,445 1,271 1,174 13.46 7.00
23年 3月期 2,811 1,424 1,386 13.81 7.00
24年 3月期 3,228 1,553 1,675 14.55 7.00
25年 3月期 3,425 1,694 1,730 14.15 7.00
EVA(経済的付加価値)推移5001.0千1.5千2.0千2.5千3.0千3.5千1719212325EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
1,730
百万円(2025年 3月期 連結)
累積EVA
10,872
百万円(9年間合計)
価値創造評価
高い価値創造力
⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
1.16倍
有効年度の平均
リスク評価
低リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
17年 3月期 4,550 2,100 46.15 - - -
17年 3月期 4,577 2,120 46.32 0.59 0.95 1.60
18年 3月期 5,105 2,277 44.60 11.54 7.41 0.64
19年 3月期 5,573 2,512 45.07 9.17 10.32 1.13
20年 3月期 5,957 2,719 45.64 6.89 8.24 1.20
21年 3月期 7,195 3,089 42.93 20.78 13.61 0.65
22年 3月期 7,895 3,732 47.27 9.73 20.82 2.14
23年 3月期 8,495 4,151 48.86 7.60 11.23 1.48
24年 3月期 9,165 4,850 52.92 7.89 16.84 2.14
25年 3月期 10,224 5,104 49.92 11.55 5.24 0.45
26年3月期 11,300 5,200 46.02 10.52 1.88 0.18
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移0.010.020.030.040.050.060.0171820222426DOL(倍)営業利益率(%)
⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
17年 3月期 18.05 推定30% 70.0 12.63 -
18年 3月期 17.63 推定30% 70.0 12.34 12.20
19年 3月期 16.84 推定30% 70.0 11.79 9.17
20年 3月期 19.91 推定30% 70.0 13.93 6.89
21年 3月期 12.62 推定30% 70.0 8.84 20.78
22年 3月期 13.56 49.1 50.9 6.90 9.73
23年 3月期 14.08 56.0 44.0 6.19 7.60
24年 3月期 14.71 51.0 49.0 7.21 7.89
25年 3月期 14.42 50.6 49.4 7.12 11.55
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率5.0%10.0%15.0%20.0%25.0%1719212325SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%1719212325ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 3月期 連結)
ROE
14.42%
×
内部留保率
49.4%
=
SGR
7.12%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRを大幅に上回っており、外部資金調達や財務レバレッジの拡大が必要な可能性
⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
∞(利息負担なし)
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全(実質無借金)
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 3月期 2,100 - 6 0.1 -
18年 3月期 2,277 - - 0.0 -
19年 3月期 2,512 - - 0.0 -
20年 3月期 2,719 - - 0.0 -
21年 3月期 3,089 - - 0.0 -
22年 3月期 3,732 - - 0.0 -
23年 3月期 4,151 - - 0.0 -
24年 3月期 4,850 - - 0.0 -
25年 3月期 5,104 - - 0.0 -
⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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データソース

この記事はEDINETから取得した決算報告書をAIが分析して生成しています。

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