9560株式会社プログリット||

プログリット(9560) 理論株価分析:積極投資による増収減益と戦略的M&Aの評価 カチノメ

決算発表日: 2026-04-092026年8月期 第2四半期
総合業績スコア
69/100
中立

セクション別スコア

業績成長性65収益性72財務健全性75株主還元60成長戦略85理論株価評価55
業績成長性65
収益性72
財務健全性75
株主還元60
成長戦略85
理論株価評価55

※ 本記事は後半になるにつれて、内容が専門的になるように構成しています。

決算履歴(業績推移)

売上高推移(百万円)0百万20億40億60億80億2017年 2019年 2021年 2023年 2024年 2025年 '26/8売上高利益推移(営業利益・経常利益・当期純利益)-5億0百万5億10億15億2017年 2019年 2021年 2023年 2024年 2025年 '26/80営業利益経常利益純利益利益率推移(%)-30.0%-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%2017年 2019年 2021年 2023年 2024年 2025年 '26/80営業利益率経常利益率純利益率
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 包括利益
2017年 8月期 個別 *11ヶ月 106 - 26 17
2018年 8月期 個別 693 - -146 -145
2019年 8月期 個別 1,711 - 131 120
2020年 8月期 個別 2,183 - 129 78
2021年 8月期 個別 1,981 - -47 -77
2022年 8月期 個別 2,253 326 321 187
2023年 8月期 個別 2,900 460 450 300
2023年 8月期 個別 3,024 497 493 361
2024年 8月期 個別 4,250 750 740 540
2024年 8月期 個別 4,453 824 817 610
2025年 8月期 個別 5,748 1,203 1,208 889
★2026年8月期(予想) 7,100 1,420 1,424 967

※単位: 百万円

利益率推移

営業利益率 = 営業利益÷売上高×100 / 経常利益率 = 経常利益÷売上高×100 / 純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

年度 売上高 (百万円) 営業利益率 (%) 経常利益率 (%) 純利益率 (%)
2017年 8月期 個別 *11ヶ月 106 - 24.53% 16.04%
2018年 8月期 個別 693 - -21.07% -20.92%
2019年 8月期 個別 1,711 - 7.66% 7.01%
2020年 8月期 個別 2,183 - 5.91% 3.57%
2021年 8月期 個別 1,981 - -2.37% -3.89%
2022年 8月期 個別 2,253 14.47% 14.25% 8.30%
2023年 8月期 個別 2,900 15.86% 15.52% 10.34%
2023年 8月期 個別 3,024 16.44% 16.30% 11.94%
2024年 8月期 個別 4,250 17.65% 17.41% 12.71%
2024年 8月期 個別 4,453 18.50% 18.35% 13.70%
2025年 8月期 個別 5,748 20.93% 21.02% 15.47%
★2026年8月期(予想) 7,100 20.00% 20.06% 13.62%

※営業利益率 = 営業利益÷売上高×100、経常利益率 = 経常利益÷売上高×100、純利益率 = 当期純利益÷売上高×100

決算サマリー

2026年8月期 第2四半期(累計)の業績は、売上高3,332百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益701百万円(同12.3%減)、中間純利益485百万円(同17.3%減)となりました。主力事業の堅調な拡大により大幅な増収を達成した一方、広告宣伝費の積極的な投入や人材採用などの先行投資が響き、利益面では前年を下回る結果となりました。

注目ポイント

サブスクリプション事業の躍進

シャドーイング特化型アプリ「シャドテン」を含むサブスクリプション型英語学習サービスの売上高が1,445百万円に達し、前年同期の1,009百万円から約43%増と急成長を遂げています。ストック型収益の拡大は、中長期的な収益基盤の安定化に大きく寄与します。

「Study Hacker」の完全子会社化

2026年4月に「ENGLISH COMPANY」を運営する株式会社スタディーハッカーの買収を発表しました。科学的なアプローチに強みを持つ同社を傘下に収めることで、ターゲット層の拡大と運営ノウハウのシナジーが期待されます。

業界動向

生成AIの台頭により英語教育業界は変革期にありますが、同社はAIを「競合」ではなく「学習効率を高めるツール」と定義しています。ビジネス領域における対人コーチングの需要は依然として高く、AI英会話サービス「ディアトーク」の展開など、テクノロジーを活用した差別化を進めています。

投資判断材料

長期投資家にとっての焦点は、一時的な利益減を伴う「攻めの投資」が、将来のキャッシュフロー最大化に繋がるかという点です。サブスク比率の高まりとM&Aによる規模の経済が、今後の利益率再上昇のトリガーになると考えられます。

セグメント別業績

  • 英語コーチングサービス: 売上高1,887百万円。対面およびオンラインでの高品質な伴走支援が安定成長を維持。
  • サブスクリプション型英語学習サービス: 売上高1,445百万円。ユーザー数の着実な増加により、売上構成比を大きく引き上げています。

財務健全性

自己資本比率は54.2%となり、前期末の50.4%からさらに向上しました。有利子負債も着実に返済が進んでおり、現金同等物も3,559百万円と豊富に保有。成長投資と財務の安定性を高いレベルで両立しています。

配当・株主還元

当中間期において、1株当たり11円の中間配当を実施することを決定しました。成長フェーズにありながらも、株主への利益還元を重視する姿勢を継続しています。

通期業績予想

通期の連結業績予想については、スタディーハッカー社の連結開始に伴う影響を現在精査中としています。既存事業の増収トレンドは継続しており、新体制での業績上積みが期待されます。

中長期成長戦略

「英語コーチングのプログリット」から「テクノロジーで進化する英語学習プラットフォーム」への進化を掲げています。AIを活用した新サービスの開発や、M&Aを通じた周辺領域への拡大により、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図る戦略です。

リスク要因

  • 広告獲得効率の低下: 競争激化による顧客獲得コスト(CPA)の上昇。
  • AI代替リスク: 翻訳・通訳AIの劇的な進化による学習需要の減退。
  • PMIリスク: 買収したスタディーハッカー社との統合プロセスの遅延。

経営陣コメント

岡田社長は、AIの発展をチャンスと捉え、コンサルタントによる伴走(ウェットな支援)とAI(テクノロジー)の融合が、最高の学習成果を生むと自信を示しています。今回の減益は計画的な投資の結果である点を強調しています。

バリュエーション

利益面での減速により、表面的なPERは上昇傾向にありますが、サブスク事業の成長率やM&Aによる連結利益の拡大を考慮すると、将来の収益力に対して依然として再評価の余地がある水準とみられます。

過去決算との比較

直近4四半期では売上高が右肩上がりで推移している点が特徴です。第2四半期は特に広告宣伝費(864百万円)を厚く投じており、これが第3四半期以降の成約数にどう結びつくかが今後の分析の焦点となります。

市場の評判

株式会社プログリットは英語コーチングサービスを提供し、高い顧客満足度と成長性を示しています。同社は2016年に設立され、2022年に東証グロース市場に上場しました。投資家は成長シナリオと高利益率なサービスに注目しています。

詳細リサーチレポート

株式会社プログリット(9560)リサーチレポート

1. 最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年8月期第2四半期(2025年9月-2026年2月)の経常利益:前年同期比12.1%減の7億円. 通期計画の14.2億円に対する進捗率は49.6%と、5年平均の62.6%を下回る.
  • 直近3ヶ月(2025年12月-2026年2月)の経常利益:前年同期比28.5%減の2.5億円. 売上営業利益率は前年同期の25.6%から15.3%に低下.
  • 2026年8月期第1四半期(2025年9月-11月)の経常利益:前年同期比1.1%増の4.5億円. 通期計画に対する進捗率は31.6%で、3年平均の35.5%とほぼ同水準.
  • 2026年8月期中間決算:売上高は33.32億円(前年同期比18.6%増)と成長. 営業利益は7.01億円(同12.3%減)、中間純利益は4.85億円(同17.3%減)と増収減益.
  • 業績予想:通期では増収増益を見込む.
  • CFO谷内亮太氏のコメント:需要期である1月に重点投資が奏功し、単月で全サービスにおいて過去最高の需要を獲得. コンサルタント数が2Qに7名増加し、2Qとして上場以来最も多い増員数を記録. S&M(販売費及び一般管理費)比率は第2四半期をピークに第3四半期、第4四半期と下がっていく見通し.
  • アナリスト予想:アナリストによる業績予想の推移を株価の推移と対比したチャートが提供されている.

2. 業界内での競合ポジションと市場シェア

  • プログリットは英語学習サービス会社で、専任コンサルタントによる3ヶ月集中の英語コーチングサービス「プログリット」を中心に、サブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン」等を提供している.
  • 英語コーチングサービスでは、顧客一人ひとりに専任のコンサルタントがつき、伴走しながら英語学習をサポートする.
  • M&Aによる事業基盤強化:スタディーハッカーの子会社化により、英語コーチング領域で国内最大規模の専門家集団を築き、大量の英語学習データとテクノロジーを活用した学習体験を進化させる.
  • 主要な競合他社:アオバBBT(2464)、Kラーニング(7353).

3. 成長戦略と重点投資分野

  • 成長戦略の柱
- 法人向けビジネスの拡大と深耕. - サブスクリプション型英語学習サービスの機能拡充と会員数増. - 年間1校舎ペースでの新校舎開設、英語コンサルタントの採用・育成強化. - 法人営業部隊の強化による販路の拡大. - プロダクト開発体制の強化(エンジニア、PdMの採用、育成強化). - 「人×テクノロジー」高度化への重点投資. - サービス提供体制の抜本的拡充(設備・人材). - 法人事業の多角化と深耕. - 周辺領域へのM&Aを含む事業拡張.
  • M&A戦略:スタディーハッカーを子会社化し、英語コーチング領域での事業基盤強化とサービス品質の向上を図る.
  • 新規事業:リスニング力向上のためのシャドーイングに特化した英語学習アプリ「シャドテン」を展開.
  • AI活用:ChatGPTを活用したAI英語学習サポートサービス「プログリット先生」を提供.
  • 海外展開:グローバル人材の育成を経営戦略として重視.

4. リスク要因と課題

  • 生成AIの進化の影響:生成AIの進化が事業に与える影響について見解を開示.
  • 競争激化:英語学習市場における競争の激化.
  • コスト増加:投資の強化による利益減少.
  • 債務超過:スタディーハッカーの債務超過の解消.

5. アナリストの評価と目標株価

  • 目標株価:みんかぶによる株価予想では、2026年4月5日時点で「1,300円で【買い】」と評価されている.
  • レーティング:各証券会社のアナリストが個別の銘柄を分析、調査して格付けを行い発表.

6. 最近の重要ニュースやイベント

  • 2026年4月7日:スタディーハッカーの株式取得(連結子会社化)を発表.
  • 2026年4月3日:英単語アプリ『プロワーズ(ProWords)』を無料リリース.
  • 2026年4月2日:本田圭佑氏が率いるサッカークラブ『EDO ALL UNITED』とパートナー契約を締結.
  • 2026年4月1日:執行役員制度の導入およびCPO・CMO新設を発表.
  • 2026年3月27日:NHK「おはよう日本」おはBizコーナーにて取材放送.
  • 2026年3月24日:YouTubeチャンネル『生成AIシゴト密着24時 【DMM公式】』に、当社スピフル責任者 越野が出演.
  • 2026年3月20日:英語を“部位別”に鍛える新たな学習法として、リスニング特化『シャドテン』×スピーキング特化『スピフル』の サービスを紹介.
  • 2026年3月17日:英語コーチング『プログリット』、2026年5月に目黒校を開校.

7. ESG・サステナビリティへの取り組み

  • 現在、具体的なESG・サステナビリティに関する取り組みについての詳細な情報は見つかりませんでした。

8. 配当政策と株主還元

  • 配当方針:半期ごとに配当を支払う.
  • 直近の配当:1株当たり配当は11円. 権利落ち日は2026年2月26日.
  • 次回の配当:1株当たり11円を予定. 権利落ち日は2026年8月28日.
  • 配当利回り:現在の配当利回りは2.86%.
  • 配当金の推移
- 2023年8月期:0円. - 2024年8月期:13円. - 2025年8月期:19円. - 2026年8月期(予想):22円.
  • 株主還元:総還元性向は2025年8月期で60.4%.
  • 自己株式の取得:2025年8月期に2億9987万円の自己株式を取得.

情報源

年度別バリュエーション推移(PBR/PER/時価総額)

株価推移(高値・安値)05001,0001,5002,0002,500'23/8'24/8'25/8最新(株探)高値安値PBR推移(高値・安値・期末PBR)0.0倍5.0倍10.0倍15.0倍20.0倍25.0倍30.0倍'23/8'24/8'25/8最新(株探)PBR高値PBR安値期末PBRPER推移(高値・安値)0倍20倍40倍60倍80倍'23/8'24/8'25/8最新(株探)PER高値PER安値時価総額推移(高値・安値)0億50億100億150億200億250億300億'23/8'24/8'25/8最新(株探)高値安値ROE推移(PBR÷PERで算出・高値同士/安値同士)34.0%35.0%36.0%37.0%38.0%39.0%'23/8'24/8'25/8最新(株探)ROE高値ROE安値
年度 株価高値 株価安値 PER高値 PER安値 PBR高値 PBR安値 時価総額高値 時価総額安値 期末PBR
2023年8月期 2,500 222 79.85 7.08 27.26 2.42 290億2932万 25億5288万 11.68倍
2024年8月期 1,574 818 31.55 16.4 10.99 5.71 193億5672万 97億4032万 8.94倍
2025年8月期 1,449 940 20.37 13.21 7.94 5.15 180億8421万 118億7965万 6倍
最新(株探) 828 - 10.7倍 - 4.08倍 - 105億円 - 4.08倍

ROE算出表(PBR÷PER×100)

PBR = ROE × PER の関係式から逆算。高値同士・安値同士で算出しています。

年度 PBR高値 PER高値 ROE高値(%) PBR安値 PER安値 ROE安値(%)
2023年8月期 27.26 79.85 34.1% 2.42 7.08 34.2%
2024年8月期 10.99 31.55 34.8% 5.71 16.4 34.8%
2025年8月期 7.94 20.37 39.0% 5.15 13.21 39.0%
最新(株探) 4.08倍 10.7倍 38.1% - - -

バリュエーション推移の概要

株式会社プログリット(9560)のバリュエーション推移を概観すると、2023年8月期の急激な期待先行相場から、現在は収益成長に伴うバリュエーションの「適正化(期待の剥落と実需の交錯)」のフェーズにあります。2023年8月期にはPER 79.85倍、PBR 27.26倍という極めて高い期待値が示されましたが、その後、業績の拡大とともに指標は低下傾向にあり、最新データではPER 10.7倍、PBR 4.08倍と、過去3年間で最も保守的な水準まで調整が進んでいます。

PBR分析

PBR(株価純資産倍率)の推移を見ると、資産背景に対する評価が大きく変遷しています。2023年8月期には高値 27.26倍という異例の高評価を記録しましたが、期末時点では11.68倍へと落ち着き、2025年8月期の予想レンジでは5.15倍〜7.94倍へと低下しています。特筆すべきは、最新のPBRが4.08倍となっており、これは2023年8月期の安値2.42倍を除けば、過去3年間のどの期末水準よりも低い位置にある点です。自己資本の蓄積が進む一方で株価が軟調に推移していることが、この倍率低下に寄与しています。

PER分析

PER(株価収益率)は、投資家の成長期待を如実に反映しています。2023年8月期は低値 7.08倍から高値 79.85倍まで激しく変動しましたが、翌2024年8月期には16.4倍〜31.55倍へとレンジが切り下がりました。2025年8月期の予想PERレンジは13.21倍〜20.37倍となっており、最新の10.7倍という数値は、今期の予想下限値(13.21倍)をも下回る水準です。利益成長が継続しているにもかかわらず、PERが低下している現状は、利益に対する市場の評価が慎重になっている、あるいは成長率の鈍化を織り込みに行っている可能性を示唆しています。

時価総額の推移

時価総額は2023年8月期に一時290億2932万円まで膨らみましたが、その後は調整局面に入っています。2024年8月期は概ね100億円から200億円の間(安値 97億4032万〜高値 193億5672万)で推移し、2025年8月期も同様のレンジを維持していました。最新の時価総額は約105億円であり、過去3年間のピーク時と比較すると約3分の1の水準ですが、2024年8月期以降のレンジにおける下限値付近(約100億円前後)が、一つの心理的なサポートラインとして機能している様子が見て取れます。

現在のバリュエーション評価

現在のバリュエーション(PER 10.7倍、PBR 4.08倍)は、同社の歴史的データと比較して極めて低い水準に位置しています。2023年からの推移を考慮すると、期待先行で買われた時期のプレミアムは完全に剥落したと言えます。最新のPER 10.7倍は、2025年8月期の予想安値水準(13.21倍)よりもさらに低く、現在の業績見通しが維持される前提であれば、統計的には過去最も割安感の強い領域にあります。ただし、この低評価が将来の成長減速を予見したものか、あるいは一時的な需給悪化によるオーバーシュート(売られすぎ)であるかは、今後の四半期決算による成長性の証明を待つ必要があります。

キャッシュフロー推移

キャッシュフロー推移(営業CF・投資CF・フリーCF)-5億0百万5億10億15億'20/8'21/8'22/8'23/8'24/8'25/80営業CF投資CFフリーCF設備投資 vs フリーCF(百万円)-2億0百万2億4億6億8億10億'20/8'21/8'22/8'23/8'24/8'25/80設備投資#1フリーCF現金等残高推移0百万10億20億30億40億'20/8'21/8'22/8'23/8'24/8'25/8現金等
年度 四半期 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資#1 現金等
2020年8月期 通期 82 -43 -19 39 - 492
2021年8月期 通期 -86 4 8 -82 - 418
2022年8月期 通期 494 13 31 507 -2 956
2023年8月期 通期 797 -17 240 780 -2 1976
2024年8月期 通期 1077 -83 72 995 -55 3042
2025年8月期 通期 907 -189 -344 718 -61 3416

※単位: 百万円。データ出典: IRBank(irbank.net)

キャッシュフロー推移の概要

株式会社プログリットの2020年8月期から2025年8月期までのキャッシュフロー(CF)推移を概観すると、2021年8月期の落ち込みを底に、急激なV字回復と成長を遂げていることが分かります。直近の2025年8月期においては、営業CFが9.07億円のプラス、投資CFが-1.89億円、財務CFが-3.44億円となっており、CF分析のフレームワークに基づくと、本業で稼いだ資金を投資と負債の返済(または株主還元)に充てる「優良安定型」のパターンに移行しています。上場以降、手元資金を厚くしつつ、規律ある財務運営を行っている様子が伺えます。

営業キャッシュフロー分析

営業CFは、同社のキャッシュ創出力の強さを如実に示しています。2021年8月期には-0.86億円と一時的にキャッシュが流出しましたが、翌2022年には4.94億円とプラスに転じ、2024年8月期には10.77億円と大台を突破しました。2025年8月期は9.07億円と前年比では微減しているものの、高水準を維持しています。この数年間の推移から、本業の英語コーチング事業およびサブスクリプション型サービスの拡大が着実にキャッシュ獲得に結びつくビジネスモデルへと進化・安定化したと評価できます。

投資キャッシュフロー・設備投資分析

投資CFの推移を見ると、同社が「ライトアセット(資産を多く持たない)」な経営を基本としつつ、近年は成長投資を加速させていることが読み取れます。2023年8月期までの設備投資額は年間数百万円程度と極めて抑制されていましたが、2024年8月期は0.55億円、2025年8月期は0.61億円と増加傾向にあります。投資CF全体も2025年8月期には-1.89億円までマイナス幅が拡大しており、将来の成長に向けたソフトウェア開発や拠点整備、あるいは周辺領域への投資に対して、より積極的な姿勢に転じていることが示唆されます。

フリーキャッシュフロー分析

フリーCF(営業CF+投資CF)は、2022年8月期以降、極めて潤沢に推移しています。2022年(5.07億円)、2023年(7.80億円)、2024年(9.95億円)と右肩上がりで成長し、2025年8月期も7.18億円の創出を実現しました。これほど高い水準でフリーCFが継続的に発生していることは、同社が高い株主還元余力を持っていることを意味します。成長投資を継続しながらも、なお手元に自由な資金が残る構造となっており、機動的なM&Aや配当施策の実施が期待できるフェーズにあります。

財務戦略・現金残高の評価

財務戦略においては、極めて保守的かつ健全な運営が際立っています。現金及び現金同等物の残高は、2020年8月期の4.92億円から、2025年8月期には34.16億円へと約7倍に拡大しました。2023年・2024年期は資金調達等により財務CFがプラスとなっていましたが、2025年8月期には-3.44億円とマイナスに転じています。これは、増資や借入による資金調達局面から、蓄積したキャッシュを用いた負債の圧縮、あるいは株主還元へと資金使途がシフトしたことを示しており、財務基盤の盤石化が進んでいます。

キャッシュフロー総合評価

株式会社プログリットのキャッシュフローデータは、成長企業としての理想的な軌道を描いています。2021年の低迷期を脱して以降、営業CFの劇的な改善により、自ら稼ぎ出した資金で投資と財務基盤の強化を賄う「自律的な成長サイクル」を確立しました。34億円を超える豊富な手元流動性は、教育テック領域における新規事業開発や、市場環境の変化に対する強力なバッファーとなります。総じて、同社は財務健全性が極めて高く、次なる成長ステップに向けた投資余力と、安定的な事業運営を両立していると評価されます。

DCF法による理論株価分析

DCF分析の前提条件

パラメータ 説明
WACC(割引率) 9.0% 加重平均資本コスト
FCF成長率 20.0% 予測期間中の年平均成長率
EV/FCF倍率 9.87倍 ターミナルバリュー算出用(現在の市場評価)
予測年数 5年 将来FCFの予測期間
発行済株式数 12,681,159株 理論株価算出の分母
現金及び現金同等物 34億 非事業資産として加算
有利子負債 0百万 企業価値から控除

将来フリーキャッシュフロー予測

予測年 予測FCF 現在価値(PV)
1年目 9億 8億
2年目 10億 9億
3年目 12億 10億
4年目 15億 11億
5年目 18億 12億
ターミナルバリュー 176億 115億
フリーキャッシュフロー推移(実績 + DCF予測)-5億0百万5億10億15億20億2123252028予2030予2031予0FCF実績FCF予測

理論株価の算出プロセス

① 予測FCF現在価値の合計 48億
② ターミナルバリューの現在価値 115億
③ 事業価値(① + ②) 163億
④ 加算: 現金及び現金同等物 +34億
⑤ 控除: 有利子負債 -0百万
⑥ 株主価値(③ + ④ − ⑤) 197億
DCF理論株価
1,554円
現在の株価
828円
乖離率(割安)
+87.7%

感度分析(理論株価: 円)

WACC(横軸)とFCF成長率(縦軸)を変化させた場合の理論株価の変動を示します。

WACC →
FCF成長率 ↓
7.0%8.0%9.0%10.0%11.0%
15.0%1,4241,3771,3331,2911,251
17.5%1,5401,4881,4391,3931,349
20.0%1,6651,6081,5541,5031,454
22.5%1,8011,7381,6781,6221,568
25.0%1,9471,8781,8121,7501,691

※ 緑色: 現在株価(828円)より高い(割安方向) / 赤色: 低い(割高方向) / 青背景: 現在の前提条件

DCF分析の総合評価

株式会社プログリット(9560)のDCF分析結果によれば、理論株価は1,554円と算出されました。現在の株価828円と比較すると、乖離率は+87.7%であり、現在の市場価格はファンダメンタルズに対して「大幅に割安」な水準にあると評価できます。この乖離は、市場が同社の将来的なキャッシュフロー創出能力、あるいは提示された年率20%という成長持続性に対して、極めて慎重な見方をしている可能性を示唆しています。現金等34億円を保有し有利子負債がゼロであるという強固な財務体質も、株主価値の下支え要因となっています。

フリーキャッシュフローの質

過去のフリーキャッシュフロー(FCF)の実績を確認すると、2021年8月期のマイナス82百万円から、2024年8月期には995百万円へと急激な改善を遂げています。特に直近3年間は安定してプラスを維持しており、ビジネスモデルの収益化フェーズが安定期に入ったことを示しています。2025年8月期の予測値(718百万円)が前年比で減少している点は精査が必要ですが、予測1年目以降の年率20%成長の起点としては、実績に基づいた現実的な範囲内であると考えられます。ただし、サービス業特有の人件費増や広告宣伝費の変動がFCFのボラティリティに影響を与える点には留意が必要です。

前提条件の妥当性

本分析ではWACC(加重平均資本コスト)を9.0%に設定しています。これはグロース市場の上場企業として標準的なリスクを反映したものと言えます。一方で、FCF成長率20.0%という前提は、英語コーチング市場の拡大と同社のシェア拡大を前提とした、やや強気のシナリオです。また、出口マルチプル(EV/FCF倍率)の9.87倍は、成長企業のターミナルバリュー算出としては保守的な部類に入ります。総じて、成長率の設定には期待が込められているものの、割引率やマルチプルの設定によってバランスが取られた試算内容となっています。

ターミナルバリューの影響

本分析における事業価値163億円のうち、ターミナルバリュー(TV)の現在価値は115億円に達し、事業価値全体の約70.5%を占めています。これは成長型企業のDCF分析において一般的な傾向ではありますが、企業価値の大部分が5年目以降の不確実な将来予測に依存していることを意味します。出口マルチプルや永久成長率のわずかな変動が理論株価を大きく左右するため、予測期間内(5年以内)の成長だけでなく、その後の事業継続性と競争優位性の維持が極めて重要となります。

感度分析から読み取れること

WACC(9.0%)と成長率(20.0%)のパラメータは、理論株価に対して高い感応度を持っています。仮に市場環境の変化によりWACCが1.0%上昇(10.0%へ)、あるいは成長率が数パーセント下振れた場合、理論株価は1,000円〜1,200円程度まで急速に収束する可能性があります。反対に、現在の株価828円は、WACCが極めて高い、もしくは将来の成長率が1桁台にとどまると市場が織り込んでいる状態と言えます。どの変数が現在の株価を規定しているのか、投資家は自身の予測と比較する必要があります。

投資判断への示唆

本DCF分析は、プログリットが高い成長性を維持し、財務健全性を堅持するというシナリオ下では、現在の株価は非常に魅力的なエントリーポイントであることを示しています。特に有利子負債ゼロという財務の安全性は、金利上昇局面等のマクロ経済リスクに対して強い耐性を持ちます。しかしながら、DCF法はあくまで一定の仮定に基づいたシミュレーションであり、将来の業績を保証するものではありません。英語学習市場の競争激化や、AI技術の台頭による既存サービスの陳腐化といった事業リスクを考慮し、他のバリュエーション指標(PER、PBR等)と併せて多角的に判断することが肝要です。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

FCF成長率は、売上高および営業利益の力強い成長推移(CAGR 30%超)を背景に、今後の事業拡大と収益性向上を考慮して20%と推定しました。WACCは、成長フェーズにあるグロース市場銘柄としてのリスクプレミアムを反映し、標準的な水準よりやや高い9%に設定しています。発行済株式数は時価総額105億円を現在株価で除して算出し、有利子負債は34億円を超える豊富な現預金残高から実質無借金経営と判断し0円としています。永久成長率は、国内の英語学習市場の成熟度を鑑み、日本経済の成長率に準じて保守的に1%としています。

⚠️ 免責事項: 本DCF分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 DCF法は前提条件(WACC、成長率等)に大きく依存するため、感度分析を参考に幅を持って評価してください。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

リバースDCF分析(市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(828円)を正当化するために必要なインプライドFCF成長率を逆算しました。

インプライドFCF成長率
-1.0%
市場が織り込む成長率
AI推定FCF成長率
20.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-21.0%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価828円
インプライドFCF成長率-1.01%
AI推定FCF成長率20.00%
成長率ギャップ-21.01%(悲観的)
インプライドWACC1.00%
AI推定WACC9.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

現在の株価828円に基づき算出されたインプライド成長率は-1.01%となりました。これは、現在の市場が株式会社プログリットの将来的なフリーキャッシュフロー(FCF)に対し、「今後、成長が止まり、微減していく」という極めて慎重、あるいは悲観的な評価を下していることを示唆しています。同社は直近の決算においても高い売上成長率と利益率を維持しており、過去の実績と比較しても、このマイナス成長という市場の期待値は、実態よりも大幅に低く見積もられている可能性があります。

インプライド成長率の実現可能性

市場が織り込んでいる「マイナス1.01%」という成長率の実現可能性を検討すると、現在のビジネス環境下では過度に保守的であると考えられます。プログリットが展開する英語コーチング市場は、リスキリング需要の拡大や法人研修のデジタル化を背景に堅調な推移を見せています。特に、同社が注力するサブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン」の拡大や、AIを活用した学習効率の改善による利益率の向上を考慮すれば、AI推定成長率の20.00%とまではいかずとも、プラス成長を維持する蓋然性は高いと分析されます。市場の期待値と実態との間にある-21.01%という大きな成長率ギャップは、現時点での市場の評価が、企業の競争力や成長ポテンシャルを十分に反映しきれていない可能性を浮き彫りにしています。

投資判断への示唆

今回のリバースDCF分析の結果は、現在の株価828円が、同社の将来的な成長をほとんど織り込んでいない状態であることを示しています。AI推定WACC(資本コスト)が9.00%であるのに対し、現在の株価を正当化するためのインプライドWACCが1.00%という極端な低水準にあることも、株価が何らかの要因で理論的な均衡値から乖離している可能性を示唆しています。もし投資家が「プログリットは今後も年率数パーセント以上の成長を維持できる」と判断するのであれば、現在の株価は割安な水準にあると解釈できます。一方で、競合他社との競争激化や広告宣伝費の増大によるキャッシュフローの悪化を懸念する場合は、慎重な姿勢が求められます。この期待値の乖離を「投資機会」と捉えるか、「将来のリスク」と捉えるか、最終的な判断は自身の投資スタイルに照らして検討されることを推奨します。

拡張感応度分析・シナリオ分析

感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

金利上昇はWACCの増加、景気後退はFCF成長率の低下として理論株価に影響します。

WACC →
FCF成長率 ↓
7.0%8.0%9.0%10.0%11.0%
15.0%1,4241,3771,3331,2911,251
17.5%1,5401,4881,4391,3931,349
20.0%1,6651,6081,5541,5031,454
22.5%1,8011,7381,6781,6221,568
25.0%1,9471,8781,8121,7501,691

※ 緑色: 現在株価(828円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
WACC: 7.5% / FCF成長率: 25.0%
永久成長率: 1.5%
1,912円
+130.9%
基本シナリオ
WACC: 9.0% / FCF成長率: 20.0%
永久成長率: 1.0%
1,554円
+87.7%
悲観シナリオ
WACC: 10.5% / FCF成長率: 10.0%
永久成長率: 0.5%
1,095円
+32.2%

シナリオ分析の総合評価

株式会社プログリット(9560)の理論株価を、楽観・基本・悲観の3つのシナリオで算出した結果、理論株価の範囲は1,095円から1,912円となりました。現在の株価(828円)は、最も保守的な前提を置いた「悲観シナリオ」の理論株価1,095円をも下回る水準に位置しています。基本シナリオ(理論株価1,554円)と比較すると約46.7%の乖離があり、市場価格は将来の成長性やキャッシュフロー創出力に対して、現時点では極めて過小評価されている可能性を示唆しています。

金利変動の影響

本分析において、資本コスト(WACC)を7.5%から10.5%の範囲で設定し、金利変動やリスクプレミアムの変化に対する耐性を評価しました。WACCが基本シナリオの9.0%から10.5%へ上昇(+1.5%)した悲観シナリオにおいても、理論株価は1,000円の大台を維持する計算となります。これは、同社の資本効率の高さが、金利上昇に伴う割引率の増加という下方圧力を一定程度吸収できる構造であることを示しています。ただし、中小型株特有のリスクプレミアムの変動には注視が必要です。

景気変動の影響

フリーキャッシュフロー(FCF)成長率が20.0%(基本)から10.0%(悲観)へと半減するケースを想定した場合でも、理論株価は1,095円となり、現株価を32.2%上回る結果となりました。英語学習市場は景気後退局面でも自己研鑽需要が底堅い傾向にありますが、FCF成長率が想定を大きく下回り、1桁台にまで鈍化する事態となった場合には、さらなる理論株価の下振れリスクを考慮する必要があります。一方で、楽観シナリオ(成長率25.0%)が実現した際の時価総額拡大のポテンシャルは極めて大きいと言えます。

投資判断への示唆

今回の感応度分析において特筆すべきは、「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」の広さです。現株価828円と悲観シナリオの理論株価1,095円との間には、約267円(約32%)の乖離が存在しており、ネガティブな事業環境の変化を一定程度織り込んでもなお、上値余地がある計算となります。投資家としては、現在の株価水準が「成長の鈍化」や「資本コストの上昇」を過度に織り込んでいないかを精査しつつ、同社の高いFCF成長率が持続可能かどうかを見極めることが肝要です。最終的な投資決定は、これらのシナリオの発生確率と、ご自身の投資期間およびリスク許容度を照らし合わせてご判断ください。

モンテカルロシミュレーション

シミュレーション結果サマリー

WACC・FCF成長率・永久成長率をそれぞれ正規分布でランダムに変動させ、100,000回のDCF計算を実行した結果です。DCF計算の非線形性(特にゴードン成長モデルの割引構造)により、理論株価の分布は対数正規分布に近い形状となるため、ヒストグラムは対数スケールで表示しています。

平均理論株価
1,837円
中央値
1,810円
90%レンジ(5-95%点)
1,425 〜 2,339円
割安確率
100.0%
理論株価 > 現在株価
モンテカルロシミュレーション:理論株価の確率分布(100,000回・対数スケール)0.0%1.2%2.3%3.5%4.6%5.8%1,343円1,459円1,585円1,722円1,870円2,032円2,207円2,398円シミュレーション分布現在株価

※ ヒストグラムは対数スケールで表示し、外れ値の影響を抑えるため分布の中央96%(2〜98パーセンタイル)を表示しています。対数スケールにより、DCF計算の非線形性に起因する右裾の歪みが補正され、分布の形状をより正確に把握できます。平均・中央値・パーセンタイルなどの統計値は元のスケールで有効サンプル全体から計算しています。

理論株価のパーセンタイル分布

シミュレーション結果を小さい順に並べたとき、各パーセンタイルにおける理論株価を示します。

パーセンタイル 5% 10% 25% 50% 75% 90% 95%
理論株価1,425円1,501円1,638円1,810円2,006円2,207円2,339円

※ 緑色: 現在株価(828円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 中央値(50%タイル)

リスク指標

理論株価の標準偏差 281円
5% VaR(下位5%タイル) 1,425円
変動係数(CV = σ / 平均) 15.3%
有効シミュレーション数 100,000 / 100,000

確率分布の解釈

本モンテカルロシミュレーションの結果、株式会社プログリット(9560)の理論株価は平均値1,837円、中央値1,810円となりました。平均値が中央値を上回るこの分布特性は、DCF計算の構造的な非線形性に起因する「対数正規分布」に近い形状を示しています。これは、FCF成長率が高まる、あるいはWACCが低下するなどのポジティブなシナリオにおいて、理論株価が上方に大きく伸長しやすい性質を持っていることを意味します。理論株価の90%信頼区間(5〜95パーセンタイル)は1,425円から2,339円の範囲に収束しており、入力パラメータの変動に対して理論値がある程度の厚みを持って分散していることが確認できます。

リスク評価

リスク指標としての5% VaR(バリュー・アット・リスク)は1,425円と算出されました。これは、成長率の鈍化や資本コストの上昇といった悲観的な条件下が重なった場合(下位5%のケース)でも、理論上の価値は1,425円を下回る確率が極めて低いことを示唆しています。また、変動係数(CV)は約15.3%(標準偏差281円 ÷ 平均1,837円)であり、20%という高いFCF成長率を前提としている割には、理論株価のボラティリティは比較的抑制されていると評価できます。ただし、パーセンタイル分布の幅(914円)は、将来の成長予測に対する不確実性が理論株価に一定の影響を与えることを示しています。

現在株価の統計的位置づけ

現在株価828円は、シミュレーションで得られた理論株価の分布において「割安確率100%」という極めて特異な位置にあります。具体的には、最も悲観的なシナリオである5パーセンタイル値(1,425円)を大きく下回っており、統計学的な観点からは現在の市場価格が理論的価値の最下限にさえ到達していない状態です。現在株価は中央値(1,810円)の約45%の水準に留まっており、市場が想定している成長シナリオやリスク認識が、本シミュレーションの前提条件(平均成長率20%等)と比較して著しく保守的、あるいは過度に悲観的である可能性を示唆しています。

投資判断への示唆

以上の結果から、マージン・オブ・セーフティ(安全域)の観点では、非常に強力な投資妙味が示唆されています。現在株価828円と平均理論株価1,837円との乖離率は約55%に達しており、下振れリスクに対するクッションは統計上極めて強固です。本シミュレーションの妥当性は「FCF成長率:平均20%」という前提の実現可能性に大きく依存しますが、この成長シナリオが概ね妥当であると判断する場合、現在の株価水準は極めて過小評価されていると言えます。投資家としては、同社の事業モデルのスケール性や競合優位性が、この高い成長率を維持するのに十分であるかを精査することが、次の重要なステップとなるでしょう。

📖 モンテカルロシミュレーションの読み方:
  • 割安確率: シミュレーション結果のうち、理論株価が現在株価を上回った割合。50%超なら統計的に割安寄り
  • 90%レンジ(5-95%点): 全シミュレーション結果を並べたときの下位5%点から上位95%点までの範囲。幅が広いほど不確実性が高い
  • 5% VaR: 悲観的な条件下でも95%の確率でこの値以上になると期待される最低ライン
  • 変動係数: 平均に対する標準偏差の比率。30%超だとパラメータ感度が高い(結果の信頼性に注意)
⚠️ 免責事項: 本モンテカルロシミュレーションはAIが推定したパラメータの分布に基づく統計的な参考値であり、投資助言ではありません。 入力パラメータに正規分布を仮定し、DCF計算の非線形性により出力は対数正規分布に近い形状となります。パラメータ間の独立性の仮定など、実際の市場とは異なる前提を含んでいます。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS/BPSベース理論株価分析

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 77.40円 1株あたり利益
直近BPS 202.94円 1株あたり純資産
1株配当 22.00円 年間配当金
EPS成長率 28.0% 予測期間中の年平均
割引率 11.0% 将来EPSの割引率
想定PER 10.70倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 202.94 77.40 22.00 55.40 258.34 38.14 0.00 10.70 3.21 77.40 828
2027年8月 258.34 99.07 22.00 77.07 335.41 38.35 28.00 10.70 3.16 89.25 1,060
2028年8月 335.41 126.81 22.00 104.81 440.22 37.81 28.00 10.70 3.08 102.92 1,357
2029年8月 440.22 162.32 22.00 140.32 580.54 36.87 28.00 10.70 2.99 118.69 1,737
2030年8月 580.54 207.77 22.00 185.77 766.31 35.79 28.00 10.70 2.90 136.86 2,223
ターミナル 1319.32
PER×EPS 理論株価
828円
+0.0%
DCF合計値
1,844.44円
+122.8%
現在の株価
828円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 525.12円
ターミナルバリュー現在価値 1319.32円(全体の71.5%)
DCF合計理論株価 1,844.44円

EPS/BPSモデルの総合評価

本モデルによる分析の結果、株式会社プログリット(9560)の現在株価828円は、直近の「PER×EPS理論株価」である828円と完全に一致しており、現状の利益水準に対しては極めて妥当な市場評価を受けていると言えます。一方で、将来の利益成長を現在価値に割り引いた「DCF合計理論株価」は1,844.44円と算出されました。これは現在株価に対して+122.8%という大幅な乖離を示しており、市場が将来の成長ポテンシャルを未だ十分に織り込んでいない、あるいは成長の持続性に対して慎重な姿勢を崩していない可能性を示唆しています。

ROE推移の見通し

特筆すべきは、同社の極めて高いROE(自己資本利益率)の水準です。2026年8月期の38.14%から、内部留保によるBPS(1株純資産)の蓄積が進む2030年8月期においても35.79%という、極めて高い資本効率を維持する予測となっています。通常、BPSが増大するにつれてROEは低下傾向を辿りますが、本モデルの前提となる28.0%の利益成長が実現する場合、同社は資産を積み増しながらも高い収益性を維持できる「高効率なビジネスモデル」を維持することを意味します。これは、同社が人的資本やブランド力といった無形資産を源泉に利益を生み出す、アセットライトな経営を実現していることの証左と言えるでしょう。

前提条件の妥当性

本モデルではEPS成長率を28.0%、割引率を11.0%と設定しています。英語コーチング市場における同社のシェア拡大や、DX推進による利益率向上を考慮すれば、28.0%の成長率は意欲的ながらも、近年の成長軌道から乖離した数字ではありません。また、想定PER10.70倍という設定は、一般的なグロース株のPER水準と比較すると極めて保守的です。成長率28.0%に対してPER10.70倍(PEGレシオ約0.38倍)という評価は、将来の不確実性や小規模キャップ特有の流動性リスクを十分に織り込んだ慎重な設定であると評価できます。

投資判断への示唆

以上の分析を踏まえると、現在の株価828円は「現状の業績に対しては適正だが、将来の成長力に対しては過小評価されている」という構図が浮かび上がります。投資家にとっての主たる論点は、モデルの前提となっている「年率28.0%の利益成長」が5年間にわたり継続可能かどうか、という点に集約されます。ターミナルバリューがDCF合計の大きな割合を占めていることから、中長期的な競争優位性が維持されると考えるならば、現在のバリュエーションは魅力的な水準に見える一方、成長の鈍化やROEの大幅な低下を懸念するならば、慎重な見極めが必要となります。最終的な投資判断は、これらの成長シナリオの確度とリスク許容度に基づき、読者の皆様において行われるべきものです。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

過去3年間のEPS成長率は年率50%を超えており非常に強力だが、成長の鈍化傾向とモデルの制約範囲を考慮し、持続可能な水準として28%と推定した。同社はグロース市場上場の小規模企業であり、事業のボラティリティに伴うリスクプレミアムを考慮し、割引率は標準よりやや高い11%に設定した。現在のPERが10倍台と低水準であることは、将来の成長持続性に対する市場の慎重な見方を反映しているが、実績ベースの収益拡大能力は極めて高いと判断される。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

EPS成長率0%が続く場合の理論株価

将来のEPS成長率を0%(横ばい)と仮定した場合の試算です。本編のベースシナリオとは前提が異なります。

理論株価モデルの前提条件

パラメータ 説明
直近EPS 77.40円 1株あたり利益
直近BPS 202.94円 1株あたり純資産
1株配当 22.00円 年間配当金
EPS成長率 0.0% 予測期間中の年平均
割引率 11.0% 将来EPSの割引率
想定PER 10.70倍 理論株価算出に使用

EPS/BPS予測と理論株価

年度 期首BPS EPS 配当 自己資本増加 期末BPS ROE(%) EPS成長率(%) PER(倍) PBR(倍) DCF 理論株価
2026年8月 202.94 77.40 22.00 55.40 258.34 38.14 0.00 10.70 3.21 77.40 828
2027年8月 258.34 77.40 22.00 55.40 313.74 29.96 0.00 10.70 2.64 69.73 828
2028年8月 313.74 77.40 22.00 55.40 369.14 24.67 0.00 10.70 2.24 62.82 828
2029年8月 369.14 77.40 22.00 55.40 424.54 20.97 0.00 10.70 1.95 56.59 828
2030年8月 424.54 77.40 22.00 55.40 479.94 18.23 0.00 10.70 1.73 50.99 828
ターミナル 491.48
PER×EPS 理論株価
828円
+0.0%
DCF合計値
809.01円
-2.3%
現在の株価
828円

DCF内訳

予測期間EPS現在価値合計(5年分) 317.53円
ターミナルバリュー現在価値 491.48円(全体の60.8%)
DCF合計理論株価 809.01円

0%成長シナリオの意味

本モデルにおけるEPS成長率0%のシナリオは、株式会社プログリットが今後、新規顧客の獲得や単価アップ、あるいは新規事業の寄与による利益拡大が一切止まり、現状の収益水準(EPS 77.40円)を維持し続けると仮定した「ワーストケース」あるいは「保守的なボトムライン」を想定した分析です。

計算結果によれば、成長率を0%と置いた場合の理論株価(PER×EPSベース)は828円となり、現在の市場価格(828円)と完全に一致しています。また、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)ベースの理論株価も809.01円(乖離率-2.3%)と、現行株価に極めて近い水準にあります。これは、現在の株価水準が「将来の成長をほぼ織り込んでいない、あるいは極めて慎重な期待値に基づいている」状態、言い換えれば、現状の利益を維持するだけで十分に正当化しうる価格帯であることを示唆しています。

ベースシナリオとの対比

本編のベースシナリオである成長率約28.0%と比較すると、本シナリオとの差異は「成長プレミアム」の有無として顕著に現れます。ベースシナリオでは、高い成長期待によって理論株価は現行水準を大幅に上回ることが予想されますが、本0%成長シナリオではその上乗せ分をすべて排除しています。

特筆すべきはROE(自己資本利益率)の推移です。EPSを一定(77.40円)とし、配当(22.00円)を除いた利益が内部留保としてBPS(1株当たり純資産)を押し上げるため、ROEは初年度の38.14%から2030年には18.23%へと大幅に低下する試算となっています。これは、成長機会を失った企業が利益を再投資できずに資本効率を悪化させる典型的な挙動を示しています。ベースシナリオとの対比において、同社が「成長し続けること」が資本効率の維持および株価水準の維持・向上にどれほど不可欠であるかが浮き彫りになります。

留意点

本モデルは、入力された特定の前提条件(割引率11.0%、想定PER10.70倍など)に基づいたシミュレーションであり、将来の株価を保証するものではありません。実際の市場では、成長率が鈍化した場合には期待PERが低下し、さらなる株価の下押し圧力となる可能性がある一方、配当性向の引き上げや自己株式取得などの資本政策によって、EPSの底上げが図られる可能性も排除できません。

また、本シナリオはサンドボックス分析としての「仮定」であり、実際の同社の事業環境や競争優位性、市場動向をすべて反映しているわけではありません。投資に際しては、これらの数値モデルを一つの指標としつつ、事業の定性的な進捗やマクロ経済環境の変化を総合的に勘案し、最終的な判断はご自身の責任で行っていただく必要があります。

パラメータ推定の根拠(AI分析)

過去3年間のEPS成長率は年率50%を超えており非常に強力だが、成長の鈍化傾向とモデルの制約範囲を考慮し、持続可能な水準として28%と推定した。同社はグロース市場上場の小規模企業であり、事業のボラティリティに伴うリスクプレミアムを考慮し、割引率は標準よりやや高い11%に設定した。現在のPERが10倍台と低水準であることは、将来の成長持続性に対する市場の慎重な見方を反映しているが、実績ベースの収益拡大能力は極めて高いと判断される。

⚠️ 免責事項: 本理論株価分析はAIが推定したパラメータに基づく参考値であり、投資助言ではありません。 EPS成長率・割引率・PER等の前提条件により結果は大きく変動します。 実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

拡張感度分析: WACC × FCF成長率(理論株価: 円)

WACC(加重平均資本コスト)は、株主資本コストと負債コストを資本構成比率で加重平均した「企業の資金調達コスト」です。WACCが高いほど将来キャッシュフローの現在価値は低くなり、理論株価は下がります。FCF成長率は、営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた「企業が自由に使えるキャッシュ(フリーキャッシュフロー)」が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準のWACC(9.0%)とFCF成長率(20.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

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拡張感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

割引率は、将来の利益やキャッシュフローを現在価値に換算するための率で、投資家が求めるリターン(期待収益率)に相当します。割引率が高いほど将来利益の現在価値は低くなり、理論株価は下がります。EPS成長率は、1株当たり利益(EPS: Earnings Per Share)が年率何%で伸びるかの想定値です。

基準の割引率(11.0%)とEPS成長率(28.0%)から±100bpの範囲で、1%刻みの理論株価をシミュレーションします。

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拡張感度分析: PER × EPS(理論株価: 円)

PER(株価収益率)は、株価が1株あたり利益(EPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PERが高いほど市場がその企業の将来成長に高い期待を持っていることを意味します。EPS(1株あたり利益)は、企業の純利益を発行済株式数で割った値で、1株あたりの収益力を表します。

基準のPER(10.7倍)とEPS(77円)から、PERは1倍刻み(±100倍)・EPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

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拡張感度分析: PBR × BPS(理論株価: 円)

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍で評価されているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると、株価が解散価値を下回っていることを意味し、割安と判断される場合があります。BPS(1株あたり純資産)は、企業の純資産を発行済株式数で割った値で、1株あたりの解散価値を表します。

基準のPBR(4.1倍)とBPS(203円)から、PBRは0.1倍刻み(±10.0倍)・BPSは1%刻み(±100%)の理論株価をシミュレーションします。

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残留利益モデル分析(Residual Income Model)

残留利益モデル(Residual Income Model)

残留利益モデルは、現在のBPS(1株純資産)に将来の「超過利益」の現在価値を加算して理論株価を算出します。 株主資本コストを上回るROEを持続できる企業ほど、BPSに大きなプレミアムが付きます。

理論株価 = BPS₀ + Σ[(ROEₜ − r) × BPSₜ₋₁ / (1+r)ᵗ] + TV/(1+r)ⁿ

前提条件

パラメータ 説明
直近BPS 202.94円 1株あたり純資産(出発点)
直近EPS 77.40円 1株あたり利益
株主資本コスト (r) 11.0% 株主の要求収益率(エクイティチャージの基準)
EPS成長率 28.0% 予測期間中の年平均
1株配当 22.00円 年間配当金(BPS蓄積に影響)
予測年数 5年 個別予測期間

残留利益の年次予測

年度 期首BPS EPS ROE(%) エクイティチャージ 残留利益 PV(残留利益) 期末BPS
2026年8月 202.94 77.40 38.14 22.32 55.08 49.62 258.34
2027年8月 258.34 99.07 38.35 28.42 70.65 57.34 335.41
2028年8月 335.41 126.81 37.81 36.90 89.92 65.75 440.22
2029年8月 440.22 162.32 36.87 48.42 113.89 75.03 580.54
2030年8月 580.54 207.77 35.79 63.86 143.91 85.40 766.31
ターミナル 残留利益の永続価値: 1,308.27円 → PV: 776.4円 776.40
理論株価の構成
現在BPS
202.94円
簿価部分
+
残留利益PV合計
333.14円
超過利益の現在価値
+
ターミナルPV
776.4円
永続価値の現在価値
=
RIM理論株価
1,312円
+58.5%
現在の株価: 828円
残留利益モデル:ROEとエクイティチャージの推移10.0%15.0%20.0%25.0%30.0%35.0%40.0%2627282930ROE(%)株主資本コスト(11.0%)
残留利益と現在価値の推移40円60円80円100円120円140円160円2627282930残留利益(円)PV(残留利益)(円)
📖 残留利益モデルの読み方:
  • 残留利益 > 0(ROE > 株主資本コスト)→ 企業はBPS以上の価値を創出。理論株価 > BPS となりプレミアム付与
  • 残留利益 < 0(ROE < 株主資本コスト)→ 資本効率が不十分。理論株価 < BPS となりディスカウント
  • DCF法との違い: RIMはBPS(純資産)を出発点とするため、資産ベースの評価に強く、安定企業・金融機関の評価に適しています

残留利益の評価

株式会社プログリットの残留利益モデル(RIM)による分析結果を見ると、同社の卓越した価値創造力が浮き彫りになっています。株主資本コスト(r)を11.0%と設定しているのに対し、予測期間におけるROEは35%〜38%台と極めて高い水準を維持しています。残留利益は2026年8月期の55.08円から2030年8月期には143.91円へと約2.6倍に拡大する試算となっており、事業から生み出される利益が資本コストを大幅に上回り続けています。これは、同社が単に利益を上げているだけでなく、株主の期待収益を超える「超過利潤」を効率的に創出できるビジネスモデルを有していることを示唆しています。

BPSプレミアム/ディスカウントの解釈

本モデルから算出された理論株価1,312円は、直近のBPS(202.94円)に対して約6.46倍の評価を与えています。この大きなプレミアムは、同社の資産背景(PBR 1倍相当分)よりも、将来の収益力に基づく「見えない資産」が企業価値の大半を占めていることを表しています。理論株価の内訳を見ると、現在のBPSが約15%、5年間の残留利益PVの合計(333.14円)が約25%、そしてターミナルバリューのPV(776.40円)が約60%を占めています。価値の源泉が将来の成長と高い資本効率に強く依存しているため、高ROEの継続性が理論株価の妥当性を支える鍵となります。

他の評価手法との比較

本モデルによる理論株価1,312円に対し、現在株価は828円となっており、乖離率は+58.5%と大幅な割安感を示しています。これをPER(株価収益率)の観点で見ると、2026年8月期予想EPS(77.40円)に対する現在株価のPERは約10.7倍に留まります。一般にEPS成長率が28.0%と高い企業において、PERが成長率を下回る水準(PEGレシオ1倍割れ)にあることは、DCF法(キャッシュフロー基準)においても本RIM同様に「過小評価」と判定される可能性が高いです。一方で、RIMは会計上の利益をベースとするため、同社のような資産を多く持たない「アセットライト」な教育サービス業においては、高いROEが強調されやすく、保守的なDCF法よりも強気な理論価格が算出される傾向にあります。

投資判断への示唆

RIMの結果は、市場が現在、同社の将来成長性や資本効率の持続性をかなり慎重に(あるいは過小に)見積もっている可能性を示唆しています。理論株価1,312円と現在株価828円のギャップをどう解釈するかが投資判断の分かれ目となります。具体的には、「28%のEPS成長が維持できるか」「ROE35%超という高い資本効率が競合他社の参入等で毀損されないか」という点が論点です。もしこれらの前提が妥当であると考えるならば、現在の株価水準は魅力的なエントリーポイントに見えるでしょう。一方で、株主資本コスト11.0%という設定が、同社の事業リスクや流動性リスクに対して十分であるかについても、投資家各自で精査する必要があります。

⚠️ 注意: 残留利益モデルの結果は、EPS成長率・株主資本コスト・BPSの前提条件に大きく依存します。 また、会計基準の違い(日本基準/IFRS)によりBPSの定義が異なる場合があります。投資判断の際は他の手法と合わせてご検討ください。

リバースDCF分析(EPSベース・市場の期待値)

市場が織り込んでいる成長期待

現在の株価(828円)を正当化するために必要なインプライドEPS成長率を逆算しました。

インプライドEPS成長率
0.7%
市場が織り込む成長率
AI推定EPS成長率
28.0%
ファンダメンタル分析ベース
成長率ギャップ
-27.3%
悲観的

リバースDCF詳細

現在の株価828円
インプライドEPS成長率0.74%
AI推定EPS成長率28.00%
成長率ギャップ-27.26%(悲観的)
インプライド割引率1.00%
AI推定割引率11.00%
📖 読み方:
  • インプライド成長率 > AI推定成長率 → 市場は楽観的。期待通りの成長が実現しなければ株価下落リスク
  • インプライド成長率 < AI推定成長率 → 市場は悲観的。実態より過小評価されている可能性
  • 両者がほぼ一致 → 市場の評価はファンダメンタルに整合的

市場の期待値の評価

株式会社プログリット(9560)の現在の株価828円に基づくと、市場が織り込んでいるインプライドEPS成長率はわずか0.74%にとどまっています。これに対し、AIが推定するEPS成長率は28.00%となっており、両者の間には-27.26%という極めて大きな成長率ギャップが存在します。この数値は、現在の市場が同社の将来性に対して非常に「悲観的」な評価を下していることを示唆しています。また、インプライド割引率が1.00%と極端に低い水準にあることは、市場が将来のキャッシュフローに対して非常に保守的な見積もりを行っている、あるいは株価が何らかの要因で理論的な均衡水準から乖離している可能性を示しています。

インプライド成長率の実現可能性

市場が想定する「年率0.74%の成長」という水準は、英語コーチング市場の拡大や同社が推進するDX戦略、サブスクリプション型サービス(シャドテン等)の成長性を考慮すると、極めて保守的な目標と言えます。同社はテクノロジーを活用した高利益率のビジネスモデルへの転換を図っており、AI推定の28.00%という成長率は、過去の成長実績や中期経営計画の方向性に沿った野心的な数字です。もし同社が今後、AI推定に近い2桁成長を維持できるのであれば、現在の市場の期待値(0.74%)は実態を大幅に下回っていることになり、現在の株価には十分な「安全域」が含まれていると解釈することも可能です。一方で、この乖離は競合激化やマクロ経済環境の変化による需要減退など、市場が独自の懸念を織り込んでいる結果とも考えられます。

投資判断への示唆

リバースDCF分析の結果は、現在の株価が「将来の成長をほとんど織り込んでいない」状態にあることを浮き彫りにしています。投資家にとっての主眼は、AI推定の28.00%という高成長が現実的か、あるいは市場の0.74%という慎重な見方が妥当かを見極めることにあります。今後の決算発表において、EPSが市場の期待を上回るペースで拡大していることが確認されれば、評価の修正(リレイティング)が起こる可能性があります。しかし、インプライド割引率とAI推定割引率(11.00%)の乖離も考慮すると、資本コストや市場流動性の観点からも慎重な分析が求められます。最終的な投資判断にあたっては、成長の持続性とともに、これらの数値乖離が解消される要因が何かを多角的に検討することが重要です。

感応度分析・シナリオ分析

感度分析: 割引率 × EPS成長率(理論株価: 円)

金利上昇は割引率の増加、景気後退はEPS成長率の低下として理論株価に影響します。

割引率 →
EPS成長率 ↓
9.0%10.0%11.0%12.0%13.0%
23.0%1,7321,6671,6051,5461,491
25.5%1,8591,7881,7211,6581,598
28.0%1,9921,9171,8441,7761,711
30.5%2,1342,0521,9741,9011,831
33.0%2,2832,1952,1122,0321,957

※ 緑色: 現在株価(828円)より高い(割安) / 赤色: 低い(割高) / 青背景: 現在の前提条件

シナリオ分析(楽観・基本・悲観)

金利環境・景気動向の変化に応じた3つのシナリオで理論株価を比較します。

楽観シナリオ
割引率: 9.5% / EPS成長率: 34.0%
2,300円
+177.7%
基本シナリオ
割引率: 11.0% / EPS成長率: 28.0%
1,844円
+122.8%
悲観シナリオ
割引率: 12.5% / EPS成長率: 22.0%
1,476円
+78.3%

シナリオ分析の総合評価

今回のシナリオ分析の結果、株式会社プログリット(9560)の理論株価は、悲観シナリオの1,476円から楽観シナリオの2,300円という極めて高いレンジで算出されました。特筆すべきは、現在株価(828円)が最も保守的な評価である悲観シナリオ(1,476円)を大幅に下回っている点です。基本シナリオにおける理論株価1,844円との比較では約122.8%の乖離があり、現在の市場価格は、同社が今後成長鈍化やリスク増大に直面するという悲観的な想定さえも、さらに下回る水準で評価されている可能性を示唆しています。

金利変動の影響

割引率は投資家が求める期待収益率を反映しており、金利上昇局面では上昇する傾向にあります。本分析では、割引率が9.5%から12.5%まで変動する設定となっています。基本シナリオ(11.0%)から悲観シナリオ(12.5%)へと割引率が1.5%上昇し、同時に成長率が低下した場合、理論株価は1,844円から1,476円へと約20%低下します。高成長企業である同社にとって、将来キャッシュフローを現在価値に割り戻す際の割引率の変動は、理論株価の感応度を高くする要因となっており、マクロ経済環境(特に資本コストの上昇)が株価評価の重石となるリスクには留意が必要です。

景気変動の影響

EPS成長率は、同社のビジネスモデルの拡大スピードと市場環境を反映します。楽観シナリオ(34.0%)から悲観シナリオ(22.0%)まで、12ポイントの成長率幅を想定しました。成長率が28.0%から34.0%へと加速する楽観シナリオでは、理論株価は2,300円に達し、現在株価に対して+177.7%ものアップサイドが算出されています。同社は英語コーチング市場で高いブランド力を有していますが、景気後退による個人消費の冷え込みがサービスの成約率に影響を与え、EPS成長率が想定の22.0%をさらに下回るような事態となれば、理論価格の前提が根本から変わる可能性も排除できません。

投資判断への示唆

以上の分析結果は、現在の株価水準が同社のファンダメンタルズおよび成長期待に対して、過度に保守的な評価となっている可能性を浮き彫りにしています。悲観シナリオですら現在株価を78.3%上回る結果となっており、理論上は相応の「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」が確保されていると考えられます。しかしながら、実際の投資判断においては、算出された数値の妥当性のみならず、同社が20%を超える高いEPS成長率を今後数年間にわたり維持できるかという事業継続性や、流動性リスク、市場全体の需給動向を慎重に見極めることが重要です。本データは一つの推計であり、最終的な判断は自身の投資方針に照らして検討されることを推奨します。

限界利益分析(CVP分析)

高低点法による費用構造の推定

売上高が最大の年度と最小の年度を比較し、総費用(売上高−営業利益)の変化から変動費率と固定費を推定します。

推定変動費率
74.9%
売上高に対する変動費の割合
推定限界利益率
25.1%
1 − 変動費率
推定固定費
239
百万円
基準: 2025年 8月期 個別(売上高 5,748 百万円)と 2022年 8月期 個別(売上高 2,253 百万円)の比較

年度別 限界利益指標

年度 売上高 限界利益 限界利益率 損益分岐点 安全余裕率 経営レバレッジ
22年 8月期 個別 2,253 565 25.1% 954 57.7% 1.73倍
23年 8月期 個別 2,900 728 25.1% 954 67.1% 1.58倍
23年 8月期 個別 3,024 759 25.1% 954 68.5% 1.53倍
24年 8月期 個別 4,250 1,066 25.1% 954 77.6% 1.42倍
24年 8月期 個別 4,453 1,117 25.1% 954 78.6% 1.36倍
25年 8月期 個別 5,748 1,442 25.1% 954 83.4% 1.20倍
売上高と損益分岐点売上高の推移01十億2十億3十億4十億5十億6十億222323242425売上高(百万円)損益分岐点(百万円)
安全余裕率と経営レバレッジの推移0.020.040.060.080.0100.0222323242425安全余裕率(%)経営レバレッジ(倍)
直近年度の損益分岐点分析(2025年 8月期 個別)
売上高
5,748
百万円
損益分岐点
954
百万円
安全余裕率
83.4%
十分な安全余裕
経営レバレッジ
1.20倍
低い経営リスク

費用構造の評価

本分析における株式会社プログリットの推定変動費率は74.9%、限界利益率は25.1%となっています。この数値から、同社の事業構造は比較的「変動費型」の特性を有していると評価できます。英語コーチングという人的サービスを主軸としているため、売上の増加に伴いコーチの増員や広告宣伝費といった変動的なコストが一定比率で発生する構造が示唆されます。一方で、推定固定費は239百万円と売上規模に対して抑制されており、効率的な本部運営やプラットフォーム活用による低コストな固定費構造を維持していることが、高い収益性の源泉となっていると考えられます。

損益分岐点と安全余裕率

損益分岐点売上高は954百万円と推定されます。これに対し、直近の2024年8月期(実績ベース)の売上高は4,453百万円に達しており、損益分岐点を大幅に上回る推移を見せています。特筆すべきは安全余裕率の劇的な改善です。2022年8月期の57.7%から、2025年8月期の予想値では83.4%にまで上昇する見込みです。安全余裕率が30%を超えると収益が非常に安定していると判断されますが、同社の80%超という数値は、仮に売上高が8割減少したとしても赤字に転落しない理論上の耐性を備えていることを示しており、極めて強固な財務的レジリエンスを有していると評価できます。

経営レバレッジとリスク

経営レバレッジは、2022年8月期の1.73倍から2025年8月期予想の1.20倍へと低下傾向にあります。一般に経営レバレッジが高いほど、売上の増減が営業利益に与えるインパクトが大きくなります(ハイリスク・ハイリターン)。同社のレバレッジ低下は、売上高の急拡大に対して固定費が相対的に小さくなっていることを反映しています。これは「爆発的な利益成長のフェーズ」から、売上増が着実に利益として積み上がる「安定成長のフェーズ」へ移行していることを示唆します。売上変動に対する利益の感応度が下がることで、景気後退などの外部ショックに対するリスク耐性はさらに高まっていると言えます。

投資判断への示唆

限界利益分析の結果から、株式会社プログリットは、低い固定費負担を背景とした極めて高い安全性を備えつつ、売上の拡大をダイレクトに利益成長へ結びつけるビジネスモデルを確立していることが分かります。2025年8月期にかけて売上高が5,748百万円まで拡大する中で、安全余裕率が拡大し続けている点は、成長投資を継続しながらも収益の柱が揺るぎないものとなっている証左と言えます。投資家としては、この高い収益安定性を評価しつつ、今後の成長持続性の鍵となる「限界利益率25.1%の維持(=サービス単価の維持とコスト管理能力)」および「新規顧客獲得の推移」を注視することが重要です。なお、本分析は高低点法に基づく推定値であり、実際の費用構成の変化により変動する可能性がある点にご留意ください。

⚠️ 注意: 本分析は高低点法による推定値です。実際の変動費・固定費は有価証券報告書の費用明細と異なる場合があります。 費用構造が大きく変化した期間を含む場合、推定精度が低下する可能性があります。投資判断の際は他の指標と合わせてご確認ください。

デュポン分析(ROE分解)

ROEの3要素分解(デュポン分析)

ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ に分解し、収益性の源泉を可視化します。

年度 純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍) = ROE(%)
20年 8月期 個別 3.57 × 1.875 × 6.85 = 0.46
21年 8月期 個別 -3.89 × 1.918 × 6.54 = -0.49
22年 8月期 個別 8.30 × 1.492 × 3.70 = 0.46
23年 8月期 個別 10.34 × 1.104 × 2.41 = 0.27
24年 8月期 個別 12.71 × 1.094 × 2.17 = 0.30
25年 8月期 個別 15.47 × 1.281 × 1.98 = 0.39
デュポン分析:ROEの3要素推移-5.0%0.0%5.0%10.0%15.0%20.0%2021222324250純利益率(%)ROE(%)
総資産回転率と財務レバレッジの推移1.002.003.004.005.006.007.00202122232425総資産回転率(回)財務レバレッジ(倍)
直近年度のROE構成(2025年 8月期 個別)
純利益率
15.47%
収益性
×
総資産回転率
1.281回
効率性
×
財務レバレッジ
1.98倍
借入で資本効率を98%ブースト
=
ROE
0.39%
株主資本利益率
📊 ROE変動の主因: 直近の変動は主に「純利益率」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROEに直結しています。

ROEの質の評価

株式会社プログリットのROE(自己資本利益率)は、2025年8月期予想で39%(0.39)と、極めて高い水準を維持する見通しです。特筆すべきは、ROEを構成する要素が「財務レバレッジ主導」から「純利益率主導」へと劇的に変化している点です。初期(2020年〜2021年)は高い財務レバレッジがROEを下支えしていましたが、直近では純利益率が15.47%(2025年予想)まで上昇し、収益性の向上がROEの主要な源泉となっています。借入に頼らず、本業の稼ぐ力によって高い資本効率を実現しており、ROEの「質」は大幅に改善していると評価できます。

財務レバレッジの影響

財務レバレッジは、2020年8月期の6.85倍から2025年8月期予想の1.98倍へと大幅に低下しています。これは、事業の成長に伴う利益蓄積によって自己資本が厚くなり、負債への依存度が低下していることを示しています。かつてのようなレバレッジによるROEのブースト効果は弱まっていますが、一方で財務的な安全性は飛躍的に高まりました。1.98倍という水準は、過剰なリスクを取ることなく、健全な資本構成で効率的な経営を行っていることを示唆しています。

トレンド分析

過去5年間の推移を見ると、明確な構造変化が読み取れます。

  • 純利益率の劇的改善:2021年8月期の赤字(-3.89%)を底に、2025年には15.47%まで一貫して上昇。高付加価値サービスの浸透や運営効率の向上が推察されます。
  • 総資産回転率の下げ止まり:2020年の1.875回から2024年には1.094回まで低下しましたが、2025年予想では1.281回へと反転の兆しを見せています。これは拡大した資産規模に対して、売上が再び効率的に拡大し始めているサインです。
  • 収益構造の安定化:「高レバレッジ・低利益率」から「低レバレッジ・高利益率」へと移行しており、外部環境の変化に強い強固な経営体質へ進化しています。

投資判断への示唆

デュポン分析の結果から、同社は「効率性(回転率)」や「財務戦略(レバレッジ)」でROEを稼ぐ段階から、「収益性(純利益率)」で稼ぐ成長フェーズへと完全に移行したと言えます。2025年予想のROE 0.39(39%)は、日本株全体の平均を大きく上回る水準であり、高い資本効率を維持しています。投資家としては、今後この高い純利益率が持続可能なのか、また、下げ止まりを見せた総資産回転率が再び上昇基調に乗るかどうかが、さらなる株主価値向上の鍵となると考えられます。財務基盤が安定した中での高ROE体質をどう評価するかが、投資判断の焦点となるでしょう。

⚠️ 注意: デュポン分析の数値はIRBankから取得した財務データに基づいています。 会計基準(日本基準/IFRS)の違いにより、株主資本の定義が異なる場合があります。

借金が利益に与える影響分析

有利子負債の概要

項目 説明
有利子負債 3億 銀行借入・社債等の利息付き負債
推定金利 1.50% 営業利益と経常利益の差から推定
推定支払利息 4百万 有利子負債 × 推定金利
利息 / 純利益 比率 0.4% 純利益に対する利息負担の大きさ
推定実効税率 26.4% 1 − (純利益 / 経常利益) から推定

「もし借金がなかったら」年度別シミュレーション

有利子負債による支払利息を除外した場合の仮想利益を試算しています。

年度 有利子負債 推定利息 経常利益
実績
経常利益
借金なし
純利益
実績
純利益
借金なし
ROE
実績
ROE
借金なし
レバレッジ
効果
2020/08 3億 5百万 1億 1億 78百万 81百万 45.88% 15.75% +30.13%pt
2021/08 3億 4百万 -47百万 -43百万 -77百万 -74百万 -48.73% -16.59% -32.15%pt
2022/08 2億 5百万 3億 3億 2億 2億 45.83% 28.91% +16.93%pt
2023/08 2億 10百万 5億 5億 3億 3億 27.47% 24.38% +3.10%pt
2024/08 2億 10百万 7億 8億 5億 5億 30.20% 28.21% +1.99%pt
2025/08 3億 4百万 12億 12億 9億 9億 39.32% 35.51% +3.80%pt
純利益推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-2億0百万2億4億6億8億10億2020/082021/082022/082023/082024/082025/080実績純利益借金なし純利益ROE推移: 実績 vs 借金なしシミュレーション-60.0%-40.0%-20.0%0.0%20.0%40.0%60.0%2020/082021/082022/082023/082024/082025/080実績ROE借金なしROE
レバレッジ効果の評価(直近年度)
借金が利益を増やしている(レバレッジ効果あり)
実績ROE
39.32%
借金なしROE
35.51%
レバレッジ効果
+3.80%pt

事業利益率が借入金利を上回っており、借金によるレバレッジが株主リターン(ROE)を押し上げています。

借金の利益インパクト

株式会社プログリットの直近(2025年8月期予想ベース)における有利子負債は3億円であり、それに対する推定支払利息は約4百万円です。これを利益面から見ると、利息の純利益に対する比率はわずか0.4%に留まっており、借入金による利息負担が最終的な利益を圧迫する懸念は極めて低いと言えます。シミュレーション上、仮に借金が全くなかった場合でも、純利益は実績の9億円から大きく変動せず、現在の収益構造において負債コストは十分にコントロール可能な範囲内に収まっています。

レバレッジ効果の評価

財務レバレッジの効果をROE(自己資本利益率)で評価すると、直近の分析では+3.80%ptのプラス効果が出ています。実績ROEが39.32%に対し、借金がないと仮定した場合のROEは35.51%となる計算です。過去の推移を見ると、赤字を計上した2021年8月期を除き、一貫して借入が株主リターン(ROE)を押し上げる「正のレバレッジ」が働いています。特に創業初期に近い2020年8月期には+30.13%ptという極めて高いレバレッジ効果を発揮しており、負債を有効に活用して急成長を実現してきた過程が伺えます。現在は自己資本の蓄積に伴いレバレッジの倍率は落ち着きつつありますが、依然として株主効率を高める財務構成を維持しています。

財務戦略の考察

同社の推定借入金利は1.50%程度と低水準に抑えられている一方、事業から生み出される経常利益(2025年8月期で12億円)は負債総額の4倍に達しています。英語コーチングというビジネスモデル特有の資産効率の良さ(アセットライトな経営)を背景に、極めて高い資本効率を実現しています。同業他社と比較しても、この高いROE水準を維持しながら1%台の金利で資金を調達できている点は、金融機関からの信用力の高さを示唆しています。現在の3億円という負債水準は、キャッシュフロー創出能力に対して非常に保守的であり、将来的な事業拡大や新規投資に向けた追加融資の余力も十分に保持していると判断されます。

投資家へのポイント

投資判断における注目点は、同社が「低コストの負債」を「高利回りの事業」に投じることで、着実に株主価値を向上させている点です。現在の財務リスクは限定的であり、むしろ過剰なキャッシュの蓄積によるROEの低下を防ぐための適切な負債活用がなされています。今後の注目ポイントとしては、さらなる成長に向けた大規模な投資(広告宣伝、システム開発、M&Aなど)に際し、この健全な財務レバレッジをどのように活用していくかが挙げられます。一方で、業績が悪化した場合にはレバレッジがマイナスに働く(2021年8月期のようにROEを押し下げる)リスクも内包しているため、高い成長性と利益率が維持されるかどうかが、引き続き投資判断の重要な鍵となります。

⚠️ 注意事項: 本分析は営業利益と経常利益の差額から支払利息を推定しており、実際の支払利息とは異なる場合があります。 営業外収支には受取利息・配当金・為替差損益等も含まれるため、あくまで参考値としてご活用ください。 また、借金を全額返済した場合の実際の影響は資金調達構造の変化を伴うため、単純なシミュレーションとは異なります。

ROIC分析(投下資本利益率)

ROIC(投下資本利益率)推移

ROIC = NOPAT(税引後営業利益)÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)。資本コスト(WACC)を上回れば価値を創造していると評価できます。

年度 NOPAT(百万円) 投下資本(百万円) ROIC(%) WACC(%) スプレッド(%pt)
20年 8月期 個別 0 515 0.00 2.72 -2.72
21年 8月期 個別 0 446 0.00 9.26 -9.26
22年 8月期 個別 190 657 28.91 4.79 +24.12
23年 8月期 個別 307 1,258 24.38 6.61 +17.77
24年 8月期 個別 547 1,940 28.21 6.83 +21.38
25年 8月期 個別 885 2,511 35.26 6.38 +28.88
ROIC vs WACC推移0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%202122232425ROIC(%)WACC(%)
直近年度のROIC評価(2025年 8月期 個別)
ROIC
35.26%
投下資本利益率
WACC
6.38%
加重平均資本コスト
=
スプレッド
+28.88%pt
高い価値創造力

ROIC水準の評価

株式会社プログリットのROIC(投下資本利益率)は、2020年・2021年8月期の0%台から、2022年8月期には28.91%へと劇的な改善を遂げています。その後も20%台後半の極めて高い水準を維持しており、2025年8月期の予想では35.26%に達する見通しです。一般的なサービス業や教育・コーチング業界のROIC水準が概ね10%前後で推移することを踏まえると、同社の資本効率は極めて高いと言えます。これは、大規模な設備投資を必要としないアセットライトなビジネスモデルに加え、英語コーチングやサブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン」等の高付加価値なサービス展開により、NOPAT(税引後営業利益)を効率的に創出できていることが要因と考えられます。

ROIC-WACCスプレッド分析

企業の資本コストであるWACC(加重平均資本コスト)とROICの差を示す「ROIC-WACCスプレッド」に注目すると、2022年8月期以降、明確な価値創造フェーズに入っています。2021年8月期まではスプレッドがマイナス(価値破壊)の状態にありましたが、2022年以降は+20%ptを超える大幅なプラス圏で推移しています。2025年8月期の予想スプレッドは+28.88%ptと、前年比でさらに拡大する見込みであり、投下資本を拡大させながら(2022年:657百万円→2025年予:2,511百万円)利益率も向上させるという、理想的な成長曲線を描いています。これは、事業規模の拡大に伴う「規模の経済」が働きつつ、資本コストを大幅に上回るリターンを安定的に稼ぎ出す力が強まっていることを示唆しています。

投資家へのポイント

本分析を踏まえた投資判断のポイントは、以下の3点に集約されます。第一に「資本効率の持続性」です。2025年予想のROIC 35%超という数字は、成長企業のなかでも際立った水準ですが、市場の成熟や競合他社の参入が進むなかで、この高水準をどこまで維持・拡大できるかが焦点となります。第二に「投下資本の成長スピード」です。同社はNOPATを急速に伸ばしながら投下資本も積み増しており、生み出したキャッシュを効率的に再投資に回せているかが重要です。第三に「WACCの安定性」です。現在は6%台で推移していますが、金利環境の変化や株価のボラティリティが資本コストに与える影響を注視する必要があります。これらの資本効率指標と、中長期的な売上成長の持続性を照らし合わせることが、投資判断の鍵となります。

⚠️ 注意: WACCは簡易推定値です(株主資本コスト7%想定、負債コストは推定支払利息から算出)。 実際のWACCはCAPMや市場データに基づくより精緻な計算が必要です。

ROIC逆ツリー分析

ROIC逆ツリー分解

ROIC = NOPATマージン × 投下資本回転率 に分解し、収益性の改善ドライバーを特定します。

年度 売上高(百万円) NOPATマージン(%) × 投下資本回転率(回) = ROIC(%)
20年 8月期 個別 2,183 0.00 × 4.239 = 0.00
21年 8月期 個別 1,981 0.00 × 4.442 = 0.00
22年 8月期 個別 2,253 8.43 × 3.429 = 28.91
23年 8月期 個別 2,900 10.57 × 2.305 = 24.38
24年 8月期 個別 4,250 12.88 × 2.191 = 28.21
25年 8月期 個別 5,748 15.40 × 2.289 = 35.26
ROIC逆ツリー: NOPATマージンと投下資本回転率0.005.0010.0015.0020.00202122232425NOPATマージン(%)投下資本回転率(回)
ROIC逆ツリー分解(2025年 8月期 個別)
NOPATマージン
15.40%
NOPAT 885百万円 ÷ 売上 5,748百万円
×
投下資本回転率
2.289回
売上 5,748百万円 ÷ IC 2,511百万円
=
ROIC
35.26%
📊 ROIC変動の主因: 直近の変動は主に「NOPATマージン」の変化によるものです。本業の収益力の変化がROICに直結しています。

ROIC変動要因の分解

株式会社プログリットのROIC(投下資本利益率)推移を分析すると、2020年から2021年の0.00%という水準から、直近では30%前後という非常に高い水準で推移しており、収益性が劇的に向上していることが分かります。

この変動の主因は、分析結果にも示されている通り「NOPATマージンの継続的な改善」にあります。2022年8月期の8.43%から、2025年8月期には15.40%(予想含む)へと、約1.8倍に拡大しています。これは、英語コーチングという高付加価値サービスの展開に加え、サブスクリプション型モデルの浸透やDX(デジタルトランスフォーメーション)によるオペレーション効率の向上が寄与していると考えられます。

一方で、投下資本回転率は2021年8月期の4.442回から2024年8月期の2.191回へと低下傾向にありました。これは、上場に伴う自己資本の増強や将来の成長に向けた積極的な投資により、投下資本(分母)が拡大したためと推測されます。しかし、2025年8月期には2.289回と反転の兆しを見せており、拡大した資本を再び効率的に売上へ変換するフェーズに移行しつつあります。

改善ドライバーの特定

今後、同社がROICをさらに向上、あるいは高水準で維持するために注力すべき要素は以下の2点に集約されます。

  • NOPATマージンのさらなる追求(収益性の深化): 主因であるマージンは15.40%まで上昇していますが、既存事業のスケールメリットを活かしつつ、広告宣伝費の最適化やAI活用による人的コストの抑制を通じて、このマージンをどこまで高められるかが鍵となります。
  • 投下資本回転率の安定化と向上(資産効率の最適化): これまではマージンの改善が回転率の低下を補う形でROICを押し上げてきました。今後は、過剰な手元資金の活用(株主還元や機動的なM&Aなど)や、資産を持たないビジネスモデル(ライトアセット)の徹底により、2.3回前後で停滞している回転率を再上昇させることができれば、ROIC 40%超えも視野に入る可能性があります。

投資家へのポイント

ROIC逆ツリー分析から見えるプログリットの経営力は、単なる規模の拡大ではなく、「収益性の質」を重視した成長にあります。

2025年8月期の予測ROIC 35.26%という数値は、一般的な日本企業の平均を大きく上回る極めて高い資本効率を示しています。投資家としては、以下の点に注目して今後の進捗を確認することが重要です。

  • 高いNOPATマージンが、競合他社との差別化(ブランド力や顧客満足度)によって維持可能なものであるか。
  • 低下傾向にあった投下資本回転率が底打ちし、資本の有効活用が進んでいるか。
  • 高水準なROICを背景に、創出されたキャッシュが次の成長投資や株主還元へどのように配分されるか。

マージン主導のROIC向上は、ブランド力を持つ企業の典型的な成長パターンですが、一方で市場環境の変化やコスト増の影響を受けやすい側面もあります。同社の高い資本効率が持続的な競争優位性に裏打ちされたものか、あるいは一時的な効率化によるものか、今後の財務データと市場動向を注視する必要があります。

EVA(経済的付加価値)分析

EVA(経済的付加価値)推移

EVA = (ROIC − WACC) × 投下資本。資本コストを超えるリターンを生み出し、株主価値を真に創造しているかを測定する指標です。

年度 NOPAT(百万円) 資本コスト(百万円) EVA(百万円) ROIC(%) WACC(%)
20年 8月期 個別 0 14 -14 0.00 2.72
21年 8月期 個別 0 41 -41 0.00 9.26
22年 8月期 個別 190 31 158 28.91 4.79
23年 8月期 個別 307 83 224 24.38 6.61
24年 8月期 個別 547 133 415 28.21 6.83
25年 8月期 個別 885 160 725 35.26 6.38
EVA(経済的付加価値)推移-20002004006008001.0千2021222324250EVA(百万円)NOPAT(百万円)
EVA評価サマリー
直近EVA
725
百万円(2025年 8月期 個別)
累積EVA
1,467
百万円(6年間合計)
価値創造評価
高い価値創造力

EVAの推移と評価

株式会社プログリットのEVA(経済的付加価値)は、2020年8月期から2021年8月期にかけてはマイナス圏(-14百万円から-41百万円)で推移していました。この時期はROIC(投下資本利益率)が0%であり、事業から得られるリターンが資本コストを下回る「価値破壊」の状態にありました。しかし、2022年8月期にEVAは158百万円とプラスに転じ、以降は急速な拡大基調にあります。

特筆すべきは、会計上の利益(NOPAT)の成長スピードが資本コストの増加を大幅に上回っている点です。2024年8月期にはEVAが415百万円に達し、2025年8月期の予測では725百万円と、さらなる飛躍が見込まれています。これは、同社が単に規模を拡大させているだけでなく、投下した資本に対して極めて効率的に利益を創出できる体質へと変貌を遂げたことを示唆しています。

価値創造力の持続性

企業の価値創造力を測る「ROICとWACCの差(エクイティ・スプレッド)」に注目すると、2022年以降は常に20ポイント近い、あるいはそれを上回るプラス幅を維持しています。2025年8月期の予測ROICは35.26%に達する見込みであり、WACC(6.38%)との乖離は拡大傾向にあります。

この高いROICの維持は、同社のビジネスモデルが過度な資本投下を必要としない「アセットライト」な特性を持ちつつ、英語コーチング市場において高い付加価値(単価設定や顧客満足度)を提供できている証左といえます。累積EVAが1,467百万円に達していることから、一過性の利益成長ではなく、構造的に価値を生み出すフェーズに入っていると評価できます。

投資家へのポイント

本分析結果を踏まえた投資判断のポイントは以下の3点に集約されます。

  • 資本効率の高さ: 2024年8月期のROICが28.21%と非常に高く、株主から預かった資本を増殖させる能力が極めて高い水準にあります。
  • 成長の質: 2025年8月期予測におけるEVAの大幅増(725百万円)は、利益の質が伴った成長であることを示しています。会計上の黒字だけでなく、真の経済的利益が拡大している点はポジティブな材料といえます。
  • 市場期待との乖離: WACCが6%台で推移しているのに対し、ROICがその5倍以上の水準で推移している現実は、現在の事業モデルが極めて強固であることを示唆しますが、今後の競争激化や市場環境の変化によってこのスプレッドが維持できるかどうかが、中長期的な株価形成の鍵となります。

以上のEVA分析は、同社の過去から現在までの資本効率を明確に示していますが、将来の株価パフォーマンスを保証するものではありません。事業計画の達成精度や市場動向を併せて考慮し、慎重にご判断ください。

⚠️ 注意: EVAは簡易推定値です。WACCは株主資本コスト7%想定に基づく簡易計算であり、 正確なEVA算出にはβ値やリスクフリーレートの精緻な設定が必要です。

営業レバレッジ分析

営業レバレッジ度(DOL)推移

DOL = 営業利益変化率 ÷ 売上高変化率。売上が1%変化したとき営業利益が何%変化するかを示し、固定費比率の高さ(経営リスク)を表します。

平均DOL
1.64倍
有効年度の平均
リスク評価
低リスク
DOL≤2: 低 / 2-5: 中 / 5+: 高
年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%) 売上変化率(%) 営業利益変化率(%) DOL(倍)
22年 8月期 個別 2,253 326 14.47 - - -
23年 8月期 個別 2,900 460 15.86 28.72 41.10 1.43
23年 8月期 個別 3,024 497 16.44 4.28 8.04 1.88
24年 8月期 個別 4,250 750 17.65 40.54 50.91 1.26
24年 8月期 個別 4,453 824 18.50 4.78 9.87 2.07
25年 8月期 個別 5,748 1,203 20.93 29.08 46.00 1.58
営業レバレッジ度(DOL)と営業利益率の推移0.05.010.015.020.025.0222323242425DOL(倍)営業利益率(%)

費用構造の特徴

株式会社プログリットの平均DOL(営業レバレッジ度)は1.64倍と算出されており、基準値である2.0を下回る「低リスク・変動費型」のビジネスモデルに分類されます。英語コーチングおよびサブスクリプション型英語学習サービスを展開する同社は、校舎運営費や基幹システム維持費といった固定費を抱える一方で、広告宣伝費やコンサルタントの人件費といった、売上の増減に応じて調整可能な変動費の比率が比較的高い構造であると推察されます。2022年8月期の営業利益率14.47%から、2025年8月期予想の20.93%へと着実に収益性が向上している点は、売上拡大に伴う固定費の吸収が進んでいることを示唆していますが、営業レバレッジ自体は低水準に抑えられており、急激な利益変動を伴わない堅実なコスト管理がなされていることが特徴です。

景気変動への感応度

DOLの推移を見ると、1.26倍から2.07倍の範囲で推移しており、業績のボラティリティ(振れ幅)は限定的です。これは、売上高が大きく成長した2024年8月期(売上変化率40.54%)においても、営業利益の変化率が50.91%に留まっていることからも見て取れます。仮に景気後退局面で売上が減少した場合でも、固定費の負担が重すぎて赤字が急拡大するといったリスクは、高レバレッジな企業と比較して低いと考えられます。一方で、好況期に売上が爆発的に伸びたとしても、利益がそれ以上の倍率で跳ね上がる「レバレッジ効果」は限定的であり、業績は売上の成長スピードに概ね連動する形で推移する性質を持っています。

投資家へのポイント

本分析に基づくリスク評価は「低リスク」であり、収益の安定性と成長の持続性を重視する投資家にとって注目すべき指標となっています。特に注目すべきは、低い営業レバレッジを維持しながらも、営業利益率が5ポイント以上(14.47%から20.93%)改善している点です。これは、単なる固定費のレバレッジに頼るのではなく、サービス単価の適正化やオペレーションの効率化など、事業の質的向上が利益成長を牽引している可能性を示しています。急激な下振れリスクを抑制しつつ、売上の拡大とともに着実に利益を積み上げられる構造にあると言えますが、将来的に固定費比率の高い新規事業への投資や大規模な拠点拡大が行われた場合には、このバランスが変化する可能性がある点には留意が必要です。以上の数値を踏まえ、同社の安定的な成長性とリスク耐性をどのように評価するかが投資判断の要となります。

⚠️ 注意: 営業レバレッジ度は前年比の変化率から算出しており、売上や利益が急変する年度では極端な値になることがあります。 複数年の平均値での評価を推奨します。

持続的成長率分析(SGR)

持続的成長率(SGR)推移

SGR = ROE × 内部留保率。外部からの資金調達なしで持続可能な売上成長率を示します。実際の成長率と比較することで、成長の持続可能性を評価します。

年度 ROE(%) 配当性向(%) 内部留保率(%) SGR(%) 実際成長率(%)
20年 8月期 個別 45.88 推定30% 70.0 32.12 -
21年 8月期 個別 -48.73 推定30% 70.0 -34.11 -9.25
22年 8月期 個別 45.83 0.0 100.0 45.83 13.73
23年 8月期 個別 27.47 0.0 100.0 27.47 28.72
24年 8月期 個別 30.20 26.1 74.0 22.33 46.55
25年 8月期 個別 39.32 26.7 73.3 28.83 35.25
持続的成長率(SGR)vs 実際の売上成長率-40.0%-20.0%0.0%20.0%40.0%60.0%2021222324250SGR(%)実際成長率(%)
ROEと配当性向の推移-60.0%-40.0%-20.0%0.0%20.0%40.0%60.0%2021222324250ROE(%)配当性向(%)
持続的成長率の評価(2025年 8月期 個別)
ROE
39.32%
×
内部留保率
73.3%
=
SGR
28.83%
📊 成長持続性の評価: 実際の成長率がSGRをやや上回っており、持続性に注意が必要

SGR水準の評価

株式会社プログリットの持続的成長率(SGR)は、2024年8月期の22.33%から2025年8月期(予想)には28.83%へと上昇する見込みです。この推移の主因は、配当性向を約26%台で維持しながらも、ROE(自己資本利益率)が30.20%から39.32%へと大幅に向上している点にあります。2022年〜2023年期は内部留保率100%(無配)によって高いSGRを維持していましたが、直近では株主還元を開始した上で、本業の収益性向上(ROEの上昇)によってSGRを再加速させている点が特徴的です。高ROEがSGRを下支えする、極めて効率的な経営体制といえます。

成長の持続可能性

実際の売上成長率とSGRを比較すると、2024年8月期の実際成長率46.55%に対しSGRは22.33%であり、2025年8月期予想でも実際成長率35.25%に対しSGRは28.83%と、実際の成長が自己資金による持続可能成長ラインを上回る状況が続いています。一般に、実際成長率がSGRを上回る状態は、外部資金(借入や増資)の活用や資産の効率化を必要とします。ただし、2024年期に比べて2025年期の両指数の乖離(ギャップ)は縮小傾向にあり、利益成長が事業拡大のスピードに追いつきつつある、均衡成長に近い状態へと移行していると評価できます。

投資家へのポイント

投資判断における注目点は、同社が「高い資本効率(ROE 39.32%)」と「積極的な成長投資」、そして「株主還元(配当性向 26.7%)」の三要素をいかに高次元でバランスさせるかという点です。SGRを上回るペースでの成長は、市場シェア拡大局面ではポジティブに捉えられますが、一方で財務面への負荷(キャッシュフローの状況)を注視する必要があります。今後、高いROEを維持しながら実際成長率がSGRの範囲内に収束してくれば、外部資金に頼らない自律的な高成長フェーズに入ったと判断する材料になります。現在の成長スピードが財務健全性に与える影響と、収益性が今後もSGRを押し上げ続けるかどうかが、長期的な持続可能性を見極める鍵となります。

⚠️ 注意: 配当データが取得できない年度は内部留保率70%(配当性向30%)を仮定しています。 実際の配当政策と異なる場合があります。

インタレストカバレッジレシオ推移

インタレストカバレッジレシオ推移

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息。営業利益で利息の何倍を賄えるかを示す、借入金利負担の安全性指標です。

直近ICR
∞(利息負担なし)
>10: 極めて安全 / 3-10: 安全 / 1-3: 要注意 / <1: 危険
安全性評価
極めて安全
年度 営業利益(百万円) 推定支払利息(百万円) ICR(倍) 有利子負債(百万円) 有利子負債比率(%) 推定借入金利(%)
17年 8月期 個別 *11ヶ月 0 - - 0.0 -
18年 8月期 個別 0 146 0.0 - 0.0 -
19年 8月期 個別 0 - - 0.0 -
20年 8月期 個別 0 - 345 29.6 -
21年 8月期 個別 0 47 0.0 288 27.9 16.32
22年 8月期 個別 326 5 65.2 249 16.5 2.01
23年 8月期 個別 460 10 46.0 166 6.3 6.02
24年 8月期 個別 750 10 75.0 152 3.9 6.58
25年 8月期 個別 1,203 - 250 5.6 -
インタレストカバレッジレシオと有利子負債比率の推移0.020.040.060.080.01719212325ICR(倍)有利子負債比率(%)

利払い安全性の評価

株式会社プログリットのインタレストカバレッジレシオ(ICR)を分析すると、財務の安全性は「極めて安全」な水準にあります。2021年8月期までは利益面で不安定な時期が見られましたが、2022年8月期にICRが65.2倍と急上昇して以降、極めて高い水準を維持しています。特に2024年8月期のICRは75.0倍に達しており、一般的に安全とされる基準値(10倍)を大幅に上回っています。営業利益が326百万円(2022年)から1,203百万円(2025年予想)へと力強く拡大する一方で、推定支払利息は10百万円程度に抑えられており、本業の稼ぎで利息を賄う能力は盤石と言えます。

有利子負債の状況

有利子負債の管理状況についても、極めて規律ある推移を見せています。2020年8月期には29.6%であった有利子負債比率は、年を追うごとに低下し、2024年8月期には3.9%まで減少しました。有利子負債残高そのものも、2020年の345百万円から2024年には152百万円へと半減しており、キャッシュフローによる負債の圧縮が進んでいることが伺えます。2025年8月期には有利子負債が250百万円へ微増する計画ですが、それでも有利子負債比率は5.6%と低水準に留まり、推定支払利息が営業利益に対して極めて軽微であることから、負債による財務リスクは最小限に抑えられていると評価できます。

投資家へのポイント

財務安全性の観点からは、同社はデフォルト(債務不履行)のリスクが極めて低い「キャッシュリッチ」な成長企業と言えます。高いICRは、金利上昇局面においても業績への影響が軽微であることを示唆しており、安定した経営基盤を維持しています。今後の注目点としては、蓄積された内部留保や低い負債比率を活かした「攻めの投資(広告宣伝、新規事業、M&A等)」が、さらなる利益成長にどう結びつくかという点になります。強固な財務健全性を背景とした成長余力をどう評価するか、現在の株価水準と照らし合わせた判断が求められます。

⚠️ 注意: 支払利息は「営業利益−経常利益」から推定しています。 営業外収益が大きい企業では過小評価になる可能性があります。正確な支払利息は有価証券報告書の注記をご確認ください。

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